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第8話 推しに耳かきしてもらう事になりました。

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「ふああ~。幸せ......」

「それは良かったです」

 バイルセン国を離れて、既に数日経った。竜車の速度は異常に早く、魔術回廊と呼ばれる不思議な道を通って移動。本来なら三か月はかかる距離らしいのだが、ほんの数時間で私達はボードギアスに到着した。

 まさに国賓といった最上級の扱いを受け、私は存分にリッチでVIPな生活を送っていた。

 そんなある朝の事。私は今、聖剣騎士エクスカリバーのお膝で膝枕をしてもらっている。

 ボードギアスの王都、ラハキュールカ。その王城の一室を与えられた私。エクスカリバーには部屋はなく、私と同室だ。

 一つの部屋に一組の男女。とくればやる事は一つ!

 いや、一つじゃない! いっぱいあるよ私の妄想! てな訳で、まずは昔から憧れていた膝枕耳かきをお願いしてみたのだ。

「さて、では初めますよアルフィエット様」

「はい! お手柔らかにお願いします!」

 エクスカリバーの繊細な指が、私の髪を撫でる。そしてもう片方の手は、耳かき棒を私の耳へと挿入する。

「いきます」

「ふあああっ!」

 き、気持ちいいーっ! 自分でするのと、全然違う......!

「このへんとか、どうですか?」

「ひゃっ、しゅごく、気持ち、いいれす......!」

 カリカリと優しく私の中を引っ掻くエクスカリバー。たまらない、この多幸感......!

「さぁ、いいですよ。次は反対の耳を」

「ふぁい......」

 私はくるりと向きを変え、顔をエクスカリバーのお腹の方へ向ける。見上げると、天使のような笑顔......!

 し、死ぬ......! またしても尊死......!

「さぁ、いきますよ」

「お願いしまふ......」

 カリカリカリカリ。ああ......一生このままでもいい。私の耳垢、無限に湧き出て来い......。そしてエクスカリバー様に取って頂くのよ......。
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