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第2話 幕を開けた

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田園を眺めながら 干し柿を食べる 
この自然の甘味が堪らなく愛おしい

「半蔵!」「…?あれ?」

もこ もこもこ…柿の木の根元が…盛り上がって…

「お呼びでしょうか」「怖いよ」

最近見掛けないと思ってはいたが 
まさか蝉の幼虫になって居たのか…最早もはや 魔物だよ

「他の大陸から連れてきた人達の様子はどう?」

「は 皆 訓練所にてマロン教国の生活について勉強中です 次期に各街に移り住むかと」

「移住の前に各街を案内して 希望は尊重してあげて」「はっ!」

そうなのだ他の大陸で迫害を受けてる人がいたら救い出す様 
御庭番に指示しているのだ

「ドラードの様子は?」

「鉄を集めて武器にしてる様ですが 技術が足りなく武器とはほど呼べない様な物ばかりです」

「そう」ドラードは今は軍国 戦い奪う事しか脳に無い国なのだ
貨幣では何も買えず他所の国との貿易もままならないはず

「動きがある様なら知らせて」「承知」

「下がっていいわ」「はっ!」

…土に戻るのかよ!

夕暮れの縁側は静かだ…もこもこもこもこもこ!

「だぁー!」お前もか 小夏!

わたしはすっかり忘れていた 空間収納の中に
以前デクが採ってきた 栗モドキが大量にある事を 
「ふふ」マロン教国なのだからやっぱり栗だよね 
今日は小春に頼んで栗ご飯にして貰おう 
考えただけで顔がにやける「ニャー」
「猫も栗ご飯食べたいの?」「ニャー」
此の縁側がわたしの癒しだ 栗ご飯の前に
新作デザートだ 何故忘れてたかな
わたしは新作デザートのマロンケーキを姉妹で食べながら 
以前から考えていた事をみんなに話した

「みんなマロン教国は平和よね」

「平和じゃな」「ニャ!」

「平和だけでは此の人類は衰退して行くんじゃないかと…」

「あらあら」「平和が一番」「そうなのだけど」

「仮にわたし達が居なくなり 幹部達が居なくなり 次の世代になった時 自分達で未来を切り開けるのかと」

「どうしたいのじゃ?」

「前にダンジョンがあるって言っていたよね」

「あるがただの穴だぞ 魔球とは繋がって居るが チカラの大きな魔物は通れん様に狭めてあるからのう」

そうなのだエントールの王族近衛師団が管理していたダンジョン
実は中には入らずダンジョン近辺から取れる魔石を集めて居たのだ 
後にわかった事なのだけどこの魔石 
鉱石が魔素にさらされ出来た物だった

「柵の外にダンジョンを作らないかなーと」

「穴を作ってどうする」

「違う違う穴じゃなくってダンジョンだよ 漫画に出てくる様な」

…みんなの顔つきが変わった

「其方もなかなか悪じゃのう」

「お代官様程ではありませぬ へへ」

「あらあら」「ニャー」「魔物役も良いかも…」

って小夏両手にケーキを持つな!

こうして4姉妹と1匹のダンジョン計画が幕を開けた
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