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19. 白蛇様
しおりを挟む「もど…った?」
その人は自分の手を見てそう呟いた。そしてその手を握ったり広げたりと忙しそうに動かしている。
「お…まえ…」
お兄さんのその呟きと父ちゃんの視線が二人の知り合いだと知るには十分だった。すると、ハッとしたように僕をかばうように前にいたお兄さんを見上げた。
「ギル…バード…」
「やっぱり…お前、ニコル…だな?」
空色と曇り空の視線がぶつかると、すぐさま逃げ出そうと立ち上がろうとするニコルさんをユリウス兄ちゃんがその腕を背中に捻り上げ、再び膝をつかせる。はえー…兄ちゃんすごーい!元近衛兵に選ばれるくらいなんだからこれくらいは当然できるんだろうけど…。ユリウス兄ちゃんの本気すごい。
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「いででで! 折れる! 腕が折れる!」
「安心しろ。折れない程度に力加減しているから」
バジル兄ちゃんに叩かれたおかげか、再びキリッとしたユリウス兄ちゃん。カッコイイ…。
「なぜ…お前…」
「ギル坊。落ち着け」
お兄さんが動揺してるのはなぜなんだろう? 友達…とか? 今からでも詰問が始まりそうなお兄さんを父ちゃんが鎮める。僕もお兄さんの服を引っ張ると、ハッとしたように僕を見て「すまない」と謝られた。それにふるふると首を左右に振って「いいんだよ」と告げる。どうしたの?
「…ギルバードか。この姿じゃあ5年ぶりか?」
「なぜだ。なぜお前が白蛇に…」
「ったく、面倒な呪い掛けやがって」
そう言って忌々し気に僕を見るニコルさんに僕はびくりと肩を震わせる。するとユリウス兄ちゃんが捻り上げた腕に力を込めたのか「いっだだだだ!」とニコルさんが声を上げる。
「ライを怖がらせるな」
「うるせぇ! 大体何なんだ! あの呪いは!」
僕を睨みそう叫ぶニコルさんに苛立ったユリウス兄ちゃんが腕を折らんばかりに捻ると、バジル兄ちゃんが「やめろ!」と止めている。僕も「兄ちゃんやめて!」と止めると、ちっと舌打ちをして力を緩めた。
「ユリウスも落ち着け」
「…っ! 団長!」
父ちゃんが、膝を折っているニコルさんの横までくると同じように片足を折った。
「久しいな」
父ちゃんのその言葉に顔を背けたニコルさんは視線を忙しなく瞳を左右に動かしている。
「お前があの箱の中身を取るとはな…。あの中身はどこにやった」
「……………」
その問いに答えず口を噤むニコルさんに父ちゃんはあのカードの行き先がどこなのか分っているのか、はぁ、と溜息を吐くと真っ直ぐニコルさんを見据えた。
「ローレンス陛下に渡したな?」
「え?」
父ちゃんの言葉にも反応しないニコルさん。けれどそれは確定しているように父ちゃんが言葉を続ける。
「ギル坊の…ギルバードの父親とは少々因縁があってね。情報をもらっていた」
「なっ?!」
そのことに一番驚いたのはきっとお兄さんだろう。まさか父ちゃんと繋がっているとは思わなかったはずだ。僕もそのことまでは知らなかったから驚く。お兄さんのお父さんって今第一騎士団の団長さんだよね?
「4年前だったか。ベヒモスが出た時に調査をしたらしいが、そもそも王都の付近にそんなものが出ること自体がおかしかった。ギル坊は討伐に参加してるな?」
「あ、あぁ。あの時行方不明になったと」
「? どういうこと?」
時系列がおかしいよね?
5年前に僕がカードを作って、父ちゃんに没収された。その年にベヒモスが出て、お兄さんが討伐に参加。そしてその時ニコルさんが行方不明に。で、4年前にベヒモス調査。
うん、やっぱりなんで1年経ってから調査をしてるんだ?
「カードを取る為にあの箱を開けたら『自分が嫌いなものになる』って書いてあったけど…」
「時間は書いてなかったのか?」
「あ」
そうか。10歳の僕は『自分が嫌いなものになる』っていうざっくりとしたことしか書いてなかった。だから魔法がかかるタイミングがおかしいのか! 何やってんだよー! 僕ー!
「なるほどな。だからミッチェルは直ぐにベヒモスなんかになっちまったのか」
「ミッチェルだと?!」
父ちゃんがそう叫ぶと、ユリウス兄ちゃんもバジル兄ちゃんも息を飲んだ。
となるとミッチェルさんは元近衛の人だったのかな?
「ああそうだ。あのカードを持ってローレンスの所に行けば国外追放を取り消してもらえると思ったんだよ!」
ぎっと父ちゃんを睨みつける曇り空は今にも雨が降りそうだ。
どうして…そんなこと。
「あんたの行動がローレンス様を怒らせて…なんで俺たちまで責任を取らされなきゃいけねぇんだよ!」
「ニコル…」
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父ちゃんはただ僕を助けたかっただけだろう。それがローレンスの怒りを買い、結局は全員がその責任を取らされることになった。
ユリウス兄ちゃんもバジル兄ちゃんも何も言わないし村の人たちも何も言わない。けど、そうやって心のどこかで父ちゃんを恨んでる人は少なからずいるんだろう。それがネズミさんになっていてもおかしくはない。
「ニコル。あんたは第二騎士団にいたな」
「…………」
お兄さんの言葉に視線を逸らすことで返事をしたニコルさん。僕はただ黙って成り行きを見守ることしかできない。
「ベヒモス戦の時、行方不明になったのは…白蛇になったからか?」
「…そうだよ。あのベヒモスがミッチェルだということはすぐにわかった。なんせカードを王都へと運んでるときに急にベヒモスなんかになっちまったからな」
「…王都へ…家に帰りたかったのか…」
ミッチェルさんがどのタイミングでベヒモスになったかは分らない。けど、こんな隣の国との間にあるような小さな閉鎖的な村にいるのは耐えられなかったのだろう。しかも原因は連帯責任と言っていい理不尽なもの。
ニコルさんやミッチェルさんが父ちゃんを恨んでいても仕方ない。僕だってローレンスに理不尽に父ちゃんや母ちゃんを奪われたんだからその恨みは分らないでもない。
「ニコル。お前はなぜここに戻ってきた」
「―こいつ…ライルなら元に戻せるんじゃないかと思った。スモールの魔法をかけられた時、ギルバードの魔力が混ざった状態でかけられてそれが俺の魔力で魔法が解けたから…」
「だからライルの魔力が薄まった状態なら魔法が解ける、と」
「…ああ」
でも実際は魔力を使わない魔法だったから解けなった、と。
でもさ、よくよく考えてみるとニコルさんの前でずっと僕らはいちゃこら、あんなことやこんなことをしてたわけでしょ?
恥ずかしすぎない?
それに気付いた僕がばっと顔を両手で覆うと「ライ?!」とお兄さん、父ちゃん、兄ちゃんずの声が重なった。
うわー! うわー! 恥ずかしい!
「どうした?! 気分が悪いのか?!」
お兄さんが僕の肩を掴んで「大丈夫か?!」って心配してくれる。うううう…お兄さんの優しさが辛い。
「どうせ恥ずかしがってるだけだろ」
「あああああああ!」
ケッと唾を吐きそうな勢いでそう言うニコルさんに僕はついにしゃがみ込む。恥ずかしいよー!
「ああ…まぁ、そう、だな」
今までのことを思い出したのか、お兄さんも苦笑いをする。なんでそんな平気な顔してるの?!
「少し落ち着こうか、ライ」
「あううううううう…」
ぽんぽんと慰めるように頭を撫でてくれるお兄さんに抱き付いて胸に顔を押し当てると、今度はいいこいいこと撫でてくれた。
「ああ、なるほど。だからギル坊に付いて回ってたのか」
ふむ、と納得したような父ちゃんの声に、兄ちゃんずが反応した。
「ライの作ったオヤシロに一向に入らず、ずっと一緒でしたからね」
「じゃあ、あの卵は?」
ユリウス兄ちゃんの『卵』発言にニコルさんがびくりと身体を震わせる。そして顔色を青くすると「卵…」と呟いた。
大丈夫? 吐きそう? 洗面器用意した方がいい?
お兄さんに甘やかされながらそんなことを思っていると「卵…卵…」とぶつぶつ呟いてる。本当どうちゃったの?
「あの卵はニコル、お前が盗んできたのか?」
「違う!」
お兄さんの言葉に反応したニコルさんが、ハッとすると「な、何でもない」と視線をそらした。ええー…。こればっかりははっきりさせないとまずいんだけど…。
「じゃあ?」
「死んでる?」
「それはないよ。僕が治癒魔法で治したから」
「そう言えばそうだったな。所で今あの卵はどうなってるんだ?」
そう言えばお社に卵を入れたっきり見てないな。孵化したのかな? 後で見に行ってみよう。
するとニコルさんがびくりとまたもや身体を震わせた。どうしたのさ。本当に。
「ニコル。あの卵はなんなんだ」
「……………」
父ちゃんの質問に押し黙るニコルさん。すっごい気になるんだけど。
「ううーん…ニコルさんが産んだ卵、とか?」
「んな?!」
「へ?」
僕の言葉にニコルさんが勢いよく顔を上げた。可能性が一番低いことを何となく言ってみたんだけど…。うそ。産んだの?!
「まさか…」
「ち、違う! 産んではいない!」
「違うの?」
「……………」
どっちなんだろう。すっごい気になる。けど無理矢理聞き出すことはしないよ。デリケートな問題だし。
「で、どうしよう?」
「このまま解放してもいいが…どうしますか?団長」
「…ローレンスとまだ繋がっている可能性はゼロじゃないからな」
「あんたたちの好きにすればいい」
ふん、と鼻で笑いながらそう言うニコルさん。そこで僕がそっと手を上げた。
「ライル?」
「えっと…このまま解放してあげてもいいと思うんだ」
「理由は?」
「だってニコルさん、ベヒモスと戦ってくれたし…。あれがミッチェルさんだったのなら…」
そこまで僕が言うとお兄さんが「ニコル」と声をかけた。
「あれはミッチェルだったのか?」
「ベヒモスが二体いない限りは」
「そうか」
そう言って瞳を伏せるお兄さん。そう言えば王都付近でベヒモスと戦った時は負傷者が出たんだっけ? それに白蛇様と戦ってたあの人も…。
「ねぇ、ニコルさん」
「…なんだ」
あ、よかった。お話ししてくれるんだ。
「あの…白蛇様の時、意識はあったんですか?」
「……………」
僕の質問にニコルさんは黙ってしまった。あれ? でもさっき僕が悶えてたとき「恥ずかしいからだろう」って言ってなかったっけ?
「ニコルさん?」
「…意識がはっきりしたのは一ヶ月前くらいからだ」
「え? それって…」
「ああ。そうだよ。半年くらいは確かに俺として意識はあった。だけどな、それからは殆ど魔物としての意識しかない」
「じゃあミッチェルさんは…」
あの時のミッチェルさんは完全な魔物だったのか…。じゃあニコルさんが戦ってくれたのは…。
「自分のケツくらい自分で拭かなきゃな」
騎士として。そして、仲間として。だろうか。
「ありがとうございます」
「なんでお前が礼を言うんだ」
「だって、あんなに傷だらけになってまで戦ってくれたから」
「…あの時の意識は殆どない」
つん、とそっぽを向いたニコルさんに僕はもう一度「ありがとうございます」と礼を告げると、父ちゃんがユリウス兄ちゃんを見た。兄ちゃんも頷くと捻り上げていた手を離す。
「ってててて。力バカはこれだから…」
そう言いながら捻りあげられた手を擦るニコルさん。
そして父ちゃんが立ち上がるとじっとニコルさんを見た。
「お前は相応の罰を受けた。村にいてもいい。好きな所に行ってもいい」
「罰、ねぇ? あんたの罰はどうなったんだろうな?」
「…………」
「まぁいいや。じゃあな」
そう言って手を上げて背中を向けたニコルさんにお兄さんが「待て!」と声をかけた。
「あ? なんだよ。引き留めたって無駄だぜ?」
「ニコル」
「あ? だからなんだよ」
凄みを利かせてお兄さんを見るけど、僕はニコルさんからさっと視線を逸らす。
「服、着た方がいい」
「は?」
そう、今まではしゃがんでたから見えそうなものは隠れてたけど立ち上がったら隠すものがない。
ちなみにローズさんとブリジットさんは早々に母ちゃんが食堂に移動させお茶会をしている。
全裸のニコルさんに、僕はそっと魔法をかけて服を着せた。
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