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聖女編
初めての
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※前半レイジス視点、後半、ソル視点になります。
「んー…ッ!」
ちゅちゅと触れ合うだけのキスをしながら、フリードリヒの髪を撫でる。ふわふわさらさらの銀の髪。けど毛先とかにちょっとだけ黒いメッシュが入っててカッコいい。
「むひゃあ!」
「ちょっとくすぐったいかもしれないけど、我慢ね?」
ぱさりとネズミさんのお耳フードを外され、もぞりと首筋にフリードリヒの顔が潜り込む。そして、ちゅうちゅうと首筋にキスをされる。それがくすぐったくて、にゃふりと笑えば大きな手が僕の身体をまさぐり始める。
「にゃふ!」
「ん、びっくりしちゃった?」
「すこし」
ネグリジェの上から身体のラインを確かめるように動いてた手が、足までたどり着くと裾から中へと侵入してきた。内ももを撫でられてつい声を上げれば、首筋に埋められてた顔が持ち上がって、ちゅちゅと顔にキスをされる。
ふわわ。
恥ずかしいんだけど、気持ちもいい。キスはよくされるからかもしれない。
けど。
「あ…っ」
びくっと腰が震えたのは、内ももを撫でていたフリードリヒの手がするりとかぼちゃパンツの中に入ってきたからで。
ついでにいえば、寒いとき…先月くらいまではドロワーズを穿いてた。暑くなってきた今月からはかぼちゃパンツを穿いてるんだ。なんだかもうパンツの上にもう一枚穿いてないと気持ち悪くなっちゃってる。
それにネグリジェもちょっとだけ薄い生地になってて夏仕様。だけどフードはあるし、ちゃんとお耳もある。冬のネグリジェと何ら変わらない。けど。
「ふにゃ」
「ああ、痛かった?」
フリードリヒの手がきゅうと、僕のものを掴んでびっくり。そんな僕の首筋をちゅちゅっとあやすようにキスしてくれる。ふむ。気持ちいいー。それに、僕のものを握っている手がゆっくりと動きだしてぴくんって足が跳ねちゃうのが恥ずかしい。
「ぁ…ッは、あ…!」
きゅっきゅってやんわりと力を入れて動かされると、それだけで足の指がきゅうって丸まっちゃう。だって自分でするってことはほとんどなかったし…。それにそういう気分よりも先にご飯と睡眠の方が強くてちょびっとだけ、そう、ちょびっとだけ侍女さんに心配されたことがある。
その時はオブラートに何重にも言葉を包まれてたから良く分からなかったけど。
「フリードリヒ…殿下ぁ…」
「殿下はいらないよ。レイジス」
「ふにゃあ…」
ふっふっと呼吸を浅く、短く繰り返しながらきゅうと、フリードリヒの寝間着を掴めばにこりと微笑まれた。けれどその頬は上気し、ほんのりと色づいている。それが色っぽくて、胸がきゅううぅと締め付けられるのと同時にぽぽぽと僕の頬も熱を帯びる。
「可愛いね。レイジス」
「ん…、ふぅ…」
ちゅ、ちゅと啄むようなキスの間に、ぺろりと唇を舐められる。それに「ひゃわ!」と口を開けば、隙間から肉厚なものが入り込むと、さっきと同じように口腔内を舐めまわされる。
「んっ、んぅ…ッ! んむぅ…」
「気持ちいい?」
「きもちい…」
はふ、と呼吸を整えるために口を離してくれたフリードリヒにそう言えば「可愛い」とまたしてもキスをされてしまう。フリードリヒとのキス、気持ちいいから好き。
「でもね?」
「ひゃわぁ?!」
キスに夢中で忘れかけてたけど、そういえばフリードリヒに僕のを握られたままだった…! ひゃわわ!と焦りだした僕の額にちゅっとキスをされて、目を閉じればちゅちゅっと顔中に唇が降ってくる。わわわ!
それだけでますます元気になった僕のものをちゅこちゅこと手を動かされて、恥ずかしさと気持ちよさで訳が分からなくなってくる。
「んにゃぁ…フリー…ドリヒぃ…」
「いいよ。そのまま出して?」
「ぁうぅ…ぅ…」
耳元でそう言われると同時に、動かされる手の動きが早くなる。きっと顔が真っ赤になってる。それがなんだか恥ずかしくてフリードリヒの胸に顔を埋め、ぎゅうと抱きしめれば「ふっ」と小さく笑われた気がする。
けど。
「ああ…あぅぅ~…ッ!」
先端を指で触られたら、だめだった。腰をびくびくと震わせてフリードリヒの手を汚す。あうぅぅ…。
「上手にイけたね」
「はぅ…はうぅ…」
よくできました、と褒められるようにちゅちゅと頭にキスをたくさん落とされる。
初めて…じゃないけどいつもはお風呂でされるからそのまま綺麗にしてるけどさ、今は初めて水がないところで出しちゃった。それが余計に恥ずかしくて、ぐりぐりと頭を胸に押し付ければ「恥ずかしかった?」って聞かれてこくこくと頷く。すると頭にキスをされたかと思えば、するりとパンツとかぼちゃパンツを引き抜かれる感触。
あばば! 器用ですね!
じゃなくて! しょわわと光魔法を使ってフリードリヒの手を綺麗にしようとして魔法をかければ「ありがとう」と抱きしめられた。はわわ!
でも嫌じゃない。ドキドキしてる。
それに、触られたところが熱くてなんかお腹もきゅんきゅんしてる。なんだろう…? これ。
はぅと息を吐いてお腹を擦れば「お腹痛い?」って聞いてくれる。
「お腹…きゅううぅってしてるんです」
「お腹が?」
「はい」
「カイジュウさんが鳴きそう、とかじゃなくて?」
うーん…お腹はすいてない、と思うんですよ。なんていうか、こう…。
「気持ちが満たされてない?」
「気持ちが?」
「なんて言ったらいいか分かんないんですけど…」
こういう時、言葉にできないのがもどかしい。しかも自分の身体のことなのにさっぱり分かんないし。
「お腹と気持ち」
フリードリヒも困惑しながら、お腹を撫でてくれる。はわー…。気持ちいいー…。
でも。
「んぅぅぅ~…」
「やっぱりお腹痛い?」
「ますますお腹がきゅううぅってします…」
「ううーん…なんだろうね?」
良く分からない僕の身体。でもフリードリヒに触られるのは好き。気持ちいい。
「あ」
「どうしたんだい?」
「もしかしたらお手伝いしたら治るかもです!」
「うん?」
そうだよ! フリードリヒのお手伝いしてないからお腹がきゅううぅってするんだよ!
ふんす!とやる気を見せれば、どこか困惑しているフリードリヒ。およよ?
「私としてはレイジスを気持ちよくさせる方が好きなんだけどね」
「うにゅう?!」
ふふっと笑って僕の乳首を摘まむフリードリヒ。おわわ! やめてー! 指でこねくり回さないでー! そんな風に触られたら…!
「ぁんぅ…!」
「レイジス可愛い」
「やぁ…っ!」
ひええええん! 声が出ちゃうし身体がびくびくしちゃうー!
「あっ、あ…っ!」
「レイジスもオトコノコだもんね」
「ひゃうぅぅっ!」
あっ、あっ! ダメですダメですー! 今、そこを触られたらー!
「やらぁ…! 僕だけ…やらぁ…!」
ぶんぶんと首を左右に振って「やだやだ!」と駄々をこねる。そんな僕の頭にキスをしてくれるフリードリヒだけど、急所を掴む手と乳首を摘まんでいる手は離れない。なんで?!
「大丈夫だよ。気持ちよくなるだけだから」
「ちが…ぁ! やっぱり僕もフリードリヒのお手伝いしたい…ッ!」
思いの外大きな声を出しちゃって、はわわ!って思ったら、パンジー色の瞳が大きく見開いてた。あわわ! やっぱり声、おっきかった?!
「あ、ああ。ごめんね? びっくりしただけだから」
「びっくり?」
「今日はお肉チェックじゃないから」
「?」
うん? お肉チェックのときも似たようなことしてますよね? その時は、おしりと胸をもにもに揉まれる感じだけど。でも時々こうやって乳首をいじられたり僕のを握られたりしてる。
だから僕もフリードリヒのものを手でお手伝いしてるんだけど…。おん?
「でも…」
「無理はしなくて大丈夫だよ?」
「無理してないです。僕がしたいんです」
その言葉に、フリードリヒの親指の腹が先端をなぞった。その刺激に耐え切れず「ひにゃあぁ!」と二回目の精を吐き出す。
はえええぇぇ…。
「―――ッ?! すまない、レイジス!」
「ふわわ…だいじょぶですー…」
ちょっと目の前にお星さまが飛んでますけど大丈夫ですよー。ふにゃっと笑って銀の髪を撫でればちゅう、と唇をふさがれた。ほわわ。
ちゅっ、ちゅと啄むようにキスをされてとろとろになっちゃった僕の身体。ほにゃにゃーってしてるけど、僕はお手伝いをあきらめてないぞー!
それでにしてもまだお腹がきゅうううぅぅってしてる。本当になんだろう、これ。それに、おしりがちょっと変な感じ。これもなんだろう?
それにしても…。フリードリヒも苦しそうなんだよね。おしりに硬いのが当たってる。
「ん、フリードリヒの…」
「ッ!」
なんか勝手に腰が動いちゃうんだけど、引かないかな?
「やっぱりお手伝いしたいです」
「…それは」
「ダメ…ですか?」
首を傾げてそう言えば、うぐ、とフリードリヒが唸った。
ぐっと奥歯を噛み締め、何か耐えてるようにも見える。ふー、ふーと息を荒くしているフリードリヒはいつものほわほわとしてる印象とは全く違くて。
ギラギラと僕を見るパンジー色にぞくぞくするのと同時に、お腹の奥がきゅうぅってする。
「んぁ…フリードリヒの欲しい」
「レイジス…」
「これ、お腹に欲しい…」
うん? 僕は何言ってるんだ?
思わず口から出た言葉に、首を傾げる。おん? でもお腹は相変わらず寂しい感じがして。
「ね? ダメ…ですか?」
「レイジス…!」
「んむぅ!」
唇を塞がれる、噛みつかれるキスをされて腰を持ち上げられた。ほわー!
膝が潜り込んできてそこに乗せられると、期待したお腹がさらにきゅんきゅんとする。だからこれなんだろう。
でもフリードリヒとのキスは好き。腕を首に絡めてもっともとと口を開いて強請れば、舌がねじ込まれた。ちょっと息苦しいけど幸せ。
何度か角度を変え、舌を絡ませてキスを繰り返したあと呼吸を整えるために唇が離れた。鼻息だけじゃ酸素が足りなくて、ふーふーと僕も呼吸を荒くしてくったりとすれば足を持ち上げられた。ほえ?
「レイジス。足に力を入れて閉じてて?」
「あい」
フリードリヒが何をしたいのか分かったから、言われた通り太ももにきゅっと力を入れる。
お肉チェックをした後のお手伝いでたまにするんだよね。素股。これをすると僕のもフリードリヒのでゴリゴリ擦られるからすぐに気持ちよくなっちゃうんだよね。
でも、熱を感じられるのすごく好き。
そんなことを考えていたら、にゅるりと太ももの間から熱い塊をはさまれた。はわ…やっぱり熱い…。
「もう少し、お肉をつけようか」
「ふぁい…」
これでもだいぶお肉がついたと思うんだよね。僕が戻ったころの身体に比べれば、だいぶむっちりしてると思うんだけど…。それでもまだダメなのかぁー…。フリードリヒは意外とむちむちぼでぃが好きなのかな?
「全体的にもうちょっとむちむちした方が私は好きだな」
「ん…もうちょっと頑張ってお肉をつけま…!」
す、という言葉は「はぅっ!」という言葉に塗りつぶされた。だって急に動くから…。
萎びちゃった僕のものを「頑張れ、頑張れ」って応援してくれるようにフリードリヒのものが擦り上げる。あううぅ…! 頑張るー!
すると、きゅっとまた乳首を摘ままれて先端を指の腹で優しくなでられれば、腰からぞくぞくとしたものが背中を駆け抜ける。はうぅ…。
「可愛い、レイジス」
「あ…ぁ…んんっ! ぅ…! あ…あ…ン! ァ…ア…ッ!」
はっはっ、と息が上がるたびに熱い塊が、太ももの隙間を出入りする。そのたびにぬちゃ、にちゃという音がしてとっても恥ずかしい。
「フリー…ドリヒ…ッ!」
「ああ、可愛いレイジス。私の、レイジス」
キスしてほしくて口を開けば、すぐに唇を塞がれる。がぶがぶと噛まれながらの荒々しいキスはとっても気持ちよくて。
でも、そのたびにお腹がきゅうきゅうと何かを求めている。それが何なのかなんとなくわかってきたのに。でも、それが欲しいって言ったらフリードリヒは引かないかな?
「レイジス?」
「んッ…んぅ、フリードリヒィ…!」
はうはうと空気を求めるお魚さんのようにはくはくと口を動かす。そのたびに「早く欲しい。早く入れて」と身体が強請る。
ああ…もーう! ダメだってば! それだけはダメなんだって!と身体に言ったところで素直に聞くような奴じゃないのは僕が一番よく知っている。なんせ怪獣すら手なずけられないんだから。
ふっふっと呼吸を浅くしていると「レイジス? 暑い?」って聞いてくれる。その意味が分からずにいると「ネグリジェ脱いじゃおうか」と頭を撫でられた。
あ、そっか。まだネグリジェ着たままだった。それにこくんと頷けば、バンザイをして待つ。いつも侍女さんが脱がしてくれるからその通りにしたんだけど、ここ侍女さんはいない。
「あ、ごめんなさい」
「いいよ。そのまま、ね?」
ふふっと笑われて、恥ずかしくなる。それからずぽっとネグリジェを脱がせてもらうと、途端にひんやりとした空気が肌にあたる。
あ、この部屋も簡易クーラー作ったことをすっかりと忘れてた。
だって。
「熱い…」
「大丈夫かい? お熱でも出た?」
はふ、と息を吐きながらそう言えば、フリードリヒがとたんに慌てだす。今はだいぶ良くなったけど、無理をするとすぐにお熱が出ちゃうんだった。
でもさ。
「お熱はないですよ」
「そう? なら、いいけど」
「でも…」
「うん?」
そこで一度言葉を切って、フリードリヒの腕をつかむ。それに首を傾げていたけど素直に力を抜いてくれた。
そしてそのままその手をひたりと下腹部へと降ろすと、フリードリヒの喉が上下に動いた。
「ここにね、もっと熱いの欲しいの」
はしたないと思われてもいい。もう身体が疼いてしょうがないんだもん。
さす、と撫でるように手が動くと、きゅんとお腹が切なく疼く。
「でも…」
「いいです。僕も最後までしたいから」
フリードリヒから「もう少しお肉と体力が付いたら『最後』までしようね?」って言われたけど、無理みたい。
ぐっと何かを飲み込むフリードリヒを見て「やっぱり嫌かな?」なんて思ったら、ぎゅうと抱きしめられた。ほわ。
「本当にいいの?」
「は…い。お腹がきゅんきゅんしてる理由もなんとなく…わかっちゃいましたから」
僕もフリードリヒを抱きしめ返しながらそう言えば「そっか」とだけ言われる。おわ。フリードリヒのすっごいびくびくしてる。
ネグリジェを脱がせてもらった時に太ももから抜けちゃったけど、それは相変わらず太ももにあたってるんだよね。
「ダメ…ですか?」
それの元気がなくならないうちにと聞いてみれば、がばりと足を広げられた。おわっ!
そしてお腹を撫でてた手がするりとおしりへと伸びると、お肉を割って指がそこを押した。ひゃわわ! 恥ずかしい!
「レイジス。最後までするってことは、ここから入れるんだよ?」
「ん、そう…ですね?」
「…大丈夫かい?」
「怖い…ですけどそれ以上に早く入れてほしいなって」
へにょっと笑いながらそう言えば、すりすりとそこを撫でてた指の腹が押し込まれた。
「ほにゃあ!」
「…レイジス。ここを使うのは初めて、だよね?」
「入れるのは初めてですよ?」
本来の使い方ではないのならそうなんだけど…。なんでだろう。フリードリヒの眉が寄ってる。え? あれれ? もしかして僕初めてじゃないって思われてる?!
「ははは初めてですよ?!」
「うん、初めてじゃなかったらどうしようかと思ったよ」
「ひえ」
にっこりと笑うフリードリヒだけどその笑みが怖い。さっきまで元気だった僕もしなっとしてる。
「だがこれは…」
「僕の身体、何かおかしいんですか?」
え? まさか病気持ち?!
「ああ…いや。私も初めてだからそう、なのか?」
「うん?」
フリードリヒの困惑の原因は良く分からない。僕の身体のことだけど分からないことだらけ。
「レイジス。光魔法でお腹を綺麗にできる?」
「あ、はい」
男同士だから準備がいるんだっけ? そう思いながら両手をお腹に乗せて光魔法を使う。おわ。なんか変な感じ。
「うん、ありがとう」
「ひゃわわ」
ちゅっと頬にキスをされると、にゅぷりとそこから指が入り込む感覚。にゃわわ…!
異物が入り込む感覚に気持ち悪さを感じる。「ん゙ぅー…!」と声が出ちゃったのは許してほしい。ぎゅうとシーツを掴んで声を押さえていると、唇に指が置かれた。ほへ?
「声を出して」
「んえ…」
「力んじゃうと怪我しちゃうかもしれないから」
「ね?」と言われてこくんと頷くと「いい子」と頭を撫でられる。んふー。んふんふとしてると、ずるりと指が抜ける感覚にびくりとすれば「大丈夫、大丈夫」と頭を撫でられた。
「気持ち悪い…」
「痛くはない?」
「はい…」
「そっか、それはよかった」
っていうか慣らさないと入らないと思うんだけど、なんかあっさり指が入った感じっぽい? あれれ?
「レイジス」
「はい?」
「指を増やすけど…痛かったら言ってね?」
「…はい」
フリードリヒの言葉に、ぽぽーって顔が熱くなるのが分かる。
そんな僕にちゅっちゅって顔にキスをしてくれるフリードリヒ。キスをされるたびに身体がふにゃふにゃしちゃう。そんなところを狙ってまた指が入り込むけど、さっきみたいな気持ち悪さはない。たぶんそれが入ってることを認識してるから、かな?
にゅぐっと指が増やされても、圧迫感はあるもののそれだけ。
「お腹のきゅんきゅんが少しだけ治まったような気がします…」
「そう? ならよかった」
にこりとそう笑うと、くんっと指が中で曲がった。
「ふぎゅ?!」
途端、びりびりとしたものが身体を駆け抜け、くったりとしていた僕のものが「ちょっと元気出た」と上を向く。ほにゃ?! それと同時にお腹のきゅんきゅんが強くなった。ほわわ!
「ま…まって…!」
「痛い?」
「いたくはないれすけろ…! おなか…! おなかぁ…!」
「お腹痛い? 抜こうか?」
「ちが…ッ!」
きゅんきゅんが強いからちょっと待って、って言いたかったけど言えなくて。だから指が抜けちゃったら物足りなくなっちゃう…!
「やだぁ…!」
「レイジス?」
「ゆび…やだぁ…!」
ぐずぐずと悲しくて鼻を鳴らせば「ご、ごめんよ!」とフリードリヒが抱きしめてくれる。あああ! やめてー! 当たるのー! フリードリヒのが当たるのー!
そんなの押し当てられたらもう…。もう…!
「入れて…ください…ッ!」
「レイジス?」
「指じゃなくて…ッ! フリードリヒの…っ! 入れてぇ…!」
「―――ッ!」
ぎゅうと抱きつきながらそう懇願すれば、ベッドに身体を押し付けられちゃった。それにふぎゅう!って声出ちゃったけど、フリードリヒが息を荒くしながら僕を見てて。そのパンジー色がさっき見たときよりも獰猛さを色濃く湛えてて、僕はごくりと息を飲んだ。
「レイジス。あまり煽らないで」
「なん…で?」
「初めてだから優しくしたいんだ」
「いつも優しくしてくれるから、優しくしなくてもい…っ?!」
いいのにって言おうとしたけど、それは僕の小さな悲鳴に代わる。
「はにゅう!」
「はー…はー…。レイジス…!」
「あ…っ、ああ…っ!」
ずぶずぶと入ってくる熱に、声にならない声しか出てこない。けど痛みはほとんどない。不思議だね。
「ん…っ、レイジス」
「あつい…。けど…満たされたぁ…」
フリードリヒの熱を入れたらお腹のきゅんきゅんが治まった。んふふ。やっぱり。僕とは違う熱を感じるお腹を撫でれば、それが震える。ほわ!
「レイジス…。お願いだから…」
「むふふ。僕のお腹、フリードリヒのでいっぱいですね」
ふふーと笑えば「んぐ…っ!」とフリードリヒが呻く。その瞬間に、僕の奥に温かいものが吐き出されるのを感じた。ほわ…なにこれ…。
「気持ち…いい…」
「だから…!」
煽らないで、という言葉と同時に、ずるりとそれが抜かれていく感覚に「はぅぅ…!」と声が出ちゃう。
「やだやだぁ…! 抜いちゃやだぁ…!」
「レイジス…!」
いやいやと首を振ってフリードリヒに抱きついたら抜けてたそれが大きくなって、ずんって奥の奥まで入り込んできて…。
「はううぅ…!」
「ん…っ、ぅ…!」
びくんって身体が跳ねると、フリードリヒも「ぐっ」って呻く。それから荒い呼吸を整えるように抱き合ったまま動かずにいれば、火照った身体に冷たい風が心地いい。
「フリードリヒ…」
「レイジス。大丈夫?」
「ん…だいじょぶ、です」
はうはうと息を吐きながら休憩していると、汗で張り付いた髪をはがしてくれる。はわー…。
お互い汗のにおいをかげば、安心できて。
はうー…。
とくとくと早く動くそれにうとうととし始めちゃうけど、中にある熱がそれを拒む。ふにゃー…心地いい…。
くったりとフリードリヒに身体を預けていると、横髪を耳にかけられた。ほよ?
するとそっとフリードリヒの唇が寄ってきて熱っぽく囁かれた。
「もう少し休憩したら、動くからね?」
その囁きにこくりと頷くと、言葉の通り何度も揺さぶられ身体の奥にたくさん…たくさん注がれた。
■■■
「繋がった」
それを感知した瞬間、頬が緩んでしまった。
ようやく…ようやくあの二人が繋がったのだとほっと息を吐く。
「繋がったぞ。メーカネー」
そう星空に向かって呟く我に反応するものはいない代わりに、欠けていない月が我を見つめていた。
「んー…ッ!」
ちゅちゅと触れ合うだけのキスをしながら、フリードリヒの髪を撫でる。ふわふわさらさらの銀の髪。けど毛先とかにちょっとだけ黒いメッシュが入っててカッコいい。
「むひゃあ!」
「ちょっとくすぐったいかもしれないけど、我慢ね?」
ぱさりとネズミさんのお耳フードを外され、もぞりと首筋にフリードリヒの顔が潜り込む。そして、ちゅうちゅうと首筋にキスをされる。それがくすぐったくて、にゃふりと笑えば大きな手が僕の身体をまさぐり始める。
「にゃふ!」
「ん、びっくりしちゃった?」
「すこし」
ネグリジェの上から身体のラインを確かめるように動いてた手が、足までたどり着くと裾から中へと侵入してきた。内ももを撫でられてつい声を上げれば、首筋に埋められてた顔が持ち上がって、ちゅちゅと顔にキスをされる。
ふわわ。
恥ずかしいんだけど、気持ちもいい。キスはよくされるからかもしれない。
けど。
「あ…っ」
びくっと腰が震えたのは、内ももを撫でていたフリードリヒの手がするりとかぼちゃパンツの中に入ってきたからで。
ついでにいえば、寒いとき…先月くらいまではドロワーズを穿いてた。暑くなってきた今月からはかぼちゃパンツを穿いてるんだ。なんだかもうパンツの上にもう一枚穿いてないと気持ち悪くなっちゃってる。
それにネグリジェもちょっとだけ薄い生地になってて夏仕様。だけどフードはあるし、ちゃんとお耳もある。冬のネグリジェと何ら変わらない。けど。
「ふにゃ」
「ああ、痛かった?」
フリードリヒの手がきゅうと、僕のものを掴んでびっくり。そんな僕の首筋をちゅちゅっとあやすようにキスしてくれる。ふむ。気持ちいいー。それに、僕のものを握っている手がゆっくりと動きだしてぴくんって足が跳ねちゃうのが恥ずかしい。
「ぁ…ッは、あ…!」
きゅっきゅってやんわりと力を入れて動かされると、それだけで足の指がきゅうって丸まっちゃう。だって自分でするってことはほとんどなかったし…。それにそういう気分よりも先にご飯と睡眠の方が強くてちょびっとだけ、そう、ちょびっとだけ侍女さんに心配されたことがある。
その時はオブラートに何重にも言葉を包まれてたから良く分からなかったけど。
「フリードリヒ…殿下ぁ…」
「殿下はいらないよ。レイジス」
「ふにゃあ…」
ふっふっと呼吸を浅く、短く繰り返しながらきゅうと、フリードリヒの寝間着を掴めばにこりと微笑まれた。けれどその頬は上気し、ほんのりと色づいている。それが色っぽくて、胸がきゅううぅと締め付けられるのと同時にぽぽぽと僕の頬も熱を帯びる。
「可愛いね。レイジス」
「ん…、ふぅ…」
ちゅ、ちゅと啄むようなキスの間に、ぺろりと唇を舐められる。それに「ひゃわ!」と口を開けば、隙間から肉厚なものが入り込むと、さっきと同じように口腔内を舐めまわされる。
「んっ、んぅ…ッ! んむぅ…」
「気持ちいい?」
「きもちい…」
はふ、と呼吸を整えるために口を離してくれたフリードリヒにそう言えば「可愛い」とまたしてもキスをされてしまう。フリードリヒとのキス、気持ちいいから好き。
「でもね?」
「ひゃわぁ?!」
キスに夢中で忘れかけてたけど、そういえばフリードリヒに僕のを握られたままだった…! ひゃわわ!と焦りだした僕の額にちゅっとキスをされて、目を閉じればちゅちゅっと顔中に唇が降ってくる。わわわ!
それだけでますます元気になった僕のものをちゅこちゅこと手を動かされて、恥ずかしさと気持ちよさで訳が分からなくなってくる。
「んにゃぁ…フリー…ドリヒぃ…」
「いいよ。そのまま出して?」
「ぁうぅ…ぅ…」
耳元でそう言われると同時に、動かされる手の動きが早くなる。きっと顔が真っ赤になってる。それがなんだか恥ずかしくてフリードリヒの胸に顔を埋め、ぎゅうと抱きしめれば「ふっ」と小さく笑われた気がする。
けど。
「ああ…あぅぅ~…ッ!」
先端を指で触られたら、だめだった。腰をびくびくと震わせてフリードリヒの手を汚す。あうぅぅ…。
「上手にイけたね」
「はぅ…はうぅ…」
よくできました、と褒められるようにちゅちゅと頭にキスをたくさん落とされる。
初めて…じゃないけどいつもはお風呂でされるからそのまま綺麗にしてるけどさ、今は初めて水がないところで出しちゃった。それが余計に恥ずかしくて、ぐりぐりと頭を胸に押し付ければ「恥ずかしかった?」って聞かれてこくこくと頷く。すると頭にキスをされたかと思えば、するりとパンツとかぼちゃパンツを引き抜かれる感触。
あばば! 器用ですね!
じゃなくて! しょわわと光魔法を使ってフリードリヒの手を綺麗にしようとして魔法をかければ「ありがとう」と抱きしめられた。はわわ!
でも嫌じゃない。ドキドキしてる。
それに、触られたところが熱くてなんかお腹もきゅんきゅんしてる。なんだろう…? これ。
はぅと息を吐いてお腹を擦れば「お腹痛い?」って聞いてくれる。
「お腹…きゅううぅってしてるんです」
「お腹が?」
「はい」
「カイジュウさんが鳴きそう、とかじゃなくて?」
うーん…お腹はすいてない、と思うんですよ。なんていうか、こう…。
「気持ちが満たされてない?」
「気持ちが?」
「なんて言ったらいいか分かんないんですけど…」
こういう時、言葉にできないのがもどかしい。しかも自分の身体のことなのにさっぱり分かんないし。
「お腹と気持ち」
フリードリヒも困惑しながら、お腹を撫でてくれる。はわー…。気持ちいいー…。
でも。
「んぅぅぅ~…」
「やっぱりお腹痛い?」
「ますますお腹がきゅううぅってします…」
「ううーん…なんだろうね?」
良く分からない僕の身体。でもフリードリヒに触られるのは好き。気持ちいい。
「あ」
「どうしたんだい?」
「もしかしたらお手伝いしたら治るかもです!」
「うん?」
そうだよ! フリードリヒのお手伝いしてないからお腹がきゅううぅってするんだよ!
ふんす!とやる気を見せれば、どこか困惑しているフリードリヒ。およよ?
「私としてはレイジスを気持ちよくさせる方が好きなんだけどね」
「うにゅう?!」
ふふっと笑って僕の乳首を摘まむフリードリヒ。おわわ! やめてー! 指でこねくり回さないでー! そんな風に触られたら…!
「ぁんぅ…!」
「レイジス可愛い」
「やぁ…っ!」
ひええええん! 声が出ちゃうし身体がびくびくしちゃうー!
「あっ、あ…っ!」
「レイジスもオトコノコだもんね」
「ひゃうぅぅっ!」
あっ、あっ! ダメですダメですー! 今、そこを触られたらー!
「やらぁ…! 僕だけ…やらぁ…!」
ぶんぶんと首を左右に振って「やだやだ!」と駄々をこねる。そんな僕の頭にキスをしてくれるフリードリヒだけど、急所を掴む手と乳首を摘まんでいる手は離れない。なんで?!
「大丈夫だよ。気持ちよくなるだけだから」
「ちが…ぁ! やっぱり僕もフリードリヒのお手伝いしたい…ッ!」
思いの外大きな声を出しちゃって、はわわ!って思ったら、パンジー色の瞳が大きく見開いてた。あわわ! やっぱり声、おっきかった?!
「あ、ああ。ごめんね? びっくりしただけだから」
「びっくり?」
「今日はお肉チェックじゃないから」
「?」
うん? お肉チェックのときも似たようなことしてますよね? その時は、おしりと胸をもにもに揉まれる感じだけど。でも時々こうやって乳首をいじられたり僕のを握られたりしてる。
だから僕もフリードリヒのものを手でお手伝いしてるんだけど…。おん?
「でも…」
「無理はしなくて大丈夫だよ?」
「無理してないです。僕がしたいんです」
その言葉に、フリードリヒの親指の腹が先端をなぞった。その刺激に耐え切れず「ひにゃあぁ!」と二回目の精を吐き出す。
はえええぇぇ…。
「―――ッ?! すまない、レイジス!」
「ふわわ…だいじょぶですー…」
ちょっと目の前にお星さまが飛んでますけど大丈夫ですよー。ふにゃっと笑って銀の髪を撫でればちゅう、と唇をふさがれた。ほわわ。
ちゅっ、ちゅと啄むようにキスをされてとろとろになっちゃった僕の身体。ほにゃにゃーってしてるけど、僕はお手伝いをあきらめてないぞー!
それでにしてもまだお腹がきゅうううぅぅってしてる。本当になんだろう、これ。それに、おしりがちょっと変な感じ。これもなんだろう?
それにしても…。フリードリヒも苦しそうなんだよね。おしりに硬いのが当たってる。
「ん、フリードリヒの…」
「ッ!」
なんか勝手に腰が動いちゃうんだけど、引かないかな?
「やっぱりお手伝いしたいです」
「…それは」
「ダメ…ですか?」
首を傾げてそう言えば、うぐ、とフリードリヒが唸った。
ぐっと奥歯を噛み締め、何か耐えてるようにも見える。ふー、ふーと息を荒くしているフリードリヒはいつものほわほわとしてる印象とは全く違くて。
ギラギラと僕を見るパンジー色にぞくぞくするのと同時に、お腹の奥がきゅうぅってする。
「んぁ…フリードリヒの欲しい」
「レイジス…」
「これ、お腹に欲しい…」
うん? 僕は何言ってるんだ?
思わず口から出た言葉に、首を傾げる。おん? でもお腹は相変わらず寂しい感じがして。
「ね? ダメ…ですか?」
「レイジス…!」
「んむぅ!」
唇を塞がれる、噛みつかれるキスをされて腰を持ち上げられた。ほわー!
膝が潜り込んできてそこに乗せられると、期待したお腹がさらにきゅんきゅんとする。だからこれなんだろう。
でもフリードリヒとのキスは好き。腕を首に絡めてもっともとと口を開いて強請れば、舌がねじ込まれた。ちょっと息苦しいけど幸せ。
何度か角度を変え、舌を絡ませてキスを繰り返したあと呼吸を整えるために唇が離れた。鼻息だけじゃ酸素が足りなくて、ふーふーと僕も呼吸を荒くしてくったりとすれば足を持ち上げられた。ほえ?
「レイジス。足に力を入れて閉じてて?」
「あい」
フリードリヒが何をしたいのか分かったから、言われた通り太ももにきゅっと力を入れる。
お肉チェックをした後のお手伝いでたまにするんだよね。素股。これをすると僕のもフリードリヒのでゴリゴリ擦られるからすぐに気持ちよくなっちゃうんだよね。
でも、熱を感じられるのすごく好き。
そんなことを考えていたら、にゅるりと太ももの間から熱い塊をはさまれた。はわ…やっぱり熱い…。
「もう少し、お肉をつけようか」
「ふぁい…」
これでもだいぶお肉がついたと思うんだよね。僕が戻ったころの身体に比べれば、だいぶむっちりしてると思うんだけど…。それでもまだダメなのかぁー…。フリードリヒは意外とむちむちぼでぃが好きなのかな?
「全体的にもうちょっとむちむちした方が私は好きだな」
「ん…もうちょっと頑張ってお肉をつけま…!」
す、という言葉は「はぅっ!」という言葉に塗りつぶされた。だって急に動くから…。
萎びちゃった僕のものを「頑張れ、頑張れ」って応援してくれるようにフリードリヒのものが擦り上げる。あううぅ…! 頑張るー!
すると、きゅっとまた乳首を摘ままれて先端を指の腹で優しくなでられれば、腰からぞくぞくとしたものが背中を駆け抜ける。はうぅ…。
「可愛い、レイジス」
「あ…ぁ…んんっ! ぅ…! あ…あ…ン! ァ…ア…ッ!」
はっはっ、と息が上がるたびに熱い塊が、太ももの隙間を出入りする。そのたびにぬちゃ、にちゃという音がしてとっても恥ずかしい。
「フリー…ドリヒ…ッ!」
「ああ、可愛いレイジス。私の、レイジス」
キスしてほしくて口を開けば、すぐに唇を塞がれる。がぶがぶと噛まれながらの荒々しいキスはとっても気持ちよくて。
でも、そのたびにお腹がきゅうきゅうと何かを求めている。それが何なのかなんとなくわかってきたのに。でも、それが欲しいって言ったらフリードリヒは引かないかな?
「レイジス?」
「んッ…んぅ、フリードリヒィ…!」
はうはうと空気を求めるお魚さんのようにはくはくと口を動かす。そのたびに「早く欲しい。早く入れて」と身体が強請る。
ああ…もーう! ダメだってば! それだけはダメなんだって!と身体に言ったところで素直に聞くような奴じゃないのは僕が一番よく知っている。なんせ怪獣すら手なずけられないんだから。
ふっふっと呼吸を浅くしていると「レイジス? 暑い?」って聞いてくれる。その意味が分からずにいると「ネグリジェ脱いじゃおうか」と頭を撫でられた。
あ、そっか。まだネグリジェ着たままだった。それにこくんと頷けば、バンザイをして待つ。いつも侍女さんが脱がしてくれるからその通りにしたんだけど、ここ侍女さんはいない。
「あ、ごめんなさい」
「いいよ。そのまま、ね?」
ふふっと笑われて、恥ずかしくなる。それからずぽっとネグリジェを脱がせてもらうと、途端にひんやりとした空気が肌にあたる。
あ、この部屋も簡易クーラー作ったことをすっかりと忘れてた。
だって。
「熱い…」
「大丈夫かい? お熱でも出た?」
はふ、と息を吐きながらそう言えば、フリードリヒがとたんに慌てだす。今はだいぶ良くなったけど、無理をするとすぐにお熱が出ちゃうんだった。
でもさ。
「お熱はないですよ」
「そう? なら、いいけど」
「でも…」
「うん?」
そこで一度言葉を切って、フリードリヒの腕をつかむ。それに首を傾げていたけど素直に力を抜いてくれた。
そしてそのままその手をひたりと下腹部へと降ろすと、フリードリヒの喉が上下に動いた。
「ここにね、もっと熱いの欲しいの」
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さす、と撫でるように手が動くと、きゅんとお腹が切なく疼く。
「でも…」
「いいです。僕も最後までしたいから」
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「は…い。お腹がきゅんきゅんしてる理由もなんとなく…わかっちゃいましたから」
僕もフリードリヒを抱きしめ返しながらそう言えば「そっか」とだけ言われる。おわ。フリードリヒのすっごいびくびくしてる。
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「ダメ…ですか?」
それの元気がなくならないうちにと聞いてみれば、がばりと足を広げられた。おわっ!
そしてお腹を撫でてた手がするりとおしりへと伸びると、お肉を割って指がそこを押した。ひゃわわ! 恥ずかしい!
「レイジス。最後までするってことは、ここから入れるんだよ?」
「ん、そう…ですね?」
「…大丈夫かい?」
「怖い…ですけどそれ以上に早く入れてほしいなって」
へにょっと笑いながらそう言えば、すりすりとそこを撫でてた指の腹が押し込まれた。
「ほにゃあ!」
「…レイジス。ここを使うのは初めて、だよね?」
「入れるのは初めてですよ?」
本来の使い方ではないのならそうなんだけど…。なんでだろう。フリードリヒの眉が寄ってる。え? あれれ? もしかして僕初めてじゃないって思われてる?!
「ははは初めてですよ?!」
「うん、初めてじゃなかったらどうしようかと思ったよ」
「ひえ」
にっこりと笑うフリードリヒだけどその笑みが怖い。さっきまで元気だった僕もしなっとしてる。
「だがこれは…」
「僕の身体、何かおかしいんですか?」
え? まさか病気持ち?!
「ああ…いや。私も初めてだからそう、なのか?」
「うん?」
フリードリヒの困惑の原因は良く分からない。僕の身体のことだけど分からないことだらけ。
「レイジス。光魔法でお腹を綺麗にできる?」
「あ、はい」
男同士だから準備がいるんだっけ? そう思いながら両手をお腹に乗せて光魔法を使う。おわ。なんか変な感じ。
「うん、ありがとう」
「ひゃわわ」
ちゅっと頬にキスをされると、にゅぷりとそこから指が入り込む感覚。にゃわわ…!
異物が入り込む感覚に気持ち悪さを感じる。「ん゙ぅー…!」と声が出ちゃったのは許してほしい。ぎゅうとシーツを掴んで声を押さえていると、唇に指が置かれた。ほへ?
「声を出して」
「んえ…」
「力んじゃうと怪我しちゃうかもしれないから」
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「気持ち悪い…」
「痛くはない?」
「はい…」
「そっか、それはよかった」
っていうか慣らさないと入らないと思うんだけど、なんかあっさり指が入った感じっぽい? あれれ?
「レイジス」
「はい?」
「指を増やすけど…痛かったら言ってね?」
「…はい」
フリードリヒの言葉に、ぽぽーって顔が熱くなるのが分かる。
そんな僕にちゅっちゅって顔にキスをしてくれるフリードリヒ。キスをされるたびに身体がふにゃふにゃしちゃう。そんなところを狙ってまた指が入り込むけど、さっきみたいな気持ち悪さはない。たぶんそれが入ってることを認識してるから、かな?
にゅぐっと指が増やされても、圧迫感はあるもののそれだけ。
「お腹のきゅんきゅんが少しだけ治まったような気がします…」
「そう? ならよかった」
にこりとそう笑うと、くんっと指が中で曲がった。
「ふぎゅ?!」
途端、びりびりとしたものが身体を駆け抜け、くったりとしていた僕のものが「ちょっと元気出た」と上を向く。ほにゃ?! それと同時にお腹のきゅんきゅんが強くなった。ほわわ!
「ま…まって…!」
「痛い?」
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「お腹痛い? 抜こうか?」
「ちが…ッ!」
きゅんきゅんが強いからちょっと待って、って言いたかったけど言えなくて。だから指が抜けちゃったら物足りなくなっちゃう…!
「やだぁ…!」
「レイジス?」
「ゆび…やだぁ…!」
ぐずぐずと悲しくて鼻を鳴らせば「ご、ごめんよ!」とフリードリヒが抱きしめてくれる。あああ! やめてー! 当たるのー! フリードリヒのが当たるのー!
そんなの押し当てられたらもう…。もう…!
「入れて…ください…ッ!」
「レイジス?」
「指じゃなくて…ッ! フリードリヒの…っ! 入れてぇ…!」
「―――ッ!」
ぎゅうと抱きつきながらそう懇願すれば、ベッドに身体を押し付けられちゃった。それにふぎゅう!って声出ちゃったけど、フリードリヒが息を荒くしながら僕を見てて。そのパンジー色がさっき見たときよりも獰猛さを色濃く湛えてて、僕はごくりと息を飲んだ。
「レイジス。あまり煽らないで」
「なん…で?」
「初めてだから優しくしたいんだ」
「いつも優しくしてくれるから、優しくしなくてもい…っ?!」
いいのにって言おうとしたけど、それは僕の小さな悲鳴に代わる。
「はにゅう!」
「はー…はー…。レイジス…!」
「あ…っ、ああ…っ!」
ずぶずぶと入ってくる熱に、声にならない声しか出てこない。けど痛みはほとんどない。不思議だね。
「ん…っ、レイジス」
「あつい…。けど…満たされたぁ…」
フリードリヒの熱を入れたらお腹のきゅんきゅんが治まった。んふふ。やっぱり。僕とは違う熱を感じるお腹を撫でれば、それが震える。ほわ!
「レイジス…。お願いだから…」
「むふふ。僕のお腹、フリードリヒのでいっぱいですね」
ふふーと笑えば「んぐ…っ!」とフリードリヒが呻く。その瞬間に、僕の奥に温かいものが吐き出されるのを感じた。ほわ…なにこれ…。
「気持ち…いい…」
「だから…!」
煽らないで、という言葉と同時に、ずるりとそれが抜かれていく感覚に「はぅぅ…!」と声が出ちゃう。
「やだやだぁ…! 抜いちゃやだぁ…!」
「レイジス…!」
いやいやと首を振ってフリードリヒに抱きついたら抜けてたそれが大きくなって、ずんって奥の奥まで入り込んできて…。
「はううぅ…!」
「ん…っ、ぅ…!」
びくんって身体が跳ねると、フリードリヒも「ぐっ」って呻く。それから荒い呼吸を整えるように抱き合ったまま動かずにいれば、火照った身体に冷たい風が心地いい。
「フリードリヒ…」
「レイジス。大丈夫?」
「ん…だいじょぶ、です」
はうはうと息を吐きながら休憩していると、汗で張り付いた髪をはがしてくれる。はわー…。
お互い汗のにおいをかげば、安心できて。
はうー…。
とくとくと早く動くそれにうとうととし始めちゃうけど、中にある熱がそれを拒む。ふにゃー…心地いい…。
くったりとフリードリヒに身体を預けていると、横髪を耳にかけられた。ほよ?
するとそっとフリードリヒの唇が寄ってきて熱っぽく囁かれた。
「もう少し休憩したら、動くからね?」
その囁きにこくりと頷くと、言葉の通り何度も揺さぶられ身体の奥にたくさん…たくさん注がれた。
■■■
「繋がった」
それを感知した瞬間、頬が緩んでしまった。
ようやく…ようやくあの二人が繋がったのだとほっと息を吐く。
「繋がったぞ。メーカネー」
そう星空に向かって呟く我に反応するものはいない代わりに、欠けていない月が我を見つめていた。
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