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王都編

神様1人、転生者2人

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「ふはー…」
「落ち着きましたか?」
「はい…なんとか」

理解を超えた僕の頭から『ぷしゅう』と煙が出てすぐ。メトル君にソファまで運ばれて、学園長先生にホットミルクを入れてもらってようやく落ち着いた。
なんかホントすみません…。

「まさか頭から煙が出るとは思わなかった…」
「ごめんて!」

正面にメトル君が座って、その隣に学園長先生が座ってにこにこと僕たちを見ている。というか怖い印象などこれっぽっちもない。

「でもどうしてメトル君が?」

タイミングよく学園長室を通った、わけでもなさそうだし。

「ああ。おっさんに呼ばれてたんだよ。もしもがあったら入ってこいって」
「いやー、本当に申し訳ない」

あははと笑う学園長先生。メトル君がこなかったらどうなってたんだろう…。そんな想像をぶぶぶと頭を振って吹き飛ばすと「大丈夫か?」とメトル君が声をかけてくれた。

「あ、うん。大丈夫」
「ならいいが…」

あ。そういえば前に「頭痛がする」って言ったんだっけ? そのこと、覚えててくれたんだ。

「さて、体調がよさそうならレイジス君の質問タイムと行きますか」
「んえ?」

にっこりと笑う学園長先生の言葉に首を傾げれば「あの村へ行って疑問がたくさんあるんじゃないかと思いまして、ね」と言われた。
何で知ってるんだろう、と思ったけどそう言えば学園長先生は『神様』なんだっけ? なら全部わかってて当たり前か。

「えと…まずメトル君は学園長先生の甥っ子さんでいいんですか?」

叔父さんってことは、オリバーン家は神様の血が流れてるってことだよね?それってすごくない?
でも物語の主人公なら納得かもだけど。
するとメトル君と学園長先生が一度顔を見合わせた後、僕を見た。お? どうしたの?

「そんな訳あるか」
「はえ?」
「実はそう言う体でいこうって決めてあるんですよ」
「てゐ?」
「おいコラやめろ。それだと名前になるだろうが」
「あ、ごめん。つい」

あはは、と笑いながら頭を掻けば「私とオリバーン家とは何の関係もありませんよ」と学園長先生が告げる。ふむふむ。謎が一つ解けたな。
なら次。

「メトル君。『神の目』って知ってる?」
「あ? 『神の目』? なんだそりゃ。オベロン社か?」
「むはっ」

メトル君、僕と同じこと言ってる。やっぱり『神の目』っていったらオベロン社だよねぇ。
でもゲームを知ってるメトル君が知らないとなると『神の目』ってなんなんだろう?

「学園長先生『神の目』ってなんなんですか?」

神様である学園長先生なら当然知ってると思うんだけど、にこにことしてるだけ。何だろう? 言いにくいことなのかな?

「おい、おっさん。『神の目』ってなんだよ。そんなもんゲームにはなかったぞ」

おお。メトル君って逆猫かぶりしてるって言ってたけど、実はこれが素なんじゃないかな?なんて僕は思ってる。頼りになるお兄さんって感じがするから僕は好きだよ。

「『神の目』はいわばステータスが見える状態になることですね」
「んえ? ステータスが見える?」

どゆこと?と首を傾げれば「ああ、なるほど」とメトル君が納得している。え、どゆこと?今一ピンと来てないんだけど。

「つまりはポーズ画面を開いて攻略対象がどんな状態か、とか見えるってことだ」
「ふむむ。ってことは主人公の状態やらが見えてる状態?」
「そう捉えてくれて構いませんね」
「あ、でも。『神の目』でリーシャを見たらこう…なんかカラフルなもやもや?が見えたんですけど…」
「もやもや?」

何言ってんだ?とメトル君が胡散臭そうな視線で僕を見るけど、それ以外どう表現したらいいのか分んないんだよー。

「んで? そのもやもやが何だってんだ?」
「うーん…なんていうか…。人によってもやもやの色が違うんだよ」
「はぁ? なんだそりゃ」

本当にねー。何なんだろう? でも『神の目』でいるとき以外は見えないのが救いだよ。普通の目でも見えてるとかちょっとヤダなー。

「今『神の目』は使えそうですか?」
「ううーん…どうでしょう? 発動条件とかよく分んないんですけど…」
「大丈夫、大丈夫。使いたいって思ったら使えるよ」
「そんな簡単なわけあるか」
「そうですよー。そんな簡単に使えたら便利そうですけど」

あっはっはっ、とメトル君と笑いながら冗談交じりで『神の目』が使えたらいいなーなんて言ってみたら、突如視界が切り替わった。

「はわ?!」
「おまえ…その目…!」

メトル君の背後に赤と青、それに緑と白色のもやもやとしたものが現れると同時に、メトル君が驚愕の表情に変わった。あ、ってことはいま使えてるのか。学園長先生が言った通り、ホントに簡単だった。

「すごいな…なんだその目…」
「自分だと見えないんだけど、どうなってるの?」
「七色に光ってる」
「ふぁ?!」

どういうこと?! 七色って?!
ちらっと学園長先生を見れば、もやもやが見えない。あれー?

「私と同じ世界を見てますからねー。もやもやは見えませんよー」
「へぇー。すごいですね!」
「でしょう?」
「…それでいいのか?」

なんかメトル君が突っ込んでるけど気にしない。これで切り替えが楽になるってことか。ふむふむ。じゃあ切り替え切り替えっと。もういいかなって思えば『神の目』から普通の視界に切り変わった。ほわ、便利。

「ああ。でもあまり人に見られてはいけませんよ?」
「そういえばフリードリヒ殿下もえっと…緘口令出してましたね」
「ふむ。さすがウィンシュタン王国の王子。『神の目』の危険性をよく知っていますね。感心感心」

そういいながらうんうん、と頷いてる学園長先生。なんかよく分んないけど褒められてるよ! フリードリヒ! やったね!
っと。緘口令で思い出した。

「そう言えばよく分らないうちに治癒魔法も使えるようになってたんですけど…何でですか?」
「はぁ?! お前治癒魔法なんか使えるようになったのか!?」
「う、うん…。痛い痛いの飛んでけーってやったら…」
「なんだそれ?」
「うん。僕もよく分んない。お清め!ってやったら光魔法が使えるし…レイジスってこうなの?」

じっとメトル君を見てそう問えば、少し視線を逸らされ何か考え込むように口元を手で覆ってしまった。ううーん…。なんか違いそうだなぁー。

「そうだ。その時おじいちゃん先生に『聖女』様って言われたんだけどなんでか知ってる?」
「『聖女』?」
「うん」

『聖女』という言葉に眉を寄せじっとどこかを見ているメトル君。何か心当たりでもあるのかな?
黙っちゃったメトル君と学園長先生。時間かかりそうだから、と両手で持ってるホットミルク(蜂蜜入りの甘いやつ)をこくんと飲んで、学園長先生を見ればこちらはにこにことしているだけ。
学園長先生なら何でも知ってそうだけど教えてはくれないよね…。

「ではちょっと基本的な情報をおさらいしてみましょうか」
「おさらい?」

学園長先生の言葉に首を傾げる。何で突然?

「はい。二ヶ月ほどとはいえゲームも進んでいます。そこでちょっと現状をおさらいしてみましょう」
「ううーん…その方がいいかな? ちょっとこんがらがっちゃってるし」
「おい、おっさん」
「いいじゃないですか。君も色々とあるみたいですし」

メトル君が学園長先生を睨みつけるけどそんな視線などどこ吹く風。出されたお茶菓子を一つ摘まんでぽいっと口の中へと放り込む。むぐむぐと口を動かして幸せな時間を楽しむ。
このクッキーうまままー。キャラメルが挟まれるから甘くておいしいー。
むぐむぐと口を動かしていると、ちょっとだけ呆れたような視線を向けてくるメトル君。あ、ごめん、お腹空いちゃって。
すると、とんとんと口元を指さすメトル君。どしたの? メトル君も食べる? 美味しいよ?

「付いてる」
「ふまっ?!」

あ、そう言う意味か! 恥ずかしくて慌てて口元をナプキンで拭くと、ふっとメトル君の眉が下がった。そういえばメトル君…というか生前、中の人には妹さんがいたんだっけ?

「さて、いいですか? レイジス君。まず君の誕生日は?」
「えと…花の月の17です」
「正解」
「……………」
「じゃあ次ね。君の両親の名前は?」

両親の名前? なんでそんなの聞くんだろう?

「父様がフォルス・ユアソーン、母様がミュルス・ユアソーンです!」
「―――っ?!」

えへん!と胸を張って答えれば、メトル君の瞳が大きく見開き、ひゅっと息を飲んだ。あれ? どうしたの?

「うんうん。よくできました! じゃあ。レイジス君。幼いころ、フリードリヒ君にぬいぐるみを貰ったよね? それはなんだったかな?」
「ぬいぐるみ?」

学園長先生からの質問はよく分らないけど、言われたら答えなきゃね! えっと僕が幼いころにフリードリヒにもらったぬいぐるみ…ぬいぐるみ…。
確かふわふわとした白いうさぎのぬいぐるみだったっけ? 今あるうさぎさんよりも小さいやつ。それであの時「僕は女の子じゃないんだからいらない!」って突っぱねたんだっけ。でもその後のフリードリヒの瞳が傷ついて悲しそうな眼をしてから「でもフリードリヒ殿下が悲しそうな顔するのは嫌だからもらってあげる」って受け取ったんだっけ。
あの時、初めて人を傷付けてそれがすごく悲しかった。だから人を傷付けることはしないって決めたんだよね。懐かしいなー。

くふくふと一人で思い出し笑いをしていると「おーい。どうしたー?」ってメトル君が声をかけてくれた。
おっと。思い出にふけってちゃダメだね。

「ふわふわなうさぎのぬいぐるみです」
「そっか。ところでレイジス君」
「はい?」

にこにことしながらも真剣な声色に変わった学園長先生に首を傾げれば、メトル君の瞳が細められた。

「頭痛は大丈夫ですか?」
「頭痛? 今のところは大丈夫です」
「そうですか」

そういえばあの謎の頭痛、最近はないなーって思ってた。いや、ない方がいいんだけどね。あの頭痛が始まると痛みに耐え切れなくて気を失っちゃうんだもん。その度にフリードリヒや皆に心配かけちゃってるからさ。

「頭痛があったら必ず報告をしてください。いいですね?」
「? 分かりました?」

頭痛を報告? なんでだろう? 学園長先生の言いたいことが分からずに首を傾げれば「こいつほんとにあざいといな」とメトル君に言われてしまった。あざといってなんだよー!

「さてと。ではコカトリスを攻略したご褒美に何か欲しいものはありますか?」
「ご褒美!」
「コカトリス?! お前、そんなの倒したのか?!」

ずずいとメトル君が身を乗り出して聞いてくる。それに「僕はお手伝いしただけだよ」と言えば「それでもすげぇな」と感心してる。止めを刺したのはフリードリヒだけどね。

「なんでもいいですよ? この世界にないものでも」
「え?!」

何だって?! 今、この世界にないものでもいいって言いました?!
きらりと瞳の色が変わったのを感じると、メトル君が「うわ」と小さな声を上げた。失礼な!

「えっと…じゃあ梅と氷砂糖とホワイトリカーと赤紫蘇とイースト菌と日本酒が欲しいです!」
「多いな?!」
「だって梅と氷砂糖とホワイトリカーで梅酒が作れるんだよ?! それに梅と赤紫蘇で梅干しが作れるし、イースト菌があればふわっふわなパンが食べられるし! 日本酒はお砂糖を少し入れればみりんの代わりにもなる!」
「よし!おっさん! 今すぐ出せ!」
「ならそのウメシュとやらをいただけるのなら喜んで出しましょう」

おお?! 学園長先生は梅酒が気になるご様子?! 梅酒はいいぞ!水で割ってもソーダで割ってもストレートでもバニラアイスにかけてもいいからね!

「もちろん! あ、あとできれば食紅もほしいです」
「食紅?」
「うん。食品に色を付けることができるんだよー。赤とか緑とか青とか」
「そんなもん何に使うんだ?」
「ミントがあるからチョコミントアイスでも作ろうかなって」
「マジか…! おっさん出せ!」

メトル君の食いつきがすごいけど分かる。分かるぞ、その気持ち…! あっちの世界の食べ物が食べられるんだもんね!
こっちの世界だとふわふわなパンがあんまりなかったから悲しかったんだよ。

「では」

そう言ってぱんっと両手を学園長先生が合わせたかと思えば、その手が徐々に離れていく。そしてその手の中から光が漏れ出し、大きくなっていく。まぶしくて腕で目元を覆えばその光は霧散し、小さな粒子が天に向かって登っていくところだった。
ほわー。すごーい!

光が収まったのを確認して腕を離せば、テーブルの上にはさっき僕が言ったものが籠に入った状態で鎮座していた。
はわー!

「ありがとうございますー!」

わーい!と興奮気味に学園長先生にお礼を言えば「いえいえ」とにこにこ。メトル君は材料を見て首を捻っている。

「にしても…料理の素材ばっかだな」
「この世界、料理に対して情熱がなさ過ぎなんだよ…。だから調味料を作ってるんだ」
「そういや俺と初めて会った時もうまそうなもん食ってたな」
「あの時はカツサンドだね。カラシマヨの」
「マヨネーズ作ったのか?!」
「うん。あ、でも生卵使ってるんだけど大丈夫なのかな?」

そう言えば日本の卵は生でも大丈夫だけど、日本以外の卵は食べられないって話しを聞いたことあるな。
この世界の生卵は大丈夫なんだろうか。本当に今更なんだけど。

「生卵を食べるとお腹壊しますね」
「あー…やっぱり。でも毎日マヨネーズ食べてるけどお腹痛くない…。なんでだろう?」
「恐らくレイジス君が風魔法を使っている時に無意識に光魔法で雑菌を浄化してるからでしょうね。それと、リーシャ君が毎日光魔法で食事を浄化しているのも大きいですね」
「マジか…なら食えねぇのか…」

学園長先生と僕の話を聞いてしょんもりと肩を落とすメトル君。と、いうことはあの食堂、味が薄いのか…。それはやだね…。

「おっさんにあっちの世界の食事出してもらってようやく食ってる状態なのに…」
「なら、僕の部屋に来て食事する? 毎日侍女さんが作ってくれるよ?」
「は?」
「こないだは味噌カツ食べたし」
「はぁ?! なんだそれ!食いたい!」

うんうん。わんこっぽいメトル君可愛いなー。
むふむふと一人で笑っていると、ぽん、と手を学園長先生が叩く。
おお? どうしたの?

「なら、食堂革命でも起こしましょうか」
「「食堂革命?」」

僕とメトル君の声が重なる。
なにそれ?

「その名の通り食堂の料理を革命するんですよ」

そういってにっこりと笑う学園長先生に僕とメトル君は顔を合わせて首を傾げるのだった。


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