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好奇心には勝てなかったよ… ▲
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前半スヴェン、後半クルト視点になります。
※♡喘ぎがありますのでご注意ください。
「…っ、ぁん!」
オレの中にオレとは別の熱の塊が入っていることに違和感がある。いや、口の方はクルトの舌があることに違和感はないんだけれども。
けど…下からの熱は違和感しかないんだ。
「スヴェン様、もう、終わりに…っつ、します?」
ぱた、とオレの腹に汗を落としながらそう尋ねるクルトに、いやいやと首を左右に振る。
シーツを掴んでいた手を離して腰を掴んでいる手に重ねれば、熱に揺れるストロベリー・レッドの瞳がきゅう、と細くなった。
「やだ…まだ、できる…から…っあ!」
忙しなく肩を上下に動かしながらそう言えば、クルトの顔がだらしなく蕩けていく。
「でもスヴェン様、もう出すものがないようですよ?」
ちら、とオレの下肢を見るクルト。
そうなのだ。
かれこれもう何時間もクルトとセックスをしているのだ。吐き出すだけ吐き出したものは早々に枯れ、くたりとしたまま勃つ気配すら見せなくなった。
けれどクルトのクルトは衰えることなどなく、未だに元気いっぱいにオレを貫いている。
…これが若さというものか?
いや、オレの方が身体…というか年齢は若いのだけれども。
精神年齢がクルトよりも上だからからそう感じるのか?
「っあん!」
「スヴェン様ッ、なにを、お考え、ですか?」
言葉を区切るたびに腰を引かれ、奥をごんごんと叩かれる。
その度に、オレの口からは短い母音と呼吸しか出てこないわけだけれども。
「く…うと…ぉ♡ おく…ぅ…♡」
「初めて…とはいえずっとスヴェン様の中にいますもんねぇ…。すっかりととろっとろに蕩けて」
「くぅ…とぉ…♡」
「あー!もー! 舌ったらずなスヴェン様、可愛すぎる!」
「んむ!」
何やらクルトが叫んだ後、噛みつくようなキスをされる。
おい! やめろ! 呼吸が…っ!
「んぐ…ッ♡ んむ…ぅ♡ ふ…っ♡」
何度もキスをしながら舌を絡ませあえば、クルトの腰の動きが早くなる。
気持ちいいのと苦しいのが同時にオレを襲う。
「ぁ…!」
「スヴェン様、乳首も好きですもんね」
「やら…ぁ! ちくび、やら…ああぁっ♡」
腰を掴んでいた手が背中に回り、力の抜けた上半身を持ち上げる。その為、自重で下がると同時にクルトのものが更に奥へと入り込む。
腹から「ぐぽん」という音が聞こえてきそうな所へ先端が入り込み、目の前にちかちかと光が飛ぶ。
「あ、え…?」
正常位から、体面座位に変わったことはかろうじて理解したけれど、オレの身体に何が起きたのかが理解できない。
ただ少し苦しくて、少しの振動でも身体が感じまくってるのは分かる。
「ああ…スヴェン様の一番奥、もらっちゃいました」
くふふと笑うクルトにも理解ができず、ただただ快楽に飲まれている脳みそは気持ちがいい、ということを教えてくれるだけ。
「あ、え?」
目の前で光るそれに邪魔されて、クルトの顔がよく見えない。それに耳も遠くなってしまったのか、よく聞こえない。
聞こえるのはオレの呼吸とクルトの乱れた呼吸音と、ぐぷ、ぬぷと尻から聞こえる粘った音。それにどくどくと早鐘を打つ心臓の音だけ。
「ん…ぎぃ?!」
「あー…スヴェン様の一番奥、すっごい気持ちいい…。じゅっぱじゅっぱ吸い付いてくるー…」
「んぉ?♡ あ?」
抱きしめられながらゆさゆさと揺さぶられる度に、びくびくと身体が跳ねるのはクルトが一番奥にいるからなのか。
だから精液も出なくなって元気のないオレから、プシッと弱々しくそれが吹き出すんだな。
「スヴェン様の乳首も食べちゃいますねー」
「んぉ?!♡」
ちゅう、とオレの乳首に吸い付きちろちろと舌先で先端を舐められる。その感覚にぞわぞわとしたものが背中を駆け抜ける。
吸い付いていない乳首はユニで捏ねくりまわす度に、腹がきゅんきゅんとする。それに連動するように、クルトを締め付けるのか「んっ」と鼻から息を吐いている。
きゅん、とさらに腹が切なくなると「んぁ…、スヴェン様、やーらしー」と笑う。
「スヴェン様ってホントエロくて、可愛くて最高です」
「えろく…なぁ?!」
「またまたー。ほらー、こうして…んっ、奥をとんとんしてあげると…」
「ひぁあ?!」
「ほらー。腰は艶めかしく動くし、中は私のものを舐めまわしてくるじゃないですかー」
ね?と言いながらばちゅばちゅと腰を打ち付けながら、乳首に吸い付き尻を揉む。
ああー…!もう! 気持ちいいが多すぎて、頭がバカになるだろ!
「くうとぉ…♡」
「んー? どうされましたー?」
「きもちいいよぉ♡」
「んぐ。スヴェン様、可愛すぎる」
気持ちいいが頭を占めると、人間ここまで馬鹿になれるんだな。
舌が回らず、子供っぽくなってしまったが、クルトは大満足のようだ。
鼻血、出てるぞ。
「可愛すぎるスヴェン様が悪いんですからね!」
「ちょうらい♡ ちょうらい♡ くうとのせーし♡ ちょうらい♡」
「ああああ!もう! 俺だって我慢してんですから、これ以上煽らないでください、よ!」
「んんん…ぁあぁぁ!♡ あァ…!♡ で…ぇぅ…っ!♡」
ごちゅん、とオレの尻とクルトの下毛が触れ合うと同時に、喉を反らす。
その無防備な喉に噛みつかれると、奥に感じる吹き出すもの。何度も叩きつけられたそれを感じながら、はっはっと短く呼吸を繰り返す。
「ふー…ふー…!」
「あ…ぁあ♡ っあ…♡」
クルトがすべて出し切るまで喉を噛みつかれていると、歯が離れていく。
ああ…出されたな、なんてぼんやりと思っていると、軽く揺さぶられた。
「あー…もう無理です…。悲しいですが、すっからかんです」
れ、と噛まれた喉を舐めながら本当に悔しそうにそう話すクルトに、小さく笑う。
「おれ…まだ、しんでない」
「無茶言わないでくださいよ。それともスヴェン様は、私も一緒に連れて逝ってくれるんですか? 私は歓迎ですけど」
「…だめ。くうとはいきるの」
「じゃあ、もうお終いです。もう一滴も出ません」
「むぅ」
「そんなに可愛く頬を膨らませてもダメです。スヴェン様も、もう出ないでしょうに」
わがまま言わないでください、と額と額を押し当ててそう話すクルトに仕方ない、とため息を吐く。
実を言えば、オレももう限界だ。何も出ない。
「わかった…」
「スヴェン様はいい子ですもんね。そのまま寝ちゃいましょう?」
「…ねぅ」
「はい。おやすみなさい」
ちゅ、ちゅと頬にキスをされながら尻を揉まれる。もう出ないとか言いつつ、まだ出るのでは?
なんて期待をしたけれど、オレの身体が先に悲鳴を上げた。
「ねむい…」
「後のことは私に任せて、寝ましょう。スヴェン様」
「ん…おやすみ…」
「はい。お疲れさまでした」
クルトの優しい声と、尻を揉まれる気持ちよさにオレの意識はすとん、と落ちた。
■■■
「ふぅ」
「クルト」
「旦那様…と奥様」
スヴェン様の身体とついでに俺の身体も綺麗にして、きちんと身支度を済ませ部屋から出れば、そこには何とも微妙な表情を浮かべた旦那様と、にこにことしている奥様がいて。
もしかして、ずっと部屋の前にいたんですか?
そんな疑問を感じながら頭を下げれば、旦那様の拳がわずかに震えていることに気付いた。
それもそうか。
教会でスヴェン様が発した「クルト! セックスするぞ!」にその場が静まり返った。
いや、正確にはヴィリ様の笑い声だけが響いていたわけだけども。
それからはっと我に返った旦那様がスヴェン様の肩を掴んで詰め寄った。
「スヴェン?! セックスとはどういうことだ?!」
旦那様の気迫にスヴェン様が驚いていると“まぁまぁ、落ち着きなよ”とヴィリ様が間に入った。
「ヴィリ様!」
“はいはい。落ち着いて。セックスについては私から説明するから。ク…ルト君は鼻血をどうにかしなよー?”
「はい」
そうだった。スヴェン様があまりにも可愛くて鼻血を出したんだった。あ、スヴェン様にはついてないよな?!
“スヴェン君はもう自分で傷つけることは出来なくなった代わりに、クルト君とセックスすると死ぬことが可能になったんだ”
「クルトと?」
服は汚れたけれどスヴェン様に血が付いていないことにほっとすると、ポケットからハンカチを取り出し鼻血を拭く。…鼻の中ががびがびかけど仕方ない。
“そうそう。スヴェン君は自分を傷つけようとすると物理、魔法防御が自動的に発動。怪我すらしないよ”
「自分で傷をつけない場合は…?」
奥様が小さく震えながらヴィリ様に問いかけている。お二人とも身体が震えているのはヴィリ様と正面から話しているからだろうね。
俺もそこはかとなく震えてはいるけど、スヴェン様にそんなかっこ悪い所は見せられないからな。なんとか最小限に抑えてる。それに、スヴェン様の側にいると、安心できるのもある。
“その場合はどちらも発動しない”
「…つまり、他人がスヴェンを傷つけることは可能、だと?」
“そういうことだね”
「なんということだ…」
“だからね、クリ…じゃない、クルト君に物理、魔法防御を与えておいたから”
「はい?」
俺の知らない間にそんなものが?! お二人が「本当に?!」と俺を見ているが、残念ながら今、知りました。というかいつの間に?
「ヴィリ様。その…私に物理、魔法防御の魔法が使えると聞こえましたが…?」
“うん、そう言った”
「えぇ…」
いや、スヴェン様をお守りできるなら嬉しいんだけれども。
困惑しかない。
“何も困惑することはないよー。なんせスヴェン君はセックス以外で死ねないんだよ? 傷付いたスヴェン君をもう見ることがなくなるんだから”
「そ…れは…」
そうだけれども、と旦那様が奥歯を噛み締めている。
そんな旦那様に奥様が寄り添うと、旦那様の鋭い視線が俺を刺す。
「ですがなぜ、よりによってクルトなのですか!」
吠える旦那様に、ヴィリ様がにまーっと笑みを浮かべると途端に声が聞こえなくなった。
スヴェン様も首を傾げているから、旦那様とヴィリ様の声だけ聞こえなくなったのだろう。そんな二人が何やら一言二言話すと、旦那様の顔色が悪くなった。
どうやらあのことを話しているのだろうな。
奥様はスヴェン様の腕に手を添えて、心配そうに見つめている。
「…分かりました」
“話が早くて助かるねー”
むふむふと上機嫌なヴィリ様と、今にも倒れそうな程顔色が悪い旦那様。
俺は旦那様と奥様のとなど初めからどうでもいいけど。
「ところでスヴェンちゃん、クルトと…その…性行為することに躊躇いはないのかしら?」
「ありませんよ。オレより抱かれるクルトの方が心配ですが」
うん?
今、とんでもない言葉が聞こえたような気がするんだが?
「スヴェン様」
「なんだ?」
「今、私を抱く、と聞こえたような気がしましたが…?」
「ああ、そう言ったぞ?」
何ってんだ?と首を傾げるスヴェン様は大変可愛らしいが、言葉は可愛くない。
そんな可愛くない言葉に反応して痛いくらいに勃っていた俺の息子は力を失くし、しょんぼりとしている。それを見たスヴェン様が、旦那様の腕から抜け出し俺の股間を見つめる。
「おい! しっかりしろよ!」
「無理です。スヴェン様が私を抱くなんておっしゃるんですから…」
「なんだよ! オレは抱かれる気はないぞ!」
「あー…じゃあ、元気出ませんね…」
「頑張れよ! 熱くなれよ! クルトならできるって!」
なんだか暑苦しい言葉を俺の股間に向かって話しかけている。旦那様はそんなスヴェン様を見つめているだけだし、奥様もどうしたらいいのか分からず俺とスヴェン様、そして旦那様を見ている。
“そのことでもう一つスヴェン君に謝らなきゃいけなことがあるんだよねー”
「あん?」
“スヴェン君の身体、ちょーっとだけ変えちゃったんだ”
「はぁ?」
俺の股間に向かって「勃て! 勃て! 勃て! 勃ち上がれ!」と応援をしていたスヴェン様がヴィリ様を見る。
いいなぁ…。俺の息子。スヴェン様に応援してもらって…。
なんて思っていたらヴィリ様がとんでもないことを口にされた。
“スヴェン君の身体ねー、お尻の穴が濡れやすくなって、痛み半減、気持ちよさ倍増にしちゃったんだ☆”
ごめーんね☆と笑うヴィリ様に、旦那様と奥様が倒れそうになっている。まずい。
どうしたものかと考えていると、スヴェン様がぽかんとした後、立ち上がる。
「どういうことだ! お節介!」
“元々スヴェン君は抱く側じゃなくて、抱かれる側だと思ってたからさー。こうしちゃったんだよー”
「元に戻せよ!」
“無☆理”
「はぁ?!」
きゃは☆と笑うヴィリ様に、今度は俺もお二人もぽかんとする。
え? 無理?
“人間の身体の構造を変えるなんて禁忌なんだよ? いくら私でも一回しかできないんだもん”
「だからって…!」
“だから、クルト君には超絶テクニックを与えておいたから、痛みより気持ちよさの方が勝るからね!”
「こんの…お節介野郎があああぁぁぁぁっ!」
と、まぁスヴェン様の絶叫ともにヴィリ様が消えて、俺の手には瓶が握らされていた。
その瓶に眉を寄せれば、大司教様がにこにこしながらも、それが何なのか教えてくださった。
「それはヴィリ様特製とろとローションです」
「とろとローション?」
「はい。それを使えば怪我はしませんし、万が一怪我をしたとしても治癒できる優れものです」
「…これを使え、と?」
「はい。これを使えばスヴェン様はとろとろになられるでしょう」
こそっと教えてくださった大司教様には申し訳ないが、ごくりと喉を鳴らしてしまった。
これを使えば、スヴェン様がとろとろに…。
それをぎゅっと握ると、今にも石像を破壊しそうなスヴェン様に向かって俺は叫んだ。
「スヴェン様、セックス致しましょう!」
そんなわけで、屋敷に付いた途端にスヴェン様の好奇心が爆発し、初めてのセックスとなりましたとさ。
すっごいよかった。
※♡喘ぎがありますのでご注意ください。
「…っ、ぁん!」
オレの中にオレとは別の熱の塊が入っていることに違和感がある。いや、口の方はクルトの舌があることに違和感はないんだけれども。
けど…下からの熱は違和感しかないんだ。
「スヴェン様、もう、終わりに…っつ、します?」
ぱた、とオレの腹に汗を落としながらそう尋ねるクルトに、いやいやと首を左右に振る。
シーツを掴んでいた手を離して腰を掴んでいる手に重ねれば、熱に揺れるストロベリー・レッドの瞳がきゅう、と細くなった。
「やだ…まだ、できる…から…っあ!」
忙しなく肩を上下に動かしながらそう言えば、クルトの顔がだらしなく蕩けていく。
「でもスヴェン様、もう出すものがないようですよ?」
ちら、とオレの下肢を見るクルト。
そうなのだ。
かれこれもう何時間もクルトとセックスをしているのだ。吐き出すだけ吐き出したものは早々に枯れ、くたりとしたまま勃つ気配すら見せなくなった。
けれどクルトのクルトは衰えることなどなく、未だに元気いっぱいにオレを貫いている。
…これが若さというものか?
いや、オレの方が身体…というか年齢は若いのだけれども。
精神年齢がクルトよりも上だからからそう感じるのか?
「っあん!」
「スヴェン様ッ、なにを、お考え、ですか?」
言葉を区切るたびに腰を引かれ、奥をごんごんと叩かれる。
その度に、オレの口からは短い母音と呼吸しか出てこないわけだけれども。
「く…うと…ぉ♡ おく…ぅ…♡」
「初めて…とはいえずっとスヴェン様の中にいますもんねぇ…。すっかりととろっとろに蕩けて」
「くぅ…とぉ…♡」
「あー!もー! 舌ったらずなスヴェン様、可愛すぎる!」
「んむ!」
何やらクルトが叫んだ後、噛みつくようなキスをされる。
おい! やめろ! 呼吸が…っ!
「んぐ…ッ♡ んむ…ぅ♡ ふ…っ♡」
何度もキスをしながら舌を絡ませあえば、クルトの腰の動きが早くなる。
気持ちいいのと苦しいのが同時にオレを襲う。
「ぁ…!」
「スヴェン様、乳首も好きですもんね」
「やら…ぁ! ちくび、やら…ああぁっ♡」
腰を掴んでいた手が背中に回り、力の抜けた上半身を持ち上げる。その為、自重で下がると同時にクルトのものが更に奥へと入り込む。
腹から「ぐぽん」という音が聞こえてきそうな所へ先端が入り込み、目の前にちかちかと光が飛ぶ。
「あ、え…?」
正常位から、体面座位に変わったことはかろうじて理解したけれど、オレの身体に何が起きたのかが理解できない。
ただ少し苦しくて、少しの振動でも身体が感じまくってるのは分かる。
「ああ…スヴェン様の一番奥、もらっちゃいました」
くふふと笑うクルトにも理解ができず、ただただ快楽に飲まれている脳みそは気持ちがいい、ということを教えてくれるだけ。
「あ、え?」
目の前で光るそれに邪魔されて、クルトの顔がよく見えない。それに耳も遠くなってしまったのか、よく聞こえない。
聞こえるのはオレの呼吸とクルトの乱れた呼吸音と、ぐぷ、ぬぷと尻から聞こえる粘った音。それにどくどくと早鐘を打つ心臓の音だけ。
「ん…ぎぃ?!」
「あー…スヴェン様の一番奥、すっごい気持ちいい…。じゅっぱじゅっぱ吸い付いてくるー…」
「んぉ?♡ あ?」
抱きしめられながらゆさゆさと揺さぶられる度に、びくびくと身体が跳ねるのはクルトが一番奥にいるからなのか。
だから精液も出なくなって元気のないオレから、プシッと弱々しくそれが吹き出すんだな。
「スヴェン様の乳首も食べちゃいますねー」
「んぉ?!♡」
ちゅう、とオレの乳首に吸い付きちろちろと舌先で先端を舐められる。その感覚にぞわぞわとしたものが背中を駆け抜ける。
吸い付いていない乳首はユニで捏ねくりまわす度に、腹がきゅんきゅんとする。それに連動するように、クルトを締め付けるのか「んっ」と鼻から息を吐いている。
きゅん、とさらに腹が切なくなると「んぁ…、スヴェン様、やーらしー」と笑う。
「スヴェン様ってホントエロくて、可愛くて最高です」
「えろく…なぁ?!」
「またまたー。ほらー、こうして…んっ、奥をとんとんしてあげると…」
「ひぁあ?!」
「ほらー。腰は艶めかしく動くし、中は私のものを舐めまわしてくるじゃないですかー」
ね?と言いながらばちゅばちゅと腰を打ち付けながら、乳首に吸い付き尻を揉む。
ああー…!もう! 気持ちいいが多すぎて、頭がバカになるだろ!
「くうとぉ…♡」
「んー? どうされましたー?」
「きもちいいよぉ♡」
「んぐ。スヴェン様、可愛すぎる」
気持ちいいが頭を占めると、人間ここまで馬鹿になれるんだな。
舌が回らず、子供っぽくなってしまったが、クルトは大満足のようだ。
鼻血、出てるぞ。
「可愛すぎるスヴェン様が悪いんですからね!」
「ちょうらい♡ ちょうらい♡ くうとのせーし♡ ちょうらい♡」
「ああああ!もう! 俺だって我慢してんですから、これ以上煽らないでください、よ!」
「んんん…ぁあぁぁ!♡ あァ…!♡ で…ぇぅ…っ!♡」
ごちゅん、とオレの尻とクルトの下毛が触れ合うと同時に、喉を反らす。
その無防備な喉に噛みつかれると、奥に感じる吹き出すもの。何度も叩きつけられたそれを感じながら、はっはっと短く呼吸を繰り返す。
「ふー…ふー…!」
「あ…ぁあ♡ っあ…♡」
クルトがすべて出し切るまで喉を噛みつかれていると、歯が離れていく。
ああ…出されたな、なんてぼんやりと思っていると、軽く揺さぶられた。
「あー…もう無理です…。悲しいですが、すっからかんです」
れ、と噛まれた喉を舐めながら本当に悔しそうにそう話すクルトに、小さく笑う。
「おれ…まだ、しんでない」
「無茶言わないでくださいよ。それともスヴェン様は、私も一緒に連れて逝ってくれるんですか? 私は歓迎ですけど」
「…だめ。くうとはいきるの」
「じゃあ、もうお終いです。もう一滴も出ません」
「むぅ」
「そんなに可愛く頬を膨らませてもダメです。スヴェン様も、もう出ないでしょうに」
わがまま言わないでください、と額と額を押し当ててそう話すクルトに仕方ない、とため息を吐く。
実を言えば、オレももう限界だ。何も出ない。
「わかった…」
「スヴェン様はいい子ですもんね。そのまま寝ちゃいましょう?」
「…ねぅ」
「はい。おやすみなさい」
ちゅ、ちゅと頬にキスをされながら尻を揉まれる。もう出ないとか言いつつ、まだ出るのでは?
なんて期待をしたけれど、オレの身体が先に悲鳴を上げた。
「ねむい…」
「後のことは私に任せて、寝ましょう。スヴェン様」
「ん…おやすみ…」
「はい。お疲れさまでした」
クルトの優しい声と、尻を揉まれる気持ちよさにオレの意識はすとん、と落ちた。
■■■
「ふぅ」
「クルト」
「旦那様…と奥様」
スヴェン様の身体とついでに俺の身体も綺麗にして、きちんと身支度を済ませ部屋から出れば、そこには何とも微妙な表情を浮かべた旦那様と、にこにことしている奥様がいて。
もしかして、ずっと部屋の前にいたんですか?
そんな疑問を感じながら頭を下げれば、旦那様の拳がわずかに震えていることに気付いた。
それもそうか。
教会でスヴェン様が発した「クルト! セックスするぞ!」にその場が静まり返った。
いや、正確にはヴィリ様の笑い声だけが響いていたわけだけども。
それからはっと我に返った旦那様がスヴェン様の肩を掴んで詰め寄った。
「スヴェン?! セックスとはどういうことだ?!」
旦那様の気迫にスヴェン様が驚いていると“まぁまぁ、落ち着きなよ”とヴィリ様が間に入った。
「ヴィリ様!」
“はいはい。落ち着いて。セックスについては私から説明するから。ク…ルト君は鼻血をどうにかしなよー?”
「はい」
そうだった。スヴェン様があまりにも可愛くて鼻血を出したんだった。あ、スヴェン様にはついてないよな?!
“スヴェン君はもう自分で傷つけることは出来なくなった代わりに、クルト君とセックスすると死ぬことが可能になったんだ”
「クルトと?」
服は汚れたけれどスヴェン様に血が付いていないことにほっとすると、ポケットからハンカチを取り出し鼻血を拭く。…鼻の中ががびがびかけど仕方ない。
“そうそう。スヴェン君は自分を傷つけようとすると物理、魔法防御が自動的に発動。怪我すらしないよ”
「自分で傷をつけない場合は…?」
奥様が小さく震えながらヴィリ様に問いかけている。お二人とも身体が震えているのはヴィリ様と正面から話しているからだろうね。
俺もそこはかとなく震えてはいるけど、スヴェン様にそんなかっこ悪い所は見せられないからな。なんとか最小限に抑えてる。それに、スヴェン様の側にいると、安心できるのもある。
“その場合はどちらも発動しない”
「…つまり、他人がスヴェンを傷つけることは可能、だと?」
“そういうことだね”
「なんということだ…」
“だからね、クリ…じゃない、クルト君に物理、魔法防御を与えておいたから”
「はい?」
俺の知らない間にそんなものが?! お二人が「本当に?!」と俺を見ているが、残念ながら今、知りました。というかいつの間に?
「ヴィリ様。その…私に物理、魔法防御の魔法が使えると聞こえましたが…?」
“うん、そう言った”
「えぇ…」
いや、スヴェン様をお守りできるなら嬉しいんだけれども。
困惑しかない。
“何も困惑することはないよー。なんせスヴェン君はセックス以外で死ねないんだよ? 傷付いたスヴェン君をもう見ることがなくなるんだから”
「そ…れは…」
そうだけれども、と旦那様が奥歯を噛み締めている。
そんな旦那様に奥様が寄り添うと、旦那様の鋭い視線が俺を刺す。
「ですがなぜ、よりによってクルトなのですか!」
吠える旦那様に、ヴィリ様がにまーっと笑みを浮かべると途端に声が聞こえなくなった。
スヴェン様も首を傾げているから、旦那様とヴィリ様の声だけ聞こえなくなったのだろう。そんな二人が何やら一言二言話すと、旦那様の顔色が悪くなった。
どうやらあのことを話しているのだろうな。
奥様はスヴェン様の腕に手を添えて、心配そうに見つめている。
「…分かりました」
“話が早くて助かるねー”
むふむふと上機嫌なヴィリ様と、今にも倒れそうな程顔色が悪い旦那様。
俺は旦那様と奥様のとなど初めからどうでもいいけど。
「ところでスヴェンちゃん、クルトと…その…性行為することに躊躇いはないのかしら?」
「ありませんよ。オレより抱かれるクルトの方が心配ですが」
うん?
今、とんでもない言葉が聞こえたような気がするんだが?
「スヴェン様」
「なんだ?」
「今、私を抱く、と聞こえたような気がしましたが…?」
「ああ、そう言ったぞ?」
何ってんだ?と首を傾げるスヴェン様は大変可愛らしいが、言葉は可愛くない。
そんな可愛くない言葉に反応して痛いくらいに勃っていた俺の息子は力を失くし、しょんぼりとしている。それを見たスヴェン様が、旦那様の腕から抜け出し俺の股間を見つめる。
「おい! しっかりしろよ!」
「無理です。スヴェン様が私を抱くなんておっしゃるんですから…」
「なんだよ! オレは抱かれる気はないぞ!」
「あー…じゃあ、元気出ませんね…」
「頑張れよ! 熱くなれよ! クルトならできるって!」
なんだか暑苦しい言葉を俺の股間に向かって話しかけている。旦那様はそんなスヴェン様を見つめているだけだし、奥様もどうしたらいいのか分からず俺とスヴェン様、そして旦那様を見ている。
“そのことでもう一つスヴェン君に謝らなきゃいけなことがあるんだよねー”
「あん?」
“スヴェン君の身体、ちょーっとだけ変えちゃったんだ”
「はぁ?」
俺の股間に向かって「勃て! 勃て! 勃て! 勃ち上がれ!」と応援をしていたスヴェン様がヴィリ様を見る。
いいなぁ…。俺の息子。スヴェン様に応援してもらって…。
なんて思っていたらヴィリ様がとんでもないことを口にされた。
“スヴェン君の身体ねー、お尻の穴が濡れやすくなって、痛み半減、気持ちよさ倍増にしちゃったんだ☆”
ごめーんね☆と笑うヴィリ様に、旦那様と奥様が倒れそうになっている。まずい。
どうしたものかと考えていると、スヴェン様がぽかんとした後、立ち上がる。
「どういうことだ! お節介!」
“元々スヴェン君は抱く側じゃなくて、抱かれる側だと思ってたからさー。こうしちゃったんだよー”
「元に戻せよ!」
“無☆理”
「はぁ?!」
きゃは☆と笑うヴィリ様に、今度は俺もお二人もぽかんとする。
え? 無理?
“人間の身体の構造を変えるなんて禁忌なんだよ? いくら私でも一回しかできないんだもん”
「だからって…!」
“だから、クルト君には超絶テクニックを与えておいたから、痛みより気持ちよさの方が勝るからね!”
「こんの…お節介野郎があああぁぁぁぁっ!」
と、まぁスヴェン様の絶叫ともにヴィリ様が消えて、俺の手には瓶が握らされていた。
その瓶に眉を寄せれば、大司教様がにこにこしながらも、それが何なのか教えてくださった。
「それはヴィリ様特製とろとローションです」
「とろとローション?」
「はい。それを使えば怪我はしませんし、万が一怪我をしたとしても治癒できる優れものです」
「…これを使え、と?」
「はい。これを使えばスヴェン様はとろとろになられるでしょう」
こそっと教えてくださった大司教様には申し訳ないが、ごくりと喉を鳴らしてしまった。
これを使えば、スヴェン様がとろとろに…。
それをぎゅっと握ると、今にも石像を破壊しそうなスヴェン様に向かって俺は叫んだ。
「スヴェン様、セックス致しましょう!」
そんなわけで、屋敷に付いた途端にスヴェン様の好奇心が爆発し、初めてのセックスとなりましたとさ。
すっごいよかった。
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かなり戸惑ったが、一夜限りだし相手もそう望んでいるだろうと挨拶もせずその場を後にした。
後日、一夜の相手が有名な高ランク冒険者パーティの一人、美貌の魔剣士ブラムウェルだと知る。
群れることを嫌い他者を寄せ付けないと噂されるブラムウェルだがノアには態度が違って……
冷淡冒険者(ノア限定で世話焼き甘えた)とマイペースギルド職員、周囲の思惑や過去が交差する。
表紙は友人絵師kouma.作です♪
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BL
ある事がきっかけでヤンキー(イケメン)に目をつけられた俺。
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