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(攻めてきた)国の名は?

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 俺はミリアさんに里に攻めてきた人間たちの事を詳しく聞くことにした。
 あの様子では交渉とかできそうな連中ではないので、まるっと滅ぼした方が世界の安全の確保には手っ取り早そうだが、すこし気になることがある。
 俺の事を「蛮族の神」とか言ったことだ。
 この世界での俺のポジションを知りたい。
 という訳でこの世界で唯一名前を知っているミリアちゃんを呼びつけてきいてみることにした。

「ミリアよ、あの者の口走った『蛮族の神』とはなんだ?」

「おぉぉぉおお恐れ多くももうしあげますすぅぅ!」

 ええ?何かいきなり土下座されて困惑しかない。

「エルフは機人さまが眠りにつかれてからというもの、ヒトとの戦いに敗れ、壁を失い、森を失い、今や辺境に流れ着いております」

「もはや機人様を奉るものはエルフとドワーフを除いてはもはやこの地にはおらず、イキリ散らしたヒトブタが、あのように蛮族の神と口でクソを垂れる始末でございます」

 なんか最後の方が引っかかるが、大体わかったような、わからんような……

「彼の物たちの国の名と、場所はわかるか?」

「はっ地図はここに!悍ましきその国の名は神聖オーマ帝国と言います」

 用意がいいな。ふむ、きったねえ地図だなこりゃ、川の形と位置から察するに、下流の西の方にあるのね。大体わかりました。

「ここより西のオーマか、なんと、あの者の作った小国がな……」

 とりあえずそれっぽい事を言っておく。どうせわからんだろうし

「機人様はご存じなのですか?」

「うむ、悪徳と退廃の兆しは当時から感じていた。だがここまで堕ちるとは……」

「では!女子供も含めてすべて塵芥の灰に還し、大地には塩を撒いてくださると!?」

こんな子にここまで言わせるとか、オーマ帝国どんだけヤベーんだよ!?
ヤバすぎてオーマ帝国がヤベーのか、ミリアがヤベーのかわっかんねーんだよ!???

「それは……」

 しかし俺は自信に注がれる視線を感じて、肺も無いのに息を飲んだ。
 未亡人たちの目、期待と歓喜に打ち震える目、ああ、あいつらはこれを作ったのか。
 じゃあ、仕方ないね。
 彼ら自身が撒いた種だ。親の罪は子の罪にするしかない。

 あいつらが勝手なルールを押し付けて、この世界ではそれがルールだっていうんなら、こっちもルールを押し付けて、残虐非道のルール無制限デスマッチで行くとしよう。
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