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しおりを挟む朝食を取ろうとキアラと食事の席についた所で急な来客の知らせがあった、執事から名前を聞いて急いで応接室へ向かうと、
どうしよう、公爵様が私に頭を下げている
「公爵様!どうぞ頭を上げて下さい」
オロオロしながら声をかける
ゆっくり頭を上げながら、
「セレス.ジャスミン伯爵 今までの失礼な発言を謝りたくて 本当に申し訳ない」
「ええっ?! まさかお兄様に何か、言われたのですか?」
「ああ、何をやってるのかと怒られたよ」
お兄様に怒られた?公爵を怒ったの? どうしよう 私の所為だわ
アレックス. バロウズ公爵は現王の弟君で、背が高く金髪碧眼の美丈夫で有名だ、
若い頃から女性に人気があり、それは今でも変わらないのだろう、
昔、ジャレッドと婚約してからの何度目かのパーティで挨拶した時だった、
「これは、カイゼルの妹君か? ああ婚約されたとか、おめでとう!」
「バロウズ王弟殿下 ありがとうごさいます 」
ジャレッドを紹介してお礼を言う
私達は王弟殿下に話しかけられ、緊張していた、それではと、王弟殿下が私の横を通り過ぎる時 少しかがんで「そのドレスは似合わないな」と呟いて去っていった
その日のドレスはジャレッドの瞳の色に合わせた水色のドレスだった
わたしは金髪に濃いエメラルドグリーンの瞳で虹彩には水色も含んでいるから、似合うはずなのに・・・
軽くショックを受けたけど気持ちを切り替えてジャレッドとパーティを楽しんだ
その後もそんな感じで会うたびに一言、
私の中では嫌な人でしかなかった
目の前の バロウズ公爵は 突然ジャスミン伯爵家に先ぶれなしで訪れて、
応接間で私に頭を下げている
「そんなつもりではなかったのだ、まさか君に嫌われているなんて」
「い、いえ そんな嫌ってなど・・・」
お兄様・・私をピンチに追いやりたかったのだろうか?どう答えたら正解なんだろうと、困っていると
「君がパートナーの色を身につけているのを見る度にやるせ無い気持ちになってしまって、 嫌な男だよな会うたびに嫌味を君にぶつけていたんだ」
「? それは どうして?」
それではまるで、、、
バロウズ公爵はテーブル越しに、私の手をとり両手で包み込んでから見つめてきた
「ああ、君が好きなんだ 離婚したとカイゼルから聞いた時 私にも機会が巡ってきたと不謹慎にも喜んでしまった
是非合わせて欲しいと頼んだら、
お前は嫌われているから 諦めろと言われて、すまない 先ぶれも出さずに来てしまった 君の名前をセレスと呼ぶ許可が欲しい そして私の事はアレクと呼んで欲しい!」
私、とっても間抜けな顔をしていたと思う
急にこんな事を告白されて、
天地がひっくり返ったような衝撃を受けていると、いつのまにか公爵は私の前に跪いて、手を差し伸べている
「驚いたよな 我ながら、いい歳して鬱陶しい男だと思うが、君が欲しいんだ
私と一緒に生きてくれないか?」
え?これってプロポーズ? ちょっとまって、
展開が早すぎて 考えが追いつかないわ
「バロウズ公爵? 私、突然で驚いてしまって、あの、まずはお友達になりませんか?」
落ち付いてもらおうと、とりあえず出た言葉はこんなだった、なのに、
「ああ、セレス!喜んで!まずは友達になろう!」
そういいながら素早く抱きしめられて、
情熱的なキスをされた・・・
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