ずっと一緒にいようね

仏白目

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生まれ変わっても

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桜 side


「君とずっと一緒にいたい!僕と結婚して下さい!」

これが彼、健治からのプロポーズの言葉だった。

19才の桜は嬉しくて、この人とずっと一緒にいたいとプロポーズを受けた

あのプロポーズから30年、結婚してからは一男一女を授かり、桜は子育てと家庭を守ってきた 健治は仕事に忙しく 家の事は休みの日に行く買い物くらい、それも仕方ないのかな?と思った桜は長年我慢していた

今年に入り、下の娘が一人暮らしを始め夫婦二人の生活になった、新婚以来の夫婦水入らず 何か2人でやれる趣味でもあれば生活が楽しくなるのでは? 

すっかり会話も減ってきていても、桜は健治の事が好きだったし、2人きりの生活も楽しみたいと考えていた

ほんの遊び心で聞いてみただけだった、
新婚の頃こんな会話したなぁって、


「ねえ 生まれ変わっても私と結婚する?」


まさか、あんな返事が返ってくるなんて思わなかった・・・





なんだ、そうゆう人だったのね 来世ではなく 現世で貴方は私に飽きているのね


呆れてしまった、なんでこんな男と一緒になったかなぁ・・・ 











健治 side


あるいつもと同じ朝 おれは朝食のパンをかじりながらスマホでニュースの記事に目を通してた

「ねえ 生まれ変わっても私と結婚する?」


「ああ もちろんだよ」

「ふふっ 正直に言っていいんだよ?」


「えっ、まぁなぁ 同じ事繰り返すのもなんだし・・  
次は別の人がいいかも  お前もそうだろ? なぁ?」

言いながらスマホの画面から視線を妻に向けると  


「・・・・・」


失意の顔をした 妻と目が合った


「え・・・?」


「・・・・  」





その日から一週間経つが 妻が口を聞いてくれない
 
いや、必要な事は言ってくれるが
それだけになった

「それじゃあ行ってくるよ」

「ええ、行ってらっしゃい」
食器を洗いながら声だけで返事をする  

どうしたものか・・・


「なぁ、今日早く帰れるから外食しないか?」

「外食? ・・いいわよ」

「じゃあ 夕方電話するよ」

「ええ、」


外食でもして あの時の会話を謝ろう、

あいつが聞いて来たから答えたのに、まったく自分の気に入らない返事だとへそを曲げるって、子供かよ!

まあ、うそでも あの時の答えはイエスの一択だったんだろう、俺のデリカシーの無さが招いた結果だ






夕方 駅まで車で迎えに来てくれと電話を入れ、それから予約を入れた店に向かおうと思っていた。


「今から車で行くわ」



妻と話した会話が、それで最後になるなんて,思っていなかった・・・



妻が・・桜が死んだ・・・

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