1 / 6
生まれ変わっても
しおりを挟む
桜 side
「君とずっと一緒にいたい!僕と結婚して下さい!」
これが彼、健治からのプロポーズの言葉だった。
19才の桜は嬉しくて、この人とずっと一緒にいたいとプロポーズを受けた
あのプロポーズから30年、結婚してからは一男一女を授かり、桜は子育てと家庭を守ってきた 健治は仕事に忙しく 家の事は休みの日に行く買い物くらい、それも仕方ないのかな?と思った桜は長年我慢していた
今年に入り、下の娘が一人暮らしを始め夫婦二人の生活になった、新婚以来の夫婦水入らず 何か2人でやれる趣味でもあれば生活が楽しくなるのでは?
すっかり会話も減ってきていても、桜は健治の事が好きだったし、2人きりの生活も楽しみたいと考えていた
ほんの遊び心で聞いてみただけだった、
新婚の頃こんな会話したなぁって、
「ねえ 生まれ変わっても私と結婚する?」
まさか、あんな返事が返ってくるなんて思わなかった・・・
なんだ、そうゆう人だったのね 来世ではなく 現世で貴方は私に飽きているのね
呆れてしまった、なんでこんな男と一緒になったかなぁ・・・
健治 side
あるいつもと同じ朝 おれは朝食のパンをかじりながらスマホでニュースの記事に目を通してた
「ねえ 生まれ変わっても私と結婚する?」
「ああ もちろんだよ」
「ふふっ 正直に言っていいんだよ?」
「えっ、まぁなぁ 同じ事繰り返すのもなんだし・・
次は別の人がいいかも お前もそうだろ? なぁ?」
言いながらスマホの画面から視線を妻に向けると
「・・・・・」
失意の顔をした 妻と目が合った
「え・・・?」
「・・・・ 」
その日から一週間経つが 妻が口を聞いてくれない
いや、必要な事は言ってくれるが
それだけになった
「それじゃあ行ってくるよ」
「ええ、行ってらっしゃい」
食器を洗いながら声だけで返事をする
どうしたものか・・・
「なぁ、今日早く帰れるから外食しないか?」
「外食? ・・いいわよ」
「じゃあ 夕方電話するよ」
「ええ、」
外食でもして あの時の会話を謝ろう、
あいつが聞いて来たから答えたのに、まったく自分の気に入らない返事だとへそを曲げるって、子供かよ!
まあ、うそでも あの時の答えはイエスの一択だったんだろう、俺のデリカシーの無さが招いた結果だ
夕方 駅まで車で迎えに来てくれと電話を入れ、それから予約を入れた店に向かおうと思っていた。
「今から車で行くわ」
妻と話した会話が、それで最後になるなんて,思っていなかった・・・
妻が・・桜が死んだ・・・
「君とずっと一緒にいたい!僕と結婚して下さい!」
これが彼、健治からのプロポーズの言葉だった。
19才の桜は嬉しくて、この人とずっと一緒にいたいとプロポーズを受けた
あのプロポーズから30年、結婚してからは一男一女を授かり、桜は子育てと家庭を守ってきた 健治は仕事に忙しく 家の事は休みの日に行く買い物くらい、それも仕方ないのかな?と思った桜は長年我慢していた
今年に入り、下の娘が一人暮らしを始め夫婦二人の生活になった、新婚以来の夫婦水入らず 何か2人でやれる趣味でもあれば生活が楽しくなるのでは?
すっかり会話も減ってきていても、桜は健治の事が好きだったし、2人きりの生活も楽しみたいと考えていた
ほんの遊び心で聞いてみただけだった、
新婚の頃こんな会話したなぁって、
「ねえ 生まれ変わっても私と結婚する?」
まさか、あんな返事が返ってくるなんて思わなかった・・・
なんだ、そうゆう人だったのね 来世ではなく 現世で貴方は私に飽きているのね
呆れてしまった、なんでこんな男と一緒になったかなぁ・・・
健治 side
あるいつもと同じ朝 おれは朝食のパンをかじりながらスマホでニュースの記事に目を通してた
「ねえ 生まれ変わっても私と結婚する?」
「ああ もちろんだよ」
「ふふっ 正直に言っていいんだよ?」
「えっ、まぁなぁ 同じ事繰り返すのもなんだし・・
次は別の人がいいかも お前もそうだろ? なぁ?」
言いながらスマホの画面から視線を妻に向けると
「・・・・・」
失意の顔をした 妻と目が合った
「え・・・?」
「・・・・ 」
その日から一週間経つが 妻が口を聞いてくれない
いや、必要な事は言ってくれるが
それだけになった
「それじゃあ行ってくるよ」
「ええ、行ってらっしゃい」
食器を洗いながら声だけで返事をする
どうしたものか・・・
「なぁ、今日早く帰れるから外食しないか?」
「外食? ・・いいわよ」
「じゃあ 夕方電話するよ」
「ええ、」
外食でもして あの時の会話を謝ろう、
あいつが聞いて来たから答えたのに、まったく自分の気に入らない返事だとへそを曲げるって、子供かよ!
まあ、うそでも あの時の答えはイエスの一択だったんだろう、俺のデリカシーの無さが招いた結果だ
夕方 駅まで車で迎えに来てくれと電話を入れ、それから予約を入れた店に向かおうと思っていた。
「今から車で行くわ」
妻と話した会話が、それで最後になるなんて,思っていなかった・・・
妻が・・桜が死んだ・・・
3
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
見捨てられたのは私
梅雨の人
恋愛
急に振り出した雨の中、目の前のお二人は急ぎ足でこちらを振り返ることもなくどんどん私から離れていきます。
ただ三人で、いいえ、二人と一人で歩いていただけでございました。
ぽつぽつと振り出した雨は勢いを増してきましたのに、あなたの妻である私は一人取り残されてもそこからしばらく動くことができないのはどうしてなのでしょうか。いつものこと、いつものことなのに、いつまでたっても惨めで悲しくなるのです。
何度悲しい思いをしても、それでもあなたをお慕いしてまいりましたが、さすがにもうあきらめようかと思っております。
【完結】婚姻無効になったので新しい人生始めます~前世の記憶を思い出して家を出たら、愛も仕事も手に入れて幸せになりました~
Na20
恋愛
セレーナは嫁いで三年が経ってもいまだに旦那様と使用人達に受け入れられないでいた。
そんな時頭をぶつけたことで前世の記憶を思い出し、家を出ていくことを決意する。
「…そうだ、この結婚はなかったことにしよう」
※ご都合主義、ふんわり設定です
※小説家になろう様にも掲載しています
「婚約を破棄したい」と私に何度も言うのなら、皆にも知ってもらいましょう
天宮有
恋愛
「お前との婚約を破棄したい」それが伯爵令嬢ルナの婚約者モグルド王子の口癖だ。
侯爵令嬢ヒリスが好きなモグルドは、ルナを蔑み暴言を吐いていた。
その暴言によって、モグルドはルナとの婚約を破棄することとなる。
ヒリスを新しい婚約者にした後にモグルドはルナの力を知るも、全てが遅かった。
晩餐会の会場に、ぱぁん、と乾いた音が響きました。どうやら友人でもある女性が婚約破棄されてしまったようです。
四季
恋愛
晩餐会の会場に、ぱぁん、と乾いた音が響きました。
どうやら友人でもある女性が婚約破棄されてしまったようです。
一年後に離婚すると言われてから三年が経ちましたが、まだその気配はありません。
木山楽斗
恋愛
「君とは一年後に離婚するつもりだ」
結婚して早々、私は夫であるマグナスからそんなことを告げられた。
彼曰く、これは親に言われて仕方なくした結婚であり、義理を果たした後は自由な独り身に戻りたいらしい。
身勝手な要求ではあったが、その気持ちが理解できない訳ではなかった。私もまた、親に言われて結婚したからだ。
こうして私は、一年間の期限付きで夫婦生活を送ることになった。
マグナスは紳士的な人物であり、最初に言ってきた要求以外は良き夫であった。故に私は、それなりに楽しい生活を送ることができた。
「もう少し様子を見たいと思っている。流石に一年では両親も納得しそうにない」
一年が経った後、マグナスはそんなことを言ってきた。
それに関しては、私も納得した。彼の言う通り、流石に離婚までが早すぎると思ったからだ。
それから一年後も、マグナスは離婚の話をしなかった。まだ様子を見たいということなのだろう。
夫がいつ離婚を切り出してくるのか、そんなことを思いながら私は日々を過ごしている。今の所、その気配はまったくないのだが。
妹ばかりを贔屓し溺愛する婚約者にウンザリなので、わたしも辺境の大公様と婚約しちゃいます
新世界のウサギさん
恋愛
わたし、リエナは今日婚約者であるローウェンとデートをする予定だった。
ところが、いつになっても彼が現れる気配は無く、待ちぼうけを喰らう羽目になる。
「私はレイナが好きなんだ!」
それなりの誠実さが売りだった彼は突如としてわたしを捨て、妹のレイナにぞっこんになっていく。
こうなったら仕方ないので、わたしも前から繋がりがあった大公様と付き合うことにします!
王妃の鑑
ごろごろみかん。
恋愛
王妃ネアモネは婚姻した夜に夫からお前のことは愛していないと告げられ、失意のうちに命を失った。そして気づけば時間は巻きもどる。
これはネアモネが幸せをつかもうと必死に生きる話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる