ファムファタール

仏白目

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運命

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「それで?私に聞きたい事ってなんだい?」

「面白い魂を持っているねって、前にいったでしょ? その事を聞きたかったの 
きっと、関係あるのでしょう?こんな風に男の人達に執着されて求められるなんて・・・」


「ほう、それは自分に魅力があるからとは思わないんだねぇ?あんた十分に美人だよ?体だって男が喜こびそうさぁ」

「・・・それが、タイプだって人はいるとは思うわ、でも何か違う力が働いているような気がするのよ・・・」

「そうさねぇ、言葉にするなら お前さんの運命かねぇ、その力を今までどれだけの人間が欲したか、古の時代からその力に憧れた者が魔法として生み出したのが魅了の魔法さ、似ているがそれとは違う
お前さんの魂に惹きつけられるのさ、魅了なんて足元にも及ばないよ
だからだろうねぇ・・」

「・・・・・・運命・・・」

「それで?お前さんが変わったのは何かあったからなのかい?」

「・・・変わった? 」

「ああ、前に見たお前さんより、力強い目になっているねぇ」

「・・思ったことを言ってみるようにしたの、ずっと我慢して言う事を聞かないとって、怖かったから言えなかった・・
でも、自分の気持ちを言っても 怖い事は起きなかったわ だから 我儘を言っても
私だって好きな事をしてもいいじゃない?」

「そりゃ、そうさぁ ヒヒッ、あの男にとっては最愛の女が自分に強請るなんて、ご褒美でしかないだろう?
で、何を我儘言ったんだい? 大きな宝石や豪華なドレスかい?
・・・それにしたら、質素な服を着てるねぇ?なんだい、そのネックレスの小さな石は? 」


「レオは大きな宝石の指輪やネックレスをくれたの、もちろんドレスもレオの趣味のゴージャスな物を用意してくれたのよ?・・・だけど
思い切って言ってみたのよ! 自分の好きなデザインの服やアクセサリーが欲しいって、夜会の時はレオの選んだものを身につけるから、それ以外は自分で選びたいって言ったら、君が好きな様にしていいよって言ってくれて・・・」


「言ってくれて、選んだのがそれかい?
はっ!信じられないねぇ 地味すぎだよ!
まあ、素材は良さそうだし、物は高級なものだろうけどねぇ・・」

魔女は残念な物を見る目を向けている

「ええ?その言い方は酷いと思うの・・・」

「まあ、人の趣味は色々だからねぇ、他には?もっとあるんだろう?あの男を振り回す様な我儘が」

「ええ、忙しい国王陛下の貴重な時間を使ってもらって、町への買い物や、旅行にも連れて行って貰ったわ 次の予定ももう立てていて それにはセシルも連れて行くのよ?凄いでしょう?」

ミシェルはどうだ!と得意気に魔女に話す

「ほうほう、いいねぇ、行った先で豪華な食事に豪遊してくるんだろう?平民どもに見せつけてやったかい? ヒヒッそうでなくちゃねぇ、あたしゃ、そういうのが大好きなのさぁ」

「? よく分からないけど・・・
美味しい物を食べたし 初めて行った場所でも、周りの人達は良くしてくれて楽しかったわ 何だか閉じ込められていた頃がうそみたいよ?レオには感謝しているの」

「そうかい、そうかい、そうやってどんどん我儘を言ってやるといいさぁ、あの男は何でも願いを叶えてくれるさぁ!
ヒヒヒ、また話しを聞きにくるさぁ、おっと、これがお前さんの惹きつける力なんだろうねえ、すっかり絆されてるよ このあたしがねぇ、こわいこわい」

そう言って、魔女はスーッと姿を消した





「 運命 か・・・ 」

ミシェルはふぅっと、息を吐き、前を向いた

「まるで、治らない病気みたい・・・付き合って生きていくしか無いか・・・」

そう、ひとり呟いた・・・
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