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アインリヒ.シュバルツ
光の国
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光の国シュバルツ王国は精霊の恩恵を受けた国 今ではそう言われて豊かな国になっているが、
その昔 シュバルツ王国を名乗る前の国は貧しい国だった
綺麗な水と、民が飢え無いだけの食糧が手に入れば病気にも負けないだろうが
全てが悪循環に傾いていた
痩せた土 安定しない気候に 風土病が時々おこり 民を苦しめていた
少しでも動ける者は他国に助けを求めて旅立っていった
そう、あろう事かその国を統治していた国王までもが、民を見捨てて
国と共に滅びる事を恐れ、他国へと逃げ出してしまった
残された人々は、各々の最後を待つばかりのひもじく苦しい時間を過ごしていた
そんな時 1人の青年が精霊からの言葉を聞いたと 困窮する民の前に現れて話し出す
この植物を畑に今すぐ植えるんだと、
袋に入った種を人々に手渡した
「こんな痩せた土に種をまいたって無理に決まっている!」
「なら、私の話を信じる者達だけがまけばいい、これは精霊王からの贈り物だ 生き延びたい者だけが私についてこい!」
そう青年は言うと、袋を掴んで畑に走る者の後に着いて行き、まき終わるのを見届けていく、
そして
「出来た実りで争わずに助け合うことが
この国が滅びの道から抜け出せる、ただ一つの方法だ みんな心して精進することだ!」
そう 大きな声で告げると
空からは雨が優しく降り始めた
民は恵の雨に歓喜の声をあげ そして
我々に生きるチャンスを与えてくれた
精霊王に感謝した
精霊王の贈り物は 一晩で畑に野菜が収穫出来る状態になり 飢えに苦しむ民を救った
信じなかった者や、動けなかった者達も、分け隔てなく その恩恵にありつけた
民はあの青年が言った言葉を守った
そして、水や食べ物に困らなくなった国は
力をつけて行き、青年を国王としてシュバルツ王国が出来た
他国に逃げた前国王は、豊になった噂を聞きつけ国を取り戻そうとシュバルツ王国に入るが直ぐに、苦しみ出した
「精霊が歓迎した者しか、シュバルツ王国では生きていけない」
世間に知れ渡ったきっかけとなった
シュバルツ王国の成り立ちを語るとこの話がされる
あの時の青年が初代の王で、息子が2人、子供の1人に巫女の家の力が継承されている
現在の国王は私、シュバルツ王国六代目のアインリヒ.シュバルツだ
残った文献には初代のマルクス.シュバルツの名前が残るだけで、出自は描かれていない
執務室で書類仕事をする国王の元へ 側近の1人が報告に来た
「アインリヒ国王様にお知らせ致します、
アーリング王国チェルシー王女様を乗せた馬車が、シュバルツ王国の国境を無事通過して王城に向かっていると、連絡が入りました。
「そうか、ご苦労であった」
執事のジムニーはテラスで紅茶の準備をしながら、
「もう直ぐ会えますね」
「ああ、そうだな」
「外はいい天気ですよ 精霊も歓迎しているのでしょう・・・あっ! はははっ!」
空を眺めていたジムニーが急に笑いだした
「どうしたジム?」
「ふふふ、いやー 精霊様も分かりやすいなぁと思いまして、アインリヒ様も見てくださいよ!」
「?」
アインリヒもテラスに出て空を見ると、
快晴の空に大きな虹が出ていた
その昔 シュバルツ王国を名乗る前の国は貧しい国だった
綺麗な水と、民が飢え無いだけの食糧が手に入れば病気にも負けないだろうが
全てが悪循環に傾いていた
痩せた土 安定しない気候に 風土病が時々おこり 民を苦しめていた
少しでも動ける者は他国に助けを求めて旅立っていった
そう、あろう事かその国を統治していた国王までもが、民を見捨てて
国と共に滅びる事を恐れ、他国へと逃げ出してしまった
残された人々は、各々の最後を待つばかりのひもじく苦しい時間を過ごしていた
そんな時 1人の青年が精霊からの言葉を聞いたと 困窮する民の前に現れて話し出す
この植物を畑に今すぐ植えるんだと、
袋に入った種を人々に手渡した
「こんな痩せた土に種をまいたって無理に決まっている!」
「なら、私の話を信じる者達だけがまけばいい、これは精霊王からの贈り物だ 生き延びたい者だけが私についてこい!」
そう青年は言うと、袋を掴んで畑に走る者の後に着いて行き、まき終わるのを見届けていく、
そして
「出来た実りで争わずに助け合うことが
この国が滅びの道から抜け出せる、ただ一つの方法だ みんな心して精進することだ!」
そう 大きな声で告げると
空からは雨が優しく降り始めた
民は恵の雨に歓喜の声をあげ そして
我々に生きるチャンスを与えてくれた
精霊王に感謝した
精霊王の贈り物は 一晩で畑に野菜が収穫出来る状態になり 飢えに苦しむ民を救った
信じなかった者や、動けなかった者達も、分け隔てなく その恩恵にありつけた
民はあの青年が言った言葉を守った
そして、水や食べ物に困らなくなった国は
力をつけて行き、青年を国王としてシュバルツ王国が出来た
他国に逃げた前国王は、豊になった噂を聞きつけ国を取り戻そうとシュバルツ王国に入るが直ぐに、苦しみ出した
「精霊が歓迎した者しか、シュバルツ王国では生きていけない」
世間に知れ渡ったきっかけとなった
シュバルツ王国の成り立ちを語るとこの話がされる
あの時の青年が初代の王で、息子が2人、子供の1人に巫女の家の力が継承されている
現在の国王は私、シュバルツ王国六代目のアインリヒ.シュバルツだ
残った文献には初代のマルクス.シュバルツの名前が残るだけで、出自は描かれていない
執務室で書類仕事をする国王の元へ 側近の1人が報告に来た
「アインリヒ国王様にお知らせ致します、
アーリング王国チェルシー王女様を乗せた馬車が、シュバルツ王国の国境を無事通過して王城に向かっていると、連絡が入りました。
「そうか、ご苦労であった」
執事のジムニーはテラスで紅茶の準備をしながら、
「もう直ぐ会えますね」
「ああ、そうだな」
「外はいい天気ですよ 精霊も歓迎しているのでしょう・・・あっ! はははっ!」
空を眺めていたジムニーが急に笑いだした
「どうしたジム?」
「ふふふ、いやー 精霊様も分かりやすいなぁと思いまして、アインリヒ様も見てくださいよ!」
「?」
アインリヒもテラスに出て空を見ると、
快晴の空に大きな虹が出ていた
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