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隠れ家と蜜月と
マーカス&アリエル
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ドラゴンからの攻撃を受ける5日前のリンゼアナ王国
マーカスは欲しかった者が手に入り上機嫌だった、ダンジョンから戻った冒険者が深層部で命からがら持ち帰った物が、見た事もない珍しい物だった、
両手の手に収まるほどの大きさで、白地に銀色なマダラな柄の卵だった、上の方に大きなルビーが埋まっている
「今回は本当に大変でした、戻って来れないのではないかと思いましたよ」
「ああ、何度もハラハラしたよ!」
マーカスは自らをこの冒険者と共有してダンジョンを自分も冒険している気分を味わうのが趣味だった
王家の秘宝の中には不思議な宝石があり お互いに身につければお互いを共有できるペンダントがあった
マーカスは冒険者に憧れていた、王太子の身分で慣れないのを悲しんでいた少年時代に、王妃がこれで擬似体験はできるのでは?とくれたものだった
王妃も使った事がないので、知らなかったのだろう 擬似体験なんてものではなかった ペンダントをつけている同士はひとつになるのだ、一方の身に何かあればどうなるのか?そんな事を考えもせずに息子に渡していた。
ものは試しに、Sクラスの冒険者と契約をして、初めは簡単なダンジョンに入って貰うと、そちら側を観ようと考えるだけで自分も同じ視野でその場にいる様な体験ができるのだ
嬉しかった、冒険者になったようだ!
それから、段階を踏んでかなり難易度の高いダンジョンを挑戦するようになっていた
何年もそんな事を繰り返していると、
Sクラス冒険者の方も王太子の依頼のダンジョンの仕事は楽な上に依頼料まで高額で貰える、おまけに王太子が欲しいと言ったもの以外のお宝は自分のものになり、美味しい事だらけだった、
そしてなぜかいつも幸運に恵まれた
ピンチになっても不思議と運がいいと思う事ばかりがおこる
冒険者はマーカスの強運の事を知らないので、ペンダントの力だと思っている
『王太子のアイテムすげ~これなら、誰も入れなかったダンジョンもクリア出来るんじゃないか?』
と思う様になっていた、
そこはどんな有名な冒険者がパーティを組んで挑んでも、下の階に降りられずに入った場所に戻されてしまう、難攻不落のダンジョンだった、 きっと凄いお宝が有るはず、誰もがそう考えていた
そうして冒険者は このダンジョンの事を
王太子に話してみると、王太子は飛びついた
そうして、冒頭の話しにつながる
「それにしてもこの卵は何の卵だろう?」
マーカスが卵を手に取り眺めていると
アリエルが部屋に入ってきた、
「まぁ、大きなルビー!色も深い赤でとても綺麗ですわ!」
「あ、ああ そうだね、綺麗だろう?」
「うふっ!マーカス?勿論それは私にくれるのよね?」
「ああ、いいよ」
マーカスは宝石には興味は無かった
「わあ、嬉しい! ペンダントにしたらそれは素敵になると思うわ!」
その宝石は卵にしっかりとくっ付いていたが宝石商が工具を使い試みると、卵の殻の表面とともに剥がれ落ちた
ペンダントは5日後の昼に出来上がるとアリエルは喜んでいた。
その日から卵の白色がくすみ出した
5日目の昼間に宝石商がアリエルにペンダントを届けた頃には完全に真っ黒な卵になっていた
王太子も、もう卵には興味は無く
部屋に飾ったまま放置していた
そしてその日の日没 夕食を取ろうとアリエルをエスコートし、アリエルの胸元をみると綺麗なルビーのペンダントが輝いている、食堂に入り先に席についている国王と 王妃に2人で挨拶をする、自分達も席に座ろうと体の向きを変えた時 それに気がついた、暗い窓の外に巨大な炎の塊がこちらに向かって来るのが目に入った
「えっ!!キャアアアアー」
アリエルの悲鳴と共に、マーカスはアリエルを盾にして後ろに隠れた
そして一瞬にして王城全てが無くなった
国王も王妃も、一瞬の事で何があったか気付く前に消し飛んだのだろう
アリエルは恐怖の中、マーカスに盾にされながら全てをみていた
自分達に巨大な炎の塊がぶつかると思った瞬間、防御魔法が体を包んだ!
同時に物凄い光が炎の飛んで来た方向へと向かう!
辺り一帯が昼になった様な眩しさで目を開けていられない程だった
何が起きたの? 食堂に居たはずだったのに、今は外にいる
瓦礫ですら少なく駄々広い抉られた地面があるだけだった
なのに私は汚れてもいない
「ア、アリエル、一体コレは・・・」
自分の後ろに今だにしがみつくマーカスがいる事に気がつく、私を盾にした男だ
悲しさと憎しみが湧き上がる、
「よくも!私を盾にしたわね!」
「ち、違うんだ!突然の事で・・・」
恐怖と暗闇でここから移動することもできずに、その場にしゃがみ込み夜を明かした
日が昇り明るくなり始めてアリエルは1人
えぐれた大地から風魔法を使いながら 辺りを見渡せる所まできた
アリエルの使える魔法はヨハンと同じ
風 水 闇
私もお母様の様に魔法が使えたら良かったのに・・・
国王様も王妃様も消えてしまった
城の人達は皆んないい人達だったのに
辺りを見渡すと、王城は消えて王都の町は焼け落ちて人の気配は感じられ無かった
所々から、煙が上がっていてまだ火も残っているようだ、
どうしたらいいんだろう、そのまま瓦礫の側に座り込み夜になり、眠ることも出来ないまま、朝になった
座ったまま、朦朧としていると馬車の音が聞こえた気がして立ち上がった
懐かしい馬車がこちらに向かって来るのが見えた
アリエルは走り出した、ふらふらして
早く走れないけど、少しでも早く、早く!
「お母様ーーー!」
「アリエル!ああっよかった!」ユリシアも馬車から降りて走る
ーお姉様は生きているわ、早く!今すぐ迎えに行ってあげてー
ユリシアは泣いている場合じゃないと、アンジェラに後押しされて急いで馬車にのり転移してきた
ーよかった、私の娘が生きていたー
ユリシアはアリエルを抱きしめて、2人で泣いた
マーカスは欲しかった者が手に入り上機嫌だった、ダンジョンから戻った冒険者が深層部で命からがら持ち帰った物が、見た事もない珍しい物だった、
両手の手に収まるほどの大きさで、白地に銀色なマダラな柄の卵だった、上の方に大きなルビーが埋まっている
「今回は本当に大変でした、戻って来れないのではないかと思いましたよ」
「ああ、何度もハラハラしたよ!」
マーカスは自らをこの冒険者と共有してダンジョンを自分も冒険している気分を味わうのが趣味だった
王家の秘宝の中には不思議な宝石があり お互いに身につければお互いを共有できるペンダントがあった
マーカスは冒険者に憧れていた、王太子の身分で慣れないのを悲しんでいた少年時代に、王妃がこれで擬似体験はできるのでは?とくれたものだった
王妃も使った事がないので、知らなかったのだろう 擬似体験なんてものではなかった ペンダントをつけている同士はひとつになるのだ、一方の身に何かあればどうなるのか?そんな事を考えもせずに息子に渡していた。
ものは試しに、Sクラスの冒険者と契約をして、初めは簡単なダンジョンに入って貰うと、そちら側を観ようと考えるだけで自分も同じ視野でその場にいる様な体験ができるのだ
嬉しかった、冒険者になったようだ!
それから、段階を踏んでかなり難易度の高いダンジョンを挑戦するようになっていた
何年もそんな事を繰り返していると、
Sクラス冒険者の方も王太子の依頼のダンジョンの仕事は楽な上に依頼料まで高額で貰える、おまけに王太子が欲しいと言ったもの以外のお宝は自分のものになり、美味しい事だらけだった、
そしてなぜかいつも幸運に恵まれた
ピンチになっても不思議と運がいいと思う事ばかりがおこる
冒険者はマーカスの強運の事を知らないので、ペンダントの力だと思っている
『王太子のアイテムすげ~これなら、誰も入れなかったダンジョンもクリア出来るんじゃないか?』
と思う様になっていた、
そこはどんな有名な冒険者がパーティを組んで挑んでも、下の階に降りられずに入った場所に戻されてしまう、難攻不落のダンジョンだった、 きっと凄いお宝が有るはず、誰もがそう考えていた
そうして冒険者は このダンジョンの事を
王太子に話してみると、王太子は飛びついた
そうして、冒頭の話しにつながる
「それにしてもこの卵は何の卵だろう?」
マーカスが卵を手に取り眺めていると
アリエルが部屋に入ってきた、
「まぁ、大きなルビー!色も深い赤でとても綺麗ですわ!」
「あ、ああ そうだね、綺麗だろう?」
「うふっ!マーカス?勿論それは私にくれるのよね?」
「ああ、いいよ」
マーカスは宝石には興味は無かった
「わあ、嬉しい! ペンダントにしたらそれは素敵になると思うわ!」
その宝石は卵にしっかりとくっ付いていたが宝石商が工具を使い試みると、卵の殻の表面とともに剥がれ落ちた
ペンダントは5日後の昼に出来上がるとアリエルは喜んでいた。
その日から卵の白色がくすみ出した
5日目の昼間に宝石商がアリエルにペンダントを届けた頃には完全に真っ黒な卵になっていた
王太子も、もう卵には興味は無く
部屋に飾ったまま放置していた
そしてその日の日没 夕食を取ろうとアリエルをエスコートし、アリエルの胸元をみると綺麗なルビーのペンダントが輝いている、食堂に入り先に席についている国王と 王妃に2人で挨拶をする、自分達も席に座ろうと体の向きを変えた時 それに気がついた、暗い窓の外に巨大な炎の塊がこちらに向かって来るのが目に入った
「えっ!!キャアアアアー」
アリエルの悲鳴と共に、マーカスはアリエルを盾にして後ろに隠れた
そして一瞬にして王城全てが無くなった
国王も王妃も、一瞬の事で何があったか気付く前に消し飛んだのだろう
アリエルは恐怖の中、マーカスに盾にされながら全てをみていた
自分達に巨大な炎の塊がぶつかると思った瞬間、防御魔法が体を包んだ!
同時に物凄い光が炎の飛んで来た方向へと向かう!
辺り一帯が昼になった様な眩しさで目を開けていられない程だった
何が起きたの? 食堂に居たはずだったのに、今は外にいる
瓦礫ですら少なく駄々広い抉られた地面があるだけだった
なのに私は汚れてもいない
「ア、アリエル、一体コレは・・・」
自分の後ろに今だにしがみつくマーカスがいる事に気がつく、私を盾にした男だ
悲しさと憎しみが湧き上がる、
「よくも!私を盾にしたわね!」
「ち、違うんだ!突然の事で・・・」
恐怖と暗闇でここから移動することもできずに、その場にしゃがみ込み夜を明かした
日が昇り明るくなり始めてアリエルは1人
えぐれた大地から風魔法を使いながら 辺りを見渡せる所まできた
アリエルの使える魔法はヨハンと同じ
風 水 闇
私もお母様の様に魔法が使えたら良かったのに・・・
国王様も王妃様も消えてしまった
城の人達は皆んないい人達だったのに
辺りを見渡すと、王城は消えて王都の町は焼け落ちて人の気配は感じられ無かった
所々から、煙が上がっていてまだ火も残っているようだ、
どうしたらいいんだろう、そのまま瓦礫の側に座り込み夜になり、眠ることも出来ないまま、朝になった
座ったまま、朦朧としていると馬車の音が聞こえた気がして立ち上がった
懐かしい馬車がこちらに向かって来るのが見えた
アリエルは走り出した、ふらふらして
早く走れないけど、少しでも早く、早く!
「お母様ーーー!」
「アリエル!ああっよかった!」ユリシアも馬車から降りて走る
ーお姉様は生きているわ、早く!今すぐ迎えに行ってあげてー
ユリシアは泣いている場合じゃないと、アンジェラに後押しされて急いで馬車にのり転移してきた
ーよかった、私の娘が生きていたー
ユリシアはアリエルを抱きしめて、2人で泣いた
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