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異世界生活編
90.弓の上達を感じた
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弓の練習のほうも俺としては頑張ってるんだけどまだまだなんだよな。でも的が真横移動だけをしてるやつなら結構タイミングは合ってきてるから成長はしてるはず。たまに当たるからめっちゃ嬉しくてよっしゃー! ってなっちゃうのはしょうがないよな? だって今まで当たらなすぎたしさ。
確かに的の動きも上下とか斜めが入ってやたらと難易度上げられたけど、でも横だけ、上下だけ、斜めだけって感じでミックスしてランダムにはやってこないから、そこはヴァンの優しさだとは思う。上下とか斜めをやり始めて横移動がかなり楽なほうだとわかったんだよね。角度が変わるのって難しい。ほら、放った矢って若干弧を描くように飛ぶじゃん。だから角度を変えちゃうと着地点の予測がね……。
「イクミがやってる練習ってさ、それなりに難しいことやってるからね。自信持っていいよ? 普通は動物だとしても動きが止まったところを狙うんだ。だから動いてる的に合わせられる時点で結構レベル高いんだから」
「え、なにそれ……聞いてない」
「言ってないもん」
「ヴァン、あまりイクミをおちょくるなよ? 確かに弓だと普通は獲物が止まったところを狙うが、魔物はそうもいかないことがあるから安全のためにある程度は動いてるものを狙えるようになっておいたほうがいいのは確かだ」
ルイが口出さなかったのはそういうことなんだね。まあ、2人がそういうなら俺にはそれについて文句言うのは無理だな。ルイは俺にめちゃくちゃなこと言うはずないもん。
「確かに……俺が危険になって2人に迷惑かけるのはやだね……」
「ほらほら、イクミ! 前に使ってたあの的狙ってみなよ」
「え?」
「はい、すぐやる! オレの的を射るときみたいに素早くね」
なんだよもう……とか思いつつも、矢筒から矢を引き抜いて動きを止めないように構えから放つまでを行う。たいして狙いを定めた訳でもないのに止まってる的は俺にはクッキリと見えて、ちゃんと的の真ん中に矢が刺さった。
「あ……」
「ほらねー」
何故か自慢げなヴァンは置いといて、ルイが無言だけどしっかりと頷いたのが見えてなんだか嬉しい。ていうか、俺、ちゃんと上達してたんだって驚きがやばい。だって、ほんとに少し前まで俺ってなかなか上達しないって思ってたんだもん。
「イクミは少しくらいキツいくらいでも食らいついてくるじゃん。だから日々少しずつ難易度調整してたんだよね」
「いや……俺だってヘコむんだけど? 食らいつくっていうかやらないとだめだからやってるだけでさ……。実際なんで俺ってこんな下手なんだろって思ってたし」
口を尖らせてぶちぶちと俺が愚痴をこぼしていたらルイに肩をトンと叩かれた。今日は頭じゃないんだな。ルイなら撫でて慰めてくれてもいいんだけど口に出して言うのは恥ずかしすぎて無理だな。それに別の人にはされたくないし……。
ルイは決して多くは語らないし普段から表情もあまり変わらないけど、でもちゃんと俺のことを見ててくれるんだよな。だからこうやって肩に手を置かれただけでも、ルイの気持ちっていうのはめっちゃ伝わってくる。俺はルイのこういうところが本当に好きなんだ。
「とりあえずは、まあ、全然成長がないわけじゃないってわかっただけ良かったとするよ……。ヴァンはもうちょっと俺にも説明してほしいけど。あ、ルイももっと口出していいんだからね……」
「ああ」
「覚えてたら言うねー」
あまり改善は期待できないか……。でもなんだかんだ言っても2人の言う通りにやってきていろいろできるようになってきてるからな。教え方……はどうだかわからないけど、でも指摘とか俺への修正ポイントは的確なんだろうね。
それからは弓の練習はそれほど悩むこともなく継続中。自分ではできてなさそうに思えても、とりあえずルイとヴァンがゴーサインを出しているようなら俺は上手くやれてるっぽいってのがわかったからね。いや、いつも思ってるんだよ? 2人のことを信用して着いていくしかないってさ。でも、やっぱ結果が見えないのは不安になるじゃん……。こっちに来てからずっと同じ悩みを繰り返してるのわかってるんだけどさ。
まあ、俺がヘコむとか言ったからか、朝にルイが裏の広場の動かない的での試し打ちみたいなのにたまに誘ってくれるようになった。動く的だとヴァンが難易度調整しちゃうから自分でどの程度できてるかわかりにくいんだけど、こうやって普通の的を射ると本当に楽に感じるから安心できるんだよね。最初は1人でサディさんに断ってやってたんだけど、音を聞いてルイが部屋の窓から見てたみたいでさ。それからそうやって合流っていうか「行くか?」って声をかけてもらうようになったっていうか。
あとは弓じゃなくて、短剣の復習と練習もルイにたまに朝お願いしてる。いつもの練習の時間ときは背格好的にってことでヴァンとだけやってるんだけど、まあなんだ……ルイとの時間作りたいなって思って。練習って名目ならルイは絶対断らないだろって思って言うところが俺ずるいよな。
でも、もちろん練習は練習。向かい合ってるときはルイにちょっとビビるくらいだった。ヴァンみたいにヘラヘラってしてないからね……。俺が「練習にならないから受けるだけとかにしないで」って言ったせいなんだけど結構怖いんだよね。
それでも寸止めとかとっさのときの動きの変換がすごいから俺に怪我させないぞっていう謎の気迫も感じる。いいのかな? そんなんで……。
確かに的の動きも上下とか斜めが入ってやたらと難易度上げられたけど、でも横だけ、上下だけ、斜めだけって感じでミックスしてランダムにはやってこないから、そこはヴァンの優しさだとは思う。上下とか斜めをやり始めて横移動がかなり楽なほうだとわかったんだよね。角度が変わるのって難しい。ほら、放った矢って若干弧を描くように飛ぶじゃん。だから角度を変えちゃうと着地点の予測がね……。
「イクミがやってる練習ってさ、それなりに難しいことやってるからね。自信持っていいよ? 普通は動物だとしても動きが止まったところを狙うんだ。だから動いてる的に合わせられる時点で結構レベル高いんだから」
「え、なにそれ……聞いてない」
「言ってないもん」
「ヴァン、あまりイクミをおちょくるなよ? 確かに弓だと普通は獲物が止まったところを狙うが、魔物はそうもいかないことがあるから安全のためにある程度は動いてるものを狙えるようになっておいたほうがいいのは確かだ」
ルイが口出さなかったのはそういうことなんだね。まあ、2人がそういうなら俺にはそれについて文句言うのは無理だな。ルイは俺にめちゃくちゃなこと言うはずないもん。
「確かに……俺が危険になって2人に迷惑かけるのはやだね……」
「ほらほら、イクミ! 前に使ってたあの的狙ってみなよ」
「え?」
「はい、すぐやる! オレの的を射るときみたいに素早くね」
なんだよもう……とか思いつつも、矢筒から矢を引き抜いて動きを止めないように構えから放つまでを行う。たいして狙いを定めた訳でもないのに止まってる的は俺にはクッキリと見えて、ちゃんと的の真ん中に矢が刺さった。
「あ……」
「ほらねー」
何故か自慢げなヴァンは置いといて、ルイが無言だけどしっかりと頷いたのが見えてなんだか嬉しい。ていうか、俺、ちゃんと上達してたんだって驚きがやばい。だって、ほんとに少し前まで俺ってなかなか上達しないって思ってたんだもん。
「イクミは少しくらいキツいくらいでも食らいついてくるじゃん。だから日々少しずつ難易度調整してたんだよね」
「いや……俺だってヘコむんだけど? 食らいつくっていうかやらないとだめだからやってるだけでさ……。実際なんで俺ってこんな下手なんだろって思ってたし」
口を尖らせてぶちぶちと俺が愚痴をこぼしていたらルイに肩をトンと叩かれた。今日は頭じゃないんだな。ルイなら撫でて慰めてくれてもいいんだけど口に出して言うのは恥ずかしすぎて無理だな。それに別の人にはされたくないし……。
ルイは決して多くは語らないし普段から表情もあまり変わらないけど、でもちゃんと俺のことを見ててくれるんだよな。だからこうやって肩に手を置かれただけでも、ルイの気持ちっていうのはめっちゃ伝わってくる。俺はルイのこういうところが本当に好きなんだ。
「とりあえずは、まあ、全然成長がないわけじゃないってわかっただけ良かったとするよ……。ヴァンはもうちょっと俺にも説明してほしいけど。あ、ルイももっと口出していいんだからね……」
「ああ」
「覚えてたら言うねー」
あまり改善は期待できないか……。でもなんだかんだ言っても2人の言う通りにやってきていろいろできるようになってきてるからな。教え方……はどうだかわからないけど、でも指摘とか俺への修正ポイントは的確なんだろうね。
それからは弓の練習はそれほど悩むこともなく継続中。自分ではできてなさそうに思えても、とりあえずルイとヴァンがゴーサインを出しているようなら俺は上手くやれてるっぽいってのがわかったからね。いや、いつも思ってるんだよ? 2人のことを信用して着いていくしかないってさ。でも、やっぱ結果が見えないのは不安になるじゃん……。こっちに来てからずっと同じ悩みを繰り返してるのわかってるんだけどさ。
まあ、俺がヘコむとか言ったからか、朝にルイが裏の広場の動かない的での試し打ちみたいなのにたまに誘ってくれるようになった。動く的だとヴァンが難易度調整しちゃうから自分でどの程度できてるかわかりにくいんだけど、こうやって普通の的を射ると本当に楽に感じるから安心できるんだよね。最初は1人でサディさんに断ってやってたんだけど、音を聞いてルイが部屋の窓から見てたみたいでさ。それからそうやって合流っていうか「行くか?」って声をかけてもらうようになったっていうか。
あとは弓じゃなくて、短剣の復習と練習もルイにたまに朝お願いしてる。いつもの練習の時間ときは背格好的にってことでヴァンとだけやってるんだけど、まあなんだ……ルイとの時間作りたいなって思って。練習って名目ならルイは絶対断らないだろって思って言うところが俺ずるいよな。
でも、もちろん練習は練習。向かい合ってるときはルイにちょっとビビるくらいだった。ヴァンみたいにヘラヘラってしてないからね……。俺が「練習にならないから受けるだけとかにしないで」って言ったせいなんだけど結構怖いんだよね。
それでも寸止めとかとっさのときの動きの変換がすごいから俺に怪我させないぞっていう謎の気迫も感じる。いいのかな? そんなんで……。
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