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異世界生活編
68.新しいメニュー
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鍛錬のあと、サディさんと食事の話をしていた。
今日は夕飯の支度をサディさんに任せて、明日の朝食のための実験をやってもいいかなっていう相談だったんだけどね。
言葉には出さなかったけど、鍛錬のときのルイを見てモヤモヤの残る俺は喜んでもらえるものを作りたいなって思って。案の定、サディさんは即答でオッケーしてくれたよね。新しいメニューかしらってワクワクしてるだけで、俺の内心なんて知らないだろうけど。
俺はあのずっと手を出していなかったライ麦粉っぽいような粉を使ってみたかったんだよね。ただ、俺の使ったことのない食材だから実験は必須だ。
知識としてはライ麦パンがあのずっしり固くて酸っぱい感じだったってことくらいかな。そこから想像するにふわふわにならないってことだろ。グルテン……だよな? あれが、少ないかゼロかって感じなのかななんて予想する。
パン作りのときに使う小麦粉は強力粉だ。あれは加水してこねるとかなりの粘りが出るんだよな。料理漫画で仕入れた知識だとそのこねてよくグルテンの出た生地を水で洗うとグルテンだけ残ってネチャネチャしたガムみたいになるってやつ。味はないらしいけど……まあ、それはいいや。つまりそのネバネバがイーストやら酵母やらの発酵ガスをうまく生地内に閉じ込めるから膨れてふわふわなパンになる、と。
じゃあ、それがないならふわふわを諦めるか、ふわふわを他から仕入れればいい訳だ。
他から仕入れる手段は……今は難しいかな。そのうちサディさんを通して金属とか扱っている人に相談に行きたいなとは思うけど。
てことで、今回は俺の知っているパンではないものにしようと思う。
前に味見をした時、水で溶いて薄焼きを作ったからアレの応用って感じで。あのときは量は何も考えずに混ぜたからその辺をちゃんと練ろうと思う。
「サディさん、今は時間停止箱の中に卵とかミルクはある?」
「今はないわね。夕方だから取りに行ってもあるかしら……」
「そっか。朝ならあるよね?」
「1回行ってみて、なかったら明日の朝欲しいって言えばいいわよ。用意しておいてくれるわ」
「じゃあ、俺ちょっと行ってきてみる!」
そして家畜管理のお宅に行ってみると、運良くもらうことができた。朝も欲しいようなら来てくれていいよって言ってもらっちゃった。
ご主人は俺にだいぶ好意的。奥さんが俺の料理会でいろんな料理を覚えて作ってくれて嬉しいんだって。こういう持ちつ持たれつみたいなのなんかいいよな。
俺はカゴにミルクと卵を多めに入れてもらってお礼を言って帰ってきた。へへっ。
とりあえず、シェラカップを使いながら粉を同じくらいで量りながら器に4つくらい用意してみた。水と卵を加えて溶いてから焼いてみて、ちょっとかじる……。
「んー、卵が強すぎかな。もうちょっと水多めがいいか……じゃあ、ここに水足して、倍量で実験」
俺がやってる実験をサディさんはチラチラと見ながら夕食の準備をしている。ちゃんとレシピが定まったら教える約束をしているから途中で口を出してくることはないけど。
水倍量は多すぎた……。てことで作り直して水1.5倍で作ったら結構食感はいい感じ。で、次は水と同量でミルクに置き換えてみる。
「うお、ミルクで溶くのいいじゃん。生地うまっ」
「イクミくん」
横を見ればサディさんが……無言の訴えってやつ?
「あ、こ……これ、俺のかじりかけだけど……」
差し出せばニコッと笑って遠慮なく食べた。サディさんはちょっと驚いた顔をして、よく噛み締めて食べていた。
「あの粉、こんな風に使えるのね。昔、旅をしていたときに食べたパンみたいにはならないし、どうにもならないものかと思っていたけど。これがどうなるかは後のお楽しみにしておくわね」
サディさんは鼻歌を歌いながら夕飯の支度の続きに戻っていった。
「生地はこれでいいかな。あ、でも、ちょっと塩は加えたほうがいいかも……うん、これでいいか。具は……」
俺は倉庫に魔物肉の塩漬けがまだ余っているのを見つけて、これを使おうと決めた。なんか、俺の中で燻製してないけどベーコン的扱いになってきてる。つーか、なんか木のチップを作れば燻製にできるしそのほうが風味がいいよな。今回のは明日の朝食だから塩漬け肉のままで使うことにしよう。
よし! なんとかなりそうだ。ルイ、笑顔になってくれるかな……。
◇◇◇
朝から俺は張り切っていた。魔物肉の塩漬けを小さめのサイコロ状にカットしていく。これと卵がタンパク源。ちょっと足りないかもしれないから、そのときは普通に肉を焼いて食べてもらうか。俺は十分足りるんだけどな。炭水化物は生地だけだと少ないかなぁ。いつも通りのカロイモも蒸かして出すか。
野菜は生でも食べられる野菜でさっと火を通した感じのシャキシャキ食感の残るスープにしよう。
てことで、他の準備がほとんどできた状態で俺は搾りたてのミルクを貰いに行って帰ってきた。そして、バターを作りながらみんなが活動しだすのを待つ。
「あら、イクミくん。もう用意しちゃったの?」
「いやいや。面倒な下準備だけだよ。だって、サディさんも見たいでしょ?」
外から帰ってきたサディさんに言うと深く頷かれた。大丈夫だよ、ちゃんとわかってるから待ってたんだ。
「昨日お試しで作ってたのがあるでしょ? あの生地と具材を合わせるんだ」
「具は何にするの?」
「んっとね、魔物肉の塩漬けと卵を使うよ。ハードチーズがあったらもっと良かったんだけどね。でもなくても大丈夫。ここの食材ってなんでも美味しいもん」
と話しながら俺はサディさんが火をいれてくれたかまどで、切っておいた塩漬け肉を炒め始める。
「よし、肉の用意ができたし、そろそろ二人も降りてくるよね。作り始めようか。まず、粉をこのくらい。俺のシェラカップで75ccくらいなんだけど……あ、この小さい食器で量るなら半分くらいかな。ここに塩を2つまみくらい。ありとなしで作ってみたら入ってたほうが美味しかったよ。で、ここにミルクを入れてかき混ぜる。んで、生地用に卵1個入れてさらに混ぜる」
クレープなんかだとかなりシャバシャバで溶かしバターなんかが入ってるけど、これはクレープではないんだ。でもバターの風味はほしいから焼く時使おうと思う。
「で、この生地を薄めに焼くよ。あまり鉄板が熱いと焦げたり上手く広げられないから1回冷ますといいよ」
「冷ます?」
「うん。こうやって濡らした布を用意しておいてさ」
俺がパエリア鍋を一旦布に押し当てるとジュワーッと水蒸気が上がる。そこにバターを少量と生地を流し入れて薄く伸ばした。家庭用コンロと違って火加減が難しいけど、焦がさないように弱火を維持。
「で、この上にさっき炒めた肉と卵を割り入れて……蓋をして少し蒸し焼きにする」
少ししてから見てみると卵がいい感じに半熟になっていた。
「で、こうやって生地の端を折り込んだらできあがり!」
「これはなんていう料理なの? 不思議な料理ね。見た目は可愛いけど」
「俺のところだと、ガレットっていうのが近いかな。この粉の正体が俺には謎だから同じものではないんだけどさ」
話しつつ、サディさんも手伝ってくれつつ、俺たちは急いで4人分の朝食を作り上げる。
いつの間にか村長もルイもテーブルに座っていて、朝食を待っていた。
「おはようございます。今日の朝食は俺メニューです」
俺がキッチンから2人に声をかけると、ルイがパッとこっちを見て口角が少し上がったのが見えた。……嬉しい。
俺とサディさんでガレットとスープ、カロイモを運ぶと村長もちょっと目をキラキラさせているのが面白い。てことで、お祈りをして朝食タイム。
「うまい!」
ルイが一番に声をあげた。もしゃもしゃとたくさん口に突っ込んで食べてるのがもう……。
ああ、なんか駄目だな。最近突然心臓が苦しくなるような気がするのはなんでなんだろう。もしかして異世界に来ちゃった副作用とか? 時々だからまだマシだけど困ったなぁ。
「これ、朝にいいわね。手軽だし。この包むものを変えればバリエーションが増えるってことなのね?」
「そうそう。別にこれじゃなきゃいけないってことはないんだ。でも俺の世界じゃ卵が入ってるのが多いと思うな」
「これ、また作ってくれるかい?」
村長も気に入ってくれたみたいだ。
でもなんと言ってもルイが美味しそうにほんのり笑顔で食べてくれたのがめちゃくちゃ嬉しい。
作って良かった!
今日は夕飯の支度をサディさんに任せて、明日の朝食のための実験をやってもいいかなっていう相談だったんだけどね。
言葉には出さなかったけど、鍛錬のときのルイを見てモヤモヤの残る俺は喜んでもらえるものを作りたいなって思って。案の定、サディさんは即答でオッケーしてくれたよね。新しいメニューかしらってワクワクしてるだけで、俺の内心なんて知らないだろうけど。
俺はあのずっと手を出していなかったライ麦粉っぽいような粉を使ってみたかったんだよね。ただ、俺の使ったことのない食材だから実験は必須だ。
知識としてはライ麦パンがあのずっしり固くて酸っぱい感じだったってことくらいかな。そこから想像するにふわふわにならないってことだろ。グルテン……だよな? あれが、少ないかゼロかって感じなのかななんて予想する。
パン作りのときに使う小麦粉は強力粉だ。あれは加水してこねるとかなりの粘りが出るんだよな。料理漫画で仕入れた知識だとそのこねてよくグルテンの出た生地を水で洗うとグルテンだけ残ってネチャネチャしたガムみたいになるってやつ。味はないらしいけど……まあ、それはいいや。つまりそのネバネバがイーストやら酵母やらの発酵ガスをうまく生地内に閉じ込めるから膨れてふわふわなパンになる、と。
じゃあ、それがないならふわふわを諦めるか、ふわふわを他から仕入れればいい訳だ。
他から仕入れる手段は……今は難しいかな。そのうちサディさんを通して金属とか扱っている人に相談に行きたいなとは思うけど。
てことで、今回は俺の知っているパンではないものにしようと思う。
前に味見をした時、水で溶いて薄焼きを作ったからアレの応用って感じで。あのときは量は何も考えずに混ぜたからその辺をちゃんと練ろうと思う。
「サディさん、今は時間停止箱の中に卵とかミルクはある?」
「今はないわね。夕方だから取りに行ってもあるかしら……」
「そっか。朝ならあるよね?」
「1回行ってみて、なかったら明日の朝欲しいって言えばいいわよ。用意しておいてくれるわ」
「じゃあ、俺ちょっと行ってきてみる!」
そして家畜管理のお宅に行ってみると、運良くもらうことができた。朝も欲しいようなら来てくれていいよって言ってもらっちゃった。
ご主人は俺にだいぶ好意的。奥さんが俺の料理会でいろんな料理を覚えて作ってくれて嬉しいんだって。こういう持ちつ持たれつみたいなのなんかいいよな。
俺はカゴにミルクと卵を多めに入れてもらってお礼を言って帰ってきた。へへっ。
とりあえず、シェラカップを使いながら粉を同じくらいで量りながら器に4つくらい用意してみた。水と卵を加えて溶いてから焼いてみて、ちょっとかじる……。
「んー、卵が強すぎかな。もうちょっと水多めがいいか……じゃあ、ここに水足して、倍量で実験」
俺がやってる実験をサディさんはチラチラと見ながら夕食の準備をしている。ちゃんとレシピが定まったら教える約束をしているから途中で口を出してくることはないけど。
水倍量は多すぎた……。てことで作り直して水1.5倍で作ったら結構食感はいい感じ。で、次は水と同量でミルクに置き換えてみる。
「うお、ミルクで溶くのいいじゃん。生地うまっ」
「イクミくん」
横を見ればサディさんが……無言の訴えってやつ?
「あ、こ……これ、俺のかじりかけだけど……」
差し出せばニコッと笑って遠慮なく食べた。サディさんはちょっと驚いた顔をして、よく噛み締めて食べていた。
「あの粉、こんな風に使えるのね。昔、旅をしていたときに食べたパンみたいにはならないし、どうにもならないものかと思っていたけど。これがどうなるかは後のお楽しみにしておくわね」
サディさんは鼻歌を歌いながら夕飯の支度の続きに戻っていった。
「生地はこれでいいかな。あ、でも、ちょっと塩は加えたほうがいいかも……うん、これでいいか。具は……」
俺は倉庫に魔物肉の塩漬けがまだ余っているのを見つけて、これを使おうと決めた。なんか、俺の中で燻製してないけどベーコン的扱いになってきてる。つーか、なんか木のチップを作れば燻製にできるしそのほうが風味がいいよな。今回のは明日の朝食だから塩漬け肉のままで使うことにしよう。
よし! なんとかなりそうだ。ルイ、笑顔になってくれるかな……。
◇◇◇
朝から俺は張り切っていた。魔物肉の塩漬けを小さめのサイコロ状にカットしていく。これと卵がタンパク源。ちょっと足りないかもしれないから、そのときは普通に肉を焼いて食べてもらうか。俺は十分足りるんだけどな。炭水化物は生地だけだと少ないかなぁ。いつも通りのカロイモも蒸かして出すか。
野菜は生でも食べられる野菜でさっと火を通した感じのシャキシャキ食感の残るスープにしよう。
てことで、他の準備がほとんどできた状態で俺は搾りたてのミルクを貰いに行って帰ってきた。そして、バターを作りながらみんなが活動しだすのを待つ。
「あら、イクミくん。もう用意しちゃったの?」
「いやいや。面倒な下準備だけだよ。だって、サディさんも見たいでしょ?」
外から帰ってきたサディさんに言うと深く頷かれた。大丈夫だよ、ちゃんとわかってるから待ってたんだ。
「昨日お試しで作ってたのがあるでしょ? あの生地と具材を合わせるんだ」
「具は何にするの?」
「んっとね、魔物肉の塩漬けと卵を使うよ。ハードチーズがあったらもっと良かったんだけどね。でもなくても大丈夫。ここの食材ってなんでも美味しいもん」
と話しながら俺はサディさんが火をいれてくれたかまどで、切っておいた塩漬け肉を炒め始める。
「よし、肉の用意ができたし、そろそろ二人も降りてくるよね。作り始めようか。まず、粉をこのくらい。俺のシェラカップで75ccくらいなんだけど……あ、この小さい食器で量るなら半分くらいかな。ここに塩を2つまみくらい。ありとなしで作ってみたら入ってたほうが美味しかったよ。で、ここにミルクを入れてかき混ぜる。んで、生地用に卵1個入れてさらに混ぜる」
クレープなんかだとかなりシャバシャバで溶かしバターなんかが入ってるけど、これはクレープではないんだ。でもバターの風味はほしいから焼く時使おうと思う。
「で、この生地を薄めに焼くよ。あまり鉄板が熱いと焦げたり上手く広げられないから1回冷ますといいよ」
「冷ます?」
「うん。こうやって濡らした布を用意しておいてさ」
俺がパエリア鍋を一旦布に押し当てるとジュワーッと水蒸気が上がる。そこにバターを少量と生地を流し入れて薄く伸ばした。家庭用コンロと違って火加減が難しいけど、焦がさないように弱火を維持。
「で、この上にさっき炒めた肉と卵を割り入れて……蓋をして少し蒸し焼きにする」
少ししてから見てみると卵がいい感じに半熟になっていた。
「で、こうやって生地の端を折り込んだらできあがり!」
「これはなんていう料理なの? 不思議な料理ね。見た目は可愛いけど」
「俺のところだと、ガレットっていうのが近いかな。この粉の正体が俺には謎だから同じものではないんだけどさ」
話しつつ、サディさんも手伝ってくれつつ、俺たちは急いで4人分の朝食を作り上げる。
いつの間にか村長もルイもテーブルに座っていて、朝食を待っていた。
「おはようございます。今日の朝食は俺メニューです」
俺がキッチンから2人に声をかけると、ルイがパッとこっちを見て口角が少し上がったのが見えた。……嬉しい。
俺とサディさんでガレットとスープ、カロイモを運ぶと村長もちょっと目をキラキラさせているのが面白い。てことで、お祈りをして朝食タイム。
「うまい!」
ルイが一番に声をあげた。もしゃもしゃとたくさん口に突っ込んで食べてるのがもう……。
ああ、なんか駄目だな。最近突然心臓が苦しくなるような気がするのはなんでなんだろう。もしかして異世界に来ちゃった副作用とか? 時々だからまだマシだけど困ったなぁ。
「これ、朝にいいわね。手軽だし。この包むものを変えればバリエーションが増えるってことなのね?」
「そうそう。別にこれじゃなきゃいけないってことはないんだ。でも俺の世界じゃ卵が入ってるのが多いと思うな」
「これ、また作ってくれるかい?」
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でもなんと言ってもルイが美味しそうにほんのり笑顔で食べてくれたのがめちゃくちゃ嬉しい。
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