48 / 226
異世界生活編
48.寝る前ルーティン
しおりを挟む
ルイとヴァンさんが戻ってきていつもの日常も戻ってきて、またトレーニングと畑仕事とお料理の日々。
でもここに来て1ヶ月以上経ったのもあって、村の人と距離がかなり近づいたんだよね。ある程度人の名前も覚えたし、朝昼夕の挨拶とかは覚えたんだ。裏を返せば挨拶程度しかできてないとも言えるんだけど、みんな俺が異世界人ってわかってるからか気にしないでくれてるのが嬉しいよな。
それと、子どもたちとも仲良くしてる。子どもたちも俺が言葉わからなくてもあまり気にしないでグイグイ来るんだよ。最初は俺を遠巻きにしてた子も今は俺が走ってると手を振ってくれたり一緒に走ったりしてくるし、人懐こいヴァンさんがいるからなのか遊びに行こうよって感じで手を引っ張られることもあるんだ。走ったあとだから大抵俺がヘロヘロで笑われるんだけどね。可愛いから許す。
料理会? は薬草料理に限らないってことになったから大体週に1度って感じで開催されている。最初やったときはこんなことになるとは思わなかったけど、ルイが外に行っちゃったときに奥様方がとても気にかけてくれたもの嬉しくてなんだかんだ仲良くしている。やっぱ同世代女子より奥様方なんかのほうが緊張しなくて済むしね。
あ、でもさすがにラキさんには慣れた。なんていうか、『お姉ちゃん』と思うようになったかな。毎日共同で薬草畑の作業をしているし、サディさんの孫であり弟子でもあるからかよく家にも来るしね。ほんと、薬草というか薬への情熱がすごいんだ。
料理会で奥様方から今リクエストもらっているのは薬草料理じゃなくて子供向け料理なんだよね。俺がポロッとお弁当とかお子様ランチみたいな話をしてしまったせいなんだけど、こっちでは大人も子供も量が違うだけで同じものを食べるし、そもそもバリエーションが少ないしってことで食いつかれてしまった。ただ、問題はやっぱ食材の種類の少なさと甘み問題なんだよね。だから、「少し時間をください」って言って子供向けについてはいろいろと考えているところ。
やっぱ子供向けと言ったらやや甘めが基本と思うんだよ。日本のことを思い出してもカレーも子ども向けは甘口だし、ミートボールなんかもタレが甘かったもんな。
甘みは基本ブドウ果汁とハチミツだし、ハチミツは収穫量の問題で沢山は使えないからな。養蜂とかはしてなさそうだけど、畑があるんだから村で養蜂とかしたらもうちょっと安定供給されると思う。でも俺は養蜂についてはさっぱりだ。だからツッコまれないために言ってない。運良く蜂の巣がいっぱい見つかることを祈るよ……。
で、ブドウ果汁のことなんだけど。
もう少ししたらいろんな作物の収穫ラッシュになるらしい。寒い地方だから秋が早いってことなのかな、って感じで理解してる。
特にブドウの収穫は村あげてになりそうだ。そりゃそうだよね。村中の世帯用のワインと果汁を一気に仕込むんだもんな。俺は薬草畑ばかり手伝っていたからブドウ畑は全然行ったことがないんだけどさ。その時がきたら教えてもらおう……。
この収穫の後はブドウ果汁を各家庭で使いやすくなるだろうから、そのときに甘めの料理が作れたらいいかなぁなんて思ってるんだ。もうちょっといろんな食材での実験をしてみたいもんなんだけどなぁ。
それにしてもこの村の結界ってどうなってるんだろうな。広い村の地域一帯を囲んで一般的な魔物が入らない上にある程度冬の厳しさを緩和するってすごくない? 結界のおかげでムル村の食事情を含めたいろんなことがうまく回ってるんだもんな。
上に遺跡があるとか言ってたし、過去の遺物系なのかなぁ……。さすがに神話の竜族がいたときほど昔からこの村があるってのは無理があるから、あの神話でいうと最初の人類なんかが出現したあたりとかの。
まあ、平和に過ごせるならそれでいいやって感じだけどね。ドラゴンとかが関わってるようなシステムなら魔力とか全然わからない俺なんかが考えても無駄だろうし。
と、もう習慣になっている寝る前のプランクをしながら1人考え事をしまくっている。
もちろん、姿勢とかは気をつけているけど、考え事でもしていないとひたすら姿勢キープで耐えるだけの時間はきつすぎるんだ。でもこんないろいろ考えることができるくらいにはキープできる時間が伸びたんだよね。すごくない?
いつも通り、プルプルして姿勢を維持できなくなったらプランク終了。
「うーん、こうやって見てみても……筋肉、ついてきてるよな。すごい」
ちょっと自画自賛。この世界に来たときはヒョロヒョロとルイに言われてしまった俺だけど、そのときよりはほんの少しマシになったんじゃないか? ……いや、まだヒョロヒョロには変わりないか。
でも身体は締まったとは思う。だって、腹筋とか撫でると奥に感じるんだよ、俺には一生無縁だと思っていた憧れのシックスパック。体脂肪が落ちたのかな、わからんけど。
きっと食事のせいもあるよな。ファストフードはないし、お菓子もないし、メインは魔物肉と芋だしさ。これで運動もしてるんだから脂肪が落ちないわけがないだろって俺でもわかる。でもまあ、魔物肉って結構脂あるんだけどね……。それでも前の食生活に比べたら明らかに健康的だもんなぁ。たまに俺は飴ちゃん舐めてるけど、勿体なくて本当に恋しくなったら舐めてるんだ。そのくらいお菓子と縁がなくなっちゃったから。
いやー、それにしても全身映る鏡とかあったらよく知りもしないボディビルのポーズでもしてたかもしれない……って想像したけど、まだまだ力込めても盛り上がりも少ない俺の筋肉じゃ格好がつかないか。
「いいんだ、俺は別にボディビルダーになりたいわけじゃない。最低限村を出て旅が出来る身体を作るのが目標なんだから」
なんとなく1人で言い訳をしてしまう。
でもこうやって実感が出てくるとトレーニングも頑張れそうって思う。俺の今までの人生でこんなに毎日身体を動かし続けたことってないんだよな。
「俺、もしかしてこっち来る前よりイケメンになっちゃうかも……」
うん、うぬぼれってのはわかってる。それに前が平凡に毛が生えたくらいの見た目だったから『当社比』みたいにしかならないのもわかってる。でもさ、自己満でもいいんだよ。自己満から自信が持てるようになるならそれだけで儲けもんじゃん?
でもここに来て1ヶ月以上経ったのもあって、村の人と距離がかなり近づいたんだよね。ある程度人の名前も覚えたし、朝昼夕の挨拶とかは覚えたんだ。裏を返せば挨拶程度しかできてないとも言えるんだけど、みんな俺が異世界人ってわかってるからか気にしないでくれてるのが嬉しいよな。
それと、子どもたちとも仲良くしてる。子どもたちも俺が言葉わからなくてもあまり気にしないでグイグイ来るんだよ。最初は俺を遠巻きにしてた子も今は俺が走ってると手を振ってくれたり一緒に走ったりしてくるし、人懐こいヴァンさんがいるからなのか遊びに行こうよって感じで手を引っ張られることもあるんだ。走ったあとだから大抵俺がヘロヘロで笑われるんだけどね。可愛いから許す。
料理会? は薬草料理に限らないってことになったから大体週に1度って感じで開催されている。最初やったときはこんなことになるとは思わなかったけど、ルイが外に行っちゃったときに奥様方がとても気にかけてくれたもの嬉しくてなんだかんだ仲良くしている。やっぱ同世代女子より奥様方なんかのほうが緊張しなくて済むしね。
あ、でもさすがにラキさんには慣れた。なんていうか、『お姉ちゃん』と思うようになったかな。毎日共同で薬草畑の作業をしているし、サディさんの孫であり弟子でもあるからかよく家にも来るしね。ほんと、薬草というか薬への情熱がすごいんだ。
料理会で奥様方から今リクエストもらっているのは薬草料理じゃなくて子供向け料理なんだよね。俺がポロッとお弁当とかお子様ランチみたいな話をしてしまったせいなんだけど、こっちでは大人も子供も量が違うだけで同じものを食べるし、そもそもバリエーションが少ないしってことで食いつかれてしまった。ただ、問題はやっぱ食材の種類の少なさと甘み問題なんだよね。だから、「少し時間をください」って言って子供向けについてはいろいろと考えているところ。
やっぱ子供向けと言ったらやや甘めが基本と思うんだよ。日本のことを思い出してもカレーも子ども向けは甘口だし、ミートボールなんかもタレが甘かったもんな。
甘みは基本ブドウ果汁とハチミツだし、ハチミツは収穫量の問題で沢山は使えないからな。養蜂とかはしてなさそうだけど、畑があるんだから村で養蜂とかしたらもうちょっと安定供給されると思う。でも俺は養蜂についてはさっぱりだ。だからツッコまれないために言ってない。運良く蜂の巣がいっぱい見つかることを祈るよ……。
で、ブドウ果汁のことなんだけど。
もう少ししたらいろんな作物の収穫ラッシュになるらしい。寒い地方だから秋が早いってことなのかな、って感じで理解してる。
特にブドウの収穫は村あげてになりそうだ。そりゃそうだよね。村中の世帯用のワインと果汁を一気に仕込むんだもんな。俺は薬草畑ばかり手伝っていたからブドウ畑は全然行ったことがないんだけどさ。その時がきたら教えてもらおう……。
この収穫の後はブドウ果汁を各家庭で使いやすくなるだろうから、そのときに甘めの料理が作れたらいいかなぁなんて思ってるんだ。もうちょっといろんな食材での実験をしてみたいもんなんだけどなぁ。
それにしてもこの村の結界ってどうなってるんだろうな。広い村の地域一帯を囲んで一般的な魔物が入らない上にある程度冬の厳しさを緩和するってすごくない? 結界のおかげでムル村の食事情を含めたいろんなことがうまく回ってるんだもんな。
上に遺跡があるとか言ってたし、過去の遺物系なのかなぁ……。さすがに神話の竜族がいたときほど昔からこの村があるってのは無理があるから、あの神話でいうと最初の人類なんかが出現したあたりとかの。
まあ、平和に過ごせるならそれでいいやって感じだけどね。ドラゴンとかが関わってるようなシステムなら魔力とか全然わからない俺なんかが考えても無駄だろうし。
と、もう習慣になっている寝る前のプランクをしながら1人考え事をしまくっている。
もちろん、姿勢とかは気をつけているけど、考え事でもしていないとひたすら姿勢キープで耐えるだけの時間はきつすぎるんだ。でもこんないろいろ考えることができるくらいにはキープできる時間が伸びたんだよね。すごくない?
いつも通り、プルプルして姿勢を維持できなくなったらプランク終了。
「うーん、こうやって見てみても……筋肉、ついてきてるよな。すごい」
ちょっと自画自賛。この世界に来たときはヒョロヒョロとルイに言われてしまった俺だけど、そのときよりはほんの少しマシになったんじゃないか? ……いや、まだヒョロヒョロには変わりないか。
でも身体は締まったとは思う。だって、腹筋とか撫でると奥に感じるんだよ、俺には一生無縁だと思っていた憧れのシックスパック。体脂肪が落ちたのかな、わからんけど。
きっと食事のせいもあるよな。ファストフードはないし、お菓子もないし、メインは魔物肉と芋だしさ。これで運動もしてるんだから脂肪が落ちないわけがないだろって俺でもわかる。でもまあ、魔物肉って結構脂あるんだけどね……。それでも前の食生活に比べたら明らかに健康的だもんなぁ。たまに俺は飴ちゃん舐めてるけど、勿体なくて本当に恋しくなったら舐めてるんだ。そのくらいお菓子と縁がなくなっちゃったから。
いやー、それにしても全身映る鏡とかあったらよく知りもしないボディビルのポーズでもしてたかもしれない……って想像したけど、まだまだ力込めても盛り上がりも少ない俺の筋肉じゃ格好がつかないか。
「いいんだ、俺は別にボディビルダーになりたいわけじゃない。最低限村を出て旅が出来る身体を作るのが目標なんだから」
なんとなく1人で言い訳をしてしまう。
でもこうやって実感が出てくるとトレーニングも頑張れそうって思う。俺の今までの人生でこんなに毎日身体を動かし続けたことってないんだよな。
「俺、もしかしてこっち来る前よりイケメンになっちゃうかも……」
うん、うぬぼれってのはわかってる。それに前が平凡に毛が生えたくらいの見た目だったから『当社比』みたいにしかならないのもわかってる。でもさ、自己満でもいいんだよ。自己満から自信が持てるようになるならそれだけで儲けもんじゃん?
10
お気に入りに追加
116
あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
【完結】相談する相手を、間違えました
ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。
自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・
***
執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。
ただ、それだけです。
***
他サイトにも、掲載しています。
てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。
***
エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。
ありがとうございました。
***
閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。
ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*)
***
2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。




アルファな俺が最推しを救う話〜どうして俺が受けなんだ?!〜
車不
BL
5歳の誕生日に階段から落ちて頭を打った主人公は、自身がオメガバースの世界を舞台にしたBLゲームに転生したことに気づく。「よりにもよってレオンハルトに転生なんて…悪役じゃねぇか!!待てよ、もしかしたらゲームで死んだ最推しの異母兄を助けられるかもしれない…」これは第二の性により人々の人生や生活が左右される世界に疑問を持った主人公が、最推しの死を阻止するために奮闘する物語である。

拝啓お父様。私は野良魔王を拾いました。ちゃんとお世話するので飼ってよいでしょうか?
ミクリ21
BL
ある日、ルーゼンは野良魔王を拾った。
ルーゼンはある理由から、領地で家族とは離れて暮らしているのだ。
そして、父親に手紙で野良魔王を飼っていいかを伺うのだった。

傷だらけの僕は空をみる
猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。
生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。
諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。
身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。
ハッピーエンドです。
若干の胸くそが出てきます。
ちょっと痛い表現出てくるかもです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる