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異世界生活編
45.噴出から10日間の俺のあれこれ
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あの夜中の魔力噴出から10日経った。――つまり、俺がこの世界に来ちゃってから1ヶ月なんだよ……びっくりだ。
自警団以外の村人はあっという間に普通の生活に戻っていて、さすがにそんなの見てたら俺もザワザワした気持ちは収まった。
でも、そうは言ってもルイたちはまだ帰ってこなくてちょっと不安にはなるときはある。俺の世代って生まれたときから携帯とかがあったから、相手と連絡が取れなくてどうしてるかわからないっていうのはソワソワしちゃうんだよね。
今まではあっちの家族とか友人に連絡取れないみたいなことばかり考えていたけど、今回それに加えてルイとも会えないし……。だから余計に不安になっちゃってるんだと思うんだ。
冷静に考えたら、自警団の人たちが上に行くのは転移でできたとしても、あの崖の上の広範囲を調べて、その後あの崖沿いを降りてきて帰ってくるって考えたらすぐには戻ってこられるはずないよね。
だって、俺がルイに出会ったのはそこそこ村に近いところだったんだと思うけど、それでも普通に歩いてくるのに2~3日かかったんだもん。それをもっと遠いところから調査・探索していくってことだもんな。
それはわかってる……んだけど。
正直、なんで俺はルイの顔が見られないことでこんなに不安になるのか、そっちがわからない。
毎日門のところまで走りに行くけど、そのときに門が開いて自警団の人たちが入ってこないかなとか思って見ちゃうしさ。サディさんを尋ねてくる人がドアをノックしただけでドキッとしちゃうんだよ……ルイだったらノックなんてしないのに。ほんとなんだかなぁ……。
もちろん村長のほうだって家に帰ってきたりまた出かけたりと忙しい。まあ、『村長』だしな。
日によって家に帰ってくる時間がまちまちなんだよね。だから一緒に食事をしてないんだ。一応俺とサディさんが用意したご飯はちゃんと食べてくれているようだけど……食器がピカピカになって置いてあるしね。
でもさ、せっかくルイから預かった通訳の魔導具を渡したのに村長とたまにしか顔合わせてないっていう。
まあ、それで必然的に俺とサディさんは話すことが増えて、めっちゃ仲良くなってるんだけどね。
この間なんてビビってた俺を気遣って、サディさんと薬草料理の奥様方が普通の料理会なんかを開いて俺を呼んでくれたんだ。あの家畜を管理しているお宅ね。
そのときは極々一般的な料理ではあったんだけど、窯を使った魔物肉のグリルはヤバいくらい美味しかった。思い出しても涎が溢れそうだよ。
ポテトグラタン風を作ったときに少し使ったくらいだったけど、改めてちゃんと使ってみたら窯ってすごいな! 電気オーブンしか使ったことない俺からすると火加減はマジで難しいけど。魔法が使えたら極弱火の窯だけ用意したら、強火が欲しいときは火魔法追加すればいいんじゃないかなとか思っちゃった。いや、焦げるか……。
まあ、なんにしても、そうやって俺を呼んでくれて元気づけようとしてくれるのが嬉しいよな。ほんとこの村の人っていい人ばっか。
一昨日の夜はたまたま村長が夜帰ってきて、10日前の魔力噴出について教えてもらったんだ。
そのとき聞いた話によると、今回の魔力噴出は村があるところよりもっと下の川が流れているほうからだったみたい。だけど、今までになく村に近いところからの噴出だったみたいで、外回りの自警団の人たちは魔物の確認だけじゃなくて地盤の確認もしているんだって。それはルイみたいに上に行った人じゃなくて村の周辺と下を確認する班がやるんだそうだ。
自警団って何でも屋さんみたいだよね。魔物のことだけじゃないんだな。いろんなことを自分たちだけでやらなきゃいけないんだからしょうがないんだろうけど。
そんな話を聞いていて、ああいった噴出って村の中で起こることはないのかなって思ったら「確率的にはある」んだそうだ。まあ、自然現象ならそりゃそうだよね……エハヴィールさんの機嫌次第か、こわ。
あっちでいう地震みたいなもんでいつどこで起こるかわからないって感じだよな。
噴出したのがエハヴィールの欠片じゃなくて魔力だとしても直撃したら人間も魔物になるのかな、やっぱ。
初めてルイに出会ったときに聞いた話では「限界量を超えた魔力にあてられて魔化したら魔物になっちゃう」んだったよな。いくら元人間でも魔物化したら討伐されちゃうんだよね? 魔物の時点で理性がないもんな。
ううう、きつい……魔物にはなりたくないな。
それはそうと、2人がいなくなっちゃって10日も経つけど、俺はちゃんと1人で毎日トレーニングは続けてる。ルイとヴァンさんがいてくれるときみたいには上手くできてないけどね。それでもやらないよりはマシなはずだから。
もし俺が「2人がいないからトレーニングはとりあえず休んで、帰ってきてから再開すればいいや」なんて思ってやらないでいたとしたら、こんな長期間サボってたことになるなんて今考えたら怖い。トレーニング始めたばかりの俺が10日もやらなかったらあっという間に元通りじゃんね。
気分を紛らわせる目的もあったとはいえ、ちゃんとトレーニング続けた俺めっちゃ偉い。
あと、やっぱりというか、ヴァンさんにマッサージしてもらわなくても俺は一晩寝たら筋肉痛にはならないっぽいことがわかった。ただ、毎日ちゃんと身体を動かしてるから筋肉痛になりにくいのもあるかもしれなくて、それに関してはちょっと不明なんだよね。
いやー、本当に俺の『丈夫』特性助かる。なんかもっとこの特性を活かせないもんかな……全く思いつかないけど。
**********
ちょっと繋ぎの場面なので短めです。
明日も更新します。
本日も妄想垂れ流しにお付き合いくださりありがとうございます!
自警団以外の村人はあっという間に普通の生活に戻っていて、さすがにそんなの見てたら俺もザワザワした気持ちは収まった。
でも、そうは言ってもルイたちはまだ帰ってこなくてちょっと不安にはなるときはある。俺の世代って生まれたときから携帯とかがあったから、相手と連絡が取れなくてどうしてるかわからないっていうのはソワソワしちゃうんだよね。
今まではあっちの家族とか友人に連絡取れないみたいなことばかり考えていたけど、今回それに加えてルイとも会えないし……。だから余計に不安になっちゃってるんだと思うんだ。
冷静に考えたら、自警団の人たちが上に行くのは転移でできたとしても、あの崖の上の広範囲を調べて、その後あの崖沿いを降りてきて帰ってくるって考えたらすぐには戻ってこられるはずないよね。
だって、俺がルイに出会ったのはそこそこ村に近いところだったんだと思うけど、それでも普通に歩いてくるのに2~3日かかったんだもん。それをもっと遠いところから調査・探索していくってことだもんな。
それはわかってる……んだけど。
正直、なんで俺はルイの顔が見られないことでこんなに不安になるのか、そっちがわからない。
毎日門のところまで走りに行くけど、そのときに門が開いて自警団の人たちが入ってこないかなとか思って見ちゃうしさ。サディさんを尋ねてくる人がドアをノックしただけでドキッとしちゃうんだよ……ルイだったらノックなんてしないのに。ほんとなんだかなぁ……。
もちろん村長のほうだって家に帰ってきたりまた出かけたりと忙しい。まあ、『村長』だしな。
日によって家に帰ってくる時間がまちまちなんだよね。だから一緒に食事をしてないんだ。一応俺とサディさんが用意したご飯はちゃんと食べてくれているようだけど……食器がピカピカになって置いてあるしね。
でもさ、せっかくルイから預かった通訳の魔導具を渡したのに村長とたまにしか顔合わせてないっていう。
まあ、それで必然的に俺とサディさんは話すことが増えて、めっちゃ仲良くなってるんだけどね。
この間なんてビビってた俺を気遣って、サディさんと薬草料理の奥様方が普通の料理会なんかを開いて俺を呼んでくれたんだ。あの家畜を管理しているお宅ね。
そのときは極々一般的な料理ではあったんだけど、窯を使った魔物肉のグリルはヤバいくらい美味しかった。思い出しても涎が溢れそうだよ。
ポテトグラタン風を作ったときに少し使ったくらいだったけど、改めてちゃんと使ってみたら窯ってすごいな! 電気オーブンしか使ったことない俺からすると火加減はマジで難しいけど。魔法が使えたら極弱火の窯だけ用意したら、強火が欲しいときは火魔法追加すればいいんじゃないかなとか思っちゃった。いや、焦げるか……。
まあ、なんにしても、そうやって俺を呼んでくれて元気づけようとしてくれるのが嬉しいよな。ほんとこの村の人っていい人ばっか。
一昨日の夜はたまたま村長が夜帰ってきて、10日前の魔力噴出について教えてもらったんだ。
そのとき聞いた話によると、今回の魔力噴出は村があるところよりもっと下の川が流れているほうからだったみたい。だけど、今までになく村に近いところからの噴出だったみたいで、外回りの自警団の人たちは魔物の確認だけじゃなくて地盤の確認もしているんだって。それはルイみたいに上に行った人じゃなくて村の周辺と下を確認する班がやるんだそうだ。
自警団って何でも屋さんみたいだよね。魔物のことだけじゃないんだな。いろんなことを自分たちだけでやらなきゃいけないんだからしょうがないんだろうけど。
そんな話を聞いていて、ああいった噴出って村の中で起こることはないのかなって思ったら「確率的にはある」んだそうだ。まあ、自然現象ならそりゃそうだよね……エハヴィールさんの機嫌次第か、こわ。
あっちでいう地震みたいなもんでいつどこで起こるかわからないって感じだよな。
噴出したのがエハヴィールの欠片じゃなくて魔力だとしても直撃したら人間も魔物になるのかな、やっぱ。
初めてルイに出会ったときに聞いた話では「限界量を超えた魔力にあてられて魔化したら魔物になっちゃう」んだったよな。いくら元人間でも魔物化したら討伐されちゃうんだよね? 魔物の時点で理性がないもんな。
ううう、きつい……魔物にはなりたくないな。
それはそうと、2人がいなくなっちゃって10日も経つけど、俺はちゃんと1人で毎日トレーニングは続けてる。ルイとヴァンさんがいてくれるときみたいには上手くできてないけどね。それでもやらないよりはマシなはずだから。
もし俺が「2人がいないからトレーニングはとりあえず休んで、帰ってきてから再開すればいいや」なんて思ってやらないでいたとしたら、こんな長期間サボってたことになるなんて今考えたら怖い。トレーニング始めたばかりの俺が10日もやらなかったらあっという間に元通りじゃんね。
気分を紛らわせる目的もあったとはいえ、ちゃんとトレーニング続けた俺めっちゃ偉い。
あと、やっぱりというか、ヴァンさんにマッサージしてもらわなくても俺は一晩寝たら筋肉痛にはならないっぽいことがわかった。ただ、毎日ちゃんと身体を動かしてるから筋肉痛になりにくいのもあるかもしれなくて、それに関してはちょっと不明なんだよね。
いやー、本当に俺の『丈夫』特性助かる。なんかもっとこの特性を活かせないもんかな……全く思いつかないけど。
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ちょっと繋ぎの場面なので短めです。
明日も更新します。
本日も妄想垂れ流しにお付き合いくださりありがとうございます!
応援ありがとうございます!
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