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朝焼けメダリオン
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コーヒーにはチョコレートやケーキが良い。
煎茶にはやはり最中や饅頭が合うし、紅茶には焼き菓子が嬉しい。
そんな個人的な好みを伝えたことは無いんだけど、妹はコーヒーにチョコレートケーキを出してくれた。
ちなみに本人はチーズケーキを取り出している。見えない所で小踊りしているから、好物なのだと理解している。ああいうのをさ、自然にできるってのがあざといよなぁ。
私は出されたケーキを見て、笑みを浮かべる。
「ねえ、このケーキってさ、駅近くのあそこだよね? 何かいいことあったっけ?」
「いやいや、ポイントがたまったのよ!」
このケーキはちょっと遠めの駅前商店街にある、ケーキ屋さんの品である。良心的なお値段なのに美味しいお店であるが、やはり専門店だからちょっと高い。
創業少しのころから利用していることもあり、私たちは常連さんとなっている。
「ポイントってあそこ、そんなんあったっけ......?」
あそこの店主さんは偏屈さんだ。
柔らかな表情で飛び切りの毒を吐く。だから最近は、表へ出されない感じになったし、ポイントカードとかって、あんまり好きじゃなかった気がするのだ。
「えっと、なんかね、娘さんが学校でハンコ貰ってきたから、らしいよ?」
「え、どゆこと?」
「えっと......」
どうも、あそこの店主さんはお嬢さんを溺愛しているらしい。
そんで、プレゼントされたキラキラハンコを使いたいので、ポイントカードを取り入れたらしい。
期限とかつけてないらしく、利用者が増える傾向となっているみたいだ。
「とういかさ、うちって、そんなに買ってたっけ?」
「まあ、誕生日のケーキはいつもあそこだし、他にも友達にあげるときも使うじゃん?」
「そかそか、親友ちゃん元気?」
「最近、寝不足だってさ。でさ、あのお店教えたらみんなファンになってくれたよ」
「あんまり広めないでほしいなぁ」
馴染みのお店を紹介するといった行為について、妹と意見が対立している。
私としては信頼のできる友人のみに伝え、ひっそりと発展してもらいたい思いがあるのだ。
しかし、妹は良く知らない人もふくめ、結構あちこちへ言いふらすのである。
時折意見を交わすのだが、現状は平行線である。
「私はね、流行りすぎて味が変わってしまったら嫌なのだよ。例えばあそこの......」
共通で把握しているお店を例に挙げる。
ちょっと前にチェーンでやっているラーメン屋さん、チェーン店でも売り上げが上がると店長さんの移動があるらしく、経営方針をはじめ結構変わってしまい、さらに味が落ちてしまって足が遠のいてしまうことがあった。
これを防ぎたい! と力説してみる。しかし、妹は一言で切って捨てた。
「個人店だしさ、つぶれちゃうより良いんじゃない?」
そうなんだけどね、でもね、でもね......ちょっと複雑な想いがある。だが、それ以上は平行線となるので我慢だ。いつか妹を、説得できるフレーズがないか模索は続けようと思う。
そんなどうでも良い考えをうかべながら、半生のチョコレートを乗せた、こげ茶生地のケーキを大事に切り取り、口へと運ぶ。
「うん、相変わらず美味しい!」
味に関して語るほどの舌を持たないので、感想は一言で済ます。
「あ、ちょっと味見させてよ」
「どうぞ、こっちにもくれる?」
「あいあい」
チーズケーキだと紅茶が合うような気もするが、妹はにっこにこしながら風味に工夫のあるケーキを頬張る。
続けてコーヒーを頂きたいのだろうが、カップの熱気で目をしかめ、その香りだけ楽しんでいるようだ。
私もそれに習い、お互いに舌と鼻腔で幸せを育ませつつ、話の本筋を思い出した。
先ほど浮かんだ記憶は......。
「で、本題だけどさ、あのメダリオンはね、私がご幼少のみぎりに友達がくれたんだよ」
「ん? お子様の時に? えっと、どれくらいの時なの?」
「えと......入院してた時だね」
「ああ、前言ってたねぇ? 小学校の、えっと5年? 6年?」
「ひみつ」
「もうっ、相変わらず!」
妹をあしらってから、私は話を続ける。
あのメダリオンの思い出は、実のところあまり楽しいだけのものではない。
小さいころ、私は入院していた時期があった。
大きな病院の小児病棟? らしき場所だったと思うが、その時期には周りで色々とトラブルがあってごたごたしていた記憶がある。
「当時はさ、私......体調の波が激しかったのだよ」
「ほうほう?」
あのとき私は行動力はあり、変わった子とよばれていた。しかし、体調はどうにもならない。
体調が悪い時には周りが慌てるほど酷くなるのに、好調時は『あなた何しに来たの?』とナースの皆様に睨まれる。
あまり周りを気にせず、いつもの行動力を発揮して周りまで巻き込み、いろいろな方面を困惑させていたのだ。
そういったことをオブラートに包んで語る。しかし、妹は見抜いたらしい。
「どっちに転んでも面倒さんだったでしょ?」
「失敬な! 総合病院の、医療技術とリスクマネジメント能力向上となるために、つかわされた天使だよ!」
「現場にとっての悪魔でしょ?」
ぐぬぬ......何か言い返したいともおもうのだが、あまり突っ込んで言うとさらに売り言葉に買い言葉が続く事が予想できる。
最終的には話がまるで進まないのだ。ここは一つ大人となって反論を飲み込む。
「まあ、重要なのはさ、私のお隣さんだよね」
「うんうん」
入院して暫くしてから、5人部屋で私の隣にやってきた。
金髪、碧眼......というわけではないのだが、色素の薄い肌と髪、眉、そして見慣れない瞳、周りの子とは明らかにかけ離れた容姿のくせに、言葉遣いが特徴的である。
「ふーん、どんな感じ? 日本語覚えたての人みたいなの?」
「ちゃうねん、ぼくなー、うちなー、おかんとおとんが、見舞いに来るんや! ......的な特徴だね」
コーヒーカップを睨んでいた妹の目が丸くなった。
「関西の子?」
「とても自然だったよ。生まれも育ちもってのが似合っていたなぁ」
私が言うと、妹も首を傾げる。
「そういえば、あたしの友達の従妹もそんな感じらしいけどねえ」
「私と結構うまが合ってね。遊んだり、一緒になって怒られたりしたもんだよ」
「ほう? 悪さした仲ね!」
妹の言葉に少しだけ眉を上げてから、記憶を探る。
「まあ、入院してきた時から明るい奴で......」
そうだ、けらけらと笑う事が多かった。
出会った頃の私は、タイミング悪く絶不調。自分で言うのもなんだがひっどい状態だったので、あまり相手にできなかった。
頭に響くから黙るように手をふらふら動かしたら、察してしばらくは大人しくしてくれる。
「意外と大人びてたのね?」
「うんにゃ、そうじゃなかった」
黙っていてもすぐに限界が来るのだろう。
あんなー、あんなー、っていう具合に話しかけてきて、なんかのスポーツをしていて、その練習めっちゃ大変なんや!
から始まり、本当わいわいと騒ぐ感じだった。
「検査が続いて楽しくないわー!」
「ちょっとどきどきしとるんよ」
「そや、おとんは、びやだるなんやで!」
「でもな、おかんのほうは、はりがねやねん!」
こちらから聞いたわけでもないのに喋り立ててくれたなぁ......。おかげで、家族構成など詳しくなってしまたものだよ、うん。
「多分、元気な時にやり返したんじゃない?」
おや、妹さん、見てきたようなことをいうのだね?
「するわけがないよ! 私の清廉潔白を絵に描いたようなこの胸の内、見せてあげたいもんだなぁ」
「心臓には剛毛生えてるでしょ?」
「まあねー、カラスさんから貰った、艶やかなキューティクルさ!」
「うん、ムナグロって腹黒よりもひどそうね」
あ、しまった......このままではムナグロ認定されてしまうじゃないか!?
少し焦りながらも、この話題をひっくり返し......ても自分だけが傷ついて、さらにえぐられそうな予感がしたので、聞き流したふりで先を続ける。
「まあ、気が合ったし、体調が落ち着いてから子供たち引きつれて、屋上広場で『だるまさんがころんだ』とか、『けいどろ』とかしていたのだよ」
「え? 走り回ってたの?」
「んー? ああ、そうだね。『けいどろ』は入院中は無理だったわ。やったのは『だるまさん』だね」
「あれも走るんじゃない?」
「うん。でさ、走るとかつらいから、別ルールを作ったよ」
「え? どんなルールよ?」
「えっとね......」
当時の遊びはいろいろなものがある。私はコーヒー......はまだ少し熱そうなので香りだけ楽しみ、ケーキを一口いただいてから、記憶を探った。
煎茶にはやはり最中や饅頭が合うし、紅茶には焼き菓子が嬉しい。
そんな個人的な好みを伝えたことは無いんだけど、妹はコーヒーにチョコレートケーキを出してくれた。
ちなみに本人はチーズケーキを取り出している。見えない所で小踊りしているから、好物なのだと理解している。ああいうのをさ、自然にできるってのがあざといよなぁ。
私は出されたケーキを見て、笑みを浮かべる。
「ねえ、このケーキってさ、駅近くのあそこだよね? 何かいいことあったっけ?」
「いやいや、ポイントがたまったのよ!」
このケーキはちょっと遠めの駅前商店街にある、ケーキ屋さんの品である。良心的なお値段なのに美味しいお店であるが、やはり専門店だからちょっと高い。
創業少しのころから利用していることもあり、私たちは常連さんとなっている。
「ポイントってあそこ、そんなんあったっけ......?」
あそこの店主さんは偏屈さんだ。
柔らかな表情で飛び切りの毒を吐く。だから最近は、表へ出されない感じになったし、ポイントカードとかって、あんまり好きじゃなかった気がするのだ。
「えっと、なんかね、娘さんが学校でハンコ貰ってきたから、らしいよ?」
「え、どゆこと?」
「えっと......」
どうも、あそこの店主さんはお嬢さんを溺愛しているらしい。
そんで、プレゼントされたキラキラハンコを使いたいので、ポイントカードを取り入れたらしい。
期限とかつけてないらしく、利用者が増える傾向となっているみたいだ。
「とういかさ、うちって、そんなに買ってたっけ?」
「まあ、誕生日のケーキはいつもあそこだし、他にも友達にあげるときも使うじゃん?」
「そかそか、親友ちゃん元気?」
「最近、寝不足だってさ。でさ、あのお店教えたらみんなファンになってくれたよ」
「あんまり広めないでほしいなぁ」
馴染みのお店を紹介するといった行為について、妹と意見が対立している。
私としては信頼のできる友人のみに伝え、ひっそりと発展してもらいたい思いがあるのだ。
しかし、妹は良く知らない人もふくめ、結構あちこちへ言いふらすのである。
時折意見を交わすのだが、現状は平行線である。
「私はね、流行りすぎて味が変わってしまったら嫌なのだよ。例えばあそこの......」
共通で把握しているお店を例に挙げる。
ちょっと前にチェーンでやっているラーメン屋さん、チェーン店でも売り上げが上がると店長さんの移動があるらしく、経営方針をはじめ結構変わってしまい、さらに味が落ちてしまって足が遠のいてしまうことがあった。
これを防ぎたい! と力説してみる。しかし、妹は一言で切って捨てた。
「個人店だしさ、つぶれちゃうより良いんじゃない?」
そうなんだけどね、でもね、でもね......ちょっと複雑な想いがある。だが、それ以上は平行線となるので我慢だ。いつか妹を、説得できるフレーズがないか模索は続けようと思う。
そんなどうでも良い考えをうかべながら、半生のチョコレートを乗せた、こげ茶生地のケーキを大事に切り取り、口へと運ぶ。
「うん、相変わらず美味しい!」
味に関して語るほどの舌を持たないので、感想は一言で済ます。
「あ、ちょっと味見させてよ」
「どうぞ、こっちにもくれる?」
「あいあい」
チーズケーキだと紅茶が合うような気もするが、妹はにっこにこしながら風味に工夫のあるケーキを頬張る。
続けてコーヒーを頂きたいのだろうが、カップの熱気で目をしかめ、その香りだけ楽しんでいるようだ。
私もそれに習い、お互いに舌と鼻腔で幸せを育ませつつ、話の本筋を思い出した。
先ほど浮かんだ記憶は......。
「で、本題だけどさ、あのメダリオンはね、私がご幼少のみぎりに友達がくれたんだよ」
「ん? お子様の時に? えっと、どれくらいの時なの?」
「えと......入院してた時だね」
「ああ、前言ってたねぇ? 小学校の、えっと5年? 6年?」
「ひみつ」
「もうっ、相変わらず!」
妹をあしらってから、私は話を続ける。
あのメダリオンの思い出は、実のところあまり楽しいだけのものではない。
小さいころ、私は入院していた時期があった。
大きな病院の小児病棟? らしき場所だったと思うが、その時期には周りで色々とトラブルがあってごたごたしていた記憶がある。
「当時はさ、私......体調の波が激しかったのだよ」
「ほうほう?」
あのとき私は行動力はあり、変わった子とよばれていた。しかし、体調はどうにもならない。
体調が悪い時には周りが慌てるほど酷くなるのに、好調時は『あなた何しに来たの?』とナースの皆様に睨まれる。
あまり周りを気にせず、いつもの行動力を発揮して周りまで巻き込み、いろいろな方面を困惑させていたのだ。
そういったことをオブラートに包んで語る。しかし、妹は見抜いたらしい。
「どっちに転んでも面倒さんだったでしょ?」
「失敬な! 総合病院の、医療技術とリスクマネジメント能力向上となるために、つかわされた天使だよ!」
「現場にとっての悪魔でしょ?」
ぐぬぬ......何か言い返したいともおもうのだが、あまり突っ込んで言うとさらに売り言葉に買い言葉が続く事が予想できる。
最終的には話がまるで進まないのだ。ここは一つ大人となって反論を飲み込む。
「まあ、重要なのはさ、私のお隣さんだよね」
「うんうん」
入院して暫くしてから、5人部屋で私の隣にやってきた。
金髪、碧眼......というわけではないのだが、色素の薄い肌と髪、眉、そして見慣れない瞳、周りの子とは明らかにかけ離れた容姿のくせに、言葉遣いが特徴的である。
「ふーん、どんな感じ? 日本語覚えたての人みたいなの?」
「ちゃうねん、ぼくなー、うちなー、おかんとおとんが、見舞いに来るんや! ......的な特徴だね」
コーヒーカップを睨んでいた妹の目が丸くなった。
「関西の子?」
「とても自然だったよ。生まれも育ちもってのが似合っていたなぁ」
私が言うと、妹も首を傾げる。
「そういえば、あたしの友達の従妹もそんな感じらしいけどねえ」
「私と結構うまが合ってね。遊んだり、一緒になって怒られたりしたもんだよ」
「ほう? 悪さした仲ね!」
妹の言葉に少しだけ眉を上げてから、記憶を探る。
「まあ、入院してきた時から明るい奴で......」
そうだ、けらけらと笑う事が多かった。
出会った頃の私は、タイミング悪く絶不調。自分で言うのもなんだがひっどい状態だったので、あまり相手にできなかった。
頭に響くから黙るように手をふらふら動かしたら、察してしばらくは大人しくしてくれる。
「意外と大人びてたのね?」
「うんにゃ、そうじゃなかった」
黙っていてもすぐに限界が来るのだろう。
あんなー、あんなー、っていう具合に話しかけてきて、なんかのスポーツをしていて、その練習めっちゃ大変なんや!
から始まり、本当わいわいと騒ぐ感じだった。
「検査が続いて楽しくないわー!」
「ちょっとどきどきしとるんよ」
「そや、おとんは、びやだるなんやで!」
「でもな、おかんのほうは、はりがねやねん!」
こちらから聞いたわけでもないのに喋り立ててくれたなぁ......。おかげで、家族構成など詳しくなってしまたものだよ、うん。
「多分、元気な時にやり返したんじゃない?」
おや、妹さん、見てきたようなことをいうのだね?
「するわけがないよ! 私の清廉潔白を絵に描いたようなこの胸の内、見せてあげたいもんだなぁ」
「心臓には剛毛生えてるでしょ?」
「まあねー、カラスさんから貰った、艶やかなキューティクルさ!」
「うん、ムナグロって腹黒よりもひどそうね」
あ、しまった......このままではムナグロ認定されてしまうじゃないか!?
少し焦りながらも、この話題をひっくり返し......ても自分だけが傷ついて、さらにえぐられそうな予感がしたので、聞き流したふりで先を続ける。
「まあ、気が合ったし、体調が落ち着いてから子供たち引きつれて、屋上広場で『だるまさんがころんだ』とか、『けいどろ』とかしていたのだよ」
「え? 走り回ってたの?」
「んー? ああ、そうだね。『けいどろ』は入院中は無理だったわ。やったのは『だるまさん』だね」
「あれも走るんじゃない?」
「うん。でさ、走るとかつらいから、別ルールを作ったよ」
「え? どんなルールよ?」
「えっとね......」
当時の遊びはいろいろなものがある。私はコーヒー......はまだ少し熱そうなので香りだけ楽しみ、ケーキを一口いただいてから、記憶を探った。
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