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第3章(引き込もりゾンビのゲーマー編)
見た目より心を重視
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あのゾンビの集団は首都に向かっているのか……。世界は一体どうなるんだ? 人類はいよいよ最悪のシナリオに向かってるって事なんだろうか? それって物凄くヤバくない事なんじゃないか!
これもきっとあの新型のKAGUYAの何らかの影響なんだろうな。あの辺りからゾンビ達の様子がおかしくなったし、そもそKAGUYAって人類を救済する為に作られた筈なのに、あの新型のKAGUYAがやってる事は真逆だし仕事してないじゃんか!
大事な仕事はサボっちゃいかんよな! それに比べて俺のKAGUYAはちゃんと仕事してるから偉いよな。
「って、なんで俺のKAGUYAは影響受けても良いはずなのに影響受けてないんだよ?!」
「言ワレテミレバ何デデショウ?」
「いや、俺に聞かれても……」
俺達は気づかないうちにとんでもない壁にぶち当たったのでは? ますます謎は深まるばかりだけど、あのゾンビの集団は俺達とは行く方向と反対だったのはほんとラッキーだった。
「あっ、こんな所に棺が落ちてるッス。まったく、葬儀屋さんはおっちょこちょいなんだから……」
「おっちょこちょい以前の問題だから! 普通、葬儀屋さんは棺なんて落とさないから」
どうして奏太はいつもいつも変な物ばかり見つけてくるんだよ。まったく、ツッコミを入れる俺の身にもなって欲しいよ。
それにしても、こんな道端に黒くて神々しく光りを放つオシャレな棺が3個も落ちてるなんて……。なんか、めちゃくちゃ不自然極まりなくないか? しかも、あの御札の数絶対に尋常じゃないし、明らかに何かヤバい物を封印しちゃってる感じがするよ……。
って、それ絶対に開けちゃダメな奴じゃんか?!
「奏太、ちょっと待って! その3個の棺明らかになんか不自然じゃねぇ?」
「言われて見れば確かにそんな気がするッス! でも、律さん……既に悠音さんは俺よりも色々と手遅れな気がしますけど……」
「悠音、早くそこから出てよ! 律君に見つかったら怒られるよ」
ごめん詩、俺は見つけちゃったよ。
棺の中に入ってる悠音を引っ張り出そうと頑張ってる詩の姿は健気で可愛いよ。だけど、今はそんな事言っている場合じゃない!
「この棺の漆黒の色といい、サイズ感といい僕にぴったりだ! 何より中二病をくすぐるデザインが一番気にいった。よし、僕のにしよう」
「おい、悠音! 落ちてる棺を拾って自分の物に仕様とするのはダメだぞ!」
「だって、名前書いてないし」
「言い訳してもダメ! ちゃんと元通りにして今すぐ封印し直せ」
「まったく、律は細かいんだから! どうせ棺は3個もあるんだから1個僕の物にしてもバレないと思うんだけどな……。 それに、僕が開ける前からこの棺は既に開いてたのに」
「えっ、今なんて言った? 詩、悠音の言ってる事本当なの?」
「本当だよ律君。悠音が開ける前から開いてたよ」
じゃあ、封印は既に解かれた後なのか?! なんてこった……。絶対にあの棺の中には殺人鬼的な何かが封印されてるに決まってるじゃないか。
「あの……すみません」
俺の背後から明らかに聞き覚えのない年老いた声が聞こえた。殺人鬼に俺は背後を既に取られたという事なのか?!
振り返るか? いや、これ絶対に振り返っちゃダメなヤツだよ! でも、振り返って確かめなきゃ……。もしかしたら、俺の勘違いかもしれないしな。
前向きに前向きに振り返えろう!
ほら、俺の背後にいる人は大丈夫じゃ……ない!?
「キエェェェエエェェェ?!?!」
「律君、急にどうしたの?」
「律、何があったんだ」
「律さん、大丈夫ッスか」
あれ? 皆の声が遠のいて意識が薄れてゆく……。早く皆に言わないといけないのに、あれは絶対に何人か殺っちゃってる殺人鬼の顔だった。皆、早く逃げろ…………。
「ハッ!!」
「律君気がついたの?」
恐怖のピークを迎えた俺はどうやら気づかないうちに気絶してしまったらしいな……。我ながら情けない。
「いやぁー、俺の隣りにね殺人鬼みたいな人がいてびっくりして気絶しちゃったよ! きっと、なんかの見間違えだよな」
「すみません、脅かすつもりはなかったんですが……」
あわわ、さっき俺が見た殺人鬼が皆と一緒にいる?! これってどういう事なんだ? しかもよくよく見てみたら、白髪のスーツを着たお爺ちゃんゾンビじゃんか! そして、お顔が物凄く怖いです……。
「えーっとね、律君! このお爺さんゾンビは殺人鬼とかじゃなくてね、破壊神ヤマダさんなの」
「破壊神ヤマダさんって名前なの?」
「はい、そうなんです!
私事、この見た目と名前からよく殺人鬼と間違われちゃって、スーツ着れば誤魔化せると思ったんですがやっぱり無理みたいですね。こんなだから妻には先立たれ、家族には愛想つかされ、孫には嫌われ散々な日々を送ってた時にゾンビになってしまって、余計にどんどん人が遠ざかってしまって、今悩んでる最中なんです」
「律君が気絶してる間、皆で破壊神ヤマダさんの相談に乗ってた所なの。律君も何かいい案ある?」
いや、それよりなんで皆平気でいられるんだよ? ゾンビだからか平気なんだよね、そうだよね!
「そうでした! 役に立つ情報じゃないかもしれませんが、一様私事ゾンビになる前は清掃の仕事をしていました」
破壊神ヤマダさんはきっと、この世のありとあらゆる者を清掃している人なんだな……。
「律さんとか言ったかな?
大丈夫、君が思ってるような事じゃなくね、本当に街やビルの清掃をしていたんだ」
どうして俺の心の中が読めたんだ?
じゃなくて、俺が思ってるよりこの人実は凄く優しい人なのでは……。
「律君、ダメだよ! 見た目で人を判断しちゃ」
「そうだぞ、律! 破壊神ヤマダさんは見た目はそれはそれは怖い人だけど、誰よりも熱いハートの持ち主だぞ」
「そうッスよ! 俺、破壊神ヤマダさんの壮絶な人生の話聞いたら泣けてきちゃいました」
「皆さん本当に親切な方々で、こんな老いぼれゾンビの私事の相談に乗ってくれてありがとうございます」
あれ? これは俺が謝らなくちゃいけない感じ、というか流れに……。確かに俺は破壊神ヤマダさんの見た目だけで勝手に悪い人だと決めつけてしまった。ちゃんと破壊神ヤマダさんを知ろうともしないで決めつけるのはやっぱり良くないしダメだよな!
「破壊神ヤマダさん、ごめんなさい!
俺、よく知りもせず見た目で勝手に決めつけてました」
「いいんですよ……。最初に怖がらせたのは私事の方ですからおあいこです。それに、こんな見た目だったから棺の中にうっかり封印されちゃって、あっ、でも、残りの2つの棺には本物の殺人鬼ゾンビが封印されているのでくれぐれも開けないように」
やっぱり、あの棺には殺人鬼ゾンビが封印されてたんだ……。
「俺、破壊神ヤマダさんの見た目はまだちょっと怖いけど、話してみたら凄く温かくて優しい人だってわかりました!
だから、破壊神ヤマダさんはそのままで良いとおもいます。見た目でなんだかんだ言っくる人もいるけど、少なくとも俺達には破壊神ヤマダさんの優しい心はちゃんと届いてます」
「そうだよ! 破壊神ヤマダさんの優しい心は私達にちゃんと届いたんだから、他の人にもきっと届くよ」
「例えそれが神の選択だって言うのだとしても……! 僕が破壊神ヤマダさんの運命を変えてみせるから任せろ」
「俺と破壊神ヤマダさんはもう、マイソウルフレンドッスよ」
「亡くなった妻も皆さんと同じ様な事を言って、何度も暗闇にいる私事を光あるところに連れ戻してくれた。皆さんに出会えてよかった、ありがとう……」
その後、元気になった破壊神ヤマダさんは今は離れ離れになってしまった家族を探す旅をすると決心し俺達を驚かせた。
もしかしたら、家族がゾンビになっていて私事の事に気づかなくて、二度と家族に会えなくとも、それでもまた、もう一度家族に会う事が出来たら謝りたいと言った破壊神ヤマダさんの決意は固かった。
別れの時、破壊神ヤマダさんは何度も頭を下げ俺達が見えなくなるまでお礼を言い続けた。
「もしかしたら、ゾンビってそんなに悪い奴らじゃないかもな……」
「律君今なにか言った?」
「なんでもないよ! それより早く研究施設行こう」
俺達はこうして彷徨えるお爺さんゾンビを救ったのであった。
これもきっとあの新型のKAGUYAの何らかの影響なんだろうな。あの辺りからゾンビ達の様子がおかしくなったし、そもそKAGUYAって人類を救済する為に作られた筈なのに、あの新型のKAGUYAがやってる事は真逆だし仕事してないじゃんか!
大事な仕事はサボっちゃいかんよな! それに比べて俺のKAGUYAはちゃんと仕事してるから偉いよな。
「って、なんで俺のKAGUYAは影響受けても良いはずなのに影響受けてないんだよ?!」
「言ワレテミレバ何デデショウ?」
「いや、俺に聞かれても……」
俺達は気づかないうちにとんでもない壁にぶち当たったのでは? ますます謎は深まるばかりだけど、あのゾンビの集団は俺達とは行く方向と反対だったのはほんとラッキーだった。
「あっ、こんな所に棺が落ちてるッス。まったく、葬儀屋さんはおっちょこちょいなんだから……」
「おっちょこちょい以前の問題だから! 普通、葬儀屋さんは棺なんて落とさないから」
どうして奏太はいつもいつも変な物ばかり見つけてくるんだよ。まったく、ツッコミを入れる俺の身にもなって欲しいよ。
それにしても、こんな道端に黒くて神々しく光りを放つオシャレな棺が3個も落ちてるなんて……。なんか、めちゃくちゃ不自然極まりなくないか? しかも、あの御札の数絶対に尋常じゃないし、明らかに何かヤバい物を封印しちゃってる感じがするよ……。
って、それ絶対に開けちゃダメな奴じゃんか?!
「奏太、ちょっと待って! その3個の棺明らかになんか不自然じゃねぇ?」
「言われて見れば確かにそんな気がするッス! でも、律さん……既に悠音さんは俺よりも色々と手遅れな気がしますけど……」
「悠音、早くそこから出てよ! 律君に見つかったら怒られるよ」
ごめん詩、俺は見つけちゃったよ。
棺の中に入ってる悠音を引っ張り出そうと頑張ってる詩の姿は健気で可愛いよ。だけど、今はそんな事言っている場合じゃない!
「この棺の漆黒の色といい、サイズ感といい僕にぴったりだ! 何より中二病をくすぐるデザインが一番気にいった。よし、僕のにしよう」
「おい、悠音! 落ちてる棺を拾って自分の物に仕様とするのはダメだぞ!」
「だって、名前書いてないし」
「言い訳してもダメ! ちゃんと元通りにして今すぐ封印し直せ」
「まったく、律は細かいんだから! どうせ棺は3個もあるんだから1個僕の物にしてもバレないと思うんだけどな……。 それに、僕が開ける前からこの棺は既に開いてたのに」
「えっ、今なんて言った? 詩、悠音の言ってる事本当なの?」
「本当だよ律君。悠音が開ける前から開いてたよ」
じゃあ、封印は既に解かれた後なのか?! なんてこった……。絶対にあの棺の中には殺人鬼的な何かが封印されてるに決まってるじゃないか。
「あの……すみません」
俺の背後から明らかに聞き覚えのない年老いた声が聞こえた。殺人鬼に俺は背後を既に取られたという事なのか?!
振り返るか? いや、これ絶対に振り返っちゃダメなヤツだよ! でも、振り返って確かめなきゃ……。もしかしたら、俺の勘違いかもしれないしな。
前向きに前向きに振り返えろう!
ほら、俺の背後にいる人は大丈夫じゃ……ない!?
「キエェェェエエェェェ?!?!」
「律君、急にどうしたの?」
「律、何があったんだ」
「律さん、大丈夫ッスか」
あれ? 皆の声が遠のいて意識が薄れてゆく……。早く皆に言わないといけないのに、あれは絶対に何人か殺っちゃってる殺人鬼の顔だった。皆、早く逃げろ…………。
「ハッ!!」
「律君気がついたの?」
恐怖のピークを迎えた俺はどうやら気づかないうちに気絶してしまったらしいな……。我ながら情けない。
「いやぁー、俺の隣りにね殺人鬼みたいな人がいてびっくりして気絶しちゃったよ! きっと、なんかの見間違えだよな」
「すみません、脅かすつもりはなかったんですが……」
あわわ、さっき俺が見た殺人鬼が皆と一緒にいる?! これってどういう事なんだ? しかもよくよく見てみたら、白髪のスーツを着たお爺ちゃんゾンビじゃんか! そして、お顔が物凄く怖いです……。
「えーっとね、律君! このお爺さんゾンビは殺人鬼とかじゃなくてね、破壊神ヤマダさんなの」
「破壊神ヤマダさんって名前なの?」
「はい、そうなんです!
私事、この見た目と名前からよく殺人鬼と間違われちゃって、スーツ着れば誤魔化せると思ったんですがやっぱり無理みたいですね。こんなだから妻には先立たれ、家族には愛想つかされ、孫には嫌われ散々な日々を送ってた時にゾンビになってしまって、余計にどんどん人が遠ざかってしまって、今悩んでる最中なんです」
「律君が気絶してる間、皆で破壊神ヤマダさんの相談に乗ってた所なの。律君も何かいい案ある?」
いや、それよりなんで皆平気でいられるんだよ? ゾンビだからか平気なんだよね、そうだよね!
「そうでした! 役に立つ情報じゃないかもしれませんが、一様私事ゾンビになる前は清掃の仕事をしていました」
破壊神ヤマダさんはきっと、この世のありとあらゆる者を清掃している人なんだな……。
「律さんとか言ったかな?
大丈夫、君が思ってるような事じゃなくね、本当に街やビルの清掃をしていたんだ」
どうして俺の心の中が読めたんだ?
じゃなくて、俺が思ってるよりこの人実は凄く優しい人なのでは……。
「律君、ダメだよ! 見た目で人を判断しちゃ」
「そうだぞ、律! 破壊神ヤマダさんは見た目はそれはそれは怖い人だけど、誰よりも熱いハートの持ち主だぞ」
「そうッスよ! 俺、破壊神ヤマダさんの壮絶な人生の話聞いたら泣けてきちゃいました」
「皆さん本当に親切な方々で、こんな老いぼれゾンビの私事の相談に乗ってくれてありがとうございます」
あれ? これは俺が謝らなくちゃいけない感じ、というか流れに……。確かに俺は破壊神ヤマダさんの見た目だけで勝手に悪い人だと決めつけてしまった。ちゃんと破壊神ヤマダさんを知ろうともしないで決めつけるのはやっぱり良くないしダメだよな!
「破壊神ヤマダさん、ごめんなさい!
俺、よく知りもせず見た目で勝手に決めつけてました」
「いいんですよ……。最初に怖がらせたのは私事の方ですからおあいこです。それに、こんな見た目だったから棺の中にうっかり封印されちゃって、あっ、でも、残りの2つの棺には本物の殺人鬼ゾンビが封印されているのでくれぐれも開けないように」
やっぱり、あの棺には殺人鬼ゾンビが封印されてたんだ……。
「俺、破壊神ヤマダさんの見た目はまだちょっと怖いけど、話してみたら凄く温かくて優しい人だってわかりました!
だから、破壊神ヤマダさんはそのままで良いとおもいます。見た目でなんだかんだ言っくる人もいるけど、少なくとも俺達には破壊神ヤマダさんの優しい心はちゃんと届いてます」
「そうだよ! 破壊神ヤマダさんの優しい心は私達にちゃんと届いたんだから、他の人にもきっと届くよ」
「例えそれが神の選択だって言うのだとしても……! 僕が破壊神ヤマダさんの運命を変えてみせるから任せろ」
「俺と破壊神ヤマダさんはもう、マイソウルフレンドッスよ」
「亡くなった妻も皆さんと同じ様な事を言って、何度も暗闇にいる私事を光あるところに連れ戻してくれた。皆さんに出会えてよかった、ありがとう……」
その後、元気になった破壊神ヤマダさんは今は離れ離れになってしまった家族を探す旅をすると決心し俺達を驚かせた。
もしかしたら、家族がゾンビになっていて私事の事に気づかなくて、二度と家族に会えなくとも、それでもまた、もう一度家族に会う事が出来たら謝りたいと言った破壊神ヤマダさんの決意は固かった。
別れの時、破壊神ヤマダさんは何度も頭を下げ俺達が見えなくなるまでお礼を言い続けた。
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