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両雄激闘編
者共、出合う
しおりを挟む205-①
武光と影光を見下ろしながら、教皇が邪悪な笑みを浮かべて片手をスッと挙げた。
すると、階段を正面に見据えている武光達から見て、左右の通路と背後の通路からワラワラと合計三十体以上もの剣影兵が現れ、超武刃団と天驚魔刃団を包囲した。
「うむ……よく来たな、忠実なる我が僕達よ。よいか、今すぐ神聖なる存在であるこの私の目の前からこの下賤で、醜く、汚らわしき者共を──」
「「この……ヘタクソーーーっ!!」」
武光と影光は思わず叫んでいた。
「何やねんその締まりのない呼び出し方は!?」
「キレも迫力も全然ねーぞ、このヘタクソが!!」
「き、貴様らは一体何を言っておるのだ……?」
「「俺が手本を見せてやる……!!」」
謎のクレームに困惑しまくる教皇をよそに、武光と影光は右手を外側に向けて “バッ!!” と勢い良く振るうと、声高らかに、ド定番の斬られ役台詞を叫んだ。
「「……曲者じゃ!! 者共、出合えッ!! 出合え-----ッッッ!!」」
剣影兵A が現れた!!
剣影兵B が現れた!!
剣影兵C が現れた!!
~ 中略 ~
剣影兵X が現れた!!
剣影兵Y が現れた!!
剣影兵Z が現れた!!
「「…………あっ」」
時代劇バカ二人が叫んだ次の瞬間、更に追加で大量の影魔獣が現れた。
「な……何やってんですか武光様のあほーーーーー!!」
「影光……このバカ余計な事しやがって!!」
「隊長ーーー!?」
「グギゥ……カゲミツ……バカ……ヤロー……!!」
このままだと、敵より先に味方に殺されかねない。時代劇バカ二人は仲間達の怒りの視線から逃れるように、教皇の方にくるりと向き直った。
「皆……背中は任せたで!!」
「お前ら、敵を食い止めろ!!」
武光は教皇に、そして影光はシルエッタに向かって慌てて突撃した。
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