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イザベラの妹
どういう事なの?【ルビアside】
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報告を受けた私は王宮からバスラ公爵家の屋敷まで飛竜で移動して、
「どういう事なの、エニス?」
と質問した。
エニスとは昨夜も会ってる。
ワキにキスした昨日の今日で、今頃になって少しドキドキしながら私はエニスを見ていた。
いえ、今はそれよりもこの【五星眼】を右眼の持つこの子だわ。
「妹のイザベラが1年生のこの子、ナルシーンを妹にするというから、右眼の封印が気になって解いて貰ったら、この魔眼が出てきました」
「封印を解く前から知ってたんじゃないのよね?」
「えっ? 封印されてても魔眼が何かくらい見えたりは・・・」
「普通は見えないわよ」
私が指摘する中、周囲がエニスに奇異な視線を向けられてる事に気付いたエニスが、
「なら、見えなかったって事で」
「もう遅いわよ、エニス。それに私に嘘をつこうとしたわね?」
「では、皆が居ないところで、例のお詫びを」
私のワキにエニスがキスするって事?
まあ、ありかもね。
いやいや、女同士でもワキはやっぱり拙いでしょ。少し恥ずかしいわ、キスされるの。
どうして、カウーナお義姉様はエニスのワキにキスをしたのかしら?
今度、聞いてみようっと。
「不要よ。それよりも・・・この子だけど、どこの令嬢なの?」
「孤児ですって。出身はイザベラと同じ村。両親の顔も知らないそうです」
と説明するエニスに、
「どうして、そんな子がミリアリリー女学園の制服を着てるのよ?」
私が正当な質問をして、
「イザベラ同様、スカウト組ですから」
「去年がイザベラで、今年はこの子? ミリアリリー女学園のスカウトって少しおかしくない?」
「ええ、それは私も同感です。確か、学園長センセイの能力は【星見】でしたよね? それで、でしょうね、多分。それかイザベラの故郷の方に問題があるのか」
確かイザベラの出身はモトン領だったかしら? モトンの村だけの。
私は頭痛を覚えながら、魔法兵団長に、
「本物なのよね、その【五星眼】?」
「ええ。ざっと調べましたが間違いなく。【聖域】も展開してますので」
「一時的な物じゃなくて?」
「はい、安定してますので消える事はないかと」
面倒な事になったわね。
チコルピア公国が権力の象徴の【五星眼】の他国への流出を認める訳がないのに。
「――エニス、この子は王宮で保護するわ。いいわね?」
「私じゃなくてその子の姉のイザベラに聞いて下さい」
「イザベラ、いいわね?」
私が非常勤の親衛隊で既に顔合わせも済んでるイザベラに問うと、
「ええっと・・・」
イザベラが姉のエニスを見た。
するとエニスが言うに事欠いて、
「最悪、王宮で殺されるかもしれないから慎重にね」
変なアドバイスをしたので、私は、
「殺したりなんかしないわよっ! ミリアリリー王国を何だと思ってるのよっ?」
「だって、ミリアリリー王国って物騒ですし」
「言っておくけど、アナタの方が物騒だからねっ!」
私がツッコむとバスラ公爵家の面々が同意した。
エニスが変な忠告をするからイザベラが、
「えっと、一緒についていけたりは・・・・・・」
「ええ、いいわ。そんなに心配なら一緒に来なさい」
こうして私は【五星眼】を持つナルシーンとイザベラを連れて王宮へと戻ったのだった。
私、今日の午前中に宰相職を引き継いだばかりよ?
宰相になって初日がこれって。
先が思いやられるわ。
そう思いながら飛竜で王宮に帰って、宰相として陛下(お兄様の方よ)と謁見した。
「確かに【五星眼】なんだな、ルビア?」
「はい、陛下」
「緘口令は?」
「布きましたがどこまで効果があるか疑問です」
「ふむ。任せた」
「陛下が交渉をする事になるかと」
「分かった。何とかしよう。それと本日退官したオルゼークを呼び出せ」
「既に王宮に居ります」
「おお、さすがはルビア。打つ手が早いな」
とか陛下は笑ったけど『大丈夫かしら。最近精彩に欠けるから、ルビカルお兄様?』と私は心配した。
「どういう事なの、エニス?」
と質問した。
エニスとは昨夜も会ってる。
ワキにキスした昨日の今日で、今頃になって少しドキドキしながら私はエニスを見ていた。
いえ、今はそれよりもこの【五星眼】を右眼の持つこの子だわ。
「妹のイザベラが1年生のこの子、ナルシーンを妹にするというから、右眼の封印が気になって解いて貰ったら、この魔眼が出てきました」
「封印を解く前から知ってたんじゃないのよね?」
「えっ? 封印されてても魔眼が何かくらい見えたりは・・・」
「普通は見えないわよ」
私が指摘する中、周囲がエニスに奇異な視線を向けられてる事に気付いたエニスが、
「なら、見えなかったって事で」
「もう遅いわよ、エニス。それに私に嘘をつこうとしたわね?」
「では、皆が居ないところで、例のお詫びを」
私のワキにエニスがキスするって事?
まあ、ありかもね。
いやいや、女同士でもワキはやっぱり拙いでしょ。少し恥ずかしいわ、キスされるの。
どうして、カウーナお義姉様はエニスのワキにキスをしたのかしら?
今度、聞いてみようっと。
「不要よ。それよりも・・・この子だけど、どこの令嬢なの?」
「孤児ですって。出身はイザベラと同じ村。両親の顔も知らないそうです」
と説明するエニスに、
「どうして、そんな子がミリアリリー女学園の制服を着てるのよ?」
私が正当な質問をして、
「イザベラ同様、スカウト組ですから」
「去年がイザベラで、今年はこの子? ミリアリリー女学園のスカウトって少しおかしくない?」
「ええ、それは私も同感です。確か、学園長センセイの能力は【星見】でしたよね? それで、でしょうね、多分。それかイザベラの故郷の方に問題があるのか」
確かイザベラの出身はモトン領だったかしら? モトンの村だけの。
私は頭痛を覚えながら、魔法兵団長に、
「本物なのよね、その【五星眼】?」
「ええ。ざっと調べましたが間違いなく。【聖域】も展開してますので」
「一時的な物じゃなくて?」
「はい、安定してますので消える事はないかと」
面倒な事になったわね。
チコルピア公国が権力の象徴の【五星眼】の他国への流出を認める訳がないのに。
「――エニス、この子は王宮で保護するわ。いいわね?」
「私じゃなくてその子の姉のイザベラに聞いて下さい」
「イザベラ、いいわね?」
私が非常勤の親衛隊で既に顔合わせも済んでるイザベラに問うと、
「ええっと・・・」
イザベラが姉のエニスを見た。
するとエニスが言うに事欠いて、
「最悪、王宮で殺されるかもしれないから慎重にね」
変なアドバイスをしたので、私は、
「殺したりなんかしないわよっ! ミリアリリー王国を何だと思ってるのよっ?」
「だって、ミリアリリー王国って物騒ですし」
「言っておくけど、アナタの方が物騒だからねっ!」
私がツッコむとバスラ公爵家の面々が同意した。
エニスが変な忠告をするからイザベラが、
「えっと、一緒についていけたりは・・・・・・」
「ええ、いいわ。そんなに心配なら一緒に来なさい」
こうして私は【五星眼】を持つナルシーンとイザベラを連れて王宮へと戻ったのだった。
私、今日の午前中に宰相職を引き継いだばかりよ?
宰相になって初日がこれって。
先が思いやられるわ。
そう思いながら飛竜で王宮に帰って、宰相として陛下(お兄様の方よ)と謁見した。
「確かに【五星眼】なんだな、ルビア?」
「はい、陛下」
「緘口令は?」
「布きましたがどこまで効果があるか疑問です」
「ふむ。任せた」
「陛下が交渉をする事になるかと」
「分かった。何とかしよう。それと本日退官したオルゼークを呼び出せ」
「既に王宮に居ります」
「おお、さすがはルビア。打つ手が早いな」
とか陛下は笑ったけど『大丈夫かしら。最近精彩に欠けるから、ルビカルお兄様?』と私は心配した。
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