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イザベラの妹
同郷の幼馴染み【イザベラside】
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新王様の戴冠式を、王女様の親衛隊として出席した翌日の事だった。
ミリアリリー女学園の校舎の廊下を歩いてると、1年生がすれ違う際にペコリと頭を下げたのだけど、
「あれ? ナルちゃん?」
すれ違ってから私が振り返って、そう1年生に声を掛けると、
「久しぶり」
とナルちゃんは返事した。
黒髪ロングで、1歳年下のナルちゃん。
本名はナルシーンだっけ?
いつもナルちゃんって呼んでるから。
同郷の幼馴染みがミリアリリー女学園の制服を纏ってたので、両手を取って再会を喜びながら、
「嘘、どうしてミリアリリー女学園に居るの?」
「スカウトの人に魔力の才能があるって言われて、それで入学出来ちゃって」
「じゃあ、4月から入学してたの? なら、ちゃんと声を掛けてよ、ナルちゃん」
「だって、イザちゃん、生徒会長さんだし、それに騎士様で故郷の領主様にもなったし・・・」
「そんなのは私達には関係ないでしょ」
と廊下で喋りながら、私は、
「そうだ。お姉さまにナルちゃんを紹介するから昼休みに食堂に来てね」
「えっ? でも・・・」
「絶対よ。来てね」
「うん」
と約束して、廊下でナルちゃんと別れたのだった。
そして、昼休みの食堂で、
「お姉さま、同じ村の友達がミリアリリー女学園で入学していたので紹介したいのですけど」
「もしかして・・・その子の事?」
お姉さまが私の隣に居るナルちゃんを見る中、
「はい、ナルちゃんです」
私はお姉さまにナルちゃんを紹介した。
「どうも、ナルシーンです」
「エニスよ。よろしくね」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「お姉さまは居るの?」
「いえ。でも、孤児院育ちなので血の繋がらない姉なら結構・・・」
とナルちゃんが言った時、アテニナが馬鹿にしたように笑った気がしたけど、お姉さまは、
「ああ、そっちじゃなくて、ミリアリリー女学園には姉妹制度があってね。そっちのお姉さまよ」
「いえ、まだ・・・・・・」
とナルちゃんが答えた瞬間、お姉さまが、
「どうするの、イザベラ? 今、ここで決めなさい。妹にするのか、しないのか?」
私を見た。
お姉さまは澄ました顔で冷たく言ったけど、結構お姉さまの顔色が読めた私は、
これって妹にしろって合図ですよね?
と理解した。
お姉さまの時のようなドキドキは、ナルちゃん相手にはしなかったけど、知らない人を妹にするよりも知ってるナルちゃんの方がいい、と思った私はナルちゃんを見て、
「ナルちゃん、私の妹にならない?」
「えっ、でも、私・・・孤児だし」
「そんなの関係ないわよ、ナルちゃん。ーーお姉さま、いいですよね?」
「さあ、イザベラがどうしてもって言うなら認めなくもないけど」
お姉さまは相変わらず冷たい顔ですけど、多分、演技でOKを出してくれました。
なので、遠慮なく、
「どうしてもです」
と答えて、
「ナルちゃん、どうなの?」
「じゃあ、お願いします、イザちゃん」
私がお姉さまぶって、
「お姉さまね。姉妹では」
「うん、お姉さま」
とナルちゃんが言った後に、お姉さまが冷たく、
「2人ともランチを取ってらっしゃい。食券はあるの?」
「あります、いきましょ、ナルちゃん」
「うん」
ナルちゃんがお姉さまにお辞儀してから、私達はランチを取りに行った。
ミリアリリー女学園の校舎の廊下を歩いてると、1年生がすれ違う際にペコリと頭を下げたのだけど、
「あれ? ナルちゃん?」
すれ違ってから私が振り返って、そう1年生に声を掛けると、
「久しぶり」
とナルちゃんは返事した。
黒髪ロングで、1歳年下のナルちゃん。
本名はナルシーンだっけ?
いつもナルちゃんって呼んでるから。
同郷の幼馴染みがミリアリリー女学園の制服を纏ってたので、両手を取って再会を喜びながら、
「嘘、どうしてミリアリリー女学園に居るの?」
「スカウトの人に魔力の才能があるって言われて、それで入学出来ちゃって」
「じゃあ、4月から入学してたの? なら、ちゃんと声を掛けてよ、ナルちゃん」
「だって、イザちゃん、生徒会長さんだし、それに騎士様で故郷の領主様にもなったし・・・」
「そんなのは私達には関係ないでしょ」
と廊下で喋りながら、私は、
「そうだ。お姉さまにナルちゃんを紹介するから昼休みに食堂に来てね」
「えっ? でも・・・」
「絶対よ。来てね」
「うん」
と約束して、廊下でナルちゃんと別れたのだった。
そして、昼休みの食堂で、
「お姉さま、同じ村の友達がミリアリリー女学園で入学していたので紹介したいのですけど」
「もしかして・・・その子の事?」
お姉さまが私の隣に居るナルちゃんを見る中、
「はい、ナルちゃんです」
私はお姉さまにナルちゃんを紹介した。
「どうも、ナルシーンです」
「エニスよ。よろしくね」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「お姉さまは居るの?」
「いえ。でも、孤児院育ちなので血の繋がらない姉なら結構・・・」
とナルちゃんが言った時、アテニナが馬鹿にしたように笑った気がしたけど、お姉さまは、
「ああ、そっちじゃなくて、ミリアリリー女学園には姉妹制度があってね。そっちのお姉さまよ」
「いえ、まだ・・・・・・」
とナルちゃんが答えた瞬間、お姉さまが、
「どうするの、イザベラ? 今、ここで決めなさい。妹にするのか、しないのか?」
私を見た。
お姉さまは澄ました顔で冷たく言ったけど、結構お姉さまの顔色が読めた私は、
これって妹にしろって合図ですよね?
と理解した。
お姉さまの時のようなドキドキは、ナルちゃん相手にはしなかったけど、知らない人を妹にするよりも知ってるナルちゃんの方がいい、と思った私はナルちゃんを見て、
「ナルちゃん、私の妹にならない?」
「えっ、でも、私・・・孤児だし」
「そんなの関係ないわよ、ナルちゃん。ーーお姉さま、いいですよね?」
「さあ、イザベラがどうしてもって言うなら認めなくもないけど」
お姉さまは相変わらず冷たい顔ですけど、多分、演技でOKを出してくれました。
なので、遠慮なく、
「どうしてもです」
と答えて、
「ナルちゃん、どうなの?」
「じゃあ、お願いします、イザちゃん」
私がお姉さまぶって、
「お姉さまね。姉妹では」
「うん、お姉さま」
とナルちゃんが言った後に、お姉さまが冷たく、
「2人ともランチを取ってらっしゃい。食券はあるの?」
「あります、いきましょ、ナルちゃん」
「うん」
ナルちゃんがお姉さまにお辞儀してから、私達はランチを取りに行った。
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