邪神軍将軍会議第4席兼第3師団方面軍司令官ライザス

竹井ゴールド

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鼎立体制

第3席に昇格

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 また将軍会議に呼び出された。

「何ですか、昨日の今日で? こう何度も呼び出されるの、迷惑なんですけど?」

「第6師団を氷漬けにしておいて白々しいっ!」

 ドス将軍に食って掛かられた。

「オレ、【氷】系の魔法なんて使えませんけど? 大方、ユーロエス将軍でしょ?」

「ワシな訳あるかっ!」

「では、誰なんです?」

 オレは真顔で尋ねた。

「第6師団の生き残りが空を飛ぶ悪魔族の姿を見ておるぞ」

「オレじゃありませんよ。【炎】魔法の使い手なんですから」

「ライザス、おまえさんじゃないんじゃな?」

 ユーロエス将軍が念を押すので、

「ええ。【氷】系の魔法が使えたら水竜を自力で殺してますよ」

 オレはしれっと答えた。

 最初に白状しておくが・・・・・・

 昨夜、第6師団を氷漬けにはしたのはオレでしたぁ~。プップップッ。

 氷結地獄魔法でな。

 どうして【炎】属性のこのオレが【氷】系の究極広域魔法を使えたのかと言うと・・・・・・

 この前、取り込んだ悪魔王エルモーネのコアのお陰だった。

 コアを喰う事で悪魔王は別の悪魔王の能力を喰えるのだ。

 お陰でオレは今、【炎】と【氷】を操れた訳だ。

 でも、安心してくれ。

 ちゃんと悪魔王エルモーネの姿で第6師団に氷結地獄魔法を使ったから。

 だから、オレじゃないと言い張れる訳さ。

 それにしても弱ってた悪魔王のコアを楽々入手って。

 あの遺跡探検は本当にツイてたな。

 悪魔族の部下も2人、手に入れられたし。

「まあ、いいじゃないですか。死んでしまったものは」

「貴様が犯人な癖に何を白々しいっ!」

 証拠もないのに本能で真相に辿り着く、か。

 さすがは将軍だ。褒めてやるぞ、ドス将軍。

「だからオレじゃありませんってば」

「貴様のような信用のおけない奴とはもう組めん。邪神軍から出て行って貰おう」

 ドス将軍の言葉に、慌てたのがユーロエス将軍で、

「待て待て待て。何を言っておる? それでは空中分解するではないか? 各国から報復を受けるぞ?」

「構わん。オレが返り撃ちにしてやる」

「なら、ドス将軍が抜ければいいじゃないですか? オレは邪神軍に残りますから」

「ふざけるなっ! 設立したオレがどうして抜けねばならんのだ?」

「オレだって初期から末端で働いてて、邪神軍には愛着がありますし」

「第6師団を潰しておいて、どの口が・・・・・・」

「だから、オレじゃありませんって。その目撃者が嘘をついてるんでしょ、どうせ」

「貴様ぁぁぁっ!」

「まあ、まあ、ドスも落ち着け。ライザスも煽るな」

 その後も有意義な討論は続き・・・・・・

 結局は邪神軍は3人で運営する事となった。





 だからオレ、第4席から第3席に昇格したからな。





 (題名が変わるので)おわり
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