邪神軍将軍会議第４席兼第３師団方面軍司令官ライザス

リンデア王国侵攻

悪魔王ベーレ

　再び３人の許に戻ると３人を閉じ込めていた【聖】系の魔法陣と結界は消えていた。

　小悪魔族の２人はまだ倒れていたが。

「助かったぞ、同胞よ。オレはベーレ。これでも悪魔王だ」

　男の悪魔がそう感謝した。

「オレはライザス」

「悪魔王ライザスか。名前は覚えたぞ。ライザス、助けて貰って何だがカラッケツでな。魂を分けてくれ」

　ん？

「主従契約なしで譲渡出来るの？」

「ん？　同胞に分けた事がないのか？」

「ベーレ達を除くとまだ１人にしか会った事がないからな。主従関係だし」

「なるほどな。譲渡は正確な表現じゃない。目の前で捨てた魂をこちらが『拾う』だ」

「ああ、そういう事ね」

　理解したオレはベーレの前で右手から凝縮した魂１万個分を１００個ほどにして出して・・・

　同時に寝転んでる小悪魔族の２人の内の銀髪の方に光速で近付き、しゃがんで背中を貫いた。

　悪魔の核コアを抉えぐり取る。

「ギャアア、貴様ぁぁぁぁっ！」

　狸寝入りしてた小悪魔族が叫んだ時にはオレは核コアを口で噛み砕いて飲み込んでいた。

「待て。偽ったのは謝罪する。だから・・・・・・ギャアアアアアアア」

　銀髪の小悪魔族は核をオレに飲み込まれて消滅した。

　銀髪の小悪魔族の消滅と運動して、ベーレも青色の血を口から吐きながら、

「ぐはっ・・・どうして・・・」

「王は並び立たずさ。いくらオレが新米の悪魔王でもそれくらいは知ってるさ」

　オレはニヤリと笑った。

　オレは自分の翼で捨てた１万個分の魂を総て自動回収した。

　魂は油断させる為に出しただけだからな。

　くれてやる気は最初からなかったし。

「・・・いつ、私が悪魔王でないと気付かれたのです？」

　吐血したベーレが苦笑しながら片膝を床に付けてオレを見上げた。

「最初からだよ。いくら何でも弱過ぎる」

「それは１０００年間封印されてて本当にカラッケツだったからですよ。まあ、運も実力の内ですがね」

　１０００年間も封印されてた？

　ふむ。本当かどうか微妙だが、カラッケツなのは本当らしい。

　抵抗する力がないところを見ると。

　因みに、ベーレがダメージを受けたのは、主従契約を交わしてる関係だ。

　主人のダメージが従者側に流れたのだろう。

　つまり、オレが殺した小悪魔族の方が悪魔王で間違いない訳だ。

　それにしても弱まってたのに、従者に【力】を与えて影武者に仕立てるなんて用心深い奴だったな。

　弱ってなかったらヤバかったかも、オレ。

　おっと、核を吸収した事で悪魔王の情報が流れてきた。





　悪魔王エルモーネね。





　本当に１３００年前の悪魔王か。

　オレは死に掛けてるベーレを見下ろしながら、

「さてと、ここからが本題だがオレと主従契約を交わす気はあるか、魔神級大悪魔族ベーレ？」

「ぐふっ・・・・・・さすがは悪魔王。拒否権のない状態でそれを言いますか？」

　死に掛けのベーレが苦笑しながら、

「契約を望みます。従者の列にお加え下さい」

　と言ったので・・・・・・・





　魔神級大悪魔族ベーレ。

　爵位級大悪魔族フレンチェスカ。






　この２人の悪魔を主従契約で部下に加えたのだった。