邪神軍将軍会議第４席兼第３師団方面軍司令官ライザス

リンデア王国侵攻

水竜討伐

　そんな訳で、オレがユーロエス将軍を訪ねた30日後。





　嘘のような本当の話だが・・・・・・





　リンデア王国のエマ湖の北岸のほとりで、50メートル級の水竜と60メートル級の翼を持つ炎竜が殺し合いをやっていた。

　もう３日は激戦を繰り広げてる。

　何がどうなってるのかって？

　実はな。





　リンデア王国から１国を挟んだ北側に火山があって、そこに炎竜が住んでた訳なんだが・・・

　その炎竜に喧嘩を売った悪魔が居てな。

　その悪魔が炎竜を怒らせるだけ怒らせて逃げたら、炎竜が怒って追い掛けてきて、悪魔も本当は速く飛べる癖にトロトロと飛んだからエマ湖まで炎竜が付いてきて、悪魔がエマ湖の北岸に着地して炎竜も着陸したら、縄張りに侵入されて事に怒った水竜がエマ湖から出て来て炎竜と水竜が戦闘をしてる訳さ。





　もうかれこれ３日間も戦ってる。

　暇な連中だぜ、本当。プップップッ。

　ああ、因みに炎竜が住む火山に出向いた悪魔はオレだから（キリッ）。

　ドラゴンを持ってドラゴンを制する。

　まあ、原案は、邪神軍の戦力を利用して水竜退治を企んだフロッグマン族のクーロなんだがな。

　それを応用して、邪神軍も炎竜を利用して水竜退治を企てた訳だ。





　そして両者が引かずに血みどろの戦いをして７日目。

　満身創痍の水竜がエマ湖に逃げようとしたが、炎竜がそれを許さず、遂に、





「アギャアアアアアアアアアアア」





　と水竜が断末魔を上げて炎竜に殺されたのだった。

　問題はこの後だ。

　傷付いた炎竜がどう出るか。

　縄張りを荒らした悪魔を追い掛ける素振りを見せたら、さっさと逃げないとダメだからな。

　オレが遠くから逃げる準備をしてると、

「アギャア」

　水竜に勝利して満足した炎竜は傷付いた身体を休める為に根城に帰っていったのだった。





　その様子を見たオレは地上に居た第３師団に、

「水竜が死んだぞ。リンデア王国の制圧を再開しろ」

　と命じたのだった。