邪神軍将軍会議第４席兼第３師団方面軍司令官ライザス

リンデア王国侵攻

ラッタ山のドワーフ族

　ラスタロス王国東部の南側のラッタ山というのがあり、そこの暗黒鉱石目当てで住み着いてるのがドワーフ族だ。

　規模は３００人くらい。

　ドワーフ族は武具作りに長たけてる。

　そして、これが一番重要な事だが・・・・・・

　そのドワーフ族はラスタロス王国領内に住んでたが、ラスタロス王国には与していなかった。

　自治権を持った一種の独立国だったから。

　利用価値がある種族にはそういう特別扱いが多々ある。

　ドワーフ族が居たら良質の武具が手に入るからな。

　当然、ドワーフ族と邪神を崇める邪神軍とは敵対関係にあるはずだが・・・

　今回のラスタロス王国と邪神軍との戦争で、ラッタ山のドワーフ族は中立を貫いていた。

　第３師団が調べた情報では・・・・・・

　ラスタロス王国の人間族が高圧的に命令した事にドワーフ族が腹を立てたんだそうだ。





　そんな訳で『交渉の余地があるかもな』と思ってオレは出向いていた。

「高位悪魔族・・・おまえさんが王都モスカードを焼いた悪魔か」

　交渉前の挨拶でドワーフ族の族長のジゲヘンって奴がそう確認して、

「ああ、そうだが。それが？」

「大きな声では言えんが良くやってくれた、ガハハハ」

　と笑ったので、その後の交渉はスムーズに行った。





　邪神軍はドワーフ族に自治権と命の保証。酒や食糧も提供（まあ、略奪品だが）。

　対してドワーフ族は酒に応じて武具を提供する。





「じゃあ、それで」

「約束は守ってくれよ、悪魔さんよ」

「無論さ」

　オレはジゲヘンと握手を交わしたのだった。





　上手く交渉が言ってよかったな、だって？

　はぁん。逆だよ。

　オレもジゲヘンも相手を信用してないんだから。

　当分は武具を提供させるが、その内、裏切るぞ、ドワーフ族の奴ら。絶対に。





　まあ、部下に見張らせるか。