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青夜の休日の過ごし方、義姉イ・テヒの事故死、貿易会社スノーディアの壊滅
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7月中旬。
3日間に日程が詰め込まれた再テストが終了し、ようやく週末なのだが。
せっかくの休日だろうと青夜に休まる日は存在しない。
何故ならば青夜は東条院の副宗家。
東条院の宗家当主が4歳の緑子なのだから、宗家代理の藤名金城に東条院の業務を丸投げしていても眼を通さなければならない書類は山ほどあるのだ。
そんな訳で、日曜日には青夜は藤名の屋敷に出向き、書類に眼を通していた訳だが、
「うんざりだな」
と呟く破目になった。
「副宗家の決済が必要なので、これは仕方がない事かと」
と答えたのは補佐役として同室に居る藤名月弥だった。
因みに、金城は青夜の代わりに名家を回っており、現在は屋敷に不在だ。
つまり、青夜の異能力の1つが『青麒麟』だとバレたので、面会を求める声が多数出て、(当然、青夜は全部断った訳だが)断るにしても名も知らない使いっぱしりと宗家代理の役職にある重鎮が直々に断りに出向き、陳情を聞くのでは相手に与える印象が違い、金城は現在、名家に断りに回ってる訳だ。
そんな中、藤名の使用人が入室してきて月弥に耳打ちして『分かった』と返事をし、
「副宗家、失礼します」
と言って退室した訳だが、
5分後には結局は対処し切れずに戻ってきた月弥が、
「申し訳ございません、副宗家。アポなしなので追い返そうとしましたが無理でした。副宗家に来客です」
「誰?」
「『君清』と言えば分かるとおっしゃられています」
「ああ、もう」
『白鳳院の当主代理を追い返そうとした? 何を考えているんだ?』とのニュアンスで青夜は言った訳だが、月弥は『来客くらい追い返せよな。面倒臭い』とのリアクションだと受け取っていた。
そんな誤解をされているなど知る由もない青夜が藤名屋敷の来客室へと出向く。
来客室には白鳳院君清が居た。
君清は白鳳院の当主代理である。
なので、白鳳院の護衛が来客室のドア前の廊下に2人、室内の壁際にも2人控えていた。
屋敷の外には更にだ。
「これは代理様。来られずともお呼び下されば出向きましたものを」
「近くを立ち寄ったのでな」
と言って視線を青夜と一緒に入ってきて壁際に控えた月弥に向けたので、
「月弥さん、部屋の外で待ってて」
「ですが・・・」
「白鳳院の代理様の会話を聞くには官位職が必要だからね」
「畏まりました」
渋々と月弥が答えて退室する中、青夜が、
「それで本日は如何なる御用向きでしょうか?」
「東条院青花を白鳳院に入れる為に君康を潰したのか?」
「何故そうなるのです? オレはてっきり代理様が・・・コホン、何でもございません」
「何だ?」
「いえ、何でもございませんので・・・」
「構わん、言ってみろ」
君清に追及されて青夜は仕方なく、
「君康様を見限った代理様が御自身の庶子を白鳳院に入れる為に君康様を死地に追いやったとばかり」
「庶子だと? 何の事だ?」
「えっ? 確か居られましたよね? 2人程庶子が・・・」
「誰から聞いた――ああ、そうか」
と思い出した君清が、
「本当に東条院は君康の『潰し』をやっていないんだな?」
「無論ですよ。そもそも白鳳院を相手にどうやるんです?」
「東条院の副宗家なら出来そうだからな」
「高評価、痛み入ります」
と言った青夜に、
「本当に『青麒麟』なのだな?」
「はいな」
「見せろ」
と言われたので青夜は異能力『中国神話青麒麟』を解放した。
ソファーに座りながら膨大な『神気』を纏う。
同時にドアが勢い良く開き、白鳳院の護衛と月弥が雪崩れ込んできた。
君清や室内に居た護衛が手を挙げて制したので、雪崩れ込んだ護衛2人は一礼して退室した。
月弥も同様に退室する中、青夜が解放した気を収めて、
「これで御満足いただけたでしょうか?」
「・・・ああ」
君清が何かを考えながら、
「時に・・・・・・まだ好きなのか? 北紫清子の事が?」
『北紫清子』とは君清の孫のような年齢の庶子の娘である。
「勘弁して下さい。白鳳院の本邸の子供部屋で仲良くなり過ぎて、清子ちゃんが『アナタのお嫁さんになってあげる』って発言して大問題になった6歳以降、一度も会ってはいないのですから。ってか、あの後ですよね、今思えば。オレと鈴姫との婚約が結ばれたの?」
「そうだったか?」
「そうですよ。その後、オレがどれだけ酷い目に遭った事か」
自分の手でゆっくりと自分の頬にビンタする真似をして青夜は『うぎゃ』という顔をした。
「ふむ。鈴の婚約者に選んだ訳だから、その時にはもう『青麒麟』は会得していたのだよな。当主様は本当に見る眼がある。『お気に入り』になる訳だ」
しみじみと君清が頷く中、
「邪魔したな」
「もうですか?」
「ああ。本当に用事の合間に寄ったのでな」
「では、玄関まで御見送りを」
そうして玄関へと目指した訳だが、その廊下の移動中に君清が気軽に、
「白鳳院の次期当主はどうなると思う?」
「さあ。雲上人である白鳳院家の事などワタシごときが予想出来る訳もなく」
「『青麒麟』の癖にその用心深さ、逆に警戒対象だぞ」
「ええぇ~。今のは模範回答でしたのに、そうなのですか?」
「東条院の副宗家は少し不気味過ぎる。『青麒麟』だった癖に『無能』を演じていたのだからな」
「そこはそれ。無能だったのに突然『青麒麟』になったって事で。白鳳院の御当主様の『お気に入り』だったのも慧眼でその事を事前に『予知』していたからーーという事で」
「やれやれだ」
そんな事を言いながら君清は車に乗って出発するのを屋敷の玄関前で青夜は見送ったのだった。
◇
日本国政府の正式発表を信じるのは日本人だけである。
調査対象の国の発表を信じるほど、他国の諜報員はお人好しではない。
ちゃんと調査をする。
それは大国であればあるほどだ。
アメリカ合衆国を裏で牛耳るブラッディームーン一族はアンジェリカの誕生日である4月5日の段階で青夜の異常な戦闘力を確認しているので『中国神話青麒麟』と聞いてエリザベートが青夜の義理の姉でもある実娘のアンジェリカに問い合わせて『どうもそうらしいわよ』との回答を得て納得した。
中国の方は『黒麒麟』のチュウ・ペイレンが直接確認に出向いている。同じ麒麟だ。さすがに分かる。これで騙されてたら、チュウ・ペイレンは失脚確実なくらいだ(まあ、『日本神話ワタツミ』と『青龍』の方は見抜けなったのだが)。
その大国2国の動きも考慮して『どうも本当に田中青夜の異能力は『中国神話青麒麟』らしい』と日本在住の他国の異能力者は悟った訳だが。
さて。
青夜を狙う者はもう居ない。
三族連座騒動で誰もが震え上がったのだから。
その上、異能力が『中国神話青麒麟』ときた。
いつからかは不明だが、もし『落ちこぼれ』の時期からだったら、青夜の『死の予言』の情報を知らない者達からしたら、もう東条院の嫡子は何を考えているのか分からず不気味ですらある。
誰も手を出したがらなかった。
だが、それは国内勢力の話である。
他国勢力は別だ。
異能力『中国神話青麒麟』。
中国本国は他国に出現した『中国神話』の覚醒者に対しては放置政策を取っているので、青夜にちょっかいを掛けてくる事はない。
その内『倭国王』の金印やら異能宝具やらを送り込んできて野心や上昇志向を擽り内乱を誘発しようとするだろうが、その程度だ。
下手に本国からあれこれ指図をして『青麒麟』に反中国の思想になられては困るのだから。
基本放置だ。
但し、他の中国に煮え湯を飲まされてる近隣諸国は是が非でも欲しい異能力だった。
『欲しい』とは言っても運良く倒せても異能力が奪える訳もない。
富や名誉、ハニートラップを使って他国から連れてくるのが関の山である。
日本の白鳳院とベッタリで国粋主義者との噂がある青夜にそんな事は不可能に思えたが、
青夜には実は韓国人の義兄弟が居る。
名前はイ・テヒ。
年齢は22歳。
デビュー歴4年目のアイドルで、韓国でも人気の7人組アイドルグループ『虹』の一員だった。
黒髪ミディアムで韓国特有の整形手術美人だ。スタイルも良い。いつもミニスカの衣装で小尻と美脚がチャームポイント。
正確には女で年上なのだから、青夜と正式な契り(エロイ意味ではない。異能の術式なだけで)を結んだ義姉が。
本来ならば青夜の異能力が露見した時点で韓国からイ・テヒが送り込まれるはずだったが、間の悪い事にイ・テヒはグアムで写真集の撮影をしていた。
その為、3日後にはグアムから日本へ来日が決定した訳だが。
青夜の方も馬鹿ではない。
『青麒麟』の異能力が公表された翌日に白鳳院令と面会し(重要文化財級5点をせしめた)後に、
「実は東条院から養子に出されたので実行しませんでしたが東条院から逃れる為に国外脱出を計画した事がありまして、協力者の韓国人のアイドルと義兄弟になってまして、ハッハッハッ」
と切り出して、
「義兄弟? まさか、術式の方か?」
「はいな」
「この愚か者がっ!」
公家として人前で怒る事が滅多にない令もさすがに怒る中、
「いえいえ、御安心下さい。坂田金猿と相撲を取った時に完全に術式は消し飛んでしまいましたから。まあ、自力で解けるように細工もしてあったのですが」
それを聞いて怒気を収めた令が、
「ったく、で?」
「『中国神話青麒麟』が露見したら絶対に遭いに来るので、後腐れなく殺していいですか?」
「いい訳あるか。黙っていた罰として5点の内、『晴明の龍冠』と『ワタツミの腕輪』を与える話はなしだからなっ!」
「いやいや、今更、それはないでしょ、御当主様っ? 『ワタツミ』だけでも・・・」
「また今度だ。諦めよ」
こうして贈られる宝具が5点から3点に減らされたという経緯を経て、
『青麒麟』の青夜の情報が飛び交う中で、
『韓国に脱出を考えていた東条院青夜が韓国の異能アイドルグループ『虹』のイ・テヒと義兄弟の術式の契りを交わしたが、そのアイドルが7億円で義兄弟の青夜の国外脱出計画の情報を日本に売ったので術式が解けた』
との情報も青夜が先手を打って流布したのだった。
◇
その突然降って湧いた義姉イ・テヒ情報に怒ったのがアメリカ合衆国と中国だ。
怒ったアメリカ合衆国とは青夜とアンジェリカの婚姻に前向きなブラッディームーン一族の事であるが、
それ以上に怒ったのが現在、韓国の大統領が変わって外交政策が朝貢からアメリカ追従に変更して掌を返されて貿易戦争にまで発展していた中国だった。
よって、この発表はイ・テヒの『死への片道切符』となった。
何せ、こんな女に操られて中国が『青麒麟』に攻撃されては堪らないのだから。
更に間の悪いのが、そのイ・テヒは青夜の青麒麟情報を聞いても、呑気にグアムで写真集の撮影をしている最中だった事だ。
アメリカ合衆国の領土内で中国政府の敵が死んでも困るのは中国ではない。
そんな訳で、あっさりとグアムの海を移動中のレンタルした小型船が爆発し、乗っていたイ・テヒを含む他のアイドル3人とスタッフ4人、船長等々の現地スタッフ3人の計10人が死亡するという痛ましい事故が起きたのだった。
因みに死んだイ・テヒの異能力は『舞姫』で、一応は肉体派だった。
◇
その速報を青夜が聞いたのはロシア国出資の貿易会社を襲撃してる最中だった。
正確には4月1日に東条院の宗家屋敷が邪気爆発を起こした宝玉を輸入したロシア系資本の貿易会社『スノーディア』を東条院の一党はずっと監視していた訳だが、今回の青夜の『中国神話青麒麟』情報に踊らされてハニートラップ部隊を派遣しようとしていたので、それを合図に神奈川県にある貿易会社『スノーディア』の自社ビルまで青夜が都内から乗り込んで、日曜日ながら集まってた社長に収まってたロシア国の異能力者と社員である親ロシア派の日本人の異能者を20人くらい半殺しにしてるところに、神奈川県は二千院家の御膝元なので、二千院家に仕えるサングラス執事の長門彰が騒ぎを聞き付けてやって来て、
「この会社はロシアの異能諜報局が出資してる会社ですよ? ロシアと全面戦争をする気ですかっ?」
そう青夜に意見したが、
「はぁん? 何言ってるの、彰さん? コイツラだよ? 4月の頭に東条院の宗家屋敷で邪気爆発した邪気玉を日本国内に輸入したの? 潰すでしょ、普通? ・・・それを否定って、えっ、嘘、二千院家も『東条院の先代落とし』に噛んでるの?」
逆に青夜が疑って、副宗家になった青夜が1人で神奈川県まで遠征出来る訳もなく、東条院の部隊50人以上を引き連れており、この社長室にも8人が居た訳だが、その8人が彰を睨んで、
「いえ、そんな事ある訳が・・・・・・」
「そもそもどうしてこんな連中が今まで野放しにされてたのさ?」
と青夜が問うた時、青夜のスマホが鳴った。
画面を見れば藤名金城だった。
『ジイも苦言か。面倒臭い』と電話を無視した青夜だったが、すぐに副宗家の時の護衛隊長の32歳、182センチ、黒髪の総髪のスーツに日本刀の秋川ワタルのスマホが鳴り、電話に出たワタルが、
「宗家代理からです」
『もう』と言いながらスマホを受け取った青夜が、
「何?」
『『若様の義姉が死んだ』との速報がございました』
言葉を理解した2秒後に、
「はあぁぁぁ?」
青夜は不機嫌そうに聞き返した。
義理の姉は4人居る訳だが、
(あれ? 全員生きてるよな? 都内から離れてるけど確実に)
とっくに全員に目印を付けていた青夜が確認して不思議がりながら、
「誰が死んだって? 4人とも生きてるけど? もしかして他にも姉が居るのか? 義理って事はもしかして法子さんが産んだ?」
そう深読みすると、
『イ・テヒです』
「誰だ、それ?」
『はい? 若様が国外脱出用に義兄弟の術式の契りを交わした韓国のアイドルではなかったのですか?』
「ああ・・・・・・そう言えば、そんな名前だったか」
と答えた青夜は別に演技をしている訳ではない。
本当に一瞬誰か分からなかったのだ。
術式で義兄弟の契りを交わしていたのに。
その程度の相手だった。
顔だけはそれでも覚えてる。美人だったので。
節分の日に国内で1回遭っただけでスタイルなどは不明だったが。
何やら『人気アイドルの私と義兄弟の契りを交わせるんだからありがたく思いなさい』とか自慢してたが、青夜はスマホで検索すらしなかった。本当にその程度の関係性だったのだ。
「本当に死んだのかだけは確認するように」
『畏まりました』
「ではな」
『お待ちを。神奈川県で宗家屋敷の『先代落とし』に絡んだロシア系の貿易会社を潰したと報告を受けましたが?』
「それが?」
『倉庫には出向かれませんように。ロシア系は大概、アジトに罠を仕掛けてますから』
「えっ、そうなの、知らなかったな(棒読み)」
『じゃあ』と青夜は白々しく答えてから通話を切ってスマホを返してから、
「帰るぞ。連中の倉庫等々の調査は禁止。絶対に罠があるから」
そう言って撤退したのだった。
その日の内に貿易会社『スノーディア』が借りてる倉庫が火炎爆発を起こし、県警の異能課よりも早く倉庫に侵入した神奈川県で強奪屋をやってる在日中国人系の異能チーム30人が被害に遭ったのだが、それは、まあ、別の話だ。
3日間に日程が詰め込まれた再テストが終了し、ようやく週末なのだが。
せっかくの休日だろうと青夜に休まる日は存在しない。
何故ならば青夜は東条院の副宗家。
東条院の宗家当主が4歳の緑子なのだから、宗家代理の藤名金城に東条院の業務を丸投げしていても眼を通さなければならない書類は山ほどあるのだ。
そんな訳で、日曜日には青夜は藤名の屋敷に出向き、書類に眼を通していた訳だが、
「うんざりだな」
と呟く破目になった。
「副宗家の決済が必要なので、これは仕方がない事かと」
と答えたのは補佐役として同室に居る藤名月弥だった。
因みに、金城は青夜の代わりに名家を回っており、現在は屋敷に不在だ。
つまり、青夜の異能力の1つが『青麒麟』だとバレたので、面会を求める声が多数出て、(当然、青夜は全部断った訳だが)断るにしても名も知らない使いっぱしりと宗家代理の役職にある重鎮が直々に断りに出向き、陳情を聞くのでは相手に与える印象が違い、金城は現在、名家に断りに回ってる訳だ。
そんな中、藤名の使用人が入室してきて月弥に耳打ちして『分かった』と返事をし、
「副宗家、失礼します」
と言って退室した訳だが、
5分後には結局は対処し切れずに戻ってきた月弥が、
「申し訳ございません、副宗家。アポなしなので追い返そうとしましたが無理でした。副宗家に来客です」
「誰?」
「『君清』と言えば分かるとおっしゃられています」
「ああ、もう」
『白鳳院の当主代理を追い返そうとした? 何を考えているんだ?』とのニュアンスで青夜は言った訳だが、月弥は『来客くらい追い返せよな。面倒臭い』とのリアクションだと受け取っていた。
そんな誤解をされているなど知る由もない青夜が藤名屋敷の来客室へと出向く。
来客室には白鳳院君清が居た。
君清は白鳳院の当主代理である。
なので、白鳳院の護衛が来客室のドア前の廊下に2人、室内の壁際にも2人控えていた。
屋敷の外には更にだ。
「これは代理様。来られずともお呼び下されば出向きましたものを」
「近くを立ち寄ったのでな」
と言って視線を青夜と一緒に入ってきて壁際に控えた月弥に向けたので、
「月弥さん、部屋の外で待ってて」
「ですが・・・」
「白鳳院の代理様の会話を聞くには官位職が必要だからね」
「畏まりました」
渋々と月弥が答えて退室する中、青夜が、
「それで本日は如何なる御用向きでしょうか?」
「東条院青花を白鳳院に入れる為に君康を潰したのか?」
「何故そうなるのです? オレはてっきり代理様が・・・コホン、何でもございません」
「何だ?」
「いえ、何でもございませんので・・・」
「構わん、言ってみろ」
君清に追及されて青夜は仕方なく、
「君康様を見限った代理様が御自身の庶子を白鳳院に入れる為に君康様を死地に追いやったとばかり」
「庶子だと? 何の事だ?」
「えっ? 確か居られましたよね? 2人程庶子が・・・」
「誰から聞いた――ああ、そうか」
と思い出した君清が、
「本当に東条院は君康の『潰し』をやっていないんだな?」
「無論ですよ。そもそも白鳳院を相手にどうやるんです?」
「東条院の副宗家なら出来そうだからな」
「高評価、痛み入ります」
と言った青夜に、
「本当に『青麒麟』なのだな?」
「はいな」
「見せろ」
と言われたので青夜は異能力『中国神話青麒麟』を解放した。
ソファーに座りながら膨大な『神気』を纏う。
同時にドアが勢い良く開き、白鳳院の護衛と月弥が雪崩れ込んできた。
君清や室内に居た護衛が手を挙げて制したので、雪崩れ込んだ護衛2人は一礼して退室した。
月弥も同様に退室する中、青夜が解放した気を収めて、
「これで御満足いただけたでしょうか?」
「・・・ああ」
君清が何かを考えながら、
「時に・・・・・・まだ好きなのか? 北紫清子の事が?」
『北紫清子』とは君清の孫のような年齢の庶子の娘である。
「勘弁して下さい。白鳳院の本邸の子供部屋で仲良くなり過ぎて、清子ちゃんが『アナタのお嫁さんになってあげる』って発言して大問題になった6歳以降、一度も会ってはいないのですから。ってか、あの後ですよね、今思えば。オレと鈴姫との婚約が結ばれたの?」
「そうだったか?」
「そうですよ。その後、オレがどれだけ酷い目に遭った事か」
自分の手でゆっくりと自分の頬にビンタする真似をして青夜は『うぎゃ』という顔をした。
「ふむ。鈴の婚約者に選んだ訳だから、その時にはもう『青麒麟』は会得していたのだよな。当主様は本当に見る眼がある。『お気に入り』になる訳だ」
しみじみと君清が頷く中、
「邪魔したな」
「もうですか?」
「ああ。本当に用事の合間に寄ったのでな」
「では、玄関まで御見送りを」
そうして玄関へと目指した訳だが、その廊下の移動中に君清が気軽に、
「白鳳院の次期当主はどうなると思う?」
「さあ。雲上人である白鳳院家の事などワタシごときが予想出来る訳もなく」
「『青麒麟』の癖にその用心深さ、逆に警戒対象だぞ」
「ええぇ~。今のは模範回答でしたのに、そうなのですか?」
「東条院の副宗家は少し不気味過ぎる。『青麒麟』だった癖に『無能』を演じていたのだからな」
「そこはそれ。無能だったのに突然『青麒麟』になったって事で。白鳳院の御当主様の『お気に入り』だったのも慧眼でその事を事前に『予知』していたからーーという事で」
「やれやれだ」
そんな事を言いながら君清は車に乗って出発するのを屋敷の玄関前で青夜は見送ったのだった。
◇
日本国政府の正式発表を信じるのは日本人だけである。
調査対象の国の発表を信じるほど、他国の諜報員はお人好しではない。
ちゃんと調査をする。
それは大国であればあるほどだ。
アメリカ合衆国を裏で牛耳るブラッディームーン一族はアンジェリカの誕生日である4月5日の段階で青夜の異常な戦闘力を確認しているので『中国神話青麒麟』と聞いてエリザベートが青夜の義理の姉でもある実娘のアンジェリカに問い合わせて『どうもそうらしいわよ』との回答を得て納得した。
中国の方は『黒麒麟』のチュウ・ペイレンが直接確認に出向いている。同じ麒麟だ。さすがに分かる。これで騙されてたら、チュウ・ペイレンは失脚確実なくらいだ(まあ、『日本神話ワタツミ』と『青龍』の方は見抜けなったのだが)。
その大国2国の動きも考慮して『どうも本当に田中青夜の異能力は『中国神話青麒麟』らしい』と日本在住の他国の異能力者は悟った訳だが。
さて。
青夜を狙う者はもう居ない。
三族連座騒動で誰もが震え上がったのだから。
その上、異能力が『中国神話青麒麟』ときた。
いつからかは不明だが、もし『落ちこぼれ』の時期からだったら、青夜の『死の予言』の情報を知らない者達からしたら、もう東条院の嫡子は何を考えているのか分からず不気味ですらある。
誰も手を出したがらなかった。
だが、それは国内勢力の話である。
他国勢力は別だ。
異能力『中国神話青麒麟』。
中国本国は他国に出現した『中国神話』の覚醒者に対しては放置政策を取っているので、青夜にちょっかいを掛けてくる事はない。
その内『倭国王』の金印やら異能宝具やらを送り込んできて野心や上昇志向を擽り内乱を誘発しようとするだろうが、その程度だ。
下手に本国からあれこれ指図をして『青麒麟』に反中国の思想になられては困るのだから。
基本放置だ。
但し、他の中国に煮え湯を飲まされてる近隣諸国は是が非でも欲しい異能力だった。
『欲しい』とは言っても運良く倒せても異能力が奪える訳もない。
富や名誉、ハニートラップを使って他国から連れてくるのが関の山である。
日本の白鳳院とベッタリで国粋主義者との噂がある青夜にそんな事は不可能に思えたが、
青夜には実は韓国人の義兄弟が居る。
名前はイ・テヒ。
年齢は22歳。
デビュー歴4年目のアイドルで、韓国でも人気の7人組アイドルグループ『虹』の一員だった。
黒髪ミディアムで韓国特有の整形手術美人だ。スタイルも良い。いつもミニスカの衣装で小尻と美脚がチャームポイント。
正確には女で年上なのだから、青夜と正式な契り(エロイ意味ではない。異能の術式なだけで)を結んだ義姉が。
本来ならば青夜の異能力が露見した時点で韓国からイ・テヒが送り込まれるはずだったが、間の悪い事にイ・テヒはグアムで写真集の撮影をしていた。
その為、3日後にはグアムから日本へ来日が決定した訳だが。
青夜の方も馬鹿ではない。
『青麒麟』の異能力が公表された翌日に白鳳院令と面会し(重要文化財級5点をせしめた)後に、
「実は東条院から養子に出されたので実行しませんでしたが東条院から逃れる為に国外脱出を計画した事がありまして、協力者の韓国人のアイドルと義兄弟になってまして、ハッハッハッ」
と切り出して、
「義兄弟? まさか、術式の方か?」
「はいな」
「この愚か者がっ!」
公家として人前で怒る事が滅多にない令もさすがに怒る中、
「いえいえ、御安心下さい。坂田金猿と相撲を取った時に完全に術式は消し飛んでしまいましたから。まあ、自力で解けるように細工もしてあったのですが」
それを聞いて怒気を収めた令が、
「ったく、で?」
「『中国神話青麒麟』が露見したら絶対に遭いに来るので、後腐れなく殺していいですか?」
「いい訳あるか。黙っていた罰として5点の内、『晴明の龍冠』と『ワタツミの腕輪』を与える話はなしだからなっ!」
「いやいや、今更、それはないでしょ、御当主様っ? 『ワタツミ』だけでも・・・」
「また今度だ。諦めよ」
こうして贈られる宝具が5点から3点に減らされたという経緯を経て、
『青麒麟』の青夜の情報が飛び交う中で、
『韓国に脱出を考えていた東条院青夜が韓国の異能アイドルグループ『虹』のイ・テヒと義兄弟の術式の契りを交わしたが、そのアイドルが7億円で義兄弟の青夜の国外脱出計画の情報を日本に売ったので術式が解けた』
との情報も青夜が先手を打って流布したのだった。
◇
その突然降って湧いた義姉イ・テヒ情報に怒ったのがアメリカ合衆国と中国だ。
怒ったアメリカ合衆国とは青夜とアンジェリカの婚姻に前向きなブラッディームーン一族の事であるが、
それ以上に怒ったのが現在、韓国の大統領が変わって外交政策が朝貢からアメリカ追従に変更して掌を返されて貿易戦争にまで発展していた中国だった。
よって、この発表はイ・テヒの『死への片道切符』となった。
何せ、こんな女に操られて中国が『青麒麟』に攻撃されては堪らないのだから。
更に間の悪いのが、そのイ・テヒは青夜の青麒麟情報を聞いても、呑気にグアムで写真集の撮影をしている最中だった事だ。
アメリカ合衆国の領土内で中国政府の敵が死んでも困るのは中国ではない。
そんな訳で、あっさりとグアムの海を移動中のレンタルした小型船が爆発し、乗っていたイ・テヒを含む他のアイドル3人とスタッフ4人、船長等々の現地スタッフ3人の計10人が死亡するという痛ましい事故が起きたのだった。
因みに死んだイ・テヒの異能力は『舞姫』で、一応は肉体派だった。
◇
その速報を青夜が聞いたのはロシア国出資の貿易会社を襲撃してる最中だった。
正確には4月1日に東条院の宗家屋敷が邪気爆発を起こした宝玉を輸入したロシア系資本の貿易会社『スノーディア』を東条院の一党はずっと監視していた訳だが、今回の青夜の『中国神話青麒麟』情報に踊らされてハニートラップ部隊を派遣しようとしていたので、それを合図に神奈川県にある貿易会社『スノーディア』の自社ビルまで青夜が都内から乗り込んで、日曜日ながら集まってた社長に収まってたロシア国の異能力者と社員である親ロシア派の日本人の異能者を20人くらい半殺しにしてるところに、神奈川県は二千院家の御膝元なので、二千院家に仕えるサングラス執事の長門彰が騒ぎを聞き付けてやって来て、
「この会社はロシアの異能諜報局が出資してる会社ですよ? ロシアと全面戦争をする気ですかっ?」
そう青夜に意見したが、
「はぁん? 何言ってるの、彰さん? コイツラだよ? 4月の頭に東条院の宗家屋敷で邪気爆発した邪気玉を日本国内に輸入したの? 潰すでしょ、普通? ・・・それを否定って、えっ、嘘、二千院家も『東条院の先代落とし』に噛んでるの?」
逆に青夜が疑って、副宗家になった青夜が1人で神奈川県まで遠征出来る訳もなく、東条院の部隊50人以上を引き連れており、この社長室にも8人が居た訳だが、その8人が彰を睨んで、
「いえ、そんな事ある訳が・・・・・・」
「そもそもどうしてこんな連中が今まで野放しにされてたのさ?」
と青夜が問うた時、青夜のスマホが鳴った。
画面を見れば藤名金城だった。
『ジイも苦言か。面倒臭い』と電話を無視した青夜だったが、すぐに副宗家の時の護衛隊長の32歳、182センチ、黒髪の総髪のスーツに日本刀の秋川ワタルのスマホが鳴り、電話に出たワタルが、
「宗家代理からです」
『もう』と言いながらスマホを受け取った青夜が、
「何?」
『『若様の義姉が死んだ』との速報がございました』
言葉を理解した2秒後に、
「はあぁぁぁ?」
青夜は不機嫌そうに聞き返した。
義理の姉は4人居る訳だが、
(あれ? 全員生きてるよな? 都内から離れてるけど確実に)
とっくに全員に目印を付けていた青夜が確認して不思議がりながら、
「誰が死んだって? 4人とも生きてるけど? もしかして他にも姉が居るのか? 義理って事はもしかして法子さんが産んだ?」
そう深読みすると、
『イ・テヒです』
「誰だ、それ?」
『はい? 若様が国外脱出用に義兄弟の術式の契りを交わした韓国のアイドルではなかったのですか?』
「ああ・・・・・・そう言えば、そんな名前だったか」
と答えた青夜は別に演技をしている訳ではない。
本当に一瞬誰か分からなかったのだ。
術式で義兄弟の契りを交わしていたのに。
その程度の相手だった。
顔だけはそれでも覚えてる。美人だったので。
節分の日に国内で1回遭っただけでスタイルなどは不明だったが。
何やら『人気アイドルの私と義兄弟の契りを交わせるんだからありがたく思いなさい』とか自慢してたが、青夜はスマホで検索すらしなかった。本当にその程度の関係性だったのだ。
「本当に死んだのかだけは確認するように」
『畏まりました』
「ではな」
『お待ちを。神奈川県で宗家屋敷の『先代落とし』に絡んだロシア系の貿易会社を潰したと報告を受けましたが?』
「それが?」
『倉庫には出向かれませんように。ロシア系は大概、アジトに罠を仕掛けてますから』
「えっ、そうなの、知らなかったな(棒読み)」
『じゃあ』と青夜は白々しく答えてから通話を切ってスマホを返してから、
「帰るぞ。連中の倉庫等々の調査は禁止。絶対に罠があるから」
そう言って撤退したのだった。
その日の内に貿易会社『スノーディア』が借りてる倉庫が火炎爆発を起こし、県警の異能課よりも早く倉庫に侵入した神奈川県で強奪屋をやってる在日中国人系の異能チーム30人が被害に遭ったのだが、それは、まあ、別の話だ。
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この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
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