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新・田中邸、使用人は3人、美咲薫
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家を失った田中家が新たに住む事となったのは(藤名金城推薦の)庭付きの豪邸だった。
さすがにプールはないが前田中ビルの15倍以上の敷地を誇った。
2階建ての14LLDDKK。
因みに、
Lはリビング。
Dはダイビング。
Kはキッチン。
だった。
広大な庭と温室花壇と5台は駐車が出来るビルトインガレージ付き。
前のこの豪邸の持ち主は多比丘という名字で、青龍大学の高等部に通う娘の3年生の多比丘見留紅が不幸にも始業式の日、田中青夜の通学を邪魔して渋滞を引き起こした1人だった事から、東条院の当主代理の金城に直々に『邪気爆発の見舞金』という名の和解金を毟り取られて破産し、豪邸を追われていた。
見留紅は青龍大学の高等部を退学して借金返済の為に勤労に励んでる。
その豪邸に青夜が転居したのだから、事情を知ってる者からしたら『最低な行為』だった訳だが、青夜は気にしないタイプの人種だったので全く気にしなかった。
他に前の家主の事を調べて事情を知ってるのは田中家では弥生とアンジェリカの2人だけだったが口を噤んだので、ソフトンニューヨークホテル東京を引き払い、引っ越しをした日曜日には、事情を知らない愛と葉月とシャンリーが、
「いいわね、やっぱり」
「でもお風呂が3室、1室がサウナ付き、トイレが4つ、キッチンが2つ、トレーニングルーム、茶室、座禅室、御堂って・・・・・・どういう設計なのかしら?」
「やっぱり少し広過ぎない? 私、掃除なんてしないからね」
好意的に新居を受け入れていた。
◇
この豪邸は広過ぎる為、使用人を雇う事はもう決まっている。
そして豪邸の使用人は東条院の関係者でアンジェリカとの間で決着が付いていた。
住み込みが3人だ。
無論、青夜が使用人など用意出来る訳もなく藤名月弥に頼んだら、
「よろしくお願いしますね、副宗家様、それに田中家の皆様方。私は鶴宮と申します」
「大原です」
「大城です」
この3人が送り込まれてきた。
鶴宮幸子は26歳。166センチ。まとめた長い黒髪で美人だが理知的でクールな印象のお姉さんだった。
大原芽理子は22歳。158センチ。長い茶髪をまとめて元気そうだ。
大城由美は24歳。161センチ。黒髪のミディアムで知的な切れ長の眼に眼鏡を掛けた有能そうな美人だった。
全員がメイド服を纏っていて、田中家の面々を玄関で出迎えた訳だが。
青夜から言わせれば全員、問題大ありだった。
3人が挨拶を終えると、
「幸子さんはチェンジで」
青夜はさらりと言った。
鶴宮幸子は東条院の宗家屋敷に14歳から勤めており、青夜も既に知っていた。
ついでに言えば、東条院法子の身の回り担当だ。
それ以前に幸子は(今年の4月1日の段階では)東条院の宗家屋敷の住み込みのメイドだった。なのに『当主生誕の儀』の邪気爆発を『お使い』で屋敷の外に出てた事により回避している。
胡散臭いを通り越して最早、黒に近い灰色だった(まあ、実際に灰色だったら東条院が処分してるので、これは青夜の心証なだけで実際は潔白だったのだが)。
「どうしてでしょうか、副宗家様?」
「だって幸子さんって『先代落とし』をした法子さんの手先でしょ?」
「お言葉ですが違います、若様。私は先代様の手先なのですから。先代の厳命で嫌々法子様にお仕えしていただけですから。『生誕の儀』も渋々関西の吉備一族までお使いに行っていただけですし」
それを表情のない大根役者よりも酷い演技で主張してるのだから嘘臭過ぎる。
「信じられないな」
「信じられないのを使うのも上の者の仕事ですよ。という事で、皆様、屋敷の案内をさせていただきますね」
理解が得られたとばかりに幸子が田中家の案内をしようとしたので、
「待った。その前に・・・・・・田中家で見た事は他言無用なのかな? それとも宗家屋敷の時のように報告するの?」
「副宗家様よりも上は宗家様だけですので『三猿(見ざる、聞かざる、言わざる』です。ですので、どれだけ乳繰り合われても外部にその情報が漏れる事はございませんのでご安心下さい」
「あのねぇ~。そんな関係じゃないよ、まだ」
「これは失言でした」
「はぁ~。じゃあ幸子さんは様子見ね。で、そっちの大城さんはどこの大城さんなのかな?」
大城が藤名月弥の前の家名な事くらい青夜も覚えてたので尋ねると、幸子が、
「無論、藤名一族の月弥様の母方の縁者の大城です」
「副宗家の周囲に送り込まれるくらい優秀なの?」
「いえ、『行儀見習い』として派遣すると聞いております」
「・・・大原さんは大丈夫なんだよね?」
大原とは東条院が出資する孤児院出身者が名乗る名字だ。
その為、意外な氏族が素性を隠す為に利用してたりする。
「大原は実力で選出されましたので何ら問題はございません」
「本当だろうね、頼むよ」
こうして使用人3人も田中家の豪邸で生活する事が決まり、青夜達は家の中に入ったのだった。
さて、入居に際して最初に決めておかなければならないのが自室の部屋分配だ。
これは意外に重要である。
部屋は14室あるが、大部屋は4部屋。
対して住む住民は母親の愛、長女の弥生、次女の葉月、三女のアンジェリカ、四女のシャンリー、長男の青夜、それに使用人の鶴宮幸子、大原芽理子、大城由美の合計9人。
浴室やトイレの場所等々を踏まえ、熟慮が必要である。
何せ、男の青夜が居る。
トイレ直後のバッティングは避けたいのだから。
などとの考慮は一切必要なく、
「私と青夜の部屋はこの1階の一番広いのね」
「私と青夜の部屋でしょ。もうクイーンサイズのベッドも購入して運び入れてあるんだから」
葉月とアンジェリカが1階の大部屋を勝手に青夜の部屋と決めた事で、
「えっ、何言ってるの、2人とも? オレは2階の階段横にある広い部屋だよ?」
実は東条院の宗家屋敷でも自室が1階だったので、2階部屋に憧れとまでは言わないが、それでも2階が良くて青夜が階段横で誰も希望しないであろう部屋の居住権を主張すれば、愛が、
「あら、青夜君、あの部屋は家主である私のよ。家相が一番いいんだから」
「ママには2階の東側の一番いい部屋を・・・・・・」
「その部屋は私のよ」
シャンリーが言い、どうも既に青夜の知らぬところで勝手に部屋割りがされており、青夜に部屋を選ぶ権利は存在しなかった。
◇
『人祓いの法』というのがある。
その場所から一般人(異能力者には効かない)を居なくする術式の事だ。
これは陰陽道に限らず、キリスト教や超能力や霊能力や鬼道等々、総ての系統に存在する。
『人祓いの法』がないと、うかうかと異能力も使えないのだから。
現代よりも人権のない昔の方が『魔女狩り』や『鬼退治』とかがモロにあるので、とっくの昔に術式が確立されていた訳だが(逆にこの術式を確立していない流派は退治や迫害で廃れてる)。
『人祓い』があるのだから『悪霊祓い』や『邪気祓い』も存在した。
更に言えば『虫祓い』や『動物祓い』も、だ。
引っ越しをした日曜日の昼下がりの事だった。
引っ越し前の内見期間にシャンデリアや新品の家具を購入したアンジェリカによって、豪邸に贅沢な家具が揃っており、青夜が1階のリビングで寛いでると『ニャア』と猫の鳴き声が聞こえてきた。
「さすがは庭があるだけの事はあるわね。ビルに住んでた時は猫なんて寄り付きもしなかったのに」
そう(ヌケた事を)好意的に答えたのは葉月だけで、愛が怪訝そうに、
「『動物祓いの法』を貫いてきた?」
「ここの警備は東条院と日本国が持つのよね、青夜?」
「そのはずだけど」
アンジェリカの問いに答えた青夜が仕方なく窓側に移動して庭を見ると、三毛猫が1匹居り、青夜がますます不機嫌になる中、
「東条院副宗家の邸宅警備長を務める封魔忍軍の美咲薫と申します。以後よろしくお願いします」
とお辞儀する猫に日本語で挨拶された。
『霊獣』や本物の猫を通して喋る『猫使い』ではない。
異能力で『猫になってる人間』だった。
声が女だったのが唯一の救いだったが。
「女なんだよね?」
「はい」
「オレだけじゃなくて家族全員の護衛もよろしくね」
「心得ております」
「じゃあ、姿を見せて」
青夜がさらりと言い、猫の姿の薫の方が『えっ?』と面を喰らった。
「『えっ?』って何か問題でも?」
「私、猫になる時は裸でして。今人間の姿に戻ると裸な訳で・・・・・・」
「忠誠心の見せ所だね」
青夜がつまらなそうに言う中、諦めた薫が三毛猫から裸の女の姿にポンッと一瞬で戻った。
20歳、身長163センチ、茶髪のミディアムの猫目の白肌の巨乳美人で、身体のラインも美しかったが、現在は四つん這いの女豹のポーズな訳で、窓際で立ってる青夜からは綺麗な背中とお尻しか見えなかった。
封魔忍軍を名乗るだけあり、肉体派だ。『猫化』の他に『忍術』も使えるっぽい。
「もう猫に戻っていいよ、薫さん」
「はっ」
一瞬で人間の姿に戻った時とは違い、7秒掛けて猫の姿に変身する中、
「よろしくね」
「はい」
と答えた三毛猫の薫は去っていった。
そのなりゆきをリビングで見ていた愛が、
「少し意地悪が過ぎない、青夜君?」
「初対面なのに『猫』の姿で現れるからだよ、ママ。警戒するでしょ、普通? 礼儀がなってないよ。それだけ今の東条院は人材不足なのか、何か他の狙いがあったのかは知らないけど」
それが青夜の答えだった。
さすがにプールはないが前田中ビルの15倍以上の敷地を誇った。
2階建ての14LLDDKK。
因みに、
Lはリビング。
Dはダイビング。
Kはキッチン。
だった。
広大な庭と温室花壇と5台は駐車が出来るビルトインガレージ付き。
前のこの豪邸の持ち主は多比丘という名字で、青龍大学の高等部に通う娘の3年生の多比丘見留紅が不幸にも始業式の日、田中青夜の通学を邪魔して渋滞を引き起こした1人だった事から、東条院の当主代理の金城に直々に『邪気爆発の見舞金』という名の和解金を毟り取られて破産し、豪邸を追われていた。
見留紅は青龍大学の高等部を退学して借金返済の為に勤労に励んでる。
その豪邸に青夜が転居したのだから、事情を知ってる者からしたら『最低な行為』だった訳だが、青夜は気にしないタイプの人種だったので全く気にしなかった。
他に前の家主の事を調べて事情を知ってるのは田中家では弥生とアンジェリカの2人だけだったが口を噤んだので、ソフトンニューヨークホテル東京を引き払い、引っ越しをした日曜日には、事情を知らない愛と葉月とシャンリーが、
「いいわね、やっぱり」
「でもお風呂が3室、1室がサウナ付き、トイレが4つ、キッチンが2つ、トレーニングルーム、茶室、座禅室、御堂って・・・・・・どういう設計なのかしら?」
「やっぱり少し広過ぎない? 私、掃除なんてしないからね」
好意的に新居を受け入れていた。
◇
この豪邸は広過ぎる為、使用人を雇う事はもう決まっている。
そして豪邸の使用人は東条院の関係者でアンジェリカとの間で決着が付いていた。
住み込みが3人だ。
無論、青夜が使用人など用意出来る訳もなく藤名月弥に頼んだら、
「よろしくお願いしますね、副宗家様、それに田中家の皆様方。私は鶴宮と申します」
「大原です」
「大城です」
この3人が送り込まれてきた。
鶴宮幸子は26歳。166センチ。まとめた長い黒髪で美人だが理知的でクールな印象のお姉さんだった。
大原芽理子は22歳。158センチ。長い茶髪をまとめて元気そうだ。
大城由美は24歳。161センチ。黒髪のミディアムで知的な切れ長の眼に眼鏡を掛けた有能そうな美人だった。
全員がメイド服を纏っていて、田中家の面々を玄関で出迎えた訳だが。
青夜から言わせれば全員、問題大ありだった。
3人が挨拶を終えると、
「幸子さんはチェンジで」
青夜はさらりと言った。
鶴宮幸子は東条院の宗家屋敷に14歳から勤めており、青夜も既に知っていた。
ついでに言えば、東条院法子の身の回り担当だ。
それ以前に幸子は(今年の4月1日の段階では)東条院の宗家屋敷の住み込みのメイドだった。なのに『当主生誕の儀』の邪気爆発を『お使い』で屋敷の外に出てた事により回避している。
胡散臭いを通り越して最早、黒に近い灰色だった(まあ、実際に灰色だったら東条院が処分してるので、これは青夜の心証なだけで実際は潔白だったのだが)。
「どうしてでしょうか、副宗家様?」
「だって幸子さんって『先代落とし』をした法子さんの手先でしょ?」
「お言葉ですが違います、若様。私は先代様の手先なのですから。先代の厳命で嫌々法子様にお仕えしていただけですから。『生誕の儀』も渋々関西の吉備一族までお使いに行っていただけですし」
それを表情のない大根役者よりも酷い演技で主張してるのだから嘘臭過ぎる。
「信じられないな」
「信じられないのを使うのも上の者の仕事ですよ。という事で、皆様、屋敷の案内をさせていただきますね」
理解が得られたとばかりに幸子が田中家の案内をしようとしたので、
「待った。その前に・・・・・・田中家で見た事は他言無用なのかな? それとも宗家屋敷の時のように報告するの?」
「副宗家様よりも上は宗家様だけですので『三猿(見ざる、聞かざる、言わざる』です。ですので、どれだけ乳繰り合われても外部にその情報が漏れる事はございませんのでご安心下さい」
「あのねぇ~。そんな関係じゃないよ、まだ」
「これは失言でした」
「はぁ~。じゃあ幸子さんは様子見ね。で、そっちの大城さんはどこの大城さんなのかな?」
大城が藤名月弥の前の家名な事くらい青夜も覚えてたので尋ねると、幸子が、
「無論、藤名一族の月弥様の母方の縁者の大城です」
「副宗家の周囲に送り込まれるくらい優秀なの?」
「いえ、『行儀見習い』として派遣すると聞いております」
「・・・大原さんは大丈夫なんだよね?」
大原とは東条院が出資する孤児院出身者が名乗る名字だ。
その為、意外な氏族が素性を隠す為に利用してたりする。
「大原は実力で選出されましたので何ら問題はございません」
「本当だろうね、頼むよ」
こうして使用人3人も田中家の豪邸で生活する事が決まり、青夜達は家の中に入ったのだった。
さて、入居に際して最初に決めておかなければならないのが自室の部屋分配だ。
これは意外に重要である。
部屋は14室あるが、大部屋は4部屋。
対して住む住民は母親の愛、長女の弥生、次女の葉月、三女のアンジェリカ、四女のシャンリー、長男の青夜、それに使用人の鶴宮幸子、大原芽理子、大城由美の合計9人。
浴室やトイレの場所等々を踏まえ、熟慮が必要である。
何せ、男の青夜が居る。
トイレ直後のバッティングは避けたいのだから。
などとの考慮は一切必要なく、
「私と青夜の部屋はこの1階の一番広いのね」
「私と青夜の部屋でしょ。もうクイーンサイズのベッドも購入して運び入れてあるんだから」
葉月とアンジェリカが1階の大部屋を勝手に青夜の部屋と決めた事で、
「えっ、何言ってるの、2人とも? オレは2階の階段横にある広い部屋だよ?」
実は東条院の宗家屋敷でも自室が1階だったので、2階部屋に憧れとまでは言わないが、それでも2階が良くて青夜が階段横で誰も希望しないであろう部屋の居住権を主張すれば、愛が、
「あら、青夜君、あの部屋は家主である私のよ。家相が一番いいんだから」
「ママには2階の東側の一番いい部屋を・・・・・・」
「その部屋は私のよ」
シャンリーが言い、どうも既に青夜の知らぬところで勝手に部屋割りがされており、青夜に部屋を選ぶ権利は存在しなかった。
◇
『人祓いの法』というのがある。
その場所から一般人(異能力者には効かない)を居なくする術式の事だ。
これは陰陽道に限らず、キリスト教や超能力や霊能力や鬼道等々、総ての系統に存在する。
『人祓いの法』がないと、うかうかと異能力も使えないのだから。
現代よりも人権のない昔の方が『魔女狩り』や『鬼退治』とかがモロにあるので、とっくの昔に術式が確立されていた訳だが(逆にこの術式を確立していない流派は退治や迫害で廃れてる)。
『人祓い』があるのだから『悪霊祓い』や『邪気祓い』も存在した。
更に言えば『虫祓い』や『動物祓い』も、だ。
引っ越しをした日曜日の昼下がりの事だった。
引っ越し前の内見期間にシャンデリアや新品の家具を購入したアンジェリカによって、豪邸に贅沢な家具が揃っており、青夜が1階のリビングで寛いでると『ニャア』と猫の鳴き声が聞こえてきた。
「さすがは庭があるだけの事はあるわね。ビルに住んでた時は猫なんて寄り付きもしなかったのに」
そう(ヌケた事を)好意的に答えたのは葉月だけで、愛が怪訝そうに、
「『動物祓いの法』を貫いてきた?」
「ここの警備は東条院と日本国が持つのよね、青夜?」
「そのはずだけど」
アンジェリカの問いに答えた青夜が仕方なく窓側に移動して庭を見ると、三毛猫が1匹居り、青夜がますます不機嫌になる中、
「東条院副宗家の邸宅警備長を務める封魔忍軍の美咲薫と申します。以後よろしくお願いします」
とお辞儀する猫に日本語で挨拶された。
『霊獣』や本物の猫を通して喋る『猫使い』ではない。
異能力で『猫になってる人間』だった。
声が女だったのが唯一の救いだったが。
「女なんだよね?」
「はい」
「オレだけじゃなくて家族全員の護衛もよろしくね」
「心得ております」
「じゃあ、姿を見せて」
青夜がさらりと言い、猫の姿の薫の方が『えっ?』と面を喰らった。
「『えっ?』って何か問題でも?」
「私、猫になる時は裸でして。今人間の姿に戻ると裸な訳で・・・・・・」
「忠誠心の見せ所だね」
青夜がつまらなそうに言う中、諦めた薫が三毛猫から裸の女の姿にポンッと一瞬で戻った。
20歳、身長163センチ、茶髪のミディアムの猫目の白肌の巨乳美人で、身体のラインも美しかったが、現在は四つん這いの女豹のポーズな訳で、窓際で立ってる青夜からは綺麗な背中とお尻しか見えなかった。
封魔忍軍を名乗るだけあり、肉体派だ。『猫化』の他に『忍術』も使えるっぽい。
「もう猫に戻っていいよ、薫さん」
「はっ」
一瞬で人間の姿に戻った時とは違い、7秒掛けて猫の姿に変身する中、
「よろしくね」
「はい」
と答えた三毛猫の薫は去っていった。
そのなりゆきをリビングで見ていた愛が、
「少し意地悪が過ぎない、青夜君?」
「初対面なのに『猫』の姿で現れるからだよ、ママ。警戒するでしょ、普通? 礼儀がなってないよ。それだけ今の東条院は人材不足なのか、何か他の狙いがあったのかは知らないけど」
それが青夜の答えだった。
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