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百合一族の青龍大学襲撃事件
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青龍大学の高等部では始業式のある日は午前中で終わるのが常だが、下校時間を待たず(正確には待てず)に青龍大学の高等部の正門を越えて襲撃してきた異能力者達が居た。
本邸を襲われた百合一族だ。
百合とは、日本では古くから『立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花』と称され、キリスト教では純潔を意味する。
よって可憐なイメージがある訳だが、異能界の百合一族はそんな可愛らしいものではない。
白虎寺系列で襲撃したら白虎寺を敵に回すと理解していながら青龍大学を襲撃するくらいのバリバリの武闘派だった。
香りや女に関連する異能力でもない。
日本の異能界で百合一族と言えば、典型的な『風使い』だったのだから。
その百合一族が青龍大学を襲撃したのは本邸を炎上させられたからだ。
スマホ用語の事ではない。
文字通り、『炎で屋敷を焼かれた』事を意味した。
やったのは今や『東条院落としの黒幕』として潰された四乃森の残党である。
四乃森とは『死の森』を意味し、関東の暗殺系の異能力者一族としては鎌倉時代以前から存続する。
彼岸花一族、鬼札一族との三族同盟は有名で誰も手が出せなかったが『東条院落とし』をした事がバレて、埼玉県にあった四乃森の本家は強い異能力の一撃で潰れた後に(呪詛で重症の宗家当主の東条院青蓮が最後の力を振り絞ってやった事になっている)東条院と同じ邪気汚染が発生し、東条院一党の侵攻情報をキャッチして迎撃の為に集まってた本家筋と四乃森の精鋭は全滅。
当時、屋敷に居らず難を逃れた者達も東条院に膝を屈し(元々、四乃森法子の政略『側室』結婚でパイプがあったのでスンナリ)、忠誠の証として青夜の命令で真っ昼間どころか午前9時から百合一族への攻撃を開始した訳だが。
百合一族は東条院分家の鵜殿を使って東条院の宗家簒奪を目論んでいた癖に、この攻撃を全く予測しておらず(それどころか当初、訪問客として四乃森側を招いてる。四乃森は『宗家後妻』、百合は『分家鵜殿の外戚』の関係から東条院一党へのとりなし依頼として3日前に訪問のアポを取っており)約束の時間よりも早くきた客が突如、牙を剥き、外部からの襲撃が同時にあり、百合邸は防衛虚しく炎上していた。
だからと言って百合一族が全滅した訳ではない。
そもそも一族当主の白虹は(四乃森の訪問など歯牙にも欠けず、昨日の入学式の落とし前を付けさせる為に朝から活動してて)百合邸に不在だったのだがら。
そんな訳で百合邸炎上の報復として東条院(田中だが)青夜を襲いに青龍大学の高等部に来て、青夜の下校を待てずに敷地内に乗り込んできたのだった。
下校途中ならいざ知らず授業中に敷地内で異能力バトルなどをされては困るのが青龍大学側だ。
何せ、異能力者に教養と規律を教える異能力者教育機関、それが青龍大学なのだから。
なので青夜が出迎えるまでもなく、青龍大学の兵隊が百合一族を出迎えていた。
教師、並びに高等部の精鋭で構成された十二傑や有志護衛隊といった生徒達が。
「百合一族の皆さん、お気持ちは分かるが青龍大学では・・・・・・ギャアアア」
説得は無駄に終わり『風の刃』で教師が斬り倒された事で戦闘が始まった。
百合一族は20人くらいが乗り込んできており、正門を潜った広場では大混戦の異能バトルとなった。
「うわぁ~、何やら大変な事になってるねぇ~」
その様子を青夜は本校舎1階の生徒指導室の窓から他人事のように眺めていた。
青夜が生徒指導室に居るのは大陸系のスパイの仁科一郎を半殺しにした経緯説明の為である。
「青夜君、危ないから窓際に居ないで、ちゃんと席に座りなさい」
そう声を掛けたのは青龍大学の中等部教師の西丸藤子だった。
藤子は24歳。身長165センチ。焦茶髪をアップにし、キリッとした眉目の顔立ちの典型的な堅物の女教師タイプだった。スーツとタイトスカートが良く似合ってる。
「他の先生方の前で名前呼びは拙いと思いますよ、西丸センセー」
と言いつつも素直に従い、窓から離れてパイプ椅子に座り直し、
「そもそも中等部のセンセーがどうして高等部の校舎内に居るんですか?」
「どうしてですって? さっき、それも中等部の始業式の最中に中等部長や教授会を飛び越えて理事会に急遽呼び出されて、祖父世代の理事3人に『高校の教員免許も取得してるんだよね?』『東条院青夜との仲は良好だと報告にあったが本当かい?』『青龍大学を助けてくれ』と気味悪い愛想笑いを浮かべられ、最後には頭を下げられて承諾するまでの30分間、懇願され続けた私の身にもなりなさいっ! ってか、何、その『気』の充実はっ? 中等部の卒業式までは微量だった癖にっ! 本当に猫を被ってたのね、青夜君っ! 私の中等部2年間の熱血指導と、能力向上の為に夏休みと冬休みに東条院の宗家屋敷を訪問してた私の時間を返しなさいよねっ!」
藤子はそう憤慨しながら青夜を見た。
藤子の苗字は西丸。西は『尼死』、丸は『魔髏』の当て字なのは異能界では常識で、両方を名字に持つ藤子は長い髪ながら呪詛系の尼僧の異能力者だった。
呪詛札や勘が良い程度の予知、長刀や日本舞踊の鉄扇術なども使える。
大学卒業と同時に異能力者教育機関の青龍大学の中等部の教師になれるのだから当然、強い。
だが、藤子が高等部の生徒指導室に居るのはそのどれでもなかった。
中等部で劣等生を演じた東条院青夜の中2、中3の専任指導教師。
その中等部での2年間の青夜との信頼関係が買われ、理事会にさっき呼び出されて急遽、高等部へ異動させられていたのだ。
中等部で青夜と関わったばかりに。
(へぇ~、青龍大学の理事会も無能じゃない訳ね)
「1つだけここではっきりと答えなさい、青夜君」
「?」
「紙人形の身代わりじゃなかったのよね、私が指導してた中等部での青夜君は? ちゃんと本物だったのよね?」
「も、もちろんですよ」
「どうして、そこでドモるのよっ! せめていつもみたいに嘘臭い笑顔で答えなさいよねっ! ああ、もう最悪っ! 青夜君だけはっ! 私の青龍大学の中等部勤務は主家の千鳥家のお嬢様が今年中等部に内部進学するから、そのバックアップの為だったのにっ! それなのにどうして初日で高等部に異動になってるのよっ! 千鳥家に怒られるぅ~」
「デキる堅物女教師のキャラが崩れてますよ、ふぅ~じ子ちゃん」
「長寿アニメのお色気キャラを呼ぶみたいにふぅ~じ子ちゃんって呼ばない、青夜君っ! 私は教師なんだからっ!」
その後も生徒指導室で藤子を含めた4人の教師に仁科一郎撃破の説明をした訳だが。
その頃。
正門前の広場の異能力バトルの方は当初は百合一族が押しに押してたが『私も混ぜろよ』と関三宝兎が東校舎の2階の窓からスカートだからピンク色のパンツを晒しながら飛び降りて、『気』で作った青龍偃月刀を振り回して参戦し、百合一族を撃退し始めた。
「おらおら、本当に百合一族か、おまえら? 弱過ぎだろっ!」
三宝兎は『関帝信仰』の総元締めの関一族出身だが、日本では関帝信仰はマイナーもマイナーだ。
マイナーな原因は中国から伝来した関帝信仰が本場中国の足元にも及ばぬ弱い異能力だったからだ。どうも日本に伝わった関帝信仰は全5巻の内の1巻、2巻だけだったらしい。
その為、雑魚扱いで日本では相手にもされない異能だったのだが、この関三宝兎だけは異能界では母親の吉備一族の血が覚醒した為に異質な存在として知られる事となった。
吉備一族とは太郎御伽の首座である桃太郎の本名の吉備津彦命を始祖に持つ日本の異能界のトップ5に楽々ランクインする名家だ。大阪(京都府、奈良県、和歌山県はさすがに無理)より西日本全域で王様の如く異能界で君臨している。
三宝兎の母親はその吉備一族の系譜にもとっくの昔に載っていない無関係の一族だったが『桃園の誓い』があるからか、関帝信仰と相性が良かったらしく、娘の三宝兎の異能は吉備一族が無視出来ない程、突出して覚醒しており、系譜を再編纂(改竄ではない)して一族だと主張し『吉備に寄越せ』『ふざけるな、関一族の秘蔵っ子だぞ』『すっとぼけるな。吉備一族の桃太郎の異能が発現してるだろうが。桃の香りを放ってるのがその証拠だ』『言いがかりは止して貰おう。桃は関帝信仰にもありますから。ほら桃園の誓いとか』『はあ? 桃太郎特有の視認化出来るくらいの強力な桃の香りを放出出来る癖に何言ってやがるんだああっ!』『それが武帝様ですから。ほら、誕生日だって一緒ですし』『嘘つけええ、すっとぼける気かあああっ!』『いい加減しつけえんだよおおおおっ! 誰が渡すかああああ! 日本『関帝信仰』念願の初のランクSS以上をよおおおっ!』と所属をどっちにするかで揉めに揉めて、この春、皇居御前裁判にまで話がいって『関三宝兎の所属は関一族』でようやく決着が付いていた。
太郎御伽の首座の吉備家が眼の色を変えて親権を奪おうとするくらいだ。
それはもう三宝兎は強かった。青夜でも怒らせたら面倒臭いと思うくらいに。
その三宝兎が吉備一族が関帝信仰のどっちの異能か知らないが(絶対に桃太郎なのだが便宜上)、明らかに視認化出来るくらいの(桃色の霧にしか見えない)『桃の香り』を半径20メートルに漂わせ、『風の刃』を見切り『風使い』の苦手なゼロ距離に間合いを詰めて青龍偃月刀で斬り倒していく。
「待て、殺すなっ!」
右腕を切断されて血を噴き出してる教師が温い事を言ってたが、異能力バトルで手心なんて加えたら、ワンチャンスでこちらがやられる。
三宝兎は気にせずに百合一族を相手に無双したのだった。
本邸を襲われた百合一族だ。
百合とは、日本では古くから『立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花』と称され、キリスト教では純潔を意味する。
よって可憐なイメージがある訳だが、異能界の百合一族はそんな可愛らしいものではない。
白虎寺系列で襲撃したら白虎寺を敵に回すと理解していながら青龍大学を襲撃するくらいのバリバリの武闘派だった。
香りや女に関連する異能力でもない。
日本の異能界で百合一族と言えば、典型的な『風使い』だったのだから。
その百合一族が青龍大学を襲撃したのは本邸を炎上させられたからだ。
スマホ用語の事ではない。
文字通り、『炎で屋敷を焼かれた』事を意味した。
やったのは今や『東条院落としの黒幕』として潰された四乃森の残党である。
四乃森とは『死の森』を意味し、関東の暗殺系の異能力者一族としては鎌倉時代以前から存続する。
彼岸花一族、鬼札一族との三族同盟は有名で誰も手が出せなかったが『東条院落とし』をした事がバレて、埼玉県にあった四乃森の本家は強い異能力の一撃で潰れた後に(呪詛で重症の宗家当主の東条院青蓮が最後の力を振り絞ってやった事になっている)東条院と同じ邪気汚染が発生し、東条院一党の侵攻情報をキャッチして迎撃の為に集まってた本家筋と四乃森の精鋭は全滅。
当時、屋敷に居らず難を逃れた者達も東条院に膝を屈し(元々、四乃森法子の政略『側室』結婚でパイプがあったのでスンナリ)、忠誠の証として青夜の命令で真っ昼間どころか午前9時から百合一族への攻撃を開始した訳だが。
百合一族は東条院分家の鵜殿を使って東条院の宗家簒奪を目論んでいた癖に、この攻撃を全く予測しておらず(それどころか当初、訪問客として四乃森側を招いてる。四乃森は『宗家後妻』、百合は『分家鵜殿の外戚』の関係から東条院一党へのとりなし依頼として3日前に訪問のアポを取っており)約束の時間よりも早くきた客が突如、牙を剥き、外部からの襲撃が同時にあり、百合邸は防衛虚しく炎上していた。
だからと言って百合一族が全滅した訳ではない。
そもそも一族当主の白虹は(四乃森の訪問など歯牙にも欠けず、昨日の入学式の落とし前を付けさせる為に朝から活動してて)百合邸に不在だったのだがら。
そんな訳で百合邸炎上の報復として東条院(田中だが)青夜を襲いに青龍大学の高等部に来て、青夜の下校を待てずに敷地内に乗り込んできたのだった。
下校途中ならいざ知らず授業中に敷地内で異能力バトルなどをされては困るのが青龍大学側だ。
何せ、異能力者に教養と規律を教える異能力者教育機関、それが青龍大学なのだから。
なので青夜が出迎えるまでもなく、青龍大学の兵隊が百合一族を出迎えていた。
教師、並びに高等部の精鋭で構成された十二傑や有志護衛隊といった生徒達が。
「百合一族の皆さん、お気持ちは分かるが青龍大学では・・・・・・ギャアアア」
説得は無駄に終わり『風の刃』で教師が斬り倒された事で戦闘が始まった。
百合一族は20人くらいが乗り込んできており、正門を潜った広場では大混戦の異能バトルとなった。
「うわぁ~、何やら大変な事になってるねぇ~」
その様子を青夜は本校舎1階の生徒指導室の窓から他人事のように眺めていた。
青夜が生徒指導室に居るのは大陸系のスパイの仁科一郎を半殺しにした経緯説明の為である。
「青夜君、危ないから窓際に居ないで、ちゃんと席に座りなさい」
そう声を掛けたのは青龍大学の中等部教師の西丸藤子だった。
藤子は24歳。身長165センチ。焦茶髪をアップにし、キリッとした眉目の顔立ちの典型的な堅物の女教師タイプだった。スーツとタイトスカートが良く似合ってる。
「他の先生方の前で名前呼びは拙いと思いますよ、西丸センセー」
と言いつつも素直に従い、窓から離れてパイプ椅子に座り直し、
「そもそも中等部のセンセーがどうして高等部の校舎内に居るんですか?」
「どうしてですって? さっき、それも中等部の始業式の最中に中等部長や教授会を飛び越えて理事会に急遽呼び出されて、祖父世代の理事3人に『高校の教員免許も取得してるんだよね?』『東条院青夜との仲は良好だと報告にあったが本当かい?』『青龍大学を助けてくれ』と気味悪い愛想笑いを浮かべられ、最後には頭を下げられて承諾するまでの30分間、懇願され続けた私の身にもなりなさいっ! ってか、何、その『気』の充実はっ? 中等部の卒業式までは微量だった癖にっ! 本当に猫を被ってたのね、青夜君っ! 私の中等部2年間の熱血指導と、能力向上の為に夏休みと冬休みに東条院の宗家屋敷を訪問してた私の時間を返しなさいよねっ!」
藤子はそう憤慨しながら青夜を見た。
藤子の苗字は西丸。西は『尼死』、丸は『魔髏』の当て字なのは異能界では常識で、両方を名字に持つ藤子は長い髪ながら呪詛系の尼僧の異能力者だった。
呪詛札や勘が良い程度の予知、長刀や日本舞踊の鉄扇術なども使える。
大学卒業と同時に異能力者教育機関の青龍大学の中等部の教師になれるのだから当然、強い。
だが、藤子が高等部の生徒指導室に居るのはそのどれでもなかった。
中等部で劣等生を演じた東条院青夜の中2、中3の専任指導教師。
その中等部での2年間の青夜との信頼関係が買われ、理事会にさっき呼び出されて急遽、高等部へ異動させられていたのだ。
中等部で青夜と関わったばかりに。
(へぇ~、青龍大学の理事会も無能じゃない訳ね)
「1つだけここではっきりと答えなさい、青夜君」
「?」
「紙人形の身代わりじゃなかったのよね、私が指導してた中等部での青夜君は? ちゃんと本物だったのよね?」
「も、もちろんですよ」
「どうして、そこでドモるのよっ! せめていつもみたいに嘘臭い笑顔で答えなさいよねっ! ああ、もう最悪っ! 青夜君だけはっ! 私の青龍大学の中等部勤務は主家の千鳥家のお嬢様が今年中等部に内部進学するから、そのバックアップの為だったのにっ! それなのにどうして初日で高等部に異動になってるのよっ! 千鳥家に怒られるぅ~」
「デキる堅物女教師のキャラが崩れてますよ、ふぅ~じ子ちゃん」
「長寿アニメのお色気キャラを呼ぶみたいにふぅ~じ子ちゃんって呼ばない、青夜君っ! 私は教師なんだからっ!」
その後も生徒指導室で藤子を含めた4人の教師に仁科一郎撃破の説明をした訳だが。
その頃。
正門前の広場の異能力バトルの方は当初は百合一族が押しに押してたが『私も混ぜろよ』と関三宝兎が東校舎の2階の窓からスカートだからピンク色のパンツを晒しながら飛び降りて、『気』で作った青龍偃月刀を振り回して参戦し、百合一族を撃退し始めた。
「おらおら、本当に百合一族か、おまえら? 弱過ぎだろっ!」
三宝兎は『関帝信仰』の総元締めの関一族出身だが、日本では関帝信仰はマイナーもマイナーだ。
マイナーな原因は中国から伝来した関帝信仰が本場中国の足元にも及ばぬ弱い異能力だったからだ。どうも日本に伝わった関帝信仰は全5巻の内の1巻、2巻だけだったらしい。
その為、雑魚扱いで日本では相手にもされない異能だったのだが、この関三宝兎だけは異能界では母親の吉備一族の血が覚醒した為に異質な存在として知られる事となった。
吉備一族とは太郎御伽の首座である桃太郎の本名の吉備津彦命を始祖に持つ日本の異能界のトップ5に楽々ランクインする名家だ。大阪(京都府、奈良県、和歌山県はさすがに無理)より西日本全域で王様の如く異能界で君臨している。
三宝兎の母親はその吉備一族の系譜にもとっくの昔に載っていない無関係の一族だったが『桃園の誓い』があるからか、関帝信仰と相性が良かったらしく、娘の三宝兎の異能は吉備一族が無視出来ない程、突出して覚醒しており、系譜を再編纂(改竄ではない)して一族だと主張し『吉備に寄越せ』『ふざけるな、関一族の秘蔵っ子だぞ』『すっとぼけるな。吉備一族の桃太郎の異能が発現してるだろうが。桃の香りを放ってるのがその証拠だ』『言いがかりは止して貰おう。桃は関帝信仰にもありますから。ほら桃園の誓いとか』『はあ? 桃太郎特有の視認化出来るくらいの強力な桃の香りを放出出来る癖に何言ってやがるんだああっ!』『それが武帝様ですから。ほら、誕生日だって一緒ですし』『嘘つけええ、すっとぼける気かあああっ!』『いい加減しつけえんだよおおおおっ! 誰が渡すかああああ! 日本『関帝信仰』念願の初のランクSS以上をよおおおっ!』と所属をどっちにするかで揉めに揉めて、この春、皇居御前裁判にまで話がいって『関三宝兎の所属は関一族』でようやく決着が付いていた。
太郎御伽の首座の吉備家が眼の色を変えて親権を奪おうとするくらいだ。
それはもう三宝兎は強かった。青夜でも怒らせたら面倒臭いと思うくらいに。
その三宝兎が吉備一族が関帝信仰のどっちの異能か知らないが(絶対に桃太郎なのだが便宜上)、明らかに視認化出来るくらいの(桃色の霧にしか見えない)『桃の香り』を半径20メートルに漂わせ、『風の刃』を見切り『風使い』の苦手なゼロ距離に間合いを詰めて青龍偃月刀で斬り倒していく。
「待て、殺すなっ!」
右腕を切断されて血を噴き出してる教師が温い事を言ってたが、異能力バトルで手心なんて加えたら、ワンチャンスでこちらがやられる。
三宝兎は気にせずに百合一族を相手に無双したのだった。
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