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田中家の女達は素性がメチャクチャ
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3月下旬のある日の弥生以外が集結した朝食時に、
「パパ、バイトがしたんだけど」
青夜がそう提案すると、父親の一狼が、
「じゃあ、ウチのジムの受付をするといいよ」
「いや、そういうのじゃなくて『コンビニ店員のアルバイトをやってみたいなぁ~』なんて」
お坊ちゃま育ちの青夜が願望を述べると、四女のシャンリーが呆れながら、
「欲しい物があるならこれで買いなさい」
そう言ってキャッシュカードを渡してきた。
カラーはブラック。
ゴールド、プラチナの上のブラックカードって奴だった。
「ええっと・・・」
「気にしなくていいわよ。私、母の遺産を日本円で5000億円くらい相続してるから」
「・・・」
青夜がシャンリーを見てから一狼に視線を移すと、
「ああ、本当だよ。シャンリーの母親は香港系の富豪でね。中国の党本部から敵視されてアメリカに逃げてて、当時、アメリカに出張してて、それで知り合って、そのまま結婚しちゃってね。まあ、結局はシャンリーの母親は中国の暗殺者に殺されちゃったんだけど」
「そうですか」
と答えながらも、
(どこまでが本当の話なんだか)
「私よりもアンジェリカの方が凄いわよ。何せ、アメリカのBB財団の日本支部の支配人なんだから」
BB財団とはアメリカ合衆国の異能力者の戦闘集団の隠れ蓑だ。
はっきり言ってアメリカの他国侵攻部隊で、在日アメリカ軍とは別系統の異能力者集団だった。
「・・・・・・さすがに、それは嘘ですよね?」
「本当よ。私、ブラッディームーン一族だから」
トーストをかじるアンジェリカが答えた。
「ブラッディームーンってアメリカ合衆国を裏から操ってる異能王の一族の? BB財団の支部長クラスなら本流に近い? ええっと、言っちゃなんだけど、何でこんなところに居るんですか?」
「ママに連れ戻されない為よ」
「?」
「今、私、反抗期の真っ最中だから。財団の日本支部の支配人も日本滞在の条件で嫌々やらされてるだけだから」
「へぇ~」
と呟いた青夜が不意に、
「鴨川愛」
と言うと、サラダを刺したフォークを口に運ぼうとしていた愛の手が止まった。
気まずそうな顔をする愛を見ながら青夜が、
「マジで? まさかとは思いましたが、京都陰陽師の鴨川家の家出中のお嬢様?」
「内緒よ、青夜君」
「何なんですか、この家は? 一応聞くけど、葉月さんの母親の家名は何なの?」
青夜が葉月に問うと、葉月が笑いながら、
「ウチは普通よ、坂田だから」
「どこが普通なんだよっ! モロに太郎御伽じゃん、それってっ!」
「さすがは東条院家のお坊ちゃま。よく知ってたわね」
「・・・パパ、やっぱり家を出たいんだけど」
「ダメだ。我々が東条院に殺されるから」
「そんなぁ~」
青夜はこうして田中家が普通じゃない事を知ったのだった。
「パパ、バイトがしたんだけど」
青夜がそう提案すると、父親の一狼が、
「じゃあ、ウチのジムの受付をするといいよ」
「いや、そういうのじゃなくて『コンビニ店員のアルバイトをやってみたいなぁ~』なんて」
お坊ちゃま育ちの青夜が願望を述べると、四女のシャンリーが呆れながら、
「欲しい物があるならこれで買いなさい」
そう言ってキャッシュカードを渡してきた。
カラーはブラック。
ゴールド、プラチナの上のブラックカードって奴だった。
「ええっと・・・」
「気にしなくていいわよ。私、母の遺産を日本円で5000億円くらい相続してるから」
「・・・」
青夜がシャンリーを見てから一狼に視線を移すと、
「ああ、本当だよ。シャンリーの母親は香港系の富豪でね。中国の党本部から敵視されてアメリカに逃げてて、当時、アメリカに出張してて、それで知り合って、そのまま結婚しちゃってね。まあ、結局はシャンリーの母親は中国の暗殺者に殺されちゃったんだけど」
「そうですか」
と答えながらも、
(どこまでが本当の話なんだか)
「私よりもアンジェリカの方が凄いわよ。何せ、アメリカのBB財団の日本支部の支配人なんだから」
BB財団とはアメリカ合衆国の異能力者の戦闘集団の隠れ蓑だ。
はっきり言ってアメリカの他国侵攻部隊で、在日アメリカ軍とは別系統の異能力者集団だった。
「・・・・・・さすがに、それは嘘ですよね?」
「本当よ。私、ブラッディームーン一族だから」
トーストをかじるアンジェリカが答えた。
「ブラッディームーンってアメリカ合衆国を裏から操ってる異能王の一族の? BB財団の支部長クラスなら本流に近い? ええっと、言っちゃなんだけど、何でこんなところに居るんですか?」
「ママに連れ戻されない為よ」
「?」
「今、私、反抗期の真っ最中だから。財団の日本支部の支配人も日本滞在の条件で嫌々やらされてるだけだから」
「へぇ~」
と呟いた青夜が不意に、
「鴨川愛」
と言うと、サラダを刺したフォークを口に運ぼうとしていた愛の手が止まった。
気まずそうな顔をする愛を見ながら青夜が、
「マジで? まさかとは思いましたが、京都陰陽師の鴨川家の家出中のお嬢様?」
「内緒よ、青夜君」
「何なんですか、この家は? 一応聞くけど、葉月さんの母親の家名は何なの?」
青夜が葉月に問うと、葉月が笑いながら、
「ウチは普通よ、坂田だから」
「どこが普通なんだよっ! モロに太郎御伽じゃん、それってっ!」
「さすがは東条院家のお坊ちゃま。よく知ってたわね」
「・・・パパ、やっぱり家を出たいんだけど」
「ダメだ。我々が東条院に殺されるから」
「そんなぁ~」
青夜はこうして田中家が普通じゃない事を知ったのだった。
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