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本編
93、ハンターの凄さの基準
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こちらの世界では人類と生存競争をしている外敵宇宙生物のコスモアネモニーを討伐するハンターが一番の職業な訳だが、その「ハンターの凄さ」を決めるのはハンター同士の対人戦で強さを決めるデュエルの他にも色々ある。
まずは通常のハンター業務。
ドローンで映像を取りまくってるのは何も外的宇宙生物のコスモアネモニー討伐の証拠映像として記録し、報奨金を支払うのに使う為だけではない。
配信チャンネルなどでの公開や放映にも使っていた。
つまりは再生数や放映回数は人気を意味し、それもハンターの凄さを決める一因となった。
オレの人気はまずまずらしい。
何せ、目立つ事ばかりしているからな。
都内の30メートル級のコスモアネモニーの討伐チャンネルの再生回数は5000万回を越えてたはずだ。
こっちの世界の日本の人口が7000万人なんだから(まあ、世界でも見られてたらしいので、国内では2000万人くらいらしいが、それでも7分の2が)オレの事を知ってる訳で、そりゃあ、鼻高々な訳だよ。
元の世界の配信者が再生回数を伸ばす為に頑張ってたのが分かった気がするな。
まだハンターになって10日チョイなので放映料等々の収益がまだだったが。
そしてもう一つ。
ハンター競技の「スコアアタック」というのが存在した。
デュエルが1対1のハンター同士の対人戦なのに対して、スコアアタックは文字通り、国内に発生したコスモアネモニーを狩る数を競う競技だ。
主にハンターの少ない地方で群生するコスモアネモニーの駆除を目的に開催されているが、こっちの世界はドローン技術が発展しているので総てのハンターの動きが網羅出来て「競技」化出来る訳だ。
デュエルとスコアアタック。
どっちが尊敬を集めるかと言えば、そりゃあ、人類への貢献度からスコアアタックの方がリスペクトされまくってる訳で、スコアアタックは完全に競技化されててお茶の間でも放映されてるのだから大企業も協賛しているので金になるのが現状だった。
甲府支部ビルの支部長室で、
「あのな、伯爵閣下。まだ甲府に移住して10日も経過していないだろうが。ハンターの競技委員会の規則では最低半年はその地方に住まないと支部代表にはなれないんだよ」
その規則はスコアアタックの出場目当てのハンターの支部渡りを防ぐ為の予防措置だ。
だが、その規則にも特例があり、
「それは分かってるけど、支部長の特別許可があれば出れる決まりのはずでしょ?」
六月に北陸・中山道ブロックに在籍のハンターが出れるスコアアタックの競技があるのだ。
コスモアネモニーがウヨウヨ残ってる「北アルプス」で。
いや、こっちの世界は閉鎖的だから「飛騨山脈」のままか。なので南アルプスもそうだった。
Cランクのスコアアタックなのでハンターの必要ランクはC。
参加ハンターはソロ。
ソロ戦なのがいい。
団体戦とかマジでオレ、ウンザリだから。
剣道にも個人戦の他に団体戦ってのがあってさ。
オレがいくら強くても他の四人が弱かったら意味がない訳で、高1で個人戦の都大会優勝のオレが居ても、団体戦では他が足を引っ張ってくれて都大会ごときでベスト8にも入れなかった訳だよ。
その程度の強さだから部活でもヌルくてさ。
ああ、ヤダヤダ。足を引っ張る味方って。
そんな訳でオレは当然、ソロ戦に出場したかったんだけど、規則がネックになっててゴリラの支部長に許可を貰おうと相談したのに、
「ダメだな。伯爵閣下を特別扱いし過ぎると他のハンターの士気に影響するから」
「本音は?」
「このまま行ったら選挙期間と被るのに勘弁してくれ。出るんだろ、板垣市議。市長選に。もう噂になってるぞ」
「あれ、そうなの? もしかして味方陣営の誰かがリークした?」
何だ、そっちか。
五咲の爺様に「出すな」って止められてるのかと深読みしたが。
桃香のこの時期の市長選出馬の話は本当だ。
というのも、現在の山梨県の政界は隠しレッドムーン鉱山関連の汚職政治家の辞職や逮捕ラッシュで、山梨県代表の衆議院議員の山県ってのが責任を取って自殺したのを始め、金を貰ってた北富士市方面の地方議員は軒並み逮捕されている。
そして前任者が消えた事で空いた衆議院議員の席に甲府市長が立候補した事で甲府市長の席が空き、桃香も立候補する方向で調整に入っていた。
何やらこっちの世界の選挙はコスモアネモニーが居る関係でスピーディーらしいからね。
コスモアネモニー関連で政治決断が迫られた時、選挙期間中で「首長不在で国民に被害が出ました」では誰も納得しないから。
こっちの世界の知事が選挙で決まるんじゃなく中央から官僚が派遣されてるのはそれも理由の一つらしいし。
「かもな。そんな訳でダメだからな」
「ならコスモアネモニーを地道に狩りますか。ってか、甲府市近郊の簡単に移動出来るコスモアネモニーが少なくなったんだけど?」
「伯爵閣下が根こそぎ狩ってるからだろ。まだ山奥に居るぞ」
「何、オレを餌にして西郷の手下を釣り出すつもりなの?」
「その名を口にするな。まだ噛んでるとは確定していないんだからな」
「は~い」
まずは通常のハンター業務。
ドローンで映像を取りまくってるのは何も外的宇宙生物のコスモアネモニー討伐の証拠映像として記録し、報奨金を支払うのに使う為だけではない。
配信チャンネルなどでの公開や放映にも使っていた。
つまりは再生数や放映回数は人気を意味し、それもハンターの凄さを決める一因となった。
オレの人気はまずまずらしい。
何せ、目立つ事ばかりしているからな。
都内の30メートル級のコスモアネモニーの討伐チャンネルの再生回数は5000万回を越えてたはずだ。
こっちの世界の日本の人口が7000万人なんだから(まあ、世界でも見られてたらしいので、国内では2000万人くらいらしいが、それでも7分の2が)オレの事を知ってる訳で、そりゃあ、鼻高々な訳だよ。
元の世界の配信者が再生回数を伸ばす為に頑張ってたのが分かった気がするな。
まだハンターになって10日チョイなので放映料等々の収益がまだだったが。
そしてもう一つ。
ハンター競技の「スコアアタック」というのが存在した。
デュエルが1対1のハンター同士の対人戦なのに対して、スコアアタックは文字通り、国内に発生したコスモアネモニーを狩る数を競う競技だ。
主にハンターの少ない地方で群生するコスモアネモニーの駆除を目的に開催されているが、こっちの世界はドローン技術が発展しているので総てのハンターの動きが網羅出来て「競技」化出来る訳だ。
デュエルとスコアアタック。
どっちが尊敬を集めるかと言えば、そりゃあ、人類への貢献度からスコアアタックの方がリスペクトされまくってる訳で、スコアアタックは完全に競技化されててお茶の間でも放映されてるのだから大企業も協賛しているので金になるのが現状だった。
甲府支部ビルの支部長室で、
「あのな、伯爵閣下。まだ甲府に移住して10日も経過していないだろうが。ハンターの競技委員会の規則では最低半年はその地方に住まないと支部代表にはなれないんだよ」
その規則はスコアアタックの出場目当てのハンターの支部渡りを防ぐ為の予防措置だ。
だが、その規則にも特例があり、
「それは分かってるけど、支部長の特別許可があれば出れる決まりのはずでしょ?」
六月に北陸・中山道ブロックに在籍のハンターが出れるスコアアタックの競技があるのだ。
コスモアネモニーがウヨウヨ残ってる「北アルプス」で。
いや、こっちの世界は閉鎖的だから「飛騨山脈」のままか。なので南アルプスもそうだった。
Cランクのスコアアタックなのでハンターの必要ランクはC。
参加ハンターはソロ。
ソロ戦なのがいい。
団体戦とかマジでオレ、ウンザリだから。
剣道にも個人戦の他に団体戦ってのがあってさ。
オレがいくら強くても他の四人が弱かったら意味がない訳で、高1で個人戦の都大会優勝のオレが居ても、団体戦では他が足を引っ張ってくれて都大会ごときでベスト8にも入れなかった訳だよ。
その程度の強さだから部活でもヌルくてさ。
ああ、ヤダヤダ。足を引っ張る味方って。
そんな訳でオレは当然、ソロ戦に出場したかったんだけど、規則がネックになっててゴリラの支部長に許可を貰おうと相談したのに、
「ダメだな。伯爵閣下を特別扱いし過ぎると他のハンターの士気に影響するから」
「本音は?」
「このまま行ったら選挙期間と被るのに勘弁してくれ。出るんだろ、板垣市議。市長選に。もう噂になってるぞ」
「あれ、そうなの? もしかして味方陣営の誰かがリークした?」
何だ、そっちか。
五咲の爺様に「出すな」って止められてるのかと深読みしたが。
桃香のこの時期の市長選出馬の話は本当だ。
というのも、現在の山梨県の政界は隠しレッドムーン鉱山関連の汚職政治家の辞職や逮捕ラッシュで、山梨県代表の衆議院議員の山県ってのが責任を取って自殺したのを始め、金を貰ってた北富士市方面の地方議員は軒並み逮捕されている。
そして前任者が消えた事で空いた衆議院議員の席に甲府市長が立候補した事で甲府市長の席が空き、桃香も立候補する方向で調整に入っていた。
何やらこっちの世界の選挙はコスモアネモニーが居る関係でスピーディーらしいからね。
コスモアネモニー関連で政治決断が迫られた時、選挙期間中で「首長不在で国民に被害が出ました」では誰も納得しないから。
こっちの世界の知事が選挙で決まるんじゃなく中央から官僚が派遣されてるのはそれも理由の一つらしいし。
「かもな。そんな訳でダメだからな」
「ならコスモアネモニーを地道に狩りますか。ってか、甲府市近郊の簡単に移動出来るコスモアネモニーが少なくなったんだけど?」
「伯爵閣下が根こそぎ狩ってるからだろ。まだ山奥に居るぞ」
「何、オレを餌にして西郷の手下を釣り出すつもりなの?」
「その名を口にするな。まだ噛んでるとは確定していないんだからな」
「は~い」
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