短編集

竹井ゴールド

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真実の愛に目覚めた婚約者に婚約破棄された伯爵令嬢は母親に教わった殿方操縦法を渋々と実践する。わたくしの可憐なイメージが(ボキボキボキボキッ)

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「ニコル・マルベスっ! 貴様は伯爵家の令嬢でありながら、ここに居るララス子爵家の令嬢であるバーバラを下位貴族とあなどって陰でしいたげていたなっ! そのような女の家に、ディモルフォセカ王国の名門たるトミーナ侯爵家の令息であるオレが婿入りなど出来る訳もないっ! よって、このオレ、ロイナ・トミーナはニコル・マルベスのと婚約を破棄する事を宣言するっ!」

 ディモルフォセカ王国の王宮のパーティーでそう盛大にやらかしたのはこの私、ニコル・マルベスの婚約者のロイナ・トミーナ侯爵令息だった。

 そのロイナ様の横には嘘泣きをしてる胸が大きい以外は取るに足らない令嬢が居られるのですけど、この人が、多分、バーバラ様なのでしょうね。

 ってか、初対面のはずですが、しいたげてるって何ですか?

 ロイナ様が突然大声を出すから、王宮のパーティーの参加者の貴族の皆様の注目を浴びてますのに、ロイナ様が更に全員に聞こえるように、

「そして、このオレ、ロイナ・トミーナは真実の愛の相手、バーバラ・ララスとの婚約を新たに結ぶ事を発表するっ!」 

 と宣言されました。

「嬉しいぃ~、ロイナ様ぁ~」

 とロイナ様の隣に居る泥棒猫女が感激していますが、それを見て、私は憂鬱になった。

 はぁ~。

 まさか、お父様に使っているとかいうお母様に教わった殿方操縦法を、この私が自ら実践する日が来ようとは。

 それも、こんな王宮のパーティーの満座で。

 憂鬱ですわ。

 私、これでも、小柄で「勇猛なマルベス伯爵家の令嬢とは思えぬほど可憐だ」で通っていましたのに。

 私自身、猫を被っていましたし。

 それなのに、このアホなロイナ様がやらかしてくれたお陰で、その評判がこれから台無しになるのかとか思うと。

 はぁ~。

 でも気持ちを切り替えて行動に移さなければ。

 私が何もしないと代わりに激怒したお母様が暴れますから。

「それはおめでとうございます、お2人の御婚約、心から祝福いたしますわ。バーバラ様でしたわね。頑張ってくださいね。トミーナ侯爵家は色々と大変ですけど、お2人の愛が、真実の愛ならば必ずや乗り越える事が出来ますわ」

 私は笑顔で近付いて、自然とバーバラ様に握手を求め、バーバラ様が、

「ええ、ありがとう。アナタの分まで幸せになるわね」

 そう何やら勝ち誇りながら私が差し出した右手を握られた瞬間、私は軽く力を入れました。

 本当に軽くですわよ。

 ボキボキボキボキボキッと私の手の中でバーバラ様の手の骨が何本も凄い音を立てて折れて、

「ギャアアアアアアアアアアアアア」

 と淑女とは思えぬ悲鳴を上げて、その場で激痛に耐えられずうずくまられましたけど、私は握ったバーバラ様の手を離さず、

「どうされました、バーバラ様」

 今度は左手をバーバラ様の手首に握りました。

 軽く力を入れただけなのに、ボッキンッとの音が鳴り、

「ギャアアアアアアアアア」

 また淑女とは思えぬ悲鳴を上げましたわ。

 凄いみっともない泣き顔で。

 いい気味ですわ。

 他人様ひとさまの婚約者に手を出すからこういう事になるんですわよ?

 この度の事を教訓として、ちゃんと学習して下さいませね。

 ってか、本当に華奢ですのね、このバーバラ様って。

 えっ? 何が起こっているのか、ですか?

 実は、私の生家のマルベス伯爵一族は、どうもディモルフォセカ王国でも有名な怪力な一族らしくって。

 これくらいは私もで出来るんですのよねぇ~。

 私はこれまでは猫を被っていたのでやった事はありませんでしたが。

「おい、ニコルっ! 貴様、バーバラに何をやって・・・」

 と言って、ロイナ様が手を伸ばしてきたので、私は右手をバーバラ様から離して、伸びてきたロイナ様の手を軽く握りました。

 本当に軽くですわよ。

 なのに、ボキボキボキボキボキッと私の手の中でロイナ様の指の骨が大袈裟に何度も鳴り、

「グアアアアアアアアアアアア」

 男なのに、ロイナ様が大袈裟に悲鳴を上げて、激痛からか、その場で蹲られました。

 因みに、王宮のパーティーに出席してる遠巻きの貴族の皆様はというと、

「やはりマルベス家の令嬢だな」

「一切悪い噂がなく、可憐な花のようでしたが、ちゃんと血は引いておりましたのね」

「歴史は繰り返す、ですな」

「止めねば」

「馬鹿、止めろ。骨を折られるぞ」

「だがーー」

「いいんだよ。マルベス家は特別扱いなんだから。警備の騎士も動いてないだろうが」

 と訳知り顔で小声で囁かれてるだけで、誰も止めようとはされませんでした。

 本当、恥ずかしいですわ。

 お母様、何をやられたんですの、若い時に?

 それはともかく。

 とりあえずロイナ様は置いておいて、バーバラ様に、

「どうされました、大丈夫ですか、バーバラ様?」

 と心配して手を伸ばし、

「ひぃぃぃぃっ! 来ないでっ!」

 とか泣かれてますが、両手をバーバラ様の両肩に置いて、軽く私が握ると、ボッキンッと両肩の骨が折れて、

「ギャアアアアアアア」

 と無様な悲鳴を上げられる中、

「あらあら、大袈裟ね。そんなみっともない声を上げないで、お立ちなさいな」

 私がそう言ってバーバラ様の無傷の左手を取って上げて、軽く握ると、ボキボキボキボキボキボキッとまたしても骨を折れて、

「ギャアアアアアアアアアアーー」

 と悲鳴を上げて、シャアアッとバーバラ様の足元の王宮の床に水たまりが出来、尿臭を嗅ぎ取った私は慌ててバーバラ様から離れて、

「ヤダわ。漏らさないで下さいまし」

 と笑ってしまったのでした。

 他人の失敗を笑うだなんて淑女としてあるまじき行為ですが。

 まあ、許して下さいまし。

 それにしても、王宮のパーティーで貴族のお年頃の令嬢がお漏らしだなんて。

 バーバラ様はこれで貴族令嬢として再起不能ですわね。

 いい気味ですわ。

 さてと。

 私が床に蹲ってるロイナ様を見ると、

「ひぃぃっ!」

 アラ、失礼ですわね、そのリアクション。

 少し傷付きましたわよ。

「何やら真実の愛に目覚めたので私との婚約を破棄されるとか言っておられましたが?」

 と私が冷淡に見下して問うと、怯えるロイナ様は首を高速で横に振って否定し、

「違う」

「違いませんわ。大声でおっしゃっておられましたもの」

「こ、婚約破棄は撤回する」

「あら、真実の愛の相手だったのでしょう? 真実の愛はどこへ行ったのですの?」

「あんな、小便を垂らすような女が真実な愛の相手な訳がないだろ? なあ、ニコル、許してくれ」

 凄い掌返しですわね。

 それだけお母様から教えて戴いたこの殿方操縦法が秀逸って事かしら?

「それだけですの?」

「何がだ?」

「わたくしの事をどう思ってらっしゃるのか、お尋ねしたのですけど?」

「あ、愛してるよ、もちろん」

 何ですの。そのドモリは。

「聞こえませんわ」

「愛してるっ!」

 王宮のパーティー会場中に聞こえるような大声でロイナ様が答える中、

「誰が、誰を?」

 と私が間を置かずに問うたのはお母様とお父様の問答を子供の頃から見ていたからですわ。

「ロイナ・トミーナはニコル・マクベスを愛してるっ!」

「どのくらい?」

「世界で一番っ!」

「続けておっしゃらないと分かりませんわ?」

「ロイナ・トミーナはニコル・マクベスを世界で一番愛してるっ!」

「因みに、そこのバーバラ様は何なのかしら?」

「野良犬が小便を引っかける道端に落ちてる小石だっ!」

 真実の愛の相手である、お漏らしをして泣いてるバーバラ様に、ロイナ様は言い放ったのでした。

「では、わたくしは?」

「このオレ、ロイナ・トミーナが愛する、真実の愛の相手だっ!」

 あら、助かりたい一心で心にもない事を言ってるのだと分かっていても、意外と気分がいい物ですわね、殿方に賞賛されるのって。

 お母様もこんな気分だったのかしら?

「そう。では二度と道端に落ちてる小石などに足を取られて転ばないで下さいましね、ロイナ様」

 と私はロイナ様に微笑して許したのでした。





 ですが、ロイナ様は私のお父様よりもアホだったらしく・・・





 翌日、トミーナ侯爵邸に先触れを出した後、お見舞いに出掛けると、何故か執事どころか侯爵邸中の私兵が玄関に集結しており、

「あら、これは何の騒ぎかしら? わたくしは婚約者のロイナ様のお見舞いにきただけですのに?」

 花束を持って現れた私が問うと、顔見知りの老執事のセバスさんが、

「申し訳ございません。ニコル様をロイナ様の部屋に通すな、との御命令でして」

「あら、誰からの命令ですの?」

「それは申し上げられません」

「そう、残念ですわね」

 私はニッコリと淑女らしく皆様に微笑したのでした。





 私は10分後には花束を持って、ロイナ様がベッドで寝られてる私室のドアを潜ったのでした。

「ひぃぃぃ、ニコルっ! どうして、ここにっ!」

 とロイナ様が失礼なリアクションを取る中、ロイナ様のお母様であるトミーナ侯爵夫人が、

「アナタね。私の大切なロイナをーー」

 これまでは可憐な令嬢のフリをして猫を被っていましたので、婚約者であるロイナ様のお母様のお説教も我慢して黙ってきいてましたが、もう猫を被る気はないので、

「邪魔ですわ」

 バチンッとビンタすると、トミーナ侯爵夫人は軽々と吹き飛び、壁にドゴンッと頭から突っ込み、お尻をこちらに向けて動かなくなりましたわ。

「キャア、奥様っ!」

 メイド4人が驚いて、トミーナ侯爵夫人を助けようとなされてますが、壁に上半身が突き刺さってますから、メイド4人では無理だと思いますわよ。

 まあ、それはともかく。

「ロイナ様」

 私がロイナ様に視線を向けると、ロイナ様は硬直しながら、

「は、はいっ!」

 私のお母様に怒られてる時のお父様そっくりの返事をなされましたわ。

「わたくし、先程、玄関でトミーナ侯爵邸の私兵に襲われたのですが」

「な、なのに、どうやって、ここに?」

「私兵達にこうやっただけですわ」

 そう言って、私はベッドに座るロイナ様の腹にグーパンチをドゴンッとお見舞いしたのでした。

 これがホントのお見舞いです、なんちゃって。

「ゲフッーーオエエエエエエエエエエ」

 鍛えてらっしゃらないのか、ロイナ様が胃液をベッドにぶちまける中、

「その私兵達に聞いたら、わたくしを屋敷に入れないのはロイナ様の命令だって言うんですのよ?」

 そう言うも、お腹を殴られて痛がってて言い訳1つ出来ない状態のロイナ様のベッドの布団をめくって、ロイナ様の足の脛を私は握り、

「聞いてますの?」

 ボッキンッと折ったのでした。

「ギャアアアアアアアアアアアア」

 悲鳴を上げられる中、

「どうしてそんな命令をされたのですの?」

 と質問するも返事がなかったので、更にもう片方の足の脛に手を伸ばして、

「聞いてますの?」

 との言葉とともにボッキンッと折り、

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア」

 ロイナ様が悲鳴を上げて痛がる中、私が足の甲に手を伸ばし、

「婚約者のわたくしが先程から尋ねておりますのに、もしや聞く気がーー」

 力を入れる前に、

「き、聞いてる・・・ちゃんと、聞いてるから・・・もう許してくれ」

 痛がりながらもロイナ様はちゃんと私に向かって答えたのでした。

 最初からそう言えば、無駄に骨を折りませんのに。

 これが本当の無駄骨ですわね、オホホホ。

「ならば、どういう事なのか説明して下さいまし?」

 私が満身創痍なロイナ様に質問すると、意外な事にロイナ様は頭が回り、

「母上の・・・誤解が解けなかったからだ・・・今、母上と会わせて、ニコルの心証を悪くするのは拙いと思い・・・」

 はぁ~、それでも40点ですわね。

「ただのニコルですの?」

「愛するニコル」

 まあ、いいでしょう。

「だったら、兵など向けずに、そう執事に説明して下さればよかったのに」

「すまない」

「それだけですの?」

「・・・愛してるよ、愛しのニコル」

 と言われて、満足した私は、

「それにしても、今日はお茶が出ないんですのね、侯爵邸は?」

「おまえ達、母上の救出は後にして・・・お茶を出せ。私の婚約者なのだから最高級のをだ」

 私はその後、わざと3時間もロイナ様の部屋に居座ったのでした。

 お陰で私が帰るまでトミーナ侯爵夫人は壁に突き刺さっておられましたわ。





 私が心を鬼にしてここまでやったのに、トミーナ侯爵家の教育方法がダメだったのか、アホなロイナ様が・・・





 その日の夜、王都を脱出するように出発したトミーナ侯爵家の馬車が西に向かって走っていましたが、その馬車を引く馬4頭は矢に射られて倒れたのでした。

「な、何だ、どうした?」

 馬車が停まって馬車の窓から顔を出したロイナ様に、

「こんばんは、ロイナ様」

 と私が挨拶すると、

「ひぃぃぃぃっ、ニコルっ!」

 と失礼なリアクションを取られましたわ。

 少しは傷付くんですのよ、そんな風に怖がられると、私の乙女心も。

「こんな夜分に、どちらに御出かけになられるのですか、ロイナ様?」

「りょ、領地だ。トミーナ侯爵家が持つ」

「婚約者の私に伝えもせずに、ですか?」

「れ、れ、れ、連絡ミスがあったようだな」

「へぇ~」

 と私は呟き、

「ともかく馬車を引く馬も死んでいますし、今夜の移動は無理ですわね。今夜は王都にある我がマルベス伯爵邸にお泊まり下さい」

「いや、トミーナ侯爵邸に戻ーー」

 私がドゴンッと馬車の壁を殴って穴を開けながら、

「申し訳ございません、ロイナ様。聞こえませんでしたわ。何ですって?」

「マルベス伯爵邸にお邪魔させて貰おう」

 とロイナ様はおっしゃって、マルベス伯爵邸にロイナ様をお招きし・・・





 そのマルベス伯爵邸に滞在の3日間で、

「ギャアアアアアアアアアア」

 何度もロイナ様の悲鳴が響き、ロイナ様が骨を12本折ったところでーーえっ、人間に骨はそんなにあるのか、ですって?

 肋骨だけで24本ありますわよ。

 ともかく、ロイナ様は骨12本を骨折したところで、お母様から伝授された殿方操縦法が効いてきたのか、ようやく何かを悟られたようで・・・





「愛してるよ、ニコル。絶対にもう逆らわない」

「あら、嬉しいですわ」

「だから、もう殴らないでおくれ、愛しのニコル」

「殴りませんわ」

 私はロイナ様と結婚をして幸せに暮らしたのでした。

 ロイナ様ももちろん、幸せですわ。

「ですわよね、ロイナ様?」

「はい、世界で一番愛してるニコルと結婚出来て幸せです(棒読み)」

 ほらね。





 おわり
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