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本編
予期せぬエクセレントクリアとクリアボーナス
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柚子太はワンルームマンションに一人暮らしである。
一人暮らしなのは別に両親と死別したとかではない。
両親は元気にシンガポールで優雅なセレブ生活を送っているのだから。
柚子太の両親も本当は一緒に一人息子の柚子太をシンガポールに連れていこうとしたが、海外生活に否定的な考えの柚子太が日本での生活の快適さをプレゼンして、そしたらワンルームマンション生活が許される事となっていた。
監視兼家事全般担当の人物が自由に出入りするという条件で。
ソファーで寛いでいた柚子太は、ブルーフィールド解除後に動く事が判明したスマホを操作しながら、
「あった、このサイトでトップ10にランクインしてる恋愛小説だ。設定に赤と青、鬼と未来ロボットの違いはあるが他はかなり似てる。このキャラがヒロインにいう台詞、『馬鹿か、おまえは。0と1には無と有ほどに違うだろうが』。この作者、もしかしてブルーフィールドに巻き込まれた事があるのか?」
そんな事を呟きながらブルーフィールドで使えそうな設定をその小説で探した。
支援物資ボックスみたいなのがあった。小説では烏天狗が運んできたが。
結界を張った鬼を倒すと世界が戻るのも通知にあったフィールドボスの事だろうか。
「作者名はPIYOね~。まあ、どうでもいいか。もう巻き込まれる事もないんだから」
と呟いた時、
【10分後に発生予定のブルーフィールド展開予想地点内に居ます。予想戦術ランクはE。戦う意思のない戦闘員は退避して下さい】
とのアナウンスが音声と共に視界に文字として映った。
「戦術ランクE? 余裕でしょ。やってやんよ」
そして10分後、
【ブルーフィールド展開、戦術ランクE、フィールドカウント12分12秒】
柚子太は本日2度目のブルーフィールドに巻き込まれた。
玄関の鏡を一瞥する。
柚子太の顔だが、髪と眉毛は銀色になってる。
デビュー戦のブルーフィールド内の窓の反射で薄々は気付いていたが。やはりそういう仕様らしい。小説でもヒロインの髪が金色になってたし。
銀髪になる考察は後回しだ。
フィールドカウントが12分なのだから。
柚子太はバトルスーツを装備して、戦術ランクE専用レーダー、スパイダーネット-Eを使用した。
戦術ランクE専用レーダー、スパイダーネット-E
1分間に付きNE消費2。戦術ランクEのブルーフィールド専用。フィールド内の敵、味方をビーコンで表示。有効範囲半径200メートル。発生予想地点内に居ると10分前に通知される。
「ホントだ。敵がどこに居るのか分かる。全キルしてやんよ」
玄関ドアから飛び出した柚子太はレイガン-A56・レクイエムを握って走り出したのだった。
肉体ナノマシン:10はかなりの身体能力だ。
はっきり言って超人レベル。
マンションの3階から地上の飛び降りても軽く、そして反動もなく、当然無傷で、棒立ちで着地出来た。
走れば早い早い。
もう完全に人間離れしていた。
軽く走っても、おそらくはオリンピック選手よりも早い。
早過ぎて走りながらだとレイガンを撃ってもビームを当てる自信がないくらいだ。
いや、精密ナノマシン:5だから当たる?
まあ、レイガン-A56・レクイエムには絶対射程3メートルがあるからな。
3メートル以内なら外れないだろう。
そう思って近付けば、
「おいおい、ドローンかよ、今回の敵は」
四つのプロペラがあり、本当にドローンぽかった。
プロペラa-2レイガン型。
耐久値3。
「弱っ! 一発じゃん」
但し、今回は飛行してる敵機もビームを撃ってくる。
それも5メートル圏内から。
ビームを避けながら突進して3メートル範囲内に入ってビュンッと1発で仕留める。
「どんどん狩るぜーーって、レイ手榴弾タイプかよ。逃げよ」
視界に映ったレーダーのビーコンを頼りに次の敵機に近付き、搭載されてた手榴弾1個を落とされて慌てて反転し、距離を取って直径3メートルの爆発をやり過ごしてから、ビームを撃って2機目を倒し、更に突き進んだのだった。
同時刻、同じ戦術ランクEのブルーフィールドにはバトルスーツの他に狙撃手用ヘルメット-Bキングを被り、レイ狙撃ライフル-エルキュールp38を撃ってた女戦闘員、芹井兎院が居た。
それもハイテンションで喜んでた。
「ヒュー、射程延長外部パーツ-ダゴン5の500メートル射程距離プラスと、最高峰の狙撃手用ヘルメットの絶対射程1300メートルの補正と、レイ狙撃ライフルのエルキュールのトリプルコンボはヤバ過ぎでしょ。射程距離1800メートルだし。戦術ランクEのブルーフィールドは縦横3キロよ。中央に陣取ったら全エリアを網羅じゃないの。一発に付きNE消費10プラスでも十分お釣りがくるわよ」
安全圏の遠距離から次々に敵機を狙撃していく。
すると突然、上空に向かって地上からビームが垂直に撃たれたのが見えた。
それも二発も。
レイ狙撃ライフルのスコープの映像がヘルメットのシールドディスプレイに映る。
戦闘員が上空を撃ってる。
何を撃ってるのか気になって射線上を追えば200メートル上空にドローンの台座の上に載ってる情報送信装置を発見して、兎院は気軽に引き金を引いて狙撃した。
【ロボット軍団陣営の情報送信装置の破壊を確認】
音声ガイダンスと視界の文字情報が出る。
「横取り失礼~」
鼻歌混じりに呟くとまた敵機を片っ端からレイ狙撃ライフルで狙撃したのだった。
上空に浮く情報送信装置が狙撃され、ガイダンスと文字表示がされたのを確認した柚子太は、
「あの距離に届くってーーマジかよ」
1秒だけ驚いたが、すぐに思考を切り替えてレーダーが捕捉した敵機に向かって走り出したのだった。
柚子太と兎院の他にもう一人、この戦術ランクEのブルーフィールドには戦闘員が居た。
武零亜流都である。
戦闘タイプはウィングジェットを腰に装着してのジェットウイング-イーグル02で空中飛行での敵機接近である。
熟練者なのか、避ける事なくレイシールドで敵の攻撃をガードしていた。
「無駄よ。ランクEのプロペラのレイガンじゃあシールドAすらも貫通出来ないわ。そしてレイ手榴弾は地上の相手にしか使用しない行動パターン。攻略は出来てるんだから」
両手でレイショットガン-81・Jダルクを撃って、群れて迫ってきた3機の敵プロペラを撃破する。
「さ~て、どんどん狩るわよ」
亜流都はウイングジェットを使って移動を続けたのだった。
この三人が偶然にも戦術ランクEのブルーフィールドに集い、暴れた事で予期せぬ事が起こった。
柚子太は初心者なので何も分からずにブルーフィールドを走り回って敵を撃墜していたが、芹井兎院は入手したヘルメットと強化パーツのコンボの狙撃練習の為に故意にフィールドボスを最後まで見逃していた。
武零亜流都はフィールド開始10分経過の前後に出現する支援物資ボックス狙いである。雑魚ロボは倒したが、フィールドボスは見逃した。
結果、中堅どころの芹井兎院と武零亜流都も知らないブルーフィールドの未知の領域、次のステージに足を踏み入れる事となってしまったのだ。
開始8分で戦術ランクEのブルーフィールド内に居た雑魚のプロペラ80機以上が全滅して、残るはフィールドボスだけになっていた。
柚子太が視界のレーダーを見て、
「あれ、敵が居ねえぞ? どこだ?」
狙撃ポイントのマンションの屋上に陣取っていた芹井兎院も気付く。
「え? ボスの他はもう残っていない? なら、これで終わりね」
亜流都の狙いを無視して、兎院は耐久値80の中型プロペラのフィールドボスをレイ狙撃ライフルで撃ち抜いて、あっさりとブルーフィールドをクリアしたのだった。
【フィールドボスの撃破を確認。フィールドボスの撃破に伴い、3秒後にブルーフィールドが解除されます】
と表示されて、ブルーフィールドが解除されて柚子太はバトルスーツを纏ったワンルームマンションの部屋に戻ったのだが、
【戦術ランクEのブルーフィールド、エクセレントクリア。クリアボーナス、階級:一つ星。NE全体量+100。メイン武器スペース+1。武器庫2。全ステータス数値+2。ナノマシンの成長ポイント、150ポイント。アイテムを1つ選択出来ます(制限時間5分)】
との表示が視界に出たのだった。
「ん? エクセレントクリアって何? 階級:一つ星って? おお、NE全体量がプラス100って凄いだろ」
NEタンク1000-3
NEタンク900-3、NEタンク300-1の2点セット。
NEタンク800-3、NEタンク300-2の2点セット。
NEタンク700-4、NEタンク200-1の2点セット。
NEタンク600-5。
NEタンク500-6。
NEタンク400-7、NEタンク200-1の2点セット。
NEタンク300-10。
NEタンク200-15。
NEタンク100-30。
そして選択アイテムのリストを開いてニヤリとする。
想像以上だ、エクセレントクリアのボーナス。
NEタンク合計3000の中から選べるなんて。
「ぐふふふ・・・」
変な笑いが自然と出た。
「どれが正解だ? NE全体量がプラス100だからNEタンク100を30個が正解か? でもな~。一番最後ってのが妙に引っ掛かる。一番下って事だよな?」
結局、柚子太はラッキーセブンのNEタンク700-4、NEタンク200-1の2点セットを選んだのだった。
new階級:一つ星
敵機撃破スコア:41→58
ナノマシン成長LV: 2→3(ナノマシン成長ポイント25→175)
NE25/25→130/130
武器庫(次の武器庫解放は7):3→5
メイン武器【レイガン-A56・レクイエム】
new【レイガン-LQ12エチュード】
ガンファイト・威力/射程補正:1→3
ガンファイト・継続/弾数補正: 1→3
肉体ナノマシン:10→12
知覚ナノマシン:5→7
精密ナノマシン:5→7
肉体治癒ナノマシン:3→5
NE回復ナノマシン:2→4
武器庫リスト(スペース7/10)
レイガン-LQ12・エチュード
新兵用バトルスーツ01-ルーキーソルジャー
newNEタンク20-6
レイガン-A56・レクイエム
戦術ランクE専用レーダー、スパイダーネット-E
newNEタンク700-4
newNEタンク200-1
new武器庫2リスト(スペース5/30)
newパワードスーツ-BEジャブ・兵装1aタイプ(スペース3)
newエアバイク-GXアナコンダ(スペース2)
「何、この武器庫2リスト内に入ってるの? もしかして貰えるのか? あれ、何か忘れてるような――そうだ。ナノマシンのステータス数値が30を越えてるけど・・・」
柚子太が呟いた時、ドクンッと心臓が脈打った。
待て待て。
オレは悪くないだろ。
このステータスの数値の上がりは不可抗力であって・・・
柚子太はそのまま自宅の床でぶっ倒れたのだった。
そして翌日の午前11時、ワンルームマンションに監視兼家事担当のクールビューティーの30代の茶虎美優がやってきて、
「柚子太さん、そんなところで寝てると風邪を引きますよ」
床に寝てる柚子太を見て呆れたが、
「柚子太さん?」
返事がないので柚子太の額に手を当てて、
「嘘、熱い。ちょ、死なないでよ、私が何を言われるか分からないんだから」
美優はすぐにスマホで救急車を呼び、柚子太は病院に搬送されたのだった。
一人暮らしなのは別に両親と死別したとかではない。
両親は元気にシンガポールで優雅なセレブ生活を送っているのだから。
柚子太の両親も本当は一緒に一人息子の柚子太をシンガポールに連れていこうとしたが、海外生活に否定的な考えの柚子太が日本での生活の快適さをプレゼンして、そしたらワンルームマンション生活が許される事となっていた。
監視兼家事全般担当の人物が自由に出入りするという条件で。
ソファーで寛いでいた柚子太は、ブルーフィールド解除後に動く事が判明したスマホを操作しながら、
「あった、このサイトでトップ10にランクインしてる恋愛小説だ。設定に赤と青、鬼と未来ロボットの違いはあるが他はかなり似てる。このキャラがヒロインにいう台詞、『馬鹿か、おまえは。0と1には無と有ほどに違うだろうが』。この作者、もしかしてブルーフィールドに巻き込まれた事があるのか?」
そんな事を呟きながらブルーフィールドで使えそうな設定をその小説で探した。
支援物資ボックスみたいなのがあった。小説では烏天狗が運んできたが。
結界を張った鬼を倒すと世界が戻るのも通知にあったフィールドボスの事だろうか。
「作者名はPIYOね~。まあ、どうでもいいか。もう巻き込まれる事もないんだから」
と呟いた時、
【10分後に発生予定のブルーフィールド展開予想地点内に居ます。予想戦術ランクはE。戦う意思のない戦闘員は退避して下さい】
とのアナウンスが音声と共に視界に文字として映った。
「戦術ランクE? 余裕でしょ。やってやんよ」
そして10分後、
【ブルーフィールド展開、戦術ランクE、フィールドカウント12分12秒】
柚子太は本日2度目のブルーフィールドに巻き込まれた。
玄関の鏡を一瞥する。
柚子太の顔だが、髪と眉毛は銀色になってる。
デビュー戦のブルーフィールド内の窓の反射で薄々は気付いていたが。やはりそういう仕様らしい。小説でもヒロインの髪が金色になってたし。
銀髪になる考察は後回しだ。
フィールドカウントが12分なのだから。
柚子太はバトルスーツを装備して、戦術ランクE専用レーダー、スパイダーネット-Eを使用した。
戦術ランクE専用レーダー、スパイダーネット-E
1分間に付きNE消費2。戦術ランクEのブルーフィールド専用。フィールド内の敵、味方をビーコンで表示。有効範囲半径200メートル。発生予想地点内に居ると10分前に通知される。
「ホントだ。敵がどこに居るのか分かる。全キルしてやんよ」
玄関ドアから飛び出した柚子太はレイガン-A56・レクイエムを握って走り出したのだった。
肉体ナノマシン:10はかなりの身体能力だ。
はっきり言って超人レベル。
マンションの3階から地上の飛び降りても軽く、そして反動もなく、当然無傷で、棒立ちで着地出来た。
走れば早い早い。
もう完全に人間離れしていた。
軽く走っても、おそらくはオリンピック選手よりも早い。
早過ぎて走りながらだとレイガンを撃ってもビームを当てる自信がないくらいだ。
いや、精密ナノマシン:5だから当たる?
まあ、レイガン-A56・レクイエムには絶対射程3メートルがあるからな。
3メートル以内なら外れないだろう。
そう思って近付けば、
「おいおい、ドローンかよ、今回の敵は」
四つのプロペラがあり、本当にドローンぽかった。
プロペラa-2レイガン型。
耐久値3。
「弱っ! 一発じゃん」
但し、今回は飛行してる敵機もビームを撃ってくる。
それも5メートル圏内から。
ビームを避けながら突進して3メートル範囲内に入ってビュンッと1発で仕留める。
「どんどん狩るぜーーって、レイ手榴弾タイプかよ。逃げよ」
視界に映ったレーダーのビーコンを頼りに次の敵機に近付き、搭載されてた手榴弾1個を落とされて慌てて反転し、距離を取って直径3メートルの爆発をやり過ごしてから、ビームを撃って2機目を倒し、更に突き進んだのだった。
同時刻、同じ戦術ランクEのブルーフィールドにはバトルスーツの他に狙撃手用ヘルメット-Bキングを被り、レイ狙撃ライフル-エルキュールp38を撃ってた女戦闘員、芹井兎院が居た。
それもハイテンションで喜んでた。
「ヒュー、射程延長外部パーツ-ダゴン5の500メートル射程距離プラスと、最高峰の狙撃手用ヘルメットの絶対射程1300メートルの補正と、レイ狙撃ライフルのエルキュールのトリプルコンボはヤバ過ぎでしょ。射程距離1800メートルだし。戦術ランクEのブルーフィールドは縦横3キロよ。中央に陣取ったら全エリアを網羅じゃないの。一発に付きNE消費10プラスでも十分お釣りがくるわよ」
安全圏の遠距離から次々に敵機を狙撃していく。
すると突然、上空に向かって地上からビームが垂直に撃たれたのが見えた。
それも二発も。
レイ狙撃ライフルのスコープの映像がヘルメットのシールドディスプレイに映る。
戦闘員が上空を撃ってる。
何を撃ってるのか気になって射線上を追えば200メートル上空にドローンの台座の上に載ってる情報送信装置を発見して、兎院は気軽に引き金を引いて狙撃した。
【ロボット軍団陣営の情報送信装置の破壊を確認】
音声ガイダンスと視界の文字情報が出る。
「横取り失礼~」
鼻歌混じりに呟くとまた敵機を片っ端からレイ狙撃ライフルで狙撃したのだった。
上空に浮く情報送信装置が狙撃され、ガイダンスと文字表示がされたのを確認した柚子太は、
「あの距離に届くってーーマジかよ」
1秒だけ驚いたが、すぐに思考を切り替えてレーダーが捕捉した敵機に向かって走り出したのだった。
柚子太と兎院の他にもう一人、この戦術ランクEのブルーフィールドには戦闘員が居た。
武零亜流都である。
戦闘タイプはウィングジェットを腰に装着してのジェットウイング-イーグル02で空中飛行での敵機接近である。
熟練者なのか、避ける事なくレイシールドで敵の攻撃をガードしていた。
「無駄よ。ランクEのプロペラのレイガンじゃあシールドAすらも貫通出来ないわ。そしてレイ手榴弾は地上の相手にしか使用しない行動パターン。攻略は出来てるんだから」
両手でレイショットガン-81・Jダルクを撃って、群れて迫ってきた3機の敵プロペラを撃破する。
「さ~て、どんどん狩るわよ」
亜流都はウイングジェットを使って移動を続けたのだった。
この三人が偶然にも戦術ランクEのブルーフィールドに集い、暴れた事で予期せぬ事が起こった。
柚子太は初心者なので何も分からずにブルーフィールドを走り回って敵を撃墜していたが、芹井兎院は入手したヘルメットと強化パーツのコンボの狙撃練習の為に故意にフィールドボスを最後まで見逃していた。
武零亜流都はフィールド開始10分経過の前後に出現する支援物資ボックス狙いである。雑魚ロボは倒したが、フィールドボスは見逃した。
結果、中堅どころの芹井兎院と武零亜流都も知らないブルーフィールドの未知の領域、次のステージに足を踏み入れる事となってしまったのだ。
開始8分で戦術ランクEのブルーフィールド内に居た雑魚のプロペラ80機以上が全滅して、残るはフィールドボスだけになっていた。
柚子太が視界のレーダーを見て、
「あれ、敵が居ねえぞ? どこだ?」
狙撃ポイントのマンションの屋上に陣取っていた芹井兎院も気付く。
「え? ボスの他はもう残っていない? なら、これで終わりね」
亜流都の狙いを無視して、兎院は耐久値80の中型プロペラのフィールドボスをレイ狙撃ライフルで撃ち抜いて、あっさりとブルーフィールドをクリアしたのだった。
【フィールドボスの撃破を確認。フィールドボスの撃破に伴い、3秒後にブルーフィールドが解除されます】
と表示されて、ブルーフィールドが解除されて柚子太はバトルスーツを纏ったワンルームマンションの部屋に戻ったのだが、
【戦術ランクEのブルーフィールド、エクセレントクリア。クリアボーナス、階級:一つ星。NE全体量+100。メイン武器スペース+1。武器庫2。全ステータス数値+2。ナノマシンの成長ポイント、150ポイント。アイテムを1つ選択出来ます(制限時間5分)】
との表示が視界に出たのだった。
「ん? エクセレントクリアって何? 階級:一つ星って? おお、NE全体量がプラス100って凄いだろ」
NEタンク1000-3
NEタンク900-3、NEタンク300-1の2点セット。
NEタンク800-3、NEタンク300-2の2点セット。
NEタンク700-4、NEタンク200-1の2点セット。
NEタンク600-5。
NEタンク500-6。
NEタンク400-7、NEタンク200-1の2点セット。
NEタンク300-10。
NEタンク200-15。
NEタンク100-30。
そして選択アイテムのリストを開いてニヤリとする。
想像以上だ、エクセレントクリアのボーナス。
NEタンク合計3000の中から選べるなんて。
「ぐふふふ・・・」
変な笑いが自然と出た。
「どれが正解だ? NE全体量がプラス100だからNEタンク100を30個が正解か? でもな~。一番最後ってのが妙に引っ掛かる。一番下って事だよな?」
結局、柚子太はラッキーセブンのNEタンク700-4、NEタンク200-1の2点セットを選んだのだった。
new階級:一つ星
敵機撃破スコア:41→58
ナノマシン成長LV: 2→3(ナノマシン成長ポイント25→175)
NE25/25→130/130
武器庫(次の武器庫解放は7):3→5
メイン武器【レイガン-A56・レクイエム】
new【レイガン-LQ12エチュード】
ガンファイト・威力/射程補正:1→3
ガンファイト・継続/弾数補正: 1→3
肉体ナノマシン:10→12
知覚ナノマシン:5→7
精密ナノマシン:5→7
肉体治癒ナノマシン:3→5
NE回復ナノマシン:2→4
武器庫リスト(スペース7/10)
レイガン-LQ12・エチュード
新兵用バトルスーツ01-ルーキーソルジャー
newNEタンク20-6
レイガン-A56・レクイエム
戦術ランクE専用レーダー、スパイダーネット-E
newNEタンク700-4
newNEタンク200-1
new武器庫2リスト(スペース5/30)
newパワードスーツ-BEジャブ・兵装1aタイプ(スペース3)
newエアバイク-GXアナコンダ(スペース2)
「何、この武器庫2リスト内に入ってるの? もしかして貰えるのか? あれ、何か忘れてるような――そうだ。ナノマシンのステータス数値が30を越えてるけど・・・」
柚子太が呟いた時、ドクンッと心臓が脈打った。
待て待て。
オレは悪くないだろ。
このステータスの数値の上がりは不可抗力であって・・・
柚子太はそのまま自宅の床でぶっ倒れたのだった。
そして翌日の午前11時、ワンルームマンションに監視兼家事担当のクールビューティーの30代の茶虎美優がやってきて、
「柚子太さん、そんなところで寝てると風邪を引きますよ」
床に寝てる柚子太を見て呆れたが、
「柚子太さん?」
返事がないので柚子太の額に手を当てて、
「嘘、熱い。ちょ、死なないでよ、私が何を言われるか分からないんだから」
美優はすぐにスマホで救急車を呼び、柚子太は病院に搬送されたのだった。
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