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お礼のキス
ターベラなら寿退官したわよっ!【ルビアside】
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お母様の喪中だけど、お礼を言いに、私は騎士団長の屋敷にお邪魔していた。
「ありがとね、エニス。私を信じてくれて」
私は来賓室のソファーで対面に座るエニスにそう素直に気持ちを伝えた。
「友達を信じるのは当然じゃないですか」
さらりとエニスに言われて、私がキュンとエニスにときめく中、エニスが、
「・・・と答えれたらカッコよかったんですけど、実は陛下に会うまではとんとんでして」
「それでも王宮に乗り込んでくれて嬉しかったわ」
「それくらいならルビア様の為ならいつでもやりますよ」
「そう言ってくれて嬉しいわ」
私がエニスを見て幸せな気持ちになってるのに・・・・・・
空気を読めないエニスが室内に居る4人の騎士の顔ぶれを見て、
「そう言えば、親衛隊長さんは生きてるんですよね? 今日はお休みですか?」
と言ったので、私は怒りを抑えようと頑張ったけど無理で、
「ターベラなら寿退官したわよっ!」
叫んでた。
そう、親衛隊長のターベラは生きていた。
というか、あの日、お母様の喫茶室に私に従って一緒に入室していなかった。
廊下で、ターベラが恋心を寄せてるルビカルお兄様の側近の年下騎士に呼び止められて、私から離れて別室に移動して、そこで跪かれて指輪を出されてプロポーズされて受けていたのだから。
そして、そのまま2人して職務も投げ出して王宮を抜け出して、王女の私や王宮が大変な目にあってた時、お母様の死すら知らずに、発情期の犬や猫みたいに、ずっとその年下騎士の別荘の寝室で結婚前のハネムーンをイチャイチャイチャイチャと楽しんでたのだから。
総てが片付いてから、幸せそうな女の顔で戻ってきて、寿退官するとターベラに言われた時、私がブチギレずに、
「お幸せにね。王妃の喪中で不適切だけど」
と嫌味だけにとどめたのは、奇跡だからっ!
ターベラの退室後にカップを床に投げて叩き割ったけどね。
「それは良かったですね」
「もうこの話はなしよ、エニス。話題にしないで、あのバカの事は」
と告げてから私は話題を戻すべく、
「陛下が退位する話は聞いた?」
「はい。ルビア様が宰相になられるとか・・」
「最初はお兄様が身を引いて、王太子を交代した後、私が女王にならされるところだったのよ? でも、それだとさすがに外聞が悪過ぎるからお兄様がそのまま国王に即位する事になって、それで私が宰相なんかに。仕事が増えて最悪だわ」
そう愚痴りながら、私は・・・
陛下がお母様を殺して、その原因がお兄様が【美女神】の能力の開眼者を施設に見に行ったのが原因だったなんて。
血塗られたミリアリリー王室でも最低の部類に入る醜聞じゃないの、これって?
あれだけ愛していたお母様をその手で殺した陛下の方はもう完全に抜け殻状態だし、お兄様もショックを受けててボーッとしてる事が多いし。
大丈夫なのかしら、私の国?
私が宰相になるのって意外と正解かもね。
本気でミリアリリー王国の事を心配した。
「まあ、ルビア様は今回の件の最大の功労者ですから」
「でも結構死んだわ。40人以上も」
そう言えばエニスと対峙したミリアリリー王国の騎士や魔法兵は半殺しなだけで全員が生きてたっけ。
やっぱり凄いわ、この子は。
「あそこで止めてないと、もっと死んでましたよ」
「・・・そうね。ありがとね、エニス。元気付けてくれて・・・そうだ、エニスにお礼がしたいんだけど」
「? もう貰ってますよ、陛下から」
「そうじゃなくて、エニス、眼を閉じなさい」
「?」
エニスが不思議がりながらも眼を閉じる中、私は室内に居る4人の親衛隊に視線を向けた。
全員が心得て視線を外す中、私はソファーの間にあるテーブルの上で膝立ちして身を乗り出して、エニスに顔を近付けると、チュッと唇にキスしたのだった。
眼を閉じてたエニスが驚いて身体を硬直させる中、私はエニスと長いキスをしてから、エニスと離れてソファーに座り直し、
「今のが私からのお礼よ」
「ええっと・・・・・・」
眼を開けたエニスが困惑する中、私はウィンクしながら、
「唇にしたのはアナタが初めてなんだからありがたく受け取るようにね」
そうお姉さんぶったけど、結構ドキドキしたわ。
王女のキスは特別なんだから。
この気持ち、エニスには伝わってないっぽくて、エニスは少し照れただけで、
「ありがとうございます、ルビア様」
「因みにエニスは何人目なの? 唇のキス」
「キスが1人、溺れてる子への息のプレゼントが1人です」
「最初のキスの相手は誰なの?」
「言う訳がないじゃないですか」
「ええぇ~。教えなさいよぉ~、エニスぅ~」
そう私が聞いたのに、
「友達の秘密は無暗に詮索しない約束でしょ、ルビア様」
エニスは最後まで相手の事を教えてくれなかったけどね。
おわり。
「ありがとね、エニス。私を信じてくれて」
私は来賓室のソファーで対面に座るエニスにそう素直に気持ちを伝えた。
「友達を信じるのは当然じゃないですか」
さらりとエニスに言われて、私がキュンとエニスにときめく中、エニスが、
「・・・と答えれたらカッコよかったんですけど、実は陛下に会うまではとんとんでして」
「それでも王宮に乗り込んでくれて嬉しかったわ」
「それくらいならルビア様の為ならいつでもやりますよ」
「そう言ってくれて嬉しいわ」
私がエニスを見て幸せな気持ちになってるのに・・・・・・
空気を読めないエニスが室内に居る4人の騎士の顔ぶれを見て、
「そう言えば、親衛隊長さんは生きてるんですよね? 今日はお休みですか?」
と言ったので、私は怒りを抑えようと頑張ったけど無理で、
「ターベラなら寿退官したわよっ!」
叫んでた。
そう、親衛隊長のターベラは生きていた。
というか、あの日、お母様の喫茶室に私に従って一緒に入室していなかった。
廊下で、ターベラが恋心を寄せてるルビカルお兄様の側近の年下騎士に呼び止められて、私から離れて別室に移動して、そこで跪かれて指輪を出されてプロポーズされて受けていたのだから。
そして、そのまま2人して職務も投げ出して王宮を抜け出して、王女の私や王宮が大変な目にあってた時、お母様の死すら知らずに、発情期の犬や猫みたいに、ずっとその年下騎士の別荘の寝室で結婚前のハネムーンをイチャイチャイチャイチャと楽しんでたのだから。
総てが片付いてから、幸せそうな女の顔で戻ってきて、寿退官するとターベラに言われた時、私がブチギレずに、
「お幸せにね。王妃の喪中で不適切だけど」
と嫌味だけにとどめたのは、奇跡だからっ!
ターベラの退室後にカップを床に投げて叩き割ったけどね。
「それは良かったですね」
「もうこの話はなしよ、エニス。話題にしないで、あのバカの事は」
と告げてから私は話題を戻すべく、
「陛下が退位する話は聞いた?」
「はい。ルビア様が宰相になられるとか・・」
「最初はお兄様が身を引いて、王太子を交代した後、私が女王にならされるところだったのよ? でも、それだとさすがに外聞が悪過ぎるからお兄様がそのまま国王に即位する事になって、それで私が宰相なんかに。仕事が増えて最悪だわ」
そう愚痴りながら、私は・・・
陛下がお母様を殺して、その原因がお兄様が【美女神】の能力の開眼者を施設に見に行ったのが原因だったなんて。
血塗られたミリアリリー王室でも最低の部類に入る醜聞じゃないの、これって?
あれだけ愛していたお母様をその手で殺した陛下の方はもう完全に抜け殻状態だし、お兄様もショックを受けててボーッとしてる事が多いし。
大丈夫なのかしら、私の国?
私が宰相になるのって意外と正解かもね。
本気でミリアリリー王国の事を心配した。
「まあ、ルビア様は今回の件の最大の功労者ですから」
「でも結構死んだわ。40人以上も」
そう言えばエニスと対峙したミリアリリー王国の騎士や魔法兵は半殺しなだけで全員が生きてたっけ。
やっぱり凄いわ、この子は。
「あそこで止めてないと、もっと死んでましたよ」
「・・・そうね。ありがとね、エニス。元気付けてくれて・・・そうだ、エニスにお礼がしたいんだけど」
「? もう貰ってますよ、陛下から」
「そうじゃなくて、エニス、眼を閉じなさい」
「?」
エニスが不思議がりながらも眼を閉じる中、私は室内に居る4人の親衛隊に視線を向けた。
全員が心得て視線を外す中、私はソファーの間にあるテーブルの上で膝立ちして身を乗り出して、エニスに顔を近付けると、チュッと唇にキスしたのだった。
眼を閉じてたエニスが驚いて身体を硬直させる中、私はエニスと長いキスをしてから、エニスと離れてソファーに座り直し、
「今のが私からのお礼よ」
「ええっと・・・・・・」
眼を開けたエニスが困惑する中、私はウィンクしながら、
「唇にしたのはアナタが初めてなんだからありがたく受け取るようにね」
そうお姉さんぶったけど、結構ドキドキしたわ。
王女のキスは特別なんだから。
この気持ち、エニスには伝わってないっぽくて、エニスは少し照れただけで、
「ありがとうございます、ルビア様」
「因みにエニスは何人目なの? 唇のキス」
「キスが1人、溺れてる子への息のプレゼントが1人です」
「最初のキスの相手は誰なの?」
「言う訳がないじゃないですか」
「ええぇ~。教えなさいよぉ~、エニスぅ~」
そう私が聞いたのに、
「友達の秘密は無暗に詮索しない約束でしょ、ルビア様」
エニスは最後まで相手の事を教えてくれなかったけどね。
おわり。
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