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お礼のキス
神聖な儀式【パリナside】
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今日は非番な訳だけど、ミリアリリー女学園帰りの制服姿のエニスがアスレオット家の屋敷に来ていた。
ミリアリリー女学園時代は屋内訓練室に通してたが、今日は私の私室だ。
対面ではなく長ソファーの横に座るエニスは見るからに上機嫌で、私の顔をチラチラと見ている。
どうして上機嫌かは明白だ。
エニスの今日の来訪の目的は御褒美を貰いの来たのだから。
そして、私もドキドキして、少し浮かれていた。
非番までズボン姿なのは浮かれてる事がエニスにバレない為の偽装だ。
「お姉さま、そろそろお約束の物をいただいてもいいですか?」
「エニス、やっぱり舌を絡めるキスはハシタナイから・・・」
「ハシタなくなんてありませんわ。キスは神聖な儀式ですもの」
と言ったエニスが眼を閉じて、少し芝居がかりながら、
「さあ、お姉さま、私の唇をお奪いになって」
「あのねぇ~、エニス」
そう迫られて私は窮したが・・・・・・・
エニスの事が嫌いで窮しているのではない。
エニスとのキスが嫌なら突っ撥ねれば済むのだから。
キスをしてもいいくらいエニスの事が好きな自覚は私にもある。
でも、舌はやはりハシタナイというか······
私が迷ってるのは、ハシタなくて気持ちの踏ん切りが付かない、ただそれだけだった。
エニスは急かす事なく眼を閉じたキス顔のまま、私の気持ちの整理が付くのを待っててくれてる。
気持ちの整理を3分掛けて付けた私はドキドキしながら唇を近付けて、私も目を閉じてエニスにキスしたのだった。
エニスの柔らかい唇の感触が伝わり、私は約束なので、自分からエニスの唇の隙間に舌を侵入させて、エニスと舌を絡めた。
キスは屋敷で出した苺ケーキと紅茶の味だったが・・・
舌が絡まる感触や音や互いの息遣いが、妙に艶めかしかった。
でもエニスが相手だから嫌じゃない。
それどころかエニスとキスしてる自分は少し誇らしかった。
エニスが腕を私の腰に回してくる。
私もエニスの腰に手を回して抱き締めながらエニスとのキスを続けた。
キスを終えた私は熱病に侵されたように身体が火照っていた。
妙にのぼせて、全身が、特に女性の箇所が熱い。
「お姉さま、ありがとうございました」
というエニスの言葉に対して、
「いえ、助けてくれたお礼だから」
この返事は私の精一杯の強がりだった。
「お姉さまならお礼をいただかなくても、いつでも助けますよ」
「ミリアリリー王国を助けた、よ」
「ああ。でも、王太子殿下にも困った物ですよね。【美女神の寵愛】がどのくらいの美人なのか物見遊山に施設に見物に出向いて、そのまま王宮にお持ち帰りするなんて。それも側近に【変身】させて身代わりを置いて逃亡の隠蔽までして」
「エニス、それは口外してはいけない発言禁止情報よ」
私が窘めると、エニスはシュンとしながら、
「すみませんでした、お姉さま。罪深い私の唇をお姉さまの唇で塞いで下さい」
「こら、エニス。そうやってすぐに調子に乗る」
「だって、久しぶりのお姉さまですから。えい」
エニスが私の胸に顔を埋める中、私もエニスの髪を撫でながら、
「ったく。ミリアリリー女学園はどう? アナタの噂は結構伝わってきてるわよ?」
「バスラ公爵関連ですか、もしかして?」
「ええ、2人目の妹が出来たそうね?」
などと妹のミリアリリー女学園での近況を聞き、今日はエニスと楽しく談笑したのだった。
ミリアリリー女学園時代は屋内訓練室に通してたが、今日は私の私室だ。
対面ではなく長ソファーの横に座るエニスは見るからに上機嫌で、私の顔をチラチラと見ている。
どうして上機嫌かは明白だ。
エニスの今日の来訪の目的は御褒美を貰いの来たのだから。
そして、私もドキドキして、少し浮かれていた。
非番までズボン姿なのは浮かれてる事がエニスにバレない為の偽装だ。
「お姉さま、そろそろお約束の物をいただいてもいいですか?」
「エニス、やっぱり舌を絡めるキスはハシタナイから・・・」
「ハシタなくなんてありませんわ。キスは神聖な儀式ですもの」
と言ったエニスが眼を閉じて、少し芝居がかりながら、
「さあ、お姉さま、私の唇をお奪いになって」
「あのねぇ~、エニス」
そう迫られて私は窮したが・・・・・・・
エニスの事が嫌いで窮しているのではない。
エニスとのキスが嫌なら突っ撥ねれば済むのだから。
キスをしてもいいくらいエニスの事が好きな自覚は私にもある。
でも、舌はやはりハシタナイというか······
私が迷ってるのは、ハシタなくて気持ちの踏ん切りが付かない、ただそれだけだった。
エニスは急かす事なく眼を閉じたキス顔のまま、私の気持ちの整理が付くのを待っててくれてる。
気持ちの整理を3分掛けて付けた私はドキドキしながら唇を近付けて、私も目を閉じてエニスにキスしたのだった。
エニスの柔らかい唇の感触が伝わり、私は約束なので、自分からエニスの唇の隙間に舌を侵入させて、エニスと舌を絡めた。
キスは屋敷で出した苺ケーキと紅茶の味だったが・・・
舌が絡まる感触や音や互いの息遣いが、妙に艶めかしかった。
でもエニスが相手だから嫌じゃない。
それどころかエニスとキスしてる自分は少し誇らしかった。
エニスが腕を私の腰に回してくる。
私もエニスの腰に手を回して抱き締めながらエニスとのキスを続けた。
キスを終えた私は熱病に侵されたように身体が火照っていた。
妙にのぼせて、全身が、特に女性の箇所が熱い。
「お姉さま、ありがとうございました」
というエニスの言葉に対して、
「いえ、助けてくれたお礼だから」
この返事は私の精一杯の強がりだった。
「お姉さまならお礼をいただかなくても、いつでも助けますよ」
「ミリアリリー王国を助けた、よ」
「ああ。でも、王太子殿下にも困った物ですよね。【美女神の寵愛】がどのくらいの美人なのか物見遊山に施設に見物に出向いて、そのまま王宮にお持ち帰りするなんて。それも側近に【変身】させて身代わりを置いて逃亡の隠蔽までして」
「エニス、それは口外してはいけない発言禁止情報よ」
私が窘めると、エニスはシュンとしながら、
「すみませんでした、お姉さま。罪深い私の唇をお姉さまの唇で塞いで下さい」
「こら、エニス。そうやってすぐに調子に乗る」
「だって、久しぶりのお姉さまですから。えい」
エニスが私の胸に顔を埋める中、私もエニスの髪を撫でながら、
「ったく。ミリアリリー女学園はどう? アナタの噂は結構伝わってきてるわよ?」
「バスラ公爵関連ですか、もしかして?」
「ええ、2人目の妹が出来たそうね?」
などと妹のミリアリリー女学園での近況を聞き、今日はエニスと楽しく談笑したのだった。
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