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醜聞は闇に葬られた

アナタの事が嫌いなのっ!【イーズside】

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 第2王女のルビア様がやってきて、エニスさんが何故か面識のないはずの私の名前を呼んで、あっという間にそのエニスさんが上空に居る騎士20人を遠斬りで吹き飛ばしてから、





「ほら、名前を呼んだ6人、どっちに行くの? 今すぐ決めなさい、5秒以内にっ!」





 と言ってきた。





 私はイーズ・マーキュ。

 マーキュ家はミリアリリー王国の侯爵家で、私はそこの令嬢だ。

 ミリアリリー女学園に通学してるけど、騎士になるつもりは最初からない。

 そもそも侯爵令嬢育ちの私は、剣なんてミリアリリー女学園に入学するまで一度も振った事はなかった。

 私は、そんなミリアリリー女学園の生徒には意外と多い、親の命令で仕方なく通学してる組の1人だった。

 だから剣の腕もカラッキシなのに。

 それでも、名指しされたのはマーキュ家の継承能力の【水浄化】が関係してるっぽい。

 お陰で私は風紀委員会の治癒班に所属してるくらいだから。

 もし第2王女が言われた国王陛下が操られてるというのが本当なら、私の能力が役立つと考えたのだろう。





 でもね。私は憧れのパリナさまの妹に収まったアナタの事が嫌いなのっ!





「ちょっと待ちなさいよ、エニスさん。ルビア様は追われてるのよ?」

 伯爵家の出自で元風紀委員のホルーテさんが常識的な事を言う中、私はさっさと、





「お断りするわ」





 と答えておいた。

「あっそ、イーズさんは不参加ね。他は?」

 意外にあっさりとエニスさんは理解を示し、周囲を見渡した。

「お姉さまと行きます」

 生徒会長が言い、

「・・・私も」

 【雷竜属性】とかいう2年生もそう答えた。

「私はパスよ、こんなのはさすがに。実家を巻き込めないから」

 【闇竜属性】になったホルーテさんがそう答え、

「はいはい、行くわよ。行けばいいんでしょ」

 生徒会の会計のセーラさんがヤケクソ気味に言い、エニスさんが、

「ルビア様、私以外の参加者は3名です。今から王宮に乗り込みますから、いいですね」

「私を信じてくれるのね、エニス?」

「陛下を見てから決めるだけですよ」

 と言いながら、ルビア様とエニスさん、それにエニスさんの口車に乗せられた3人の計5人が飛竜に無理矢理乗って、先生達が、

「待ちなさい、エニスさんっ! 学園長センセイの指示を仰ぎますから・・・」

「待てません。じゃあ」

 王都ラサリリー側に向かって飛び立っていったのだった。





 馬鹿なんじゃないの、あの3人。エニスさんに乗せられて。





 私は素直にそう思ったけど・・・・・・





 馬鹿なのはこの時、話に乗らなかった私の方だった。
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