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醜聞は闇に葬られた
助けてっ!【セーラside】
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王妃様の崩御による休校を挟んで、ミリアリリー女学園が再開した今日は、2年生と3年生は春の郊外狩猟学習の2日目だった。
狩猟学習は雨天決行の3日連続が基本だから。
なので、ミリアリリー女学園に集まってから、ミリアリリー女学園が保有する陸獣車にぎゅうぎゅう詰めにされて、王都ラサリリーから東の森まで移動して、ようやく私達は狭い輸送車から降りたのだった。
貴族車に慣れてると辛いのよ、輸送車って。
あっ、また貴族令嬢みたいな事を言ってるかしら、私?
私は伸びをしながら森を睨んだ。
課題の緑鹿の狩猟を終えてるので、これからは自由時間になり、狩りが出来る。
負傷は厳禁で、最高ランクは【D】までなら自由に狩猟出来た。
班の方針はそのランク【D】を狩る事なので、私も付き合って出向く予定だったのだけど・・・・・・
それは森に入る前にセンセイからの注意事項を、3年生と2年生の全員が整列して聞いてた時の事だった。
1頭の飛竜が王都ラサリリー側から墜落するように整列してる生徒達の前に着地してきた。
通常ならば警戒するが、飛竜に乗ってたのがミリアリリー王国の赤の王服を纏ってた第2王女のルビア様お1人だけで、そのルビア様が、
「エニス、助けてっ!」
と大声で叫び、幹部生徒なので先生側に整列してたエニスさんが、
「ルビア様? あのですねぇ~。一応、これもミリアリリー女学園の授業でして・・・」
との苦情は、ルビア様の、
「陛下が誰かに操られてるっ!」
必死の叫びの前に掻き消えたのだった。
私は内心で、まだ言ってるの、ルビア様? と思ったけどエニスさんは、
「えっ?」
と呟いた後、みるみると真剣になって、
「イザベラ、セーラさん、ホルーテさん、カルテ、それにイーズさん、一緒に付いてきてっ! ルビア様の言ってる事が本当かどうか確認するからっ!」
そう指示したのだけど、呼んだ名前の中に何故か私の名前が入っていた。
「センセイ方、すみません。私達は校外学習を欠席しま・・・・・・」
エニスさんが事態に付いていけてない教師陣にそう釈明した時・・・
王都ラサリリー側から飛竜に乗った竜騎士が20頭以上飛来して来て、
「もう追い付いてきたっ! エニスっ! 私を信じてっ! お願いよっ!」
ルビア様が必死に叫ぶ中、飛竜に乗る竜騎士の1人が【拡声】のマジックアイテムか魔法で、
『皆の者、そこに居るルビア様は現在、最愛の王妃様を失われて錯乱されておられるっ! 何をおっしゃられても信じてはいけないっ! 陛下の命令によってルビア様を捕縛するので邪魔しないようにっ! これから行うルビア様の捕縛は王命であるっ!』
と上空から通達してきた。
はあ?
ルビア様、追われてたの?
ってか、何をやったの、王命で捕縛って?
私はルビア様を見て、それからエニスさんを見たら、エニスさんはもうミリアリリー女学園指定の長剣を抜いてて、
「待ちなさい、エニスさんっ! 冗談よね? 相手は王命を受けた竜騎士よっ?」
と私が叫んだ時には·······
エニスさんは剣を一薙ぎして衝撃波をビュオオオオオッと放ち、上空の居る飛竜に乗る竜騎士20頭以上を吹き飛ばしたのだった。
あぁ~あ、やっちゃったぁ~。
またお父様に怒られるぅ~。
エニスさんの所為で、私がぁ~。
狩猟学習は雨天決行の3日連続が基本だから。
なので、ミリアリリー女学園に集まってから、ミリアリリー女学園が保有する陸獣車にぎゅうぎゅう詰めにされて、王都ラサリリーから東の森まで移動して、ようやく私達は狭い輸送車から降りたのだった。
貴族車に慣れてると辛いのよ、輸送車って。
あっ、また貴族令嬢みたいな事を言ってるかしら、私?
私は伸びをしながら森を睨んだ。
課題の緑鹿の狩猟を終えてるので、これからは自由時間になり、狩りが出来る。
負傷は厳禁で、最高ランクは【D】までなら自由に狩猟出来た。
班の方針はそのランク【D】を狩る事なので、私も付き合って出向く予定だったのだけど・・・・・・
それは森に入る前にセンセイからの注意事項を、3年生と2年生の全員が整列して聞いてた時の事だった。
1頭の飛竜が王都ラサリリー側から墜落するように整列してる生徒達の前に着地してきた。
通常ならば警戒するが、飛竜に乗ってたのがミリアリリー王国の赤の王服を纏ってた第2王女のルビア様お1人だけで、そのルビア様が、
「エニス、助けてっ!」
と大声で叫び、幹部生徒なので先生側に整列してたエニスさんが、
「ルビア様? あのですねぇ~。一応、これもミリアリリー女学園の授業でして・・・」
との苦情は、ルビア様の、
「陛下が誰かに操られてるっ!」
必死の叫びの前に掻き消えたのだった。
私は内心で、まだ言ってるの、ルビア様? と思ったけどエニスさんは、
「えっ?」
と呟いた後、みるみると真剣になって、
「イザベラ、セーラさん、ホルーテさん、カルテ、それにイーズさん、一緒に付いてきてっ! ルビア様の言ってる事が本当かどうか確認するからっ!」
そう指示したのだけど、呼んだ名前の中に何故か私の名前が入っていた。
「センセイ方、すみません。私達は校外学習を欠席しま・・・・・・」
エニスさんが事態に付いていけてない教師陣にそう釈明した時・・・
王都ラサリリー側から飛竜に乗った竜騎士が20頭以上飛来して来て、
「もう追い付いてきたっ! エニスっ! 私を信じてっ! お願いよっ!」
ルビア様が必死に叫ぶ中、飛竜に乗る竜騎士の1人が【拡声】のマジックアイテムか魔法で、
『皆の者、そこに居るルビア様は現在、最愛の王妃様を失われて錯乱されておられるっ! 何をおっしゃられても信じてはいけないっ! 陛下の命令によってルビア様を捕縛するので邪魔しないようにっ! これから行うルビア様の捕縛は王命であるっ!』
と上空から通達してきた。
はあ?
ルビア様、追われてたの?
ってか、何をやったの、王命で捕縛って?
私はルビア様を見て、それからエニスさんを見たら、エニスさんはもうミリアリリー女学園指定の長剣を抜いてて、
「待ちなさい、エニスさんっ! 冗談よね? 相手は王命を受けた竜騎士よっ?」
と私が叫んだ時には·······
エニスさんは剣を一薙ぎして衝撃波をビュオオオオオッと放ち、上空の居る飛竜に乗る竜騎士20頭以上を吹き飛ばしたのだった。
あぁ~あ、やっちゃったぁ~。
またお父様に怒られるぅ~。
エニスさんの所為で、私がぁ~。
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