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アテニナ・バスラ生尻折檻事件

そんなぁ〜【ルビアside】

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 私が王宮の執務室で書類にサインをしてると、

「姫様、大変です」

 私の親衛隊長のターベラが部屋に掛け込んできて、

「ミリアリリー女学園で大事件です」

 ミリアリリー女学園と言えばエニスだ。

「またエニス? 今度は何をやったの?」

「公衆の面前でアテニナ・バスラ嬢のパンツを下ろして平民の母親が子供を躾けるみたいにお尻を叩いたそうです」

 アテニナって・・・・・・魔法兵団長のバスラ公爵の長女の?

 そのアテニナのお尻を叩いて躾けた?

 何、それ? 面白そう。

 私が眼を輝かせる中、執務室に居たお目付け役の女文官のウラリーが、

「姫様、ダメですよ。お花見やお茶会や狩猟に抜け出して、溜まりに溜まった書類の山のサインを『今日、必ずやる』約束なのですから」

「でも・・・」

「ダメです」

「ええぇ~、少しだけ」

「姫様の少しは少しで済んだ試しがありませんから絶対に今日はダメです」

「そんなぁ~」

 第2王女である私が頼んだのに、この日、ウラリーは執務室から抜け出すのを見逃してくれなかった。
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