3 / 30
新年度のクラス替え
エニスさんと同じクラス、ぬふふ【コリーユside】
しおりを挟む
「おはよう、コリーユさん。今日から同じクラスね」
そう登校されたエニスさんにクラスで挨拶されて、私も、
「おはようございます、エニスさん」
と柔らかく微笑んで挨拶を交わした。
でも内心では・・・・・・
エニスさんと同じクラス、ぬふふ。
だった。
ミリアリリー女学園に圧力を掛けてくれたお父様に大感謝ね。
ほら、私って男爵令嬢だけど・・・・・・・
それ以上にヴァンパイア騒動の2人目の被害者だから。
だから、私がお父様におねだりしたら、お父様がミリアリリー女学園側に、
「本当にミリアリリー女学園での娘の安全は確保出来てるんでしょうな? 出来れば、エニスとかいうヴァンパイアを倒した強い生徒の傍に娘を置いて欲しいのですが」
とか言ってくれたらしいのよね。
お陰でこうしてエニスさんと同じクラスになれましたぁ~。
お父様、ありがとう。
お礼に今夜、一緒にお風呂に入って、お背中流して上げるからね。
まあ、それは一先ずおいておいて。
エニスさんの親衛隊副隊長としては、見過ごせないのが眼の前に居るわ。
生徒会の会計で、肩飾り付きの制服を着る幹部生徒のセーラさんがエニスさんの隣に居るのは分かるわ。
私やマルチールさんよりも早くエニスさんと友達になってたから。
なら、エニスさんと一緒に登校してきて、エニスさんの横に当然のように居るもう1人の、紫メッシュ入りの黒髪ロングで、金色の肩飾り付き制服を纏ったアナタはどちらさまかしらぁ?
「エニスさん、えっと、そちらの方は?」
「ああ、コリーユさんは初めてだっけ? こちらは私の下宿先に転がり込んできたホルーテさんよ」
はあ?
今、凄く聞き捨てならない事をエニスさんが言われたような。
「ホルーテ・メボよ。よろしくね」
ぬけぬけとホルーテさんが挨拶する中、私は動揺を隠しながら、
「ええっと、今、エニスさんと同じ下宿先と・・・・・・」
尋ねると、エニスさんではなくホルーテさんが、
「ええ、祖父が騎士団の幹部の関係で、騎士団長にゴリ押しして、そうなったわ」
「えっと、その肩飾りはミリアリリー女学園で何かの役職を・・・・・」
「ああ、これは・・・・・・去年度の2月中旬のお別れ会の舞踏会のダンスホールの魔力汚染で、属性が【闇竜】になっちゃってね。それでミリアリリー女学園がこれを付けろって。こっちは風紀委員会も辞めさせられていい迷惑よ。って、スカートも久しぶりだし」
と説明し······
生徒会の会計で、生徒情報を得ていた幹部生徒のセーラさんが補足してくれて・・・
メボ家は伯爵家で、ホルーテさんはそのメボ伯爵の孫令嬢の上、【闇竜】がミリアリリー王国の保護指定属性で、凄い特別扱いである事を、私は理解した。
「つまり、アナタのお祖父様が【闇竜属性】を発現したアナタの育成を騎士団長に頼み込んで、頼まれた騎士団長が下宿してるエニスさんに丸投げして、エニスさんが王都ラサリリーに戻ってきてからのこの数日、エニスさんから仲良く剣術を習っていたと?」
「仲良くぅ? 半殺しにされてるわよ、こっちはこの4日間、毎日毎日、朝から晩までエニスさんにシゴかれて」
「あら酷い」
とエニスさんが笑われてたけど・・・・・・
朝から晩までエニスさんと一緒ぉ?
羨まし過ぎない、それぇぇぇ?
「そう言えば、コリーユさんは発現しなかったのよね、あの魔力汚染で?」
エニスさんが私をマジマジと見ながら、そう話を振られて、
「はい、残念ながら」
「そっちの方がいいわよ。ロクな事にならないから」
とエニスさんが言うと、
「同感」
ホルーテさんがしみじみと頷いた。
こうして、ミリアリリー女学園でのエニスさんとの3年生の学園生活が始まったのだった。
そう登校されたエニスさんにクラスで挨拶されて、私も、
「おはようございます、エニスさん」
と柔らかく微笑んで挨拶を交わした。
でも内心では・・・・・・
エニスさんと同じクラス、ぬふふ。
だった。
ミリアリリー女学園に圧力を掛けてくれたお父様に大感謝ね。
ほら、私って男爵令嬢だけど・・・・・・・
それ以上にヴァンパイア騒動の2人目の被害者だから。
だから、私がお父様におねだりしたら、お父様がミリアリリー女学園側に、
「本当にミリアリリー女学園での娘の安全は確保出来てるんでしょうな? 出来れば、エニスとかいうヴァンパイアを倒した強い生徒の傍に娘を置いて欲しいのですが」
とか言ってくれたらしいのよね。
お陰でこうしてエニスさんと同じクラスになれましたぁ~。
お父様、ありがとう。
お礼に今夜、一緒にお風呂に入って、お背中流して上げるからね。
まあ、それは一先ずおいておいて。
エニスさんの親衛隊副隊長としては、見過ごせないのが眼の前に居るわ。
生徒会の会計で、肩飾り付きの制服を着る幹部生徒のセーラさんがエニスさんの隣に居るのは分かるわ。
私やマルチールさんよりも早くエニスさんと友達になってたから。
なら、エニスさんと一緒に登校してきて、エニスさんの横に当然のように居るもう1人の、紫メッシュ入りの黒髪ロングで、金色の肩飾り付き制服を纏ったアナタはどちらさまかしらぁ?
「エニスさん、えっと、そちらの方は?」
「ああ、コリーユさんは初めてだっけ? こちらは私の下宿先に転がり込んできたホルーテさんよ」
はあ?
今、凄く聞き捨てならない事をエニスさんが言われたような。
「ホルーテ・メボよ。よろしくね」
ぬけぬけとホルーテさんが挨拶する中、私は動揺を隠しながら、
「ええっと、今、エニスさんと同じ下宿先と・・・・・・」
尋ねると、エニスさんではなくホルーテさんが、
「ええ、祖父が騎士団の幹部の関係で、騎士団長にゴリ押しして、そうなったわ」
「えっと、その肩飾りはミリアリリー女学園で何かの役職を・・・・・」
「ああ、これは・・・・・・去年度の2月中旬のお別れ会の舞踏会のダンスホールの魔力汚染で、属性が【闇竜】になっちゃってね。それでミリアリリー女学園がこれを付けろって。こっちは風紀委員会も辞めさせられていい迷惑よ。って、スカートも久しぶりだし」
と説明し······
生徒会の会計で、生徒情報を得ていた幹部生徒のセーラさんが補足してくれて・・・
メボ家は伯爵家で、ホルーテさんはそのメボ伯爵の孫令嬢の上、【闇竜】がミリアリリー王国の保護指定属性で、凄い特別扱いである事を、私は理解した。
「つまり、アナタのお祖父様が【闇竜属性】を発現したアナタの育成を騎士団長に頼み込んで、頼まれた騎士団長が下宿してるエニスさんに丸投げして、エニスさんが王都ラサリリーに戻ってきてからのこの数日、エニスさんから仲良く剣術を習っていたと?」
「仲良くぅ? 半殺しにされてるわよ、こっちはこの4日間、毎日毎日、朝から晩までエニスさんにシゴかれて」
「あら酷い」
とエニスさんが笑われてたけど・・・・・・
朝から晩までエニスさんと一緒ぉ?
羨まし過ぎない、それぇぇぇ?
「そう言えば、コリーユさんは発現しなかったのよね、あの魔力汚染で?」
エニスさんが私をマジマジと見ながら、そう話を振られて、
「はい、残念ながら」
「そっちの方がいいわよ。ロクな事にならないから」
とエニスさんが言うと、
「同感」
ホルーテさんがしみじみと頷いた。
こうして、ミリアリリー女学園でのエニスさんとの3年生の学園生活が始まったのだった。
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
TS転移勇者、隣国で冒険者として生きていく~召喚されて早々、ニセ勇者と罵られ王国に処分されそうになった俺。実は最強のチートスキル持ちだった~
夏芽空
ファンタジー
しがないサラリーマンをしていたユウリは、勇者として異世界に召喚された。
そんなユウリに対し、召喚元の国王はこう言ったのだ――『ニセ勇者』と。
召喚された勇者は通常、大いなる力を持つとされている。
だが、ユウリが所持していたスキルは初級魔法である【ファイアボール】、そして、【勇者覚醒】という効果の分からないスキルのみだった。
多大な準備を費やして召喚した勇者が役立たずだったことに大きく憤慨した国王は、ユウリを殺処分しようとする。
それを知ったユウリは逃亡。
しかし、追手に見つかり殺されそうになってしまう。
そのとき、【勇者覚醒】の効果が発動した。
【勇者覚醒】の効果は、全てのステータスを極限レベルまで引き上げるという、とんでもないチートスキルだった。
チートスキルによって追手を処理したユウリは、他国へ潜伏。
その地で、冒険者として生きていくことを決めたのだった。
※TS要素があります(主人公)
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる