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式典委員34人自主退学事件
ナンバー2ではないか【チェキーside】
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風紀委員長のマリンピーチさんの報告を受けて職員室内が騒然とする中、私は頭痛を覚えていた。
どうして? 今年に限ってこんな事ばかり?
去年まではミリアリリー女学園は平和だったのに。
いえ、まあ、去年も色々あったけど。
今年は春先から呪われてるわ。
私が頭痛を覚えてるのはラディーゼル公爵家の令嬢のスライアさんが、1回戦負けを逆恨みして式典委員会の生徒達を誘拐した可能性があるという報告を受けたからだ。
1学年の主任で、スライアさんのクラスの担任のイエーゼ先生は今、職員室には居ない。
学園長センセイと一緒に王宮に呼び出されているから。
なので、今のミリアリリー女学園の最高責任者は私だ。
「私がラディーゼル公爵家に向かいます」
毅然として教頭の私はそう先生達に宣言して、ミリアリリー女学園の狼車で貴族区に向かったわ。
結果は・・・
貴族区のお城と思えるくらいのラディーゼル公爵の巨大な屋敷の前の閉じた正門を守る門兵に、
「先触れもなく屋敷を訪ねるような者はラディーゼル公爵家の客の資格はない。帰られよっ!」
まさかの門前払いだった。
「私はミリアリリー女学園の教頭ですよ。今すぐにスライアさんに会わせて下さいっ!」
という私の声など、
「教頭? ナンバー2ではないか。どうしてトップの学園長が来ない? ラディーゼル公爵家を舐めてるのか?」
門兵が殺気立つ事態となった。
そりゃ、確かに私は教頭で、ナンパー2ですけど。
本当に通すつもりがないと悟った私は、
「ならば、スライアさんに伝えて下さい。式典委員会の生徒が居るなら解放するように、とっ!」
そう毅然と言ったのだけれど、
「なっ? 当家のお嬢様を犯罪者呼ばわりだとっ?」
「捕縛しろっ! 高位貴族侮辱罪の現行犯だっ!」
門兵達がか弱い私に群がり、
「何をっ! イヤ、触らないでっ! 穢らわしい・・・キャアア」
信じられない事に私は大っ嫌いな男どもに触られて地面に組み伏せられて・・・
騎士団に突き出されて・・・
本当に騎士団に逮捕されて5日間も取調を受け······
私が辛うじてマルト男爵家の貴族籍を持ってたので、地方に派遣されてる文官のお兄様が知らせを受けて慌てて飛竜で飛んできて、5日目に釈放してくれたけど・・・
そのお兄様が、
「問題を起こしたら仕事を辞めて、領地経営を手伝う約束だったな? 守って貰うぞ、チャキー?」
「待って、お兄様。これは私が問題を起こしたんじゃなくて・・・・・・」
「ラディーゼル公爵に侮辱罪で訴えられたんだぞ? 近年稀に見る大問題だろうがっ!」
確かにそうだけとも。
「でも・・・」
「反論は許さん。私が来なかったらおまえは実刑だったんだぞ? 今更、男を怖がってるおまえに、結婚しろ、とかは言わん。だが、領地経営は手伝わせるぞ。そうでなくても父がボケ始めて大変なんだから」
こうして、私はミリアリリー文学園の教頭を退職して田舎の領地に帰る破目になったのだった。
何よ、これぇ~っ!
ってか、学園長センセイ、【星見】で知ってたんじゃないでしょうね、この事?
どうして? 今年に限ってこんな事ばかり?
去年まではミリアリリー女学園は平和だったのに。
いえ、まあ、去年も色々あったけど。
今年は春先から呪われてるわ。
私が頭痛を覚えてるのはラディーゼル公爵家の令嬢のスライアさんが、1回戦負けを逆恨みして式典委員会の生徒達を誘拐した可能性があるという報告を受けたからだ。
1学年の主任で、スライアさんのクラスの担任のイエーゼ先生は今、職員室には居ない。
学園長センセイと一緒に王宮に呼び出されているから。
なので、今のミリアリリー女学園の最高責任者は私だ。
「私がラディーゼル公爵家に向かいます」
毅然として教頭の私はそう先生達に宣言して、ミリアリリー女学園の狼車で貴族区に向かったわ。
結果は・・・
貴族区のお城と思えるくらいのラディーゼル公爵の巨大な屋敷の前の閉じた正門を守る門兵に、
「先触れもなく屋敷を訪ねるような者はラディーゼル公爵家の客の資格はない。帰られよっ!」
まさかの門前払いだった。
「私はミリアリリー女学園の教頭ですよ。今すぐにスライアさんに会わせて下さいっ!」
という私の声など、
「教頭? ナンバー2ではないか。どうしてトップの学園長が来ない? ラディーゼル公爵家を舐めてるのか?」
門兵が殺気立つ事態となった。
そりゃ、確かに私は教頭で、ナンパー2ですけど。
本当に通すつもりがないと悟った私は、
「ならば、スライアさんに伝えて下さい。式典委員会の生徒が居るなら解放するように、とっ!」
そう毅然と言ったのだけれど、
「なっ? 当家のお嬢様を犯罪者呼ばわりだとっ?」
「捕縛しろっ! 高位貴族侮辱罪の現行犯だっ!」
門兵達がか弱い私に群がり、
「何をっ! イヤ、触らないでっ! 穢らわしい・・・キャアア」
信じられない事に私は大っ嫌いな男どもに触られて地面に組み伏せられて・・・
騎士団に突き出されて・・・
本当に騎士団に逮捕されて5日間も取調を受け······
私が辛うじてマルト男爵家の貴族籍を持ってたので、地方に派遣されてる文官のお兄様が知らせを受けて慌てて飛竜で飛んできて、5日目に釈放してくれたけど・・・
そのお兄様が、
「問題を起こしたら仕事を辞めて、領地経営を手伝う約束だったな? 守って貰うぞ、チャキー?」
「待って、お兄様。これは私が問題を起こしたんじゃなくて・・・・・・」
「ラディーゼル公爵に侮辱罪で訴えられたんだぞ? 近年稀に見る大問題だろうがっ!」
確かにそうだけとも。
「でも・・・」
「反論は許さん。私が来なかったらおまえは実刑だったんだぞ? 今更、男を怖がってるおまえに、結婚しろ、とかは言わん。だが、領地経営は手伝わせるぞ。そうでなくても父がボケ始めて大変なんだから」
こうして、私はミリアリリー文学園の教頭を退職して田舎の領地に帰る破目になったのだった。
何よ、これぇ~っ!
ってか、学園長センセイ、【星見】で知ってたんじゃないでしょうね、この事?
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