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負け犬達の断末魔
本当は8歳よね?【コスモスside】
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春の乙女祭が終わった当夜、侯爵様の命令で私達はクワナリス伯爵家の屋敷を襲撃した。
下準備は万全。
戦術系の闇魔法を使用して、夜空を闇で覆い、星明かりもない真っ暗闇の中を襲撃したのだから。
そして、それは起こった。
私の眼前には、剣を片手に1人佇む女が居た。
シースルーの赤のキャミソールと赤パンツとサンダル姿。
その半裸姿の女がつまらなそうに周囲を見下ろしてる。
たった今、自分が斬った屍を。
その数、300チョイ。
全員が、ルーンサード侯爵家が誇る精鋭の暗殺部隊50人と、ルーンサード侯爵家が非正規で雇う協力者達(現役の騎士や冒険者、兵士、それに退役軍人達)250人強だった。
それが全滅だ。
1人の女によって。
私は総てを目撃した。
だが、現実かは分からない。
女の剣の一振りだけで、明らかに剣の間合いの外に居た300人強の人間が、次の瞬間には全員輪斬りにされたのだから。
私を除いて。
私だけがその(遠斬り? の)一振りの間合いに居たのに、無事で斬られなかった。
理由は1つ。
「ねえ、アナタ、本当は8歳よね?」
腰を抜かした私にそう質問する為だ。
この闇夜の中、黒尽くめの装束を着てるのに、あれだけの数が居たのに、私を昼間、準決勝で対戦したコスモスだと認識した?
滅茶苦茶だわ、この女。
「聞こえてるかしら、私の言葉? 別にお漏らしした事を恥ずかしがる必要はないわよ。人間、死の恐怖に襲われたら大概そうなるから」
その言葉で、腰を抜かした私は血の海の中で股間を濡らしてる事実に初めて気付いた。
「で、何歳なの?」
「し、し、死ねっ!」
私は何とか手に持つ斧を投げようとしたが、それよりも早くバシュッとの斬撃音を肩口から受け、次の瞬間、鮮血を吹き出しながら絶命し·······
死に際に見るという走馬燈を見た。
昼間、春の乙女祭の準決勝でエニスと戦った時の記憶を。
私が振る怪力任せの摸擬刀の斬撃を軽々といなしながら、
「劇薬系の薬草を服用してこの怪力を一時的に手に入れてるってところかしら? もしかして無理矢理、身体も成長させてる? ボロボロね。持って後10年ってところかしら? ・・・はい、20合目、メンツは保てたでしょ?」
と言われた刹那、側頭部に摸擬刀を叩き付けられて、意識を失った時の記憶を。
あの時はこの女はそんなに強く感じなかった。
今も強いとは感じない・・・・・・
でも負けた・・・・・・
私は傷口から血を噴き出しながら返り血1つ浴びてない綺麗なその女を見ながら絶命した。
下準備は万全。
戦術系の闇魔法を使用して、夜空を闇で覆い、星明かりもない真っ暗闇の中を襲撃したのだから。
そして、それは起こった。
私の眼前には、剣を片手に1人佇む女が居た。
シースルーの赤のキャミソールと赤パンツとサンダル姿。
その半裸姿の女がつまらなそうに周囲を見下ろしてる。
たった今、自分が斬った屍を。
その数、300チョイ。
全員が、ルーンサード侯爵家が誇る精鋭の暗殺部隊50人と、ルーンサード侯爵家が非正規で雇う協力者達(現役の騎士や冒険者、兵士、それに退役軍人達)250人強だった。
それが全滅だ。
1人の女によって。
私は総てを目撃した。
だが、現実かは分からない。
女の剣の一振りだけで、明らかに剣の間合いの外に居た300人強の人間が、次の瞬間には全員輪斬りにされたのだから。
私を除いて。
私だけがその(遠斬り? の)一振りの間合いに居たのに、無事で斬られなかった。
理由は1つ。
「ねえ、アナタ、本当は8歳よね?」
腰を抜かした私にそう質問する為だ。
この闇夜の中、黒尽くめの装束を着てるのに、あれだけの数が居たのに、私を昼間、準決勝で対戦したコスモスだと認識した?
滅茶苦茶だわ、この女。
「聞こえてるかしら、私の言葉? 別にお漏らしした事を恥ずかしがる必要はないわよ。人間、死の恐怖に襲われたら大概そうなるから」
その言葉で、腰を抜かした私は血の海の中で股間を濡らしてる事実に初めて気付いた。
「で、何歳なの?」
「し、し、死ねっ!」
私は何とか手に持つ斧を投げようとしたが、それよりも早くバシュッとの斬撃音を肩口から受け、次の瞬間、鮮血を吹き出しながら絶命し·······
死に際に見るという走馬燈を見た。
昼間、春の乙女祭の準決勝でエニスと戦った時の記憶を。
私が振る怪力任せの摸擬刀の斬撃を軽々といなしながら、
「劇薬系の薬草を服用してこの怪力を一時的に手に入れてるってところかしら? もしかして無理矢理、身体も成長させてる? ボロボロね。持って後10年ってところかしら? ・・・はい、20合目、メンツは保てたでしょ?」
と言われた刹那、側頭部に摸擬刀を叩き付けられて、意識を失った時の記憶を。
あの時はこの女はそんなに強く感じなかった。
今も強いとは感じない・・・・・・
でも負けた・・・・・・
私は傷口から血を噴き出しながら返り血1つ浴びてない綺麗なその女を見ながら絶命した。
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