20 / 26
負け犬達の断末魔
本当は8歳よね?【コスモスside】
しおりを挟む
春の乙女祭が終わった当夜、侯爵様の命令で私達はクワナリス伯爵家の屋敷を襲撃した。
下準備は万全。
戦術系の闇魔法を使用して、夜空を闇で覆い、星明かりもない真っ暗闇の中を襲撃したのだから。
そして、それは起こった。
私の眼前には、剣を片手に1人佇む女が居た。
シースルーの赤のキャミソールと赤パンツとサンダル姿。
その半裸姿の女がつまらなそうに周囲を見下ろしてる。
たった今、自分が斬った屍を。
その数、300チョイ。
全員が、ルーンサード侯爵家が誇る精鋭の暗殺部隊50人と、ルーンサード侯爵家が非正規で雇う協力者達(現役の騎士や冒険者、兵士、それに退役軍人達)250人強だった。
それが全滅だ。
1人の女によって。
私は総てを目撃した。
だが、現実かは分からない。
女の剣の一振りだけで、明らかに剣の間合いの外に居た300人強の人間が、次の瞬間には全員輪斬りにされたのだから。
私を除いて。
私だけがその(遠斬り? の)一振りの間合いに居たのに、無事で斬られなかった。
理由は1つ。
「ねえ、アナタ、本当は8歳よね?」
腰を抜かした私にそう質問する為だ。
この闇夜の中、黒尽くめの装束を着てるのに、あれだけの数が居たのに、私を昼間、準決勝で対戦したコスモスだと認識した?
滅茶苦茶だわ、この女。
「聞こえてるかしら、私の言葉? 別にお漏らしした事を恥ずかしがる必要はないわよ。人間、死の恐怖に襲われたら大概そうなるから」
その言葉で、腰を抜かした私は血の海の中で股間を濡らしてる事実に初めて気付いた。
「で、何歳なの?」
「し、し、死ねっ!」
私は何とか手に持つ斧を投げようとしたが、それよりも早くバシュッとの斬撃音を肩口から受け、次の瞬間、鮮血を吹き出しながら絶命し·······
死に際に見るという走馬燈を見た。
昼間、春の乙女祭の準決勝でエニスと戦った時の記憶を。
私が振る怪力任せの摸擬刀の斬撃を軽々といなしながら、
「劇薬系の薬草を服用してこの怪力を一時的に手に入れてるってところかしら? もしかして無理矢理、身体も成長させてる? ボロボロね。持って後10年ってところかしら? ・・・はい、20合目、メンツは保てたでしょ?」
と言われた刹那、側頭部に摸擬刀を叩き付けられて、意識を失った時の記憶を。
あの時はこの女はそんなに強く感じなかった。
今も強いとは感じない・・・・・・
でも負けた・・・・・・
私は傷口から血を噴き出しながら返り血1つ浴びてない綺麗なその女を見ながら絶命した。
下準備は万全。
戦術系の闇魔法を使用して、夜空を闇で覆い、星明かりもない真っ暗闇の中を襲撃したのだから。
そして、それは起こった。
私の眼前には、剣を片手に1人佇む女が居た。
シースルーの赤のキャミソールと赤パンツとサンダル姿。
その半裸姿の女がつまらなそうに周囲を見下ろしてる。
たった今、自分が斬った屍を。
その数、300チョイ。
全員が、ルーンサード侯爵家が誇る精鋭の暗殺部隊50人と、ルーンサード侯爵家が非正規で雇う協力者達(現役の騎士や冒険者、兵士、それに退役軍人達)250人強だった。
それが全滅だ。
1人の女によって。
私は総てを目撃した。
だが、現実かは分からない。
女の剣の一振りだけで、明らかに剣の間合いの外に居た300人強の人間が、次の瞬間には全員輪斬りにされたのだから。
私を除いて。
私だけがその(遠斬り? の)一振りの間合いに居たのに、無事で斬られなかった。
理由は1つ。
「ねえ、アナタ、本当は8歳よね?」
腰を抜かした私にそう質問する為だ。
この闇夜の中、黒尽くめの装束を着てるのに、あれだけの数が居たのに、私を昼間、準決勝で対戦したコスモスだと認識した?
滅茶苦茶だわ、この女。
「聞こえてるかしら、私の言葉? 別にお漏らしした事を恥ずかしがる必要はないわよ。人間、死の恐怖に襲われたら大概そうなるから」
その言葉で、腰を抜かした私は血の海の中で股間を濡らしてる事実に初めて気付いた。
「で、何歳なの?」
「し、し、死ねっ!」
私は何とか手に持つ斧を投げようとしたが、それよりも早くバシュッとの斬撃音を肩口から受け、次の瞬間、鮮血を吹き出しながら絶命し·······
死に際に見るという走馬燈を見た。
昼間、春の乙女祭の準決勝でエニスと戦った時の記憶を。
私が振る怪力任せの摸擬刀の斬撃を軽々といなしながら、
「劇薬系の薬草を服用してこの怪力を一時的に手に入れてるってところかしら? もしかして無理矢理、身体も成長させてる? ボロボロね。持って後10年ってところかしら? ・・・はい、20合目、メンツは保てたでしょ?」
と言われた刹那、側頭部に摸擬刀を叩き付けられて、意識を失った時の記憶を。
あの時はこの女はそんなに強く感じなかった。
今も強いとは感じない・・・・・・
でも負けた・・・・・・
私は傷口から血を噴き出しながら返り血1つ浴びてない綺麗なその女を見ながら絶命した。
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

王立ミリアリリー女学園〜エニス乙女伝説・傾国騒動編〜
竹井ゴールド
ファンタジー
ミリアリリー王国の王都ラサリリーにある王立ミリアリリー女学園。
昨年度の2月の中旬のお別れ会の舞踏会で能力を覚醒した生徒達。
更には昨年の御前対校戦を見て、入学してきた新入生達がミリアリリー女学園に加わる中・・・
3年生になったエニスの学園生活が始まる。
【2022/12/2、出版申請、12/15、慰めメール】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる