王立ミリアリリー女学園〜エニス乙女伝説・春の乙女祭編〜

竹井ゴールド

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春の乙女祭の優勝者

ゴクゴクゴクッ【コリーユside】

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 我が家、フロディーテ男爵家の起源はエスレバート伯爵家にある。

 エスレバート伯爵家が保有する2つ目の爵位の男爵位を継いで、6代前に独立した分家がフロディーテ男爵家なのだから。

 当初は家名も一緒だったが、さすがに紛らわしいとの事で、フロディーテと家名を変えたのが4代前の事。

 以来、親戚付き合いだ。

 いや、寄り子か、子分の方が正しいかしら?

 フロディーテ男爵家の家業は、エスレバート伯爵家が卸す養殖真珠の王都ラサリリーでの店舗販売なのだから。

 つまり、何が言いたいかと言えば・・・・・・・





 フロディーテ男爵家はエスレバート伯爵家の言いなりだった。





 ◇





「この薬をアナタが懇意にしてるエニスって人に春の乙女祭が始まるまでに飲ませてちょうだい」





 最初は何を言われてるのか分からなかったわ。

 エスレバート伯爵家に呼び出された私が来賓室で、殆ど喋った事もないエスレバート伯爵家の令嬢のダネライトさんにそう言いながら、テーブルの上に小瓶を勧められた時は。

 他にも3人の令嬢が同席してて、





「安心して。死にはしないわ」

「ちょっと眠って貰うだけよ、乙女祭が終わるまで」

「ええ、邪魔だからね」





 笑いながら(いえ、嘲笑かしら)説明されて・・・・・・・

 理解した時には私も笑っちゃったわ。

 私がエニスさんを裏切ると本気で思ってる、この4人のその浅はかさに。

 私のエニスさんへの愛がどれだけ······いえ、やめましょう。

 言ってもこの4人には分からないだろうから。

「眠るだけなのね?」

 小瓶を手に取って質問する私に、

「ええ」

 ダネライトさんが頷いた瞬間、私は栓を抜いて、

「あっ」

「何を・・・」

 と4人が唖然とする中、私は小瓶の中の薬品を・・・





 ゴクゴクゴクッ。





 と一気に全部、飲み干したのだった。

 4人全員が青ざめた顔をする中、私は言ってやったわ。





「眠るだけなのでしょう? そんなに青ざめてどうしたの?」





 次の瞬間、口や喉が焼けて私は卒倒した。
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