ギフト【ズッコケ】の軽剣士は「もうウンザリだ」と追放されるが、実はズッコケる度に幸運が舞い込むギフトだった。一方、敵意を向けた者達は秒で

竹井ゴールド

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世界地図2

トルオン、ペガサスで天使都市に出向く

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 トルオンの年齢は19歳だが、まだ夢は捨てれぬお年頃だった。

 お姫様や人魚と甘い恋をしたり、魔王を倒して英雄と崇められたり。

 お姫様との恋はドラゴニュートの王女姉妹で妻のセレシレル、セレーリュと変則的にではあるが叶ったが、人魚との恋だけはどうしても憧れを捨てれず・・・・・・





 オリハルコンを加工出来るドワーフの鍛冶師に奇異な目を向けられながら、オリハルコン製のノミを作って貰い、レス島に出没する男の人魚ジョーレスに届けに出向くも現れず・・・





 仕方なくトルオンは海上をペガサスで遠駆けしていた。

 どこかに人魚は居ないものかと。

「ヒヒン」

 『いい加減、諦めたらどうだ?』とペガサスがいななく。

 もうこれでジョーレスに会いに行ったのは20回目だからだ。

「なあ、どこかに人魚は居ないものかな?」

「ヒヒン」

 『人魚の街だろ?』とペガサスが嘶く。

「どこだよ、そこ?」

「ヒヒン」

 『知るか』と問答をしながらトルオンは帰っていったのだった。





 そんな鬱積がトルオンの中で溜まった頃、トルオンの中で『人魚がダメなら天使の美女はどうだろう?』という素晴らしい考えに至ってしまった。





 天使の住居はタガリアに聞いて分かってる。

 天使都市ムハだ。

 天使都市ムハは大陸中部の断崖絶壁のトルテシア山脈の山頂に建造された都市らしい。

 近隣をペガサスで通った時、毎回『不気味な雷雲に覆われてるな』くらいの印象しかなかったが、その中にあるらしい。

 断崖絶壁の為、徒歩での登山は不可能。

 地上からなら壁登りや壁歩き。

 グリフォンなどの空路は雷雲からの雷攻撃と都市を守る障壁の結界、これらをクリアしないと到達出来ないらしい。

 まあ、そんな雷雲攻撃などトルオンが乗るペガサスは楽に回避し、結界の障壁も余裕で素通りな訳で、トルオンは余裕で雷雲に隠れた天使都市ムハに到着したが・・・

 無人だった。

 誰1人居ない。

 天使も人も。

「やっぱりか。ここ数百年、天使の目撃情報はないし。タガナを殺せっ指令を受けて出向いて全滅した訳ね」

 と呟いたトルオンは、

(そう考えるとアンドロは貴重だった訳か。別れる前に口説けばよかったな。いや、これは天使に浮気なんかしてはダメだという六柱神様の思し召しに違いない)

 などと都合良く解釈し、ペガサスを降りて転移場所として覚えた後、ペガサスに乗って帰っていったのだった。
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