ギフト【ズッコケ】の軽剣士は「もうウンザリだ」と追放されるが、実はズッコケる度に幸運が舞い込むギフトだった。一方、敵意を向けた者達は秒で

竹井ゴールド

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十二英雄会議

【英雄side】旧友を探して同じ罠でアンデットになる

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 十二英雄会議の開催が決まり、サキタスに開催の情報を伝えに出向いたのは道化レビオだった。

 道化の二つ名だがエルフ族の男だ。

 身長172センチ。銀髪でトンガリ耳。本当は美麗な顔の外見年齢16歳の少年だが、道化の仮面で顔を隠してる。恰好も人間の道化の衣裳だった。

 道化の姿なのはエルフの森から逃亡中だからだ。

 罪状は他種族との道ならぬ恋。

 保守的で古臭いエルフの森の考えに愛想を尽かし、たわむれに他種族の女と遊んだら、命を狙われて逃亡していた。顔を隠すのは追っ手から逃れる為だ。

 500年前、天空神殿への試練には出向いたのは数奇な運命の巡り合わせで、富も財宝も欲しくなかったレビオは自分の前に不老長寿を頼んだサキタスに引きずられて適当に、

「ボクも不老長寿で」

 と頼んで、外見年齢が16歳の容姿が固定されてしまっていた訳だが。





 サキタスのアジトは大陸南部のティシュ王国の辺境に建つ塔だ。

 グリフォンで出向き、勝手知ったる塔内でサキタスの名を呼ぶも返事がない。エルフなので耳がいい。居ない事を悟り、

「また下らない遺跡巡りをしてる訳ね。ホント人間って意味が分からないよな」

 塔の魔法陣から気軽にサキタスを追って古代ルシアナ大墳墓の地下172階層に降り立ったのだった。

 エルフ族なので風精霊でサキタスを捜索するも(アンデットになって階下に進んでて)このフロアには居ない(居ても気付かなかったが)。

「下の階層に潜った訳ね。ったく、面倒臭い」

 レビオは仕方なく次の階層を目指して進み、例の大広間に出た。

 レビオはすぐにサキタス愛用の錫杖が落ちてる事に気付き、

「んん? この錫杖はサキタスの・・・」

 拾おうと駆け寄り、またしても盗掘者を大墳墓の護衛兵に変える魔法陣が発動した。

「えっ? ギュアアアアア」

 レビオも不老長寿だが種族はただのエルフだ。

 無敵ではない。

 蘇生系と身代わり系のマジックアイテムは持ってたが、魔法陣の前には無価値だった

 魔法陣の効果からレビオの血肉の蒸発を防ごうと蘇生用と身代わり系のマジックアイテムが3個とも砕けただけで、結局はアンデットのリッチになったのだから。

 こうしてレビオもアンデットの仲間入りを果たし、倒されるまで遺跡の侵入者退治をする事となったのだが・・・





 英雄2人がリッチとして守備兵となった事で古代ルシアナ大墳墓の地下150階より下の階層はその後、帰還者0人の攻略不可能の迷宮となったのだった。
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