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四半神
【人魚side】秒で同族喰いに喰い殺される
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レス島でトルオンと交流していた男の人魚のジョーレスのキラキラ王子様風だったが、その実、人間に恨みを持つ人魚の集団のリーダーだった。
レス島でトルオンに接触したのはトルオンがペガサスに乗ってた為、『喧嘩を売っても敗北する』と悟った為である。
『殺せないなら利用してやれ』と人間嫌いな事を億尾にも出さずに接触し、色々とトルオンに要求した薬草や回復薬の原料は、実は人間に有害な毒を作る為の物だった。
実際に完成間近のとびきりの毒を製造中だ。
トルオンが人魚の女の紹介を頼んだ時はさすがにキレそうになったが。
この海域では人魚の女は数が少ないし、女の数が少ないのは悪辣極まる陸の男どもに騙されて連れ去られたからなのだから。
なのに『紹介しろ』などと。
笑顔の裏で『毒が完成したら一番に飲ませてやる』と思ってたくらいだ。
そして、今回も毒を作る原料を手に入れて戻ろうとしたら尾行された。
最初は気付かなかったが、人魚にだけ聞こえる超音波で、
『尾行されてるぞ、ジョー』
と遠くから声を掛けられて気付いた。
あの人間が魚に変身して尾行してきたらしい。
馬鹿な奴だ。魚になど変身して弱くなって。更に海の中にまで潜ってくるなんて。
『殺すぞ?』
『ああ、任せた』
との超音波での会話の後、鮫に変身した仲間が人間が変身する魚を襲った。
だが、失敗。
さすがはペガサスに乗る人間。海中に居る仲間を簡単に返り討ちにした。
「クソ、モーガがっ!」
「あの人間めっ!」
死んだモーガの遺体を前に人魚の仲間達が悔しがる中、ジョーレスが、
「大丈夫だ。一族秘伝の復活の薬がある」
「いいのか、使って? 500年前から伝わる最後の薬だろ?」
「構わんさ、モーガの為に使うなら。アジトに戻るぞ」
こうしてジョーレス達は死んだモーガを連れて、海底洞窟のアジトに戻った。
海底洞窟のアジトには空気があり、人工物も置かれてる。
人間を殺す毒の精製場所でもあった。
薬品棚から人魚の秘薬である復活の薬を斬られたモーガの傷口に振り掛ける。
すると死んだモーガの傷が癒え、モーガが眼を開けた。
血走った眼だったのでギョッとしたが、仲間の1人がモーガに近付き、
「おお、良かった、モーガ・・・ギャアアア」
そして、モーガに首を噛まれたのだった。
甘噛みなどではない。肉を喰いちぎる強さだった。
「アアア・・・おまえ、何を?」
噛まれた人魚が悲鳴を上げて首から血を噴き出す中、モーガは口の肉を咀嚼し、更に他の人魚にも噛み付いた。
「グギャアア」
「止めろ、モーガっ! オレ達が分からないのか?」
「おい、止めろ、モーガを・・・ギャアアアア」
人魚達は次々とモーガに噛まれていく。
「どうしてだ? あれは復活の薬のはずだろ」
ジョーレスがアジトの惨状に絶句する。
確かにあの薬は復活の薬だったが、ジョーレスは500年前から口伝でのみ伝わる使用法の『あの復活の薬は地上の者にのみに使用する事。人魚への使用は禁止。復活するが同族喰いになるので』の部分が長い年月で欠落してる事を知らなかったのだ。
その為、失われた口伝通り、死んだモーガは同族喰いとして復活していた。
海底洞窟の空気のあるアジトが浅瀬だった事もあり、人魚達は思うように泳げず、次々とモーガに喰われ、遂にはジョーレスも、
「止めろ、モーガっ! オレ達の敵は人間だろ。誓ったろ、人間を皆殺しにするって・・・ギャアアア」
喰われて絶命し、海底洞窟に居た人間嫌いの人魚集団9人全員がモーガに喰われて全滅したのだった。
そしてモーガはその後、他の人魚を襲うべく海を彷徨うのだが・・・・・・
ジョーレス達が精製していた人間に有害な毒が完成しなかった事だけが唯一の救いとなる結末だった。
レス島でトルオンに接触したのはトルオンがペガサスに乗ってた為、『喧嘩を売っても敗北する』と悟った為である。
『殺せないなら利用してやれ』と人間嫌いな事を億尾にも出さずに接触し、色々とトルオンに要求した薬草や回復薬の原料は、実は人間に有害な毒を作る為の物だった。
実際に完成間近のとびきりの毒を製造中だ。
トルオンが人魚の女の紹介を頼んだ時はさすがにキレそうになったが。
この海域では人魚の女は数が少ないし、女の数が少ないのは悪辣極まる陸の男どもに騙されて連れ去られたからなのだから。
なのに『紹介しろ』などと。
笑顔の裏で『毒が完成したら一番に飲ませてやる』と思ってたくらいだ。
そして、今回も毒を作る原料を手に入れて戻ろうとしたら尾行された。
最初は気付かなかったが、人魚にだけ聞こえる超音波で、
『尾行されてるぞ、ジョー』
と遠くから声を掛けられて気付いた。
あの人間が魚に変身して尾行してきたらしい。
馬鹿な奴だ。魚になど変身して弱くなって。更に海の中にまで潜ってくるなんて。
『殺すぞ?』
『ああ、任せた』
との超音波での会話の後、鮫に変身した仲間が人間が変身する魚を襲った。
だが、失敗。
さすがはペガサスに乗る人間。海中に居る仲間を簡単に返り討ちにした。
「クソ、モーガがっ!」
「あの人間めっ!」
死んだモーガの遺体を前に人魚の仲間達が悔しがる中、ジョーレスが、
「大丈夫だ。一族秘伝の復活の薬がある」
「いいのか、使って? 500年前から伝わる最後の薬だろ?」
「構わんさ、モーガの為に使うなら。アジトに戻るぞ」
こうしてジョーレス達は死んだモーガを連れて、海底洞窟のアジトに戻った。
海底洞窟のアジトには空気があり、人工物も置かれてる。
人間を殺す毒の精製場所でもあった。
薬品棚から人魚の秘薬である復活の薬を斬られたモーガの傷口に振り掛ける。
すると死んだモーガの傷が癒え、モーガが眼を開けた。
血走った眼だったのでギョッとしたが、仲間の1人がモーガに近付き、
「おお、良かった、モーガ・・・ギャアアア」
そして、モーガに首を噛まれたのだった。
甘噛みなどではない。肉を喰いちぎる強さだった。
「アアア・・・おまえ、何を?」
噛まれた人魚が悲鳴を上げて首から血を噴き出す中、モーガは口の肉を咀嚼し、更に他の人魚にも噛み付いた。
「グギャアア」
「止めろ、モーガっ! オレ達が分からないのか?」
「おい、止めろ、モーガを・・・ギャアアアア」
人魚達は次々とモーガに噛まれていく。
「どうしてだ? あれは復活の薬のはずだろ」
ジョーレスがアジトの惨状に絶句する。
確かにあの薬は復活の薬だったが、ジョーレスは500年前から口伝でのみ伝わる使用法の『あの復活の薬は地上の者にのみに使用する事。人魚への使用は禁止。復活するが同族喰いになるので』の部分が長い年月で欠落してる事を知らなかったのだ。
その為、失われた口伝通り、死んだモーガは同族喰いとして復活していた。
海底洞窟の空気のあるアジトが浅瀬だった事もあり、人魚達は思うように泳げず、次々とモーガに喰われ、遂にはジョーレスも、
「止めろ、モーガっ! オレ達の敵は人間だろ。誓ったろ、人間を皆殺しにするって・・・ギャアアア」
喰われて絶命し、海底洞窟に居た人間嫌いの人魚集団9人全員がモーガに喰われて全滅したのだった。
そしてモーガはその後、他の人魚を襲うべく海を彷徨うのだが・・・・・・
ジョーレス達が精製していた人間に有害な毒が完成しなかった事だけが唯一の救いとなる結末だった。
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