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知恵の女神ジュピマーズ
トルオン、決戦でもズッコケる
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トルオンの方は知恵の女神ジュピマーズから与えられた必勝の策通りに行動していた。
300年前に志半ばで秘境で倒れて朽ち果てた勇者のアダマンタイト製の鎧を回収。
補修用のアダマンタイト鉱石の回収。
名工ではなく鬼才と呼ばれる、はぐれドワーフの鍛冶師による鎧の補修依頼。
タガナを仕留める為の双剣の魔剣の回収(場所は南の最果ての噴火口の中の洞窟)。
タガナを仕留める為の魔竜の血の採取(魔竜の住処は南の最果ての別の噴火口。『殺すな』との厳命付き)。
ハイエルフの秘宝の強奪(後で返す予定)。
人魚の秘宝のレンタル(後で返す予定)。
世界樹の雫の精製。
最悪死んだ時用にとある女への血肉の移植と復活秘術の施し。
フェンリルやその他大勢と戦わせる露払いの役との契約。
それらを僅か10日でこなしたトルオンはタガナの拠点のラムネイ氷原の地下遺跡に乗り込んでいた。
長い道程だった。
吟遊詩人に話したら長々と冒険譚を歌ってくれた事だろう。
他にも戦う相手が格上な事もあってトルオンも旅先で知り合った(復活秘術要員を含まず)美女2人と『死ぬかもしれないから』とワンナイトラブを楽しんだ。
ともかく10日後に決戦となった。
向こうも本気だ。
だが、直接は出てこない。
手下を使ってきた。
六柱神から派遣されてきたであろう尖兵の天使どもだった。
10人も居た。男7人、女3人。
例の【魅了】じゃない。頭に黒い棘の輪を巻かれて強制的に従わされていたっぽい。
何百年も従っていたのだろう。
翼はもう真っ黒だった。
堕天使になってる。処罰対象だ。
なので、トルオンはあっさりと堕天使10人を倒し、死に際の消滅間際に正気に戻った10人に『ありがとう』とか礼を言われながら進んだ。
次の敵は異形の怪物だった。タコかイソギンチャクを連想させる。
だが、六柱神や悪の巨神ゾワメード・モカ系の力じゃなかった。
『異界の神の系統の力だ』と四半神のトルオンは悟った。
出し惜しみはナシだ。聖剣ポロロカリバーの遠斬りで撃破しながら進んだ。
そして大広間に出た。
地下遺跡とは思えない大広間だった。
「悪い事は言わないわ。ここで止めなさい。今なら許して上げるから」
もう遊びはナシらしい。
白系の神々しい虎皮を鎧のように纏って完全武装のタガナがトルオンに最終勧告をしてきた。
周囲のフェンリル達は大型サイズで威嚇してくる。
(アダマンタイト製の金属鎧よりもあっちの鎧の方が強そうだな)
そう思いながら、トルオンが、
「『他世界に向かわない』って事か?」
「向かうに決まってるでしょうが」
「なら、ダメだな」
「あっそ、なら死になさいっ!」
「ないわ。そのセリフは」
とか言いながら、最終決戦が始まった。
トルオンが用意した対フェンリルに契約したのはフェニックス2頭だった。
2頭とも変異種で青色だったけどね。
知恵の女神ジュピマーズの仲介なので1回限りの召喚に応じていた。
「フェンリルどもを頼む。タガナはオレがやるっ!」
との言葉で突進した。
タガナも虎人族の半神半人だけあって【神速】だった。
「おまえだけは絶対に許さないからなっ!」
武器なんか信用してないのか爪で攻撃してくる。
「はあ? 氷ゴーレムなんかに見え透いた追われ方をしてナンパしてきた女が何言ってやがるっ!」
トルオンも魔剣に魔竜の血を垂らした双剣で斬りかかった。
2人の戦いは激戦で、半神と四半神らしい秘儀の連続だった。
100人分身や双剣による神速1200回斬り。
屋内なのに神聖属性を帯びた神代氷魔法と神聖属性の神代光魔法の撃ち合い。
タガナが片腕を斬られても瞬時に再生させ、
(はあ? 何だよ、それ? 魔竜の血を垂らした魔剣でちゃんと斬ったろうがっ!)
と呆れたトルオンの頬に爪がカスって2本の横傷が入る。
僅か1分間の激闘で200合は戦った。
(拙い)
そう思ったのはトルオンの方だった。
(エルフの秘宝と人魚の秘宝でレベルと能力値の底上げをしても、やっぱりレベルが違い過ぎる。1600年生きて、聖獣を喰らって、六柱神をこの世界から締め出すような半神だぞ。普通に考えて四半神になりたてのオレがそんな奴に勝てる訳がないだろっ! 知恵の女神ジュピマーズ様の口車に乗ったオレがバカだったっ!)
とトルオンが思った時だった。
双剣の2本ともを外側に弾かれて、ガラ空きになったトルオンの首に、
「死ねっ!」
勝ちを確信したタガナが爪を繰り出す。
爪が首に迫り『死んだ』と直感したトルオンは、
「のわっとっ!」
ズルッとズッコケた。
300年前に志半ばで秘境で倒れて朽ち果てた勇者のアダマンタイト製の鎧を回収。
補修用のアダマンタイト鉱石の回収。
名工ではなく鬼才と呼ばれる、はぐれドワーフの鍛冶師による鎧の補修依頼。
タガナを仕留める為の双剣の魔剣の回収(場所は南の最果ての噴火口の中の洞窟)。
タガナを仕留める為の魔竜の血の採取(魔竜の住処は南の最果ての別の噴火口。『殺すな』との厳命付き)。
ハイエルフの秘宝の強奪(後で返す予定)。
人魚の秘宝のレンタル(後で返す予定)。
世界樹の雫の精製。
最悪死んだ時用にとある女への血肉の移植と復活秘術の施し。
フェンリルやその他大勢と戦わせる露払いの役との契約。
それらを僅か10日でこなしたトルオンはタガナの拠点のラムネイ氷原の地下遺跡に乗り込んでいた。
長い道程だった。
吟遊詩人に話したら長々と冒険譚を歌ってくれた事だろう。
他にも戦う相手が格上な事もあってトルオンも旅先で知り合った(復活秘術要員を含まず)美女2人と『死ぬかもしれないから』とワンナイトラブを楽しんだ。
ともかく10日後に決戦となった。
向こうも本気だ。
だが、直接は出てこない。
手下を使ってきた。
六柱神から派遣されてきたであろう尖兵の天使どもだった。
10人も居た。男7人、女3人。
例の【魅了】じゃない。頭に黒い棘の輪を巻かれて強制的に従わされていたっぽい。
何百年も従っていたのだろう。
翼はもう真っ黒だった。
堕天使になってる。処罰対象だ。
なので、トルオンはあっさりと堕天使10人を倒し、死に際の消滅間際に正気に戻った10人に『ありがとう』とか礼を言われながら進んだ。
次の敵は異形の怪物だった。タコかイソギンチャクを連想させる。
だが、六柱神や悪の巨神ゾワメード・モカ系の力じゃなかった。
『異界の神の系統の力だ』と四半神のトルオンは悟った。
出し惜しみはナシだ。聖剣ポロロカリバーの遠斬りで撃破しながら進んだ。
そして大広間に出た。
地下遺跡とは思えない大広間だった。
「悪い事は言わないわ。ここで止めなさい。今なら許して上げるから」
もう遊びはナシらしい。
白系の神々しい虎皮を鎧のように纏って完全武装のタガナがトルオンに最終勧告をしてきた。
周囲のフェンリル達は大型サイズで威嚇してくる。
(アダマンタイト製の金属鎧よりもあっちの鎧の方が強そうだな)
そう思いながら、トルオンが、
「『他世界に向かわない』って事か?」
「向かうに決まってるでしょうが」
「なら、ダメだな」
「あっそ、なら死になさいっ!」
「ないわ。そのセリフは」
とか言いながら、最終決戦が始まった。
トルオンが用意した対フェンリルに契約したのはフェニックス2頭だった。
2頭とも変異種で青色だったけどね。
知恵の女神ジュピマーズの仲介なので1回限りの召喚に応じていた。
「フェンリルどもを頼む。タガナはオレがやるっ!」
との言葉で突進した。
タガナも虎人族の半神半人だけあって【神速】だった。
「おまえだけは絶対に許さないからなっ!」
武器なんか信用してないのか爪で攻撃してくる。
「はあ? 氷ゴーレムなんかに見え透いた追われ方をしてナンパしてきた女が何言ってやがるっ!」
トルオンも魔剣に魔竜の血を垂らした双剣で斬りかかった。
2人の戦いは激戦で、半神と四半神らしい秘儀の連続だった。
100人分身や双剣による神速1200回斬り。
屋内なのに神聖属性を帯びた神代氷魔法と神聖属性の神代光魔法の撃ち合い。
タガナが片腕を斬られても瞬時に再生させ、
(はあ? 何だよ、それ? 魔竜の血を垂らした魔剣でちゃんと斬ったろうがっ!)
と呆れたトルオンの頬に爪がカスって2本の横傷が入る。
僅か1分間の激闘で200合は戦った。
(拙い)
そう思ったのはトルオンの方だった。
(エルフの秘宝と人魚の秘宝でレベルと能力値の底上げをしても、やっぱりレベルが違い過ぎる。1600年生きて、聖獣を喰らって、六柱神をこの世界から締め出すような半神だぞ。普通に考えて四半神になりたてのオレがそんな奴に勝てる訳がないだろっ! 知恵の女神ジュピマーズ様の口車に乗ったオレがバカだったっ!)
とトルオンが思った時だった。
双剣の2本ともを外側に弾かれて、ガラ空きになったトルオンの首に、
「死ねっ!」
勝ちを確信したタガナが爪を繰り出す。
爪が首に迫り『死んだ』と直感したトルオンは、
「のわっとっ!」
ズルッとズッコケた。
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