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ペガサス騎士トルオン
【聖王side】秒で病を患う
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西の果ての大国、ゼッタリア聖王国の聖王宮は慌ただしかった。
騎士や魔術師達が走り回ってる。
この日は男の癖にペガサスに駆り、聖剣を所有するトルオンという男の訪問が予定されていたのだが・・・・・・
それだけで、ここまで慌ただしいのではない。
聖王アレキトロスⅢ世によってペガサスの捕獲命令が出てて、それで慌ただしかった。
ペガサスは聖獣だ。
騎乗は選ばれし清らかな乙女に限るが、マジックアイテムでペガサスを従えさせたという文献がゼッタリア聖王国には残っていたのだ。
そんな事は不可能だと思われたが、現にトルオンという男がやっている。
ならば話は簡単だ。トルオンを捕縛して、やり方を聞き出せばいいだけなのだから。
トルオンはゼッタリア聖王国を救った英雄だが、同時にペガサスを無理矢理縛り付けてる大罪人でもあった。
なので罪状もバッチリだ。
聖王アレキトロスⅢ世は善人な外見とは裏腹に、実は結構な腹黒だったのだ。
初見どころか長年面識があっても見抜けぬ程だが。
そんな訳で睡眠薬、大広間に魔法陣、ペガサスが乗り付ける聖王宮の前の広場にも魔法陣、等々の罠が急ピッチで用意され、後は約束のこの日にトルオンが来るのを待つばかりだったのだが・・・・・・
約束のこの日、夕方になってもトルオンは現れなかった。
危険を察した?
それとも日数を次の日から10日間だと勘違いした?
ともかく翌日もトルオンの到着を待った。
だが来なかった。
3日目もだ。
4日目も。
『もうトルオンは現れない』と聖王アレキトロスⅢ世以下ゼッタリア王国の聖王宮の者達は理解した。
何故、約束したのに現れないのか?
決まってる。
ゼッタリア聖王国の亡国の危機に駆け付けて助けたのに、害意を持って報おうとした恩知らずだからだ。
そんな奴にわざわざ会いに来るお人好しはいない。
心ある者達全員がトルオンに見捨てられた事を理解し、命令を出した聖王アレキトロスⅢ世が間違ってた事を知ったのだった。
そして、トルオンが現れなかった約束の日から僅か8日でクーデターが勃発した。
聖王アレキトロスⅢ世の愛娘で姫騎士のアレキレーネが親衛隊のみで聖王宮内で電光石火の蜂起を決行したのだ。
「陛下、アナタはペガサス様に害をなそうとしましたっ! そのような背教徒を聖王に戴く事は出来ませんっ! この場で退位していただきますっ!」
そう吠えたのは、遅くに出来た王女でまだ18歳のアレキレーネだった。
身長は168センチ。長い銀髪で眉目が美しいキラキラなお姫様が、同じくキラキラな鎧を纏い、抜刀した剣を父王に向けていた。
「アレキレーネ、血迷ったかっ! ワシは死んでも退位などせぬぞっ!」
「退位をせぬのであれば仕方ありません。飲ませよ」
親衛隊が聖王アレキトロスⅢ世を押さえ付け、薬の入った杯を近付ける。
「それはっ! ・・・の、飲まぬぞ、ワシはっ! このような簒奪、絶対に認めぬっ! 我こそがゼッタリア聖王国の正統なる・・・・・・ゴクゴクゴクッ」
薬を飲んだアレキトロスⅢ世は死ななかった。
毒ではない。
ただの麻酔薬だ。
思考を奪われてボケるだけの。
こうして聖王アレキトロスⅢ世は病により、政務が不可能となり・・・
王女アレキレーネが執政となり、ゼッタリア聖王国を牛耳ったのだった。
因みにトルオンが約束の日に現れなったのは、御存知、新たな恋人セレシレルと燃え上がったからだった。
騎士や魔術師達が走り回ってる。
この日は男の癖にペガサスに駆り、聖剣を所有するトルオンという男の訪問が予定されていたのだが・・・・・・
それだけで、ここまで慌ただしいのではない。
聖王アレキトロスⅢ世によってペガサスの捕獲命令が出てて、それで慌ただしかった。
ペガサスは聖獣だ。
騎乗は選ばれし清らかな乙女に限るが、マジックアイテムでペガサスを従えさせたという文献がゼッタリア聖王国には残っていたのだ。
そんな事は不可能だと思われたが、現にトルオンという男がやっている。
ならば話は簡単だ。トルオンを捕縛して、やり方を聞き出せばいいだけなのだから。
トルオンはゼッタリア聖王国を救った英雄だが、同時にペガサスを無理矢理縛り付けてる大罪人でもあった。
なので罪状もバッチリだ。
聖王アレキトロスⅢ世は善人な外見とは裏腹に、実は結構な腹黒だったのだ。
初見どころか長年面識があっても見抜けぬ程だが。
そんな訳で睡眠薬、大広間に魔法陣、ペガサスが乗り付ける聖王宮の前の広場にも魔法陣、等々の罠が急ピッチで用意され、後は約束のこの日にトルオンが来るのを待つばかりだったのだが・・・・・・
約束のこの日、夕方になってもトルオンは現れなかった。
危険を察した?
それとも日数を次の日から10日間だと勘違いした?
ともかく翌日もトルオンの到着を待った。
だが来なかった。
3日目もだ。
4日目も。
『もうトルオンは現れない』と聖王アレキトロスⅢ世以下ゼッタリア王国の聖王宮の者達は理解した。
何故、約束したのに現れないのか?
決まってる。
ゼッタリア聖王国の亡国の危機に駆け付けて助けたのに、害意を持って報おうとした恩知らずだからだ。
そんな奴にわざわざ会いに来るお人好しはいない。
心ある者達全員がトルオンに見捨てられた事を理解し、命令を出した聖王アレキトロスⅢ世が間違ってた事を知ったのだった。
そして、トルオンが現れなかった約束の日から僅か8日でクーデターが勃発した。
聖王アレキトロスⅢ世の愛娘で姫騎士のアレキレーネが親衛隊のみで聖王宮内で電光石火の蜂起を決行したのだ。
「陛下、アナタはペガサス様に害をなそうとしましたっ! そのような背教徒を聖王に戴く事は出来ませんっ! この場で退位していただきますっ!」
そう吠えたのは、遅くに出来た王女でまだ18歳のアレキレーネだった。
身長は168センチ。長い銀髪で眉目が美しいキラキラなお姫様が、同じくキラキラな鎧を纏い、抜刀した剣を父王に向けていた。
「アレキレーネ、血迷ったかっ! ワシは死んでも退位などせぬぞっ!」
「退位をせぬのであれば仕方ありません。飲ませよ」
親衛隊が聖王アレキトロスⅢ世を押さえ付け、薬の入った杯を近付ける。
「それはっ! ・・・の、飲まぬぞ、ワシはっ! このような簒奪、絶対に認めぬっ! 我こそがゼッタリア聖王国の正統なる・・・・・・ゴクゴクゴクッ」
薬を飲んだアレキトロスⅢ世は死ななかった。
毒ではない。
ただの麻酔薬だ。
思考を奪われてボケるだけの。
こうして聖王アレキトロスⅢ世は病により、政務が不可能となり・・・
王女アレキレーネが執政となり、ゼッタリア聖王国を牛耳ったのだった。
因みにトルオンが約束の日に現れなったのは、御存知、新たな恋人セレシレルと燃え上がったからだった。
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