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追放、特訓
トルオン、道場を後にして冒険者活動を再開する
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騎士学校の受験があった日の夜、アレックスがトルオンに、
「これからどうする?」
「冒険者でもやります」
「それがいいだろう。今のおまえはもう充分強いからな。ランクAの魔物くらいなら余裕だろう」
「これまでお世話になりました、師匠」
「ああ。頑張ってな」
と弟子の門出を認めたアレックスが真面目な顔でトルオンに、
「トルオン、おまえ、自分のギフトの事、どこまで知ってる?」
「【ズッコケ】たらいい事があるくらいですかね」
「具体的にはどう認識してる?」
「【幸運】や【危険回避】ですかね」
「【幸運】や【危険回避】どころか【運命改変】だ」
「何ですか、それ?」
「ズッコケる度に【運命】が良くなってるって事だよ。例えばだな・・・」
アレックスはその後、【ズッコケ】のギフトの能力の真髄を教えたのだった。
10ヶ月前、トルオンと別れたゴル達がすぐにブルードラゴンと遭遇して全滅したのも【運命改変】の【ズッコケ】を持つトルオンを追放したからだ。
トルオンが居れば、盾戦士ゴルの【大物喰い】も、女魔術師タルシアの【魔神】も、銀髪エルフのリードレットの精霊王も、封じて、ブルードラゴンを呼び寄せる事態にはならなかったはずなのだから。
「師匠はどうしてオレのギフトの事を知ってるんですか?」
「同じギフトを持ってた奴を知ってるからさ。後、そのギフトの事、余り吹聴しない方がいいぞ。普段は【不運】系の【転倒】とでも言っておけ」
「ええぇ~。不運系なんて言ったら仲間になってくれる奴が居なくなると思うんですけど?」
「その程度で敬遠するような奴は仲間になってもすぐに裏切るさ」
と深いようで浅い事をアレックスに言われたトルオンは、
「なるほど」
と感銘を受けたのだった。
そして翌朝にはトルオンは10ヶ月間お世話になったアスレス流剣技道場から、
「それじゃあ、師匠、行ってきます」
「ああ、行ってこい」
と旅立ったのだった。
王都ベードリッヒの乗合客車の停留所でトルオンは剣ベルトから外した鞘に収まったままの剣を石畳の地面に立てた。
そして倒れた方角で行き先を決めて、その方面に向かう乗合客車に乗ったのだった。
「これからどうする?」
「冒険者でもやります」
「それがいいだろう。今のおまえはもう充分強いからな。ランクAの魔物くらいなら余裕だろう」
「これまでお世話になりました、師匠」
「ああ。頑張ってな」
と弟子の門出を認めたアレックスが真面目な顔でトルオンに、
「トルオン、おまえ、自分のギフトの事、どこまで知ってる?」
「【ズッコケ】たらいい事があるくらいですかね」
「具体的にはどう認識してる?」
「【幸運】や【危険回避】ですかね」
「【幸運】や【危険回避】どころか【運命改変】だ」
「何ですか、それ?」
「ズッコケる度に【運命】が良くなってるって事だよ。例えばだな・・・」
アレックスはその後、【ズッコケ】のギフトの能力の真髄を教えたのだった。
10ヶ月前、トルオンと別れたゴル達がすぐにブルードラゴンと遭遇して全滅したのも【運命改変】の【ズッコケ】を持つトルオンを追放したからだ。
トルオンが居れば、盾戦士ゴルの【大物喰い】も、女魔術師タルシアの【魔神】も、銀髪エルフのリードレットの精霊王も、封じて、ブルードラゴンを呼び寄せる事態にはならなかったはずなのだから。
「師匠はどうしてオレのギフトの事を知ってるんですか?」
「同じギフトを持ってた奴を知ってるからさ。後、そのギフトの事、余り吹聴しない方がいいぞ。普段は【不運】系の【転倒】とでも言っておけ」
「ええぇ~。不運系なんて言ったら仲間になってくれる奴が居なくなると思うんですけど?」
「その程度で敬遠するような奴は仲間になってもすぐに裏切るさ」
と深いようで浅い事をアレックスに言われたトルオンは、
「なるほど」
と感銘を受けたのだった。
そして翌朝にはトルオンは10ヶ月間お世話になったアスレス流剣技道場から、
「それじゃあ、師匠、行ってきます」
「ああ、行ってこい」
と旅立ったのだった。
王都ベードリッヒの乗合客車の停留所でトルオンは剣ベルトから外した鞘に収まったままの剣を石畳の地面に立てた。
そして倒れた方角で行き先を決めて、その方面に向かう乗合客車に乗ったのだった。
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