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4、【無詠唱】とギフトの攻撃転用

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 マークの笑いが響く中、

「【沈黙】っ!」

 ナーダが沈黙魔法を使った。

 沈黙魔法の対象はマークだったので、マークの笑い声が掻き消える中、

「呪文が唱えられなきゃあ、そのふざけたギフトも使えないんでしょっ! 【炎渦陣】っ!」

 続けて攻撃魔法を使った。

 マークの足元から炎が噴き出して渦を巻いてマークを飲み込む。

 マークは炎の中で全身黒焦げになったが、次の瞬間、





「ギャアアアアアアア」





 と悲鳴を上げて黒焦げになったのは両腕を失ったバッカスだった。

「えっ? どうして?」

 炎が収まったマークを見れば、

「チッ! マジかよ。服が燃えて裸だなんて・・・」

 沈黙魔法が解けたのか、服が燃えて裸のマークが文句を言ってたが、裸のマークの身体には火傷やけど1つなかった。

 髪も全く燃えていない。

「気は済んだか、バッカス殺しの露出狂?」

「・・・沈黙魔法を使ったのに・・・どうやって?」

「想像力がない女だな、おまえは。【無詠唱】だよ、おバカさん」

 マークはぬけぬけと言った。

「ついでに言えば、こんな事も出来るんだぜ」

 笑ったマークが森の中の若木の枝をポキッと折ってから、

「痛いの痛いの飛んでいけぇ~」

 と呪文を詠唱すると、





「ギャアアアア」





 ナーダが悲鳴を上げた。

 激痛がする自分の右腕を見ると、腕が変な方向に曲がってる。

「・・・まさか・・・・・・」

「御明察。枝でこれなら胴体部分の若木をボキッと折ったら・・・」

 裸のマークが若木の胴体を折ろうとした。

 何をするかは明白だったので、

「させるかっ! 【風刃陣】っ!」

 ナーダが攻撃魔法を唱えた。

 10本以上の風の刃でマークの身体を切り刻む。

 だが、次の瞬間、





「ギャアアアアアアア」





 無数の傷からブッシューッと血を噴いて悲鳴を上げたのはナーダの方だった。

 自分の攻撃魔法のダメージで絶命したナーダが大地に倒れる中、マークがつまらなそうに聖女のカサブランカに視線を向けた。

「お友達が全員死んで残り1人になったな、腹黒聖女様?」

「誰が腹黒よ。この事は教会に報告させて貰うから覚悟なさい」

「あれ、気付いてないのか?」

「何がよ?」

「この若木、ナーダの攻撃魔法で3箇所も幹が折れてるだろ?」

「ま、まさか・・・」

「さようなら、腹黒・・・」

 とマークが言おうとした瞬間だった。

 聖女のカサブランカは『消えた』と錯覚する程のスピード、時間にしてコンマ1秒でマークの前へと移動し・・・

 そして素手でマークの首を刎ねたのだった。





「えっ?」





 首を落として、頭部を無くして大量の血を噴く立ったままのマークの胴体を見ながら、





「直接、私の手をわずらわせた事、誇っていいわよ」





 そうカサブランカは冷たく笑ったのだった。
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