王立ミリアリリー女学園〜エニス乙女伝説・都内校交流戦編〜

竹井ゴールド

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優勝したのは

全部は食べれないわよ【マルチールside】

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 私は初日から闘技場にエニスさんの応援に駆けつけていた。

 都内校交流戦の時はミリアリリー女学園は休みで、自由参加で応援に来れるから。

 もちろん、エニスさんに食べて貰おうと初日からお弁当を作ってきたのだけど・・・





 予選の1日目はエニスさんは出番を終えるときっさと帰っていった。

 予選の2日目は合流出来ず。

 エニスさんが向こう側の応援席に居たのは見えたんだけど。

 闘技場の売り子が売ってたホットドックを食べられてたから。

 そんなの食べるなら、私の愛情たっぷりのお弁当を食べて下さい、エニスさん。

 本戦の3日目は、にっくきエニスさんの2人目の妹のアテニナがメイドを連れて登場してエニスさんと一緒にお昼を食べていた。





 そして最終日。

 今日もダメかと思ったけど、エニスさんは優しいから・・・・・・





「居た居た」

 と訓練着姿のエニスさんが私達が居る応援席にやってきてくれて、

「応援ありがとね、みんな」

「いえ、午後からもエニスさんの応援を・・・」

 私の声など周囲に居るエニスさんファンの生徒達の、

「エニスさん、今日も頑張って下さいね」

「絶対優勝です」

「・・・お弁当作ってきたので良かったら食べて下さい」

「あっ、エニスさま、私も」

「エニスさん、頑張ってね」

「エニスさま」

 との声に掻き消えた。

 もう。みんなの気持ちは分かるけど、ここは1人ずつでしょ。

 エニスさんが、

「えっ、お弁当があるの? じゃあ、お呼ばれしようかしら」

 と言ったので私は一番にエニスさんに、

「どうぞ、エニスさん」

 出したのだけど、エニスさんが苦笑してて、

「ええっと、さすがに全部は食べれないわよ」

 その言葉で私が周囲を見渡したら、ミリアリリー女学園のエニスさんの親衛隊の15人以上がお弁当を出していた。

 結局は協議の結果、全員のを一口ずつエニスさんが食べてくれた。

 もう最高だから。

 私はカツサンドを1つ食べて貰ったわ。

 コリーユさんはお手製の蜂蜜レモン水(このチョイスは侮れないわ)。

 ロマニボアさんはチキンのから揚げ。

 ナトナさんはサラダサンド一切れ。

 じゃない方のエニスさんはアスパラのベーコン巻き。

 ルルテルはお手製パン。

 ゾテーリアは気合の入ったグラタン(陶器で持って来てるから)。

 といった具合に。

「どれも美味しかったわ。ありがとね。午後からも頑張るから」

 食べ終えたエニスさんはそう笑顔で選手の控え室に戻っていかれたわ。





「合流して貰えて良かったわね。お弁当も食べて貰えたし」

 とコリーユさんが言う中、私は、

「ええ。エニスさんの勇姿を見られるだけでも素晴らしい事だけど、お弁当まで食べて貰えたから」

「・・・セーラさんは一緒じゃなかったわね。大丈夫かしら? 元々、ミリアリリー女学園でのクラスの実力だって中の上なのに代表選手に選ばれて」

「そうね。完全にエニスさん達の足を引っ張ってるし。エニスさんと一緒に戦いたいのは分かるけど」

 なんて話したのだった。
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