王立ミリアリリー女学園〜エニス乙女伝説・都内校交流戦編〜

竹井ゴールド

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予選が始まる

期待してるわよ【マリンピーチside】

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 都内校交流戦の女子の部の2日目が始まった。

 私達のグループKの次の対戦相手はイートム校だった。

「イートム校は下町の共学の学校よ。初歩とはいえ、魔法も教えてるわ」

 引率のスプラ先生が説明してくれた。

 因みに、イートム校は昨日の間に、私達が勝ったカルテース女子校と対戦して敗北してる。

「それじゃあ、頑張りましょうか」

 昨日のやる気の無さはどこへやら、今日は大将のエニスさんが御機械で、そう選抜選手の士気を高めた。

「どうしたの、エニスさん? 何かいい事でもあったの?」

 セーラさんが質問すると、

「いえ、昨日が特別にやる気がなかっただけよ。悪い事が起こりそうだったから」

 と答えたエニスさんが、

「今日も頑張るわよ。狙うは優勝だからね、みんな」

 と士気を高めて望んだのだった。





 まあ、対戦校が弱かったので5戦全勝で本戦トーナメントの出場権を勝ち取ったけど。





 観客席にはミリアリリー女学園の生徒の応援もあった。

 昨日も居たけど、これだけ参加校の応援が多いと、席が空いておらず合流も出来ない。

「今日も帰るの、エニスさん?」

 とのスプラ先生の質問に、エニスさんが、

「まさか。ちゃんと見て行きますよ、スプラ先生。団体行動は社会の常識ですから」

「昨日帰っておいて、どの口で言ってるのよ」

 とセーラさんがツッコんでいた。





 ミリアリリー女学園の応援生徒達とは合流出来ず、闘技場の観客席で選手だけで固まって見てたけど、別に場外乱闘のイザコザなんてのはなかった。

 開会式で騎士団長が挨拶した事からも分かるように、この都内校交流戦は騎士団が主催なので。

 そんな事をすれば、最悪、逮捕もあり得る。

 ましてやミリアリリー女学園はお嬢様学校の側面もあり、揉めたら不公平裁定がある事も周囲は理解してるので、ちょっかいを掛けてくる事はなかった。

 私はエニスさんの横に座る事となり、

「どうだった、マリンピーチさんの目から見て優勝候補の2校は?」

「強かったわ」

「副将戦、勝てそう?」

「私の継承能力が決まれば勝算はあるかもしれないけど、なしじゃ無理っぽいわね」

「期待してるわよ」

「プレッシャーを掛けないでよね」

 と喋りながら観戦した。





 トーナメント戦に勝ち上がった学校は抽選を引く事はない。

 グループKはグループAの2位抜けと戦う事が決まってるのだから。





 そんな訳で、グループAの試合を見てたんだけど。

 グループAというのは都内校交流戦の前年の優勝校の特等席で、去年の覇者のラサリリー騎士女学園が入ってるグループだ。

 当然、ミリアリリー女学園と早く当たりたいから2位通過なんてセコイ真似、前年の優勝校はしない。

 ラサリリー騎士女学園はちゃんと1位通過していた。

 問題はグループAの2位だ。

 グループAは意外と死のグループで、勝ち上がってきたのは大物貴族が出資するリオネスタ第2女子校だった。
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